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絨毛検査について|検査の流れやメリット、注意点、検査時期を解説
出生前診断の確定診断である羊水検査はご存じの方は多くても絨毛検査(じゅうもうけんさ)はご存じない方がたくさんいるかもしれません。出生前診断の一つであり、羊水検査と同じく非確定診断を受けてからになりますが、どんな検査をして、どういった流れで受けるのか、母体や胎児へのリスクについて知りたい方もいるでしょう。
今回の記事では絨毛検査の特徴についてご紹介しますので最後までお付き合いください。
絨毛検査とはなにか?
出生前診断の一つで、妊娠初期に胎盤の一部である絨毛を採取して培養を行い、染色体の形と数を確認する検査です。検査方法は経腹法と経膣法の二つがあります。
NIPT(新型出生前診断)などの非確定検査の結果が陽性の判定と出た後に実施している確定診断の一つです。検査結果がそのまま胎児に染色体異常の有無があるかどうか診断がくだります。
費用は医療機関によって異なりますが、相場は約10~20万です。入院が必要となっ羊水検査と比較すると、絨毛検査(じゅうもうけんさ)の方がより多くの細胞を採取た場合、別途入院費が発生します。
経腹法
経腹法は、エコーで胎盤の位置を確認した際に、胎盤が子宮の前壁や底部にある場合に行う方法です。
腹部に針を刺すため、事前に局所麻酔をします。麻酔が効いてきたらエコーで胎盤の状態や位置などを確認して、腹部に注射器に接続した細い針を挿入し、絨毛細胞を採取します。顕微鏡で絨毛に異常がなければ終了です。
経膣法
経膣法は、エコーで胎盤の位置を確認した際に、胎盤が子宮の後壁や子宮頸部に近い前壁にある場合に行う方法です。婦人科診察で内診と同じく内診台に乗り、エコーで胎盤の状態や位置などを確認しながら、膣に鉗子を挿入し、子宮頸管を経て胎盤から絨毛細胞を採取します。採取した絨毛は経腹法と同様、顕微鏡で異常がなければ終了です。
NIPT(新型出生前診断)で陽性の判定が出たら絨毛検査を受けないといけないのか
出生前診断で陽性と判定されたら大きなショックを受けるのは当然です。特にNIPT(新型出生前診断)は検査精度が高いため染色体異常があるのが決定だと思ってしまうでしょう。しかしながらNIPT、クアトロ検査(母体血清マーカー)、コンバインド検査はあくまでも非確定診断です。もし陽性と判定されたら確定検査の絨毛検査か羊水検査を検討する必要があります。
ご自身でしっかりと判断するためには出生前診断をする前に遺伝カウンセリング受けておき、陽性判定が出たときにどうしたらいいのか話し合いをしておきましょう。
絨毛検査の検査時期と検査の流れについて
絨毛検査は妊娠11週から14週の間に可能な検査です。医療機関によっては、妊娠初期に明らかな胎児の異常があれば、早めに行っている医療機関もあります。
最初に超音波エコーで胎盤の位置を調べて経腹法か経膣法のどちらになるのかチェックをします。方法が判明したら絨毛を採取して異常がないかを確認します。その後に採取した絨毛を培養して染色体異常がないかを調べます。そのため、検査結果が分かるのは、検査を受けてから2~3週間くらい後です。
検査にかかる時間は10分ほどです。終わってから医療機関内で1時間前後休んで後に帰宅となります。
絨毛検査のメリットはなにか?
絨毛検査には以下のメリットがあります。詳しくご紹介しますのでご覧ください。
- 羊水検査よりも早く確定的検査が受けられる
- 採取できる胎児の細胞の量が多く、遺伝子検査に向いている
羊水検査よりも早く確定的検査が受けられる
もう一つの確定診断である羊水検査が可能になるのは子宮に羊水がたまる妊娠15週目以降です。しかし絨毛検査は先述したように妊娠10週目から検査ができるようになります。
確定診断はまず非確定診断であるNIPT(新型出生前診断)、コンバインド検査、母体血清マーカー(クアトロ検査)などを受けて陽性と判定された場合に行われます。絨毛検査ならダウン症候群(21トリソミー)などの染色体異常よる先天性疾患があるかどうかも早く結果がわかります。そのためご家族で早めに準備をすることが可能です。
採取できる胎児の細胞の量が多く、遺伝子検査に向いている
羊水検査は子宮にある羊水の量が不十分だと検査結果が出にくくなっています。しかし絨毛検査は絨毛細胞は胎児の細胞が多く含まれており、染色体など遺伝子検査に優れているのが特徴です。
羊水検査と比較すると、絨毛検査の方がより多くの細胞を採取が可能なためより正確な検査を必要とする遺伝子検査に適しています。
絨毛検査の注意点
絨毛検査を受ける際に4つの注意点があります。
- 羊水検査に比べて実施可能な施設が限られている
- 「胎盤性モザイク」と報告された場合、羊水検査を実施する必要がある
- 流産・死産のリスクが1%ある
- 稀に重症感染症を引き起こす
これから詳しく解説しますのでご覧ください。
羊水検査に比べて実施可能な施設が限られている
絨毛検査は羊水検査よりも高い医療技術が必要です。そのため検査を実施している医療機関が少ないのが難点です。そのためお住まいの地域の病院や医療機関で受けられない可能性があります。どの病院で受けられるかは下のリンクにてご確認ください。
「胎盤性モザイク」と報告された場合、羊水検査を実施する必要がある
「胎盤性モザイク」とは正常な染色体と異常な染色体の両方が混在している状態です。もし絨毛に紛れ込んでいたら正しい検査結果を出すことができません。そうなった場合、再検査になります。
流産・死産のリスクが1%ある
絨毛検査は、母体に針を刺すことがあるためわずかですが流産のリスクがあります。そのリスクは約1%と言われており、同じ確定的検査である羊水検査の流産リスクの約0.3%よりも高くなっています。
ただし、これは検査自体が危険であるということではありません。羊水検査よりも早い時期に検査を行うからです。
稀に重症感染症を引き起こす
経腹法の場合、お腹に針を刺すため腸に刺さってしまい腹膜炎を起こしてしまう可能性があります。子宮内感染も起きる恐れが僅かながらあるので注意が必要です。
まとめ
赤ちゃんの疾患の有無を確定させる検査である絨毛検査は妊娠早期に行える検査です。しかしながら子宮に針を刺すので流産の可能性があります。また、検査を行っている医療機関も羊水検査と比べると少ないのでご希望される場合は事前に検査可能な病院を調べておくといいでしょう。検査を受けるほとんどの妊婦さんはNIPTなどの出生前診断の結果が出てからになります。もしNIPTをご検討されているご夫婦やカップルは検査の前に医師に相談しておくのもいいかもしれません。
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