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NT(首のむくみ)指摘後どうする?|羊水検査16週を待たない最短確定診断|東京・ミネルバクリニック

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

「赤ちゃんの首の後ろのむくみ(NT)が厚いと言われた」。妊娠11〜13週の健診で突然そう告げられ、その後どうすればよいのか分からないまま、この記事にたどり着いた方も多いと思います。最初にお伝えしたいのは、NTが厚くても、多くの赤ちゃんは染色体に異常がないということです。NTが95〜99パーセンタイルの範囲なら約96%、3.5〜4.4mmでも約8割の赤ちゃんは染色体に異常がなかったと報告されています[1]。ただし、確かめるには確定検査が必要です。羊水検査は妊娠16週からですが、絨毛検査なら妊娠11週から受けられ、羊水検査を待たずに確かめられます。この記事では、NTを指摘されたあとの流れを、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🩺 NT肥厚・出生前診断
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤NTの厚さと染色体の異常の割合:3.5〜4.4mmで約21%、6.5mm以上で約65%(原著論文の数字)
  • ➤NT指摘後の確定検査の流れ:羊水検査(16週〜)を待たずに、絨毛検査(11週〜)で確かめる道
  • ➤染色体の数が正常でも確かめたいこと:マイクロアレイ・ヌーナン症候群・心臓の超音波検査
  • ➤NIPTで調べられる範囲と限界:NTが厚いときに、NIPTが確定検査の代わりにならない理由
  • ➤当院の体制:常駐する臨床遺伝専門医、院内の絨毛検査・羊水検査(主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど)

⏱️ 30秒でわかる要約

🩺 Q. NT(首のむくみ)を指摘されたら、その後どうする?

まずNTが何mmだったかを確かめてください。NTが厚いほど染色体の異常の割合は上がりますが、3.5〜4.4mmでも約8割は染色体に異常がありません。確かめる方法は確定検査で、絨毛検査なら妊娠11週から、羊水検査は16週からです。当院では両方を院内で受けられ、主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほどで結果が出ます。

🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。NTが厚くなる原因には、ダウン症候群のほかに18・13トリソミー、22q11.2欠失症候群などの微小欠失やヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患があります。子育ての負担を大きく左右する行動の問題を伴いやすいのも、こうした病気です。三大トリソミーだけの検査では調べられません。

🧬 Q. NIPTで首のむくみの原因はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTはプランによって、トリソミー・微小欠失・ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患まで調べられます。ただしNTが厚いときは、確定検査(絨毛検査・羊水検査とマイクロアレイ)を受けることが勧められています[4]。NIPTは確定検査の代わりではなく、確定検査を受けるか考える材料の一つです。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /

当院のNIPTは、ダウン症候群(21トリソミー)に加えて、18・13トリソミー、NTが厚くなる原因にもなる22q11.2欠失症候群などの微小欠失、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患まで、プランに応じて調べられます。NTを指摘された方は、絨毛検査・羊水検査も院内で相談できます。

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1. NT(首のむくみ)を指摘されて不安な方へ

「胎児の首のむくみが厚いと言われた」「NT肥厚で染色体の病気の可能性があると言われた」。突然の指摘に、頭が真っ白になってしまった方も多いのではないでしょうか。

まず知っていただきたいのは、NTが厚いことは、赤ちゃんに病気があると決まったという意味ではないということです。NTは「可能性が高いかどうか」を見る目印で、診断ではありません。NTの厚さごとの数字を知り、そのうえで確定検査を受けるかどうかを考えていけば大丈夫です。

💡 用語解説:NT(胎児後頸部浮腫)とは

NT(Nuchal Translucency)は、妊娠11〜13週ごろの超音波検査で見える、赤ちゃんの首の後ろの皮膚の下にある、黒く写る液体の層の厚さです。すべての赤ちゃんにあり、週数(頭からお尻までの長さ)とともに少し厚くなります。一般に、週数の95パーセンタイル以上、または3.0〜3.5mm以上で「厚い(肥厚)」と判断されます。正常値の詳しい目安はNTの正常値は?妊娠11週・12週・13週の基準値で解説しています。

NTの厚さと染色体の異常の関係

NTが厚いほど染色体の異常の割合は上がりますが、NT肥厚=染色体の異常ではありません。NTが厚かった赤ちゃんを追跡した研究をまとめた総説の数字を示します[1]。

📊 NTの厚さと、染色体の異常の割合・元気に生まれた割合

NTの厚さ 染色体の異常の割合 染色体の異常がなかった割合 元気に生まれた割合
95パーセンタイル未満 0.2% 99.8% 97%
95〜99パーセンタイル 3.7% 96.3% 93%
3.5〜4.4mm 21.1% 78.9% 70%
4.5〜5.4mm 33.3% 66.7% 50%
5.5〜6.4mm 50.5% 49.5% 30%
6.5mm以上 64.5% 35.5% 15%

出典:Soukaら(Am J Obstet Gynecol, 2005)[1]。99パーセンタイルは週数によらずおよそ3.5mmです。「元気に生まれた割合」は、染色体の異常や流産・死産なども含めたすべての妊娠のうち、病気がなく生まれた赤ちゃんの割合です。集団の数字であり、お一人おひとりの確率をそのまま示すものではありません。

このように、NTが95〜99パーセンタイルの範囲なら約96%、3.5〜4.4mmでも約8割の赤ちゃんは染色体に異常がありません。一方で、NTが厚いほど、染色体のほかにも心臓の病気などが見つかる割合は上がります。「大丈夫かもしれない」と言われても、確かめるまで不安は消えません。だからこそ、できるだけ早く、正確に確かめる方法を知っておくことが大切です。

染色体の数が正常でも確かめたいこと

NTが厚かった赤ちゃんで、染色体の数(Gバンド法などで見る核型)が正常だった場合にも、確かめておきたいことが3つあります。

1つ目は、マイクロアレイ検査です。顕微鏡で見る染色体検査では見えない小さな欠失・重複を調べる方法で、NTが厚く核型が正常だった赤ちゃんを調べた研究をまとめた解析では、マイクロアレイで新たに病気の原因が見つかった割合は約5%(NTのほかに異常がない場合は約4%)でした[2]。22q11.2欠失症候群などがこれにあたります。

2つ目は、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患です。ヌーナン症候群とその仲間の病気(RAS経路の病気)は、NTが厚くなる原因の一つで、マイクロアレイなどで異常がなかった赤ちゃんをさらに調べた研究では、約3%(103人中3人)で原因の遺伝子の変化が見つかりました[3]。

3つ目は、心臓などの体のつくりの確認です。染色体が正常でNTが厚かった赤ちゃんでは、心臓の病気などの体のつくりの異常が見つかる割合が高いことが知られています[1]。そのため、妊娠中期の詳しい超音波検査と、胎児心エコー(赤ちゃんの心臓の超音波検査)を受けることが勧められています[4]。

2. 「羊水検査16週まで待てない」問題

NTを指摘されるのは妊娠11〜13週ごろです。ところが、羊水検査を受けられるのは妊娠16週以降です。羊水検査だけを選ぶと、指摘から検査まで3〜5週間ほど、何もできずに待つ時間ができてしまいます。

羊水検査を待つ場合の、一般的な流れは次のとおりです。

① 11〜13週NTが厚いと指摘される
▶
② 13〜15週羊水検査まで待つ
▶
③ 16週以降羊水検査を受ける
▶
④ 結果検査の内容と施設により数日〜数週間

この待つ時間は、眠れない夜が続いたり、インターネットで最悪のケースばかり目に入ったりと、妊婦さんとご家族にとって心の負担が大きい時間です。また、妊娠を続けるかどうかを考えなければならない場合には、時間の余裕がなくなるという問題もあります。人工妊娠中絶ができる時期の決まりについてはNIPT陽性時の中絶はいつまで?法律と期間で解説しています(ミネルバクリニックでは分娩・中絶は行っていません)。

この問題に対して、羊水検査より早い時期に受けられる確定検査が絨毛検査です。当院では、妊娠11週から絨毛検査を院内で行っています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【待つ時間を、できるだけ短くしたい】

NTを指摘されてから結果が分かるまでの時間は、ただ長いだけでなく、何も手につかない時間になりがちです。その時間を短くすることは、医学的な正確さと同じくらい大切なことだと考えています。

だからこそ、当院は2025年6月から産婦人科を併設し、妊娠11週からの絨毛検査と羊水検査を院内で行えるようにしました。主要な検査項目は3日以内に結果をお返しできます。早く分かることは、急いで決めるためではなく、ご家族が十分に考える時間を確保するためにあると考えています。

3. 最短確定診断ルート|ミネルバクリニックの解決策

NTを指摘されたあと、羊水検査の16週を待たずに確かめる方法として、当院では院内での絨毛検査を中心に、必要に応じてNIPTも組み合わせて考えます。

🏥 確定の中心:院内の絨毛検査

・受けられる時期:妊娠11週から
・結果:主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど
・赤ちゃんの染色体を直接調べるので、診断を確定できる検査です。NTが厚いときに米国産科婦人科学会が勧めている、マイクロアレイを含む確定検査にあたります[4]。

🔬 補助として:NIPT(採血だけの検査)

・受けられる時期:当院では通常妊娠9週から(妊娠6〜8週は臨床研究として)
・結果まで:基本は10〜14日(インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間)
・採血だけなので、流産のリスクはありません。ただしスクリーニング検査で、確定はできません。NTが厚いときは、NIPTが陰性でも心臓の病気や、NIPTの対象外の変化が残ります。確定検査を受けるか迷っている方が、考える材料の一つにする検査です。

羊水検査を待つ流れと、絨毛検査で確かめる流れ

⏱️ 確定検査の種類による時期の違い

項目 羊水検査を待つ流れ 絨毛検査で確かめる流れ(当院)
確定検査を受ける時期 妊娠16週以降 妊娠11週から
NT指摘から検査までの待ち時間 3〜5週間ほど 予約がとれればすぐ
結果が出るまで(当院の場合) 主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど 主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど
注意点 結果が出る時期が遅くなる 約1〜2%で胎盤だけの変化(モザイク)が見つかり、羊水検査で確かめ直すことがある[7]

※検査を受ける時期は、赤ちゃんの大きさや胎盤の位置などによって変わります。どちらの検査が合うかは、遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

絨毛検査は胎盤のもとになる組織を調べるため、まれに胎盤だけに染色体の変化があり、赤ちゃん本人にはないこと(胎盤限局性モザイク)があります。その場合は、羊水検査で赤ちゃん本人の染色体を確かめ直します。当院では羊水検査も院内で受けられるので、転院の手間はかかりません。胎盤限局性モザイクについては限局性胎盤モザイク(CPM)と胎児発育不良(FGR)の関係で解説しています。

\ NTを指摘されたあと、11週から確定検査を相談できます /

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4. NT肥厚の原因とNIPTで調べられる範囲|COATE法のダイヤモンドプラン

NTが厚くなる原因は、ダウン症候群などの染色体の数の異常だけではありません。原因ごとに、どの検査で調べられるかが違います。

📋 NT肥厚の主な原因と、調べる検査

NT肥厚の原因 例 確定に使う検査 当院のNIPTで調べられるプラン
染色体の数の異常 21・18・13トリソミー、ターナー症候群(45,X)など 絨毛検査・羊水検査(核型など) すべてのプラン(性染色体は双子マックス以外)
微小欠失・重複 22q11.2欠失症候群など マイクロアレイ スタンダード:6種類7疾患/プレミアム・ダイヤモンド:12種類13疾患/双子マックス・インペリアル:最大92種類+5Mbを超える構造異常
単一遺伝子疾患 ヌーナン症候群など 遺伝子の検査(パネル検査など) ダイヤモンド:56遺伝子/インペリアル:最大155遺伝子(202疾患)
体のつくりの異常 心臓の病気など 妊娠中期の詳しい超音波検査・胎児心エコー NIPTでは調べられません

※NIPTはどのプランもスクリーニング検査です。陽性のときは確定検査で確かめる必要があります。

プランごとの検査方式

当院のNIPTは、プランによって検査方式が異なります。スタンダードプランは標的捕捉濃縮法、インペリアルプランは低深度全ゲノムシーケンス+ターゲット法で検査します。ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で、13・18・21・15・16・22番のトリソミー、性染色体の数の異常、12種類13疾患の微小欠失に加えて、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患(56遺伝子)を調べます。COATE法についてはCOATE法とは?次世代NIPT検査の精度と従来法の違いで解説しています。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[13]。NTが厚いときに単一遺伝子まで考える意味は、ここにあります。

ただし、どのNIPTにも限界があります。微小欠失・重複は、染色体の数の異常より陽性的中率(陽性と出たときに本当にその病気である確率)が低めです[12]。そのため、陽性なら必ず確定検査で確かめてから考えます。当院では確定検査まで院内で受けられます。精度の考え方はNIPTの精度・確率は?感度・特異度と陽性的中率をご覧ください。

22q11.2欠失症候群と、子育ての負担から考える

22q11.2欠失症候群は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群の中で最も多い病気です。多くは親から受け継いだものではなく新しく起こる変化で、母親の年齢とは関係がありません。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、発達の遅れなどを伴うことがあります[8]。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、すべての妊婦さんに22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています[9](調べるかどうかは学会によって考え方が分かれるため、検査前の遺伝カウンセリングが大切です)。また、知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、子育てのストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題で、それを伴いやすいのはダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患でした[10][11]。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。

5. 院内絨毛検査|11週から確定診断が可能

ミネルバクリニックでは2025年6月から産婦人科を併設し、妊娠11週から絨毛検査(CVS)を院内で行っています。羊水検査(16週〜)より早い時期に確定検査を受けられます。

💡 用語解説:絨毛検査(じゅうもうけんさ)

絨毛は、胎盤のもとになる組織です。絨毛検査は、超音波で確かめながら細い針などで絨毛を少しだけ採り、赤ちゃんの染色体を調べる確定検査です。羊水検査と同じく診断を確定できる検査で、妊娠11週から受けられる点が特徴です。検査の流れは絨毛検査について|検査の流れや注意点、検査時期で解説しています。

🔬 絨毛検査と羊水検査の比較

項目 絨毛検査(CVS) 羊水検査
検査の時期 妊娠11週から 妊娠16週以降
採るもの 絨毛(胎盤のもとになる組織) 羊水(羊水中の赤ちゃんの細胞)
結果まで(当院) 主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど 主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど
検査による流産の増加 ごくわずか(統計的な差が見られなかった報告もある) ごくわずか(統計的な差が見られなかった報告もある)
注意点 約1〜2%で胎盤だけの変化(モザイク)があり、羊水検査で確かめ直すことがある 結果が出る時期が遅くなる

出典:検査による流産の増加はAkolekarら(2015)[5]、Betaら(2019)[6]、モザイクは米国産科婦人科学会(2016)[7]。

検査による流産の危険は、研究をまとめた解析で絨毛検査が約0.2%、羊水検査が約0.1%と見積もられ、どちらも統計的にはっきりした差ではありませんでした[5]。英国の医療施設の研究でも、検査を受けた人と受けなかった人とで流産の割合に統計的な差は見られませんでした[6]。ゼロではないので、検査の前に遺伝カウンセリングで説明します。

🏥 当院で確定検査を受ける場合の事実

・NIPTから確定検査まで同じクリニックで受けられ、転院の手続きは要りません
・常駐する臨床遺伝専門医が、検査前の説明から結果の説明まで担当します
・主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほどで結果が出ます
・NIPTが陽性だった場合の陽性カウンセリングは、何度でも無料です

6. 互助会|確定検査の費用の補助

当院でNIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。どちらも収益を目的としない事業のため、会費は消費税の対象外です。

🤝 2つの互助会

名称 会費 内容
カトレア会 8,000円 院長とのカウンセリング後に当院の指示で受ける確定検査(羊水検査・絨毛検査)の費用を、規約の対象となる場合に補助。補助の上限はありません
安心検査結果保障制度 6,000円 結果が出ず再検査が必要になったのに、流産して再検査ができない場合に、検査料金(諸費用を除く)を返金

出生前検査の対象は、赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわる病気です。陽性のときに正確な情報をもとに考えるには、確定検査が欠かせません。費用が理由で確定検査を受けずに決めてしまうことがないように、この制度を設けています。費用の全体はNIPTは検査費用以外に何がかかる?追加費用と保証制度で解説しています。

7. 他院でNIPT陽性・NT肥厚を指摘された方へ

他院でNIPT陽性やNT肥厚を指摘された方も、当院で遺伝カウンセリングや確定検査(絨毛検査・羊水検査)を相談できます。当院でNIPTを受けた方の確定検査を優先しているため、予約の状況によってはお待ちいただくことがあります。週数が進むと選べる検査が限られるので、早めにご相談ください。

NTの所見が首だけでなく全身のむくみ(嚢胞性ヒグローマ・胎児水腫)に広がっている場合は、考えることが変わります。この場合についてはNIPT陽性かつエコー異常(ヒグローマ)で解説しています。また、NIPT陽性のあと羊水検査を受けずに決めてしまう危険についてはNIPT陽性で羊水検査なしの中絶は危険?をご覧ください。

これからNIPTを考えている方は、陽性だったときに誰が説明し、確定検査をどこで受けられるのかまで確かめてから施設を選ぶことをお勧めします。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【検査を選ぶときに、確かめてほしいこと】

NIPTを受ける施設を選ぶとき、費用や通いやすさは大切な条件です。そのうえで、臨床遺伝専門医として確かめていただきたいのは、「陽性だったとき、NTを指摘されたときに、次の一歩をどこで踏み出せるか」です。

当院では、NIPTから確定検査、結果の説明まで、常駐する臨床遺伝専門医が担当し、絨毛検査・羊水検査も院内で行っています。検査の結果をどう受け止め、どう選ぶかはご家族が決めることです。産む・産まないのどちらを選んでも、その判断に必要な正確な情報をお渡しすることが、私たちの役割だと考えています。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[10]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[10][11]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,700円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

ただし、病気の数が多いほど良い検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だからこそ、どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングでご家族の考えに合わせて選ぶことが大切です。

📊 調べられる病気の数で割ると(1つの病気あたり)

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード
(220,000円)
13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム
(264,000円)
13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド
(407,000円)
プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス
(440,000円)
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル
(550,000円)
全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

🏥 NTを指摘されたあとの検査を、臨床遺伝専門医と考える

常駐する臨床遺伝専門医が、NIPTの説明から絨毛検査・羊水検査、結果の説明まで担当します。確定検査の主要な項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほどで結果が出ます。NIPT専用ダイヤル:03-3408-3768

よくある質問(FAQ)

Q1. NT(首のむくみ)を指摘されたら、その後どうすればいいですか?

まずNTが何mmだったかを確かめてください。NTが厚いほど染色体の異常の割合は上がりますが、95〜99パーセンタイルなら約96%、3.5〜4.4mmでも約8割の赤ちゃんは染色体に異常がなかったと報告されています。確かめる方法は確定検査で、絨毛検査なら妊娠11週から、羊水検査は16週から受けられます。染色体の数が正常でも、マイクロアレイ、ヌーナン症候群などの遺伝子の検査、妊娠中期の詳しい超音波検査と胎児心エコーを考えます。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行い、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほどで結果が出ます。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。NTが厚くなる原因には、18・13トリソミー、22q11.2欠失症候群などの微小欠失、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患もあります。また、知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、子育てのストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題で、それを伴いやすいのはダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q3. NTが厚いと、必ず染色体の異常がありますか?

いいえ。NTが厚いことは、病気があると決まったという意味ではありません。研究をまとめた総説では、染色体の異常の割合はNTが95〜99パーセンタイルで3.7%、3.5〜4.4mmで21.1%、4.5〜5.4mmで33.3%、5.5〜6.4mmで50.5%、6.5mm以上で64.5%でした。確かめるには絨毛検査・羊水検査などの確定検査が必要です。

Q4. 羊水検査は16週まで待たないとできませんか?

羊水検査は妊娠16週以降の検査ですが、絨毛検査なら妊娠11週から受けられます。ミネルバクリニックでは2025年6月から産婦人科を併設し、絨毛検査・羊水検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほどで結果が出ます。絨毛検査では約1〜2%で胎盤だけの変化(モザイク)が見つかり、羊水検査で確かめ直すことがあります。

Q5. NIPTで首のむくみ(NT肥厚)の原因はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、プランによってトリソミー、22q11.2欠失症候群などの微小欠失、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患まで調べられます。ただしNIPTはスクリーニング検査で、心臓の病気などの体のつくりの異常は調べられません。NTが厚いときは、マイクロアレイを含む確定検査(絨毛検査・羊水検査)を受けることが勧められています。NIPTは確定検査を受けるか考える材料の一つです。

Q6. 絨毛検査で流産する危険はどのくらいですか?

研究をまとめた解析では、検査による流産の増加は絨毛検査で約0.2%、羊水検査で約0.1%と見積もられ、どちらも統計的にはっきりした差ではありませんでした。英国の医療施設の研究でも、検査を受けた人と受けなかった人とで流産の割合に統計的な差は見られませんでした。ゼロではないため、検査の前に遺伝カウンセリングで説明します。

Q7. 確定検査の費用は互助会で補助されますか?

当院でNIPTを受ける方は全員、カトレア会(8,000円)と安心検査結果保障制度(6,000円)に加入します。カトレア会では、院長とのカウンセリング後に当院の指示で受ける確定検査(羊水検査・絨毛検査)の費用を、規約の対象となる場合に補助し、補助の上限はありません。会費は収益を目的としない事業のため消費税の対象外です。

Q8. 他院でNTを指摘されましたが、相談できますか?

はい。他院でNT肥厚やNIPT陽性を指摘された方も、遺伝カウンセリングや絨毛検査・羊水検査を相談できます。当院でNIPTを受けた方の確定検査を優先しているため、予約の状況によってはお待ちいただくことがあります。週数が進むと選べる検査が限られるので、早めにご相談ください。

Q9. NIPTが陰性でも、NTが厚ければ追加の検査が必要ですか?

必要になることがあります。NIPTはスクリーニング検査で、調べる範囲が決まっています。NTが厚いときは、NIPTが陰性でも心臓の病気や、NIPTの対象外の染色体・遺伝子の変化が残るため、確定検査(マイクロアレイを含む)や妊娠中期の詳しい超音波検査、胎児心エコーを考えます。NTの厚さやほかの超音波所見をふまえて、遺伝カウンセリングで個別に相談してください。

Q10. オンラインでも相談できますか?

はい。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングはオンラインでも受けられます。オンラインNIPTの採血は、東京以外の46道府県にある全国110か所の提携施設で行えます(採血料は施設ごとに異なります)。絨毛検査・羊水検査は当院への来院が必要です。

関連記事

参考文献

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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。NTを指摘されたあとの検査については、主治医・専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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