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遺伝子検査でがんリスクを知り、健康な未来へ|遺伝性がん遺伝子検査(153遺伝子)

遺伝子検査でがんリスクを知り、健康な未来へ|遺伝性がん遺伝子検査(153遺伝子)

がん家系|がんの罹りやすさとは

がん家系|がんの罹りやすさとは

遺伝的要因により、がんに罹りやすい体質のことを、医学的には「がんの易罹患性」といいます。がんの易罹患性は、一般集団と比較した場合、がん発症リスクが増加していることを意味します。

個人によっては、例えば、人口リスクの2~10倍と相対的なリスクが著しく高くなっていても、そのがんの全体的なリスクが例えば年間の新規発生が人口10万人あたり1人などと比較的低い場合もあります。逆に、例えば、90%の確率で女性にとって最も多い乳がんを発症するなどと言う風に、家族歴が強くてリスクが非常に高い場合もあります。

重要なことは、がん感受性遺伝子の変異を持つすべての人は、がんに罹患しているわけではなく、がんを発症する素因を持っているということです。がん遺伝子パネル検査を行い、ご自身がどんな体質であることを知り、その上で生活習慣の見直しや健康への対策を行うことで、より豊かな生活が得られるのではないかと考えております。

遺伝性がん症候群とは?

遺伝性がん症候群とは?

「遺伝性がん症候群」とは、家族性がん症候群とも呼ばれ、特定の種類のがんのリスクが通常よりも高くなる疾患のことです。遺伝性疾患の一種であり、親から子へ受け継がれる、特定の遺伝子の変異によって引き起こされることが分かっています。

遺伝性がん症候群では、家族内で特定のパターンで、がんが発症することがあります。たとえば、同じ種類のがんに罹患した血縁者が何人もいる、平均より若くして特定のがんを発症する、同一の人が2種類以上のがんを同時または異時発症する、などのパターンが含まれます。
遺伝性がん症候群の例としては以下などがあり、家族性がん症候群とも呼ばれます。

  • 遺伝性乳がん
  • 卵巣がん症候群
  • Li-Fraumeni症候群
  • Cowden症候群
  • Lynch症候群

総合がん遺伝子検査パネルは遺伝性がん症候群の原因となることが判明している153の遺伝子を一気に調べることができるのが特徴です。

ミネルバクリニックの包括的がん遺伝子パネル検査の特徴

ミネルバクリニックの包括的がん遺伝子パネル検査の特徴

「包括的がん遺伝子パネル検査」とは、現在がんに関係がみられると報告されている遺伝子に異常があるかどうかを、一気に調べられる検査方法を言います。
従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました、もちろん、検査のたびに数万円~20万円の料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、がんに関連する遺伝子を一気に調べられる「包括的がん遺伝子パネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で遺伝性乳がん・卵巣がんのBRCA1/2遺伝子を検査する場合、通常25万円、迅速検査で30万円程度かかります。BRCA1/2遺伝子の保険診療償還費用も23万円程度となっています。また、大学病院などで行えるがん遺伝子検査パネルでは、70万円近く費用がかかります。

当院では、検体を海外の機関で検査しますので、がんに関係するとされる153の遺伝子を一度に調べられる「包括的がん遺伝子パネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)
検体の提出先はアメリカの臨床検査機関です。アメリカは日本と異なりCLIA認証を必ず受け、精度管理が厳しく行われています。我が国はこのあたりの法整備が遅れています。

2.結果が出るまでがはやい

2.結果が出るまではやい

一般的な医療機関で行える、遺伝性乳がん・卵巣がんのBRCA1/2遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常2~3週間かかり、迅速の場合は7日程度短縮されます。ただ、BRCA1/2遺伝の病的変異検出は3割程度で、他の遺伝子の変異については分かりません。乳の術式を決めるのにBRCA1/2遺伝子検査を出さないといけないので,陰性の場合はそれ以上の検査をお望みの場合は2回遺伝子検査を受けることになります。
しかし、当院で行う「包括的がん遺伝子パネル検査」の場合、がんに関係する153の遺伝子を、1~2週間程度で一度に調べることが可能で、また、国内のBRCA1/2遺伝子のみの検査に比べて5-10万円程度お安くなっています。

3.一気にまとめてできる

3.一気にまとめてできる

家族歴の濃さから、例えば遺伝性乳がん・卵巣がんを疑ってBRCA1/2遺伝子検査を行っても、病的変異が見つかるのは30%程度とされています。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは全然分かりません。
当院で行う「包括的がん遺伝子パネル検査」ならば、現在がんに関係すると報告されている153の遺伝子を網羅的に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 3万円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

検査内容

「包括的がん遺伝子パネル検査」では、遺伝性がん症候群に関係するとされる153種類の遺伝子をまとめて検査します。このパネルでは、がんリスクが高めると十分に確立された遺伝子はもちろん、最近発見されたばかりの遺伝子、追加研究が必要とされている候補遺伝子も含まれています。

「包括的がん遺伝子パネル検査」は、がん感受性遺伝子をお持ちの方を見つける可能性を最大限に高められると同時に、候補遺伝子の包括的なレビューを提供し、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

検査をおすすめする方

【遺伝性がん症候群を示唆する、個人歴または家族歴のある成人の方】に
「包括的がん遺伝子パネル検査」を受けることをおすすめします。
遺伝性がん症候群に関係する危険因子として下記などがあげられます。
・50歳以前のがん発症
・1人の患者における複数の原発がん
・および家族内で複数のがん罹患者がいる

臨床歴や家族歴を考慮し危険因子が多く存在する場合は、一部の小児についてもパネル検査は有用だと考えられます。

「包括的がん遺伝子パネル検査」は、生殖細胞系列病的遺伝子変異を有する個体を検出できるように設計されており、20%以下のモザイク現象を検出するための妥当性は確認されていません。また、腫瘍組織で検査すべきではありません。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

検査で得られる患者さんの潜在的利益

遺伝的にがんの易罹患性が認められた患者さんは、サーベイランスおよびがんリスクをより適切に管理するための予防的ステップの増加から便益を得ることができます。関与する特定の遺伝子を知ることが医学的管理の指針となり,不必要な追跡調査を避けることができると考えられます。候補遺伝子検査から得られた情報は,将来の臨床管理の指針として役立つ可能性があります。

また、患者さんの家族を検査することで、そのリスクを明らかにすることも可能なので、がん患者さんのご家族が抱えている遺伝子的リスクを知ろうとするきっかけにもなります。
患者さんで病原性変異が同定された場合、近親者(両親・兄弟姉妹・子ども)のリスクも50%と高くなります。
場合によっては小児期にスクリーニングを開始することが好ましくなります。

対象遺伝子

詳しくはこちら
ABRAXAS1, AIP, AKT1, ALK, APC, ATM, ATR, AXIN2, BAP1, BARD1, BLM, BMPR1A, BRCA1, BRCA2, BRIP1, BUB1B, CASR, CDC73, CDH1, CDK4, CDKN1B, CDKN1C, CDKN2A, CEBPA, CEP57, CHEK2, CTC1, CTNNA1, CTRC, CYLD, DDB2, DDX41, DICER1, DIS3L2, DKC1, EGFR, EGLN1, ELANE, ENG, EPCAM, ERCC1, ERCC2, ERCC3, ERCC4, ERCC5, EXO1, EXT1, EXT2, EZH2, FAN1, FANCA, FANCB, FANCC, FANCD2, FANCE, FANCF, FANCG, FANCI, FANCL, FANCM, FH, FLCN, GALNT12, GATA2, GEN1, GPC3, GREM1, HOXB13, HRAS, IKZF1, KIF1B, KIT, LZTR1, MAX, MC1R, MEN1, MET, MITF, MLH1, MLH3, MRE11, MSH2, MSH3, MSH6, MUTYH, NBN, NF1, NF2, NHP2, NOP10, NTHL1, PALB2, PALLD, PAX5, PDGFRA, PHOX2B, PIK3CA, PMS2, POLD1, POLE, POLH, POT1, PRKAR1A, PRSS1, PTCH1, PTCH2, PTEN, RAD50, RAD51C, RAD51D, RB1, RECQL, RECQL4, REST, RET, RHBDF2, RNF43, RPS20, RUNX1, SAMD9L, SBDS, SDHA, SDHAF2, SDHB, SDHC, SDHD, SLC45A2, SLX4, SMAD4, SMARCA4, SMARCB1, SMARCE1, SPINK1, SRP72, STK11, SUFU, TERC, TERT, TGFBR1, TINF2, TMEM127, TP53, TRIP13, TSC1, TSC2, TYR, VHL, WRAP53, WRN, WT1, XPA, XPC, XRCC2 ( 153遺伝子 )

カバレッジ

カバレッジについての説明は別ページをご覧ください。
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検体

血液、唾液、口腔粘膜ぬぐい液

※唾液・口腔粘膜ぬぐい液の場合は、遠方の方でもクリニックへお越しにならずに検査が可能です。(オンライン診療)
 その場合は、遠隔診療(ビデオスルーでの診療のことをいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく流れとなります。

検査の限界

詳しくはこちら
変異は提出された試料から適切に塩基配列を検査し、該当する正しいヒト遺伝子配列を参照して解釈・報告しています。ごく稀ですが検体の取り違えや混ざったりして誤りが生じることがあります。

陽性結果は、患者の表現型に遺伝的またはその他の寄与がないことを意味するものではなく、陰性結果は検査適応の遺伝的原因を除外するものではありません。結果の解釈は、収集された情報と報告時に利用可能なAlamut Annotationに基づいています。この検査は、モザイク検出のためにデザインされておらず、バリデーションもされていません。調節領域または深部イントロン領域(エクソンから20bp以上)のDNA変化はこの試験では検出されません。小さな挿入や欠失を検出するDNA塩基配列決定の能力には技術的な限界があります。ラボでは高感度の検出アルゴリズムを使用しているのですが、これらのタイプの変化は一塩基変異ほど確実には検出されないためです。まれですが、系統的な化学的、計算的、または人為的ミスによりDNA変異が見落とされることがあります。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の交絡寄与を有意に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。欠失/重複分析は単一のエキソンの大きさであるゲノム領域の変化を同定することができます。

新規のDNA重複が同定された場合、重複セグメントのゲノム上の位置または方向を識別することは不可能であり、したがって重複の影響を予測することはできません。欠失が検出される場合、予測された産物がインフレームに残るかどうかを決定することは必ずしも可能ではありません。特に指定のない限りSanger法によって配列決定された領域では、欠失/重複分析は実施されません。

骨髄移植を受けた患者さんについて:同種骨髄移植を受けた患者および血液悪性腫瘍患者においては、血液/唾液/口腔サンプルではなく、培養線維芽細胞から抽出したDNAを用いて検査しないといけません。

特記事項

遺伝子 特記事項
MSH2 MSH2エクソン1-7の逆位(「Boland」逆位)は特に指定のない限り,リンチ症候群パネル検査,大腸がんパネル検査,および子宮内膜がんパネル検査でのみ評価される。
RECQL4 RECQL4遺伝子(NM_004260.3)のエクソン1~3の単一エクソン欠失/重複は,この方法では確実に検出されない。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

220,000円(税込)
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

文責:仲田洋美(医師)

プロフィール

プロフィール

仲田洋美 総合内科専門医臨床遺伝専門医
がん薬物療法専門医
医療法人社団ミネルバ 神宮外苑ミネルバクリニック 院長

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら