InstagramInstagram

ダウン症は遺伝する?2人目の再発率と転座型のリスクを臨床遺伝専門医が解説

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

「1人目がダウン症だったから、2人目も同じになるのでは」「きょうだいにダウン症がいるけれど、自分の子どもにも遺伝するの?」。こうした不安から、このページにたどり着いた方も多いと思います。最初に結論をお伝えすると、ダウン症候群の約95%を占める「標準型」は、親から遺伝するものではありません。卵子や精子ができるときに偶然起こる染色体の変化が原因です。一方、約4%の「転座型」の一部は、親が「均衡型転座」の保因者であることが原因で、次の妊娠でも起こりやすくなります。この記事では、3つのタイプ別の再発率、ダウン症の赤ちゃんを2回続けて妊娠することがある理由、親の染色体検査、そして次の妊娠での検査の選び方までを、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🧬 ダウン症・遺伝・転座型
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤ダウン症が「遺伝する場合」と「遺伝しない場合」の違い
  • ➤標準型・転座型・モザイク型の割合と、2人目の再発率の目安
  • ➤ダウン症の赤ちゃんを2回続けて妊娠することがある理由
  • ➤ロバートソン転座・21q21q転座の仕組みと、親の染色体検査が必要なケース
  • ➤ダウン症候群だけを調べればよいのか、次の妊娠でのNIPTの選び方

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. ダウン症は遺伝しますか?

ほとんどは遺伝しません。約95%を占める標準型は、卵子や精子ができるときの偶然の染色体不分離で起こり、親の染色体は正常です。遺伝が関わりうるのは、約4%の転座型のうち、親が均衡型転座の保因者である場合です。

❓ Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

📊 Q. 2人目もダウン症になる確率は?

1人目が標準型なら、目安は約1%(年齢による確率のほうが高ければそちら)です。転座型で親が保因者の場合は高くなり、母親が保因者なら約10〜15%、父親が保因者なら数%以下とされます。21番どうしの転座(21q21q)の保因者では、生まれる赤ちゃんはすべてダウン症候群になります。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? 当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。 /

📅 NIPTを予約する

NIPTのプランを見る | オンラインNIPT

1. ダウン症は遺伝するのか?結論から解説

ダウン症候群は、21番染色体が通常より1本多い(3本ある)ことで起こります。その大部分は、卵子や精子ができるときに偶然起こる「染色体不分離」が原因で、親から受け継いだものではありません[1][2]。お父さんやお母さんの染色体は正常で、生活習慣や妊娠中の行動で起こるものでもありません。

ただし、例外があります。約4%を占める「転座型」では、親のどちらかが、症状のない「均衡型転座」の保因者であることがあり、その場合は次のお子さんにも同じことが起こりやすくなります。つまり、「ダウン症は遺伝するか」という問いへの答えは、「ほとんどは遺伝しないが、転座型の一部は親から受け継がれることがある」です。1人目のお子さんがどのタイプなのかを知ることが、2人目を考えるときの出発点になります。

💡 用語解説:染色体不分離(せんしょくたいふぶんり)

卵子や精子ができるとき、通常は対になった染色体が1本ずつに分かれます。まれにこの分離がうまくいかず、染色体が1本多い、または少ない卵子・精子ができることがあります。これを染色体不分離といいます。ダウン症候群の多くは、この偶然の不分離で21番染色体が3本になることで起こり、その多くは卵子ができる過程で生じます。詳しくは染色体不分離とはで解説しています。

ダウン症の「遺伝しない場合」と「遺伝が関わる場合」

🧬 遺伝しない場合と、遺伝が関わる場合の違い

くらべる点 遺伝しない場合(標準型・モザイク型・新たに起きた転座型) 遺伝が関わる場合(親が保因者の転座型)
原因 卵子・精子ができるときや、受精後の細胞分裂での偶然の誤り 親が均衡型転座をもち、21番染色体の量が多い卵子・精子ができる
親の染色体 正常 均衡型転座(親自身に症状はない)
2人目の再発率の目安 約1%(年齢による確率のほうが高ければそちら) 母親が保因者で約10〜15%、21q21q転座では生まれる子はすべてダウン症候群

ダウン症候群のお子さんを授かる確率は、お母さんの年齢とともに上がります。年齢別の確率は年齢別のダウン症の確率と流産のメカニズムで、「ダウン症を産む人に特徴はあるのか」はダウン症を産む人の特徴は?母親が原因?で解説しています。このページでは、「親から子へ受け継がれるのか」「次の妊娠でも起こるのか」に絞ってお話しします。

2. ダウン症の3つのタイプと再発率

ダウン症候群には「標準型」「転座型」「モザイク型」の3つのタイプがあり、タイプによって2人目の再発率が大きく異なります[1][2]。タイプは、お子さんの染色体検査(Gバンド法などの核型分析)でわかります。米国小児科学会の指針も、ダウン症候群のお子さんには染色体検査でタイプを確かめ、転座型であれば両親の染色体検査と遺伝カウンセリングにつなげることを勧めています[5]。

📋 ダウン症の3つのタイプと再発率の目安

タイプ 割合 原因 2人目の再発率の目安
標準型(21トリソミー) 約95% 卵子・精子ができるときの偶然の染色体不分離 約1%(年齢による確率のほうが高ければそちら)
転座型 約4% 21番染色体がほかの染色体(多くは14番)にくっついている。新たに起きたものと、親から受け継いだものがある 新たに起きたものは標準型と同程度。親が保因者なら、母親で約10〜15%、父親で数%以下。21q21q転座では生まれる子はすべてダウン症候群
モザイク型 約1% 受精後の細胞分裂の偶然の誤りで、21トリソミーの細胞と正常な細胞が混ざる 標準型と同程度か、それ以下

割合は報告によって多少異なります。再発率は集団での目安で、個々の方の確率は、お子さんのタイプとご両親の染色体検査の結果によって変わります。

💡 用語解説:モザイク型ダウン症

体の細胞の一部だけが21トリソミーで、残りの細胞は正常な染色体数をもつタイプです。受精後の早い時期の細胞分裂で起こる偶然の誤りが原因で、親から受け継ぐものではありません。症状の現れ方は、21トリソミーの細胞がどのくらいの割合で、どの組織にあるかによって幅があります。詳しくはモザイク型ダウン症とは?をご覧ください。

標準型の再発率は「約1%」が目安

1人目のお子さんが標準型のダウン症候群だった場合、2人目で再びダウン症候群になる確率は、一般に約1%が目安として使われます。お母さんの年齢による確率のほうが1%より高い場合は、年齢による確率のほうを目安にします。

「偶然なら、なぜ確率が上がるの?」と思われるかもしれません。北米の約2,000人の出生前診断の記録を調べた研究では、1回目の妊娠が21トリソミーだった女性が次の妊娠で再び21トリソミーになる割合は、同じ年齢の女性で予想される値の約2.4倍でした[3]。21トリソミー以外のトリソミー(18トリソミーなど)が起こる割合も約2.3倍に高まっていました[3]。著者らは、同じ年齢でも、染色体不分離が起こりやすい女性が一部にいる可能性を示しています。ただし、倍率は高くても、もとの確率が低いため、実際の数字としては1%前後にとどまります。

ダウン症の赤ちゃんを2回続けて妊娠することはある?

あります。頻度は高くありませんが、ダウン症候群の赤ちゃんを2回続けて妊娠すること、また1回目が21トリソミーで2回目が18トリソミーのように、違うトリソミーが続くことは実際に起こります。先ほどの研究では、1回目と2回目の妊娠がどちらも30歳未満だった場合、21トリソミーが続けて起こる割合は年齢から予想される値の約8倍、30歳以上では約2.1倍でした[3]。若い方で21トリソミーが続いたときほど、「偶然」だけでは説明しにくくなるということです。

2回続いたときに考えられる理由は、主に次の3つです。

🔍 ダウン症の妊娠が2回続いたときに考える理由

考えられる理由 どういうことか 確かめ方
親が転座の保因者 親の均衡型転座のために、21番染色体の量が多い卵子・精子ができやすい 赤ちゃん(流産・中絶の組織を含む)の核型と、両親の染色体検査
性腺モザイク 親の血液の染色体は正常でも、卵巣(または精巣)の細胞の一部に21トリソミーの細胞が混ざっている 血液の染色体検査(Gバンド法)では見つからないことが多い。FISH法でより多くの細胞を調べる、口の粘膜など別の組織を調べる、といった方法がある
染色体不分離が起こりやすい 同じ年齢の人と比べて、卵子ができるときに染色体不分離が起こりやすい 特定の検査で確かめる方法は確立していない。違うトリソミーが続いた場合に考える

このうち、ご両親の染色体検査が正常なのにダウン症候群の妊娠がくり返す場合に考えるのが性腺モザイクです。性腺モザイクは、ご両親自身がお母さんのおなかの中にいた時期の細胞分裂の誤りで、卵巣(または精巣)の一部にだけ21トリソミーの細胞が混ざっている状態です。血液の細胞は正常なことが多いため、ふつうの染色体検査では「正常」と出ます。実際に、3人続けてダウン症候群のお子さんを出産した女性の卵巣を調べたところ、約40%の細胞が21トリソミーだったという報告があります[14]。27歳で3回続けて21トリソミーの妊娠をした女性では、ふつうの染色体検査は正常でしたが、FISH法で多くの細胞を調べると、血液の0.4%、口の粘膜の3.0%に21トリソミーの細胞が見つかりました[15]。日本でも、35歳未満の女性で9回の妊娠のうち5回が21トリソミーだった例が報告されており、ご両親の血液の染色体は正常で、性腺モザイクが最も考えられる原因とされています[16]。

一方、1回目が21トリソミーで2回目が18トリソミーのように、違う染色体のトリソミーが続いた場合は、特定の染色体のモザイクでは説明しにくく、卵子ができるときの染色体の分かれ方そのものが不安定になりやすい体質が考えられます[3]。「ご両親の染色体が正常だった=次は必ず大丈夫」とも、「くり返したから次もそうなる」とも言えないため、それぞれの経過に合わせて再発率を見積もることが大切です。

2回続いた場合は、まずそれぞれの妊娠の赤ちゃんの核型(標準型か転座型か)と、ご両親の染色体を確かめることが大切です。転座が見つからなければ、次の妊娠での再発率は高くても数%程度と考えられることが多い一方、性腺モザイクが疑われる場合はもっと高い可能性もあり、個別に見積もる必要があります。次の妊娠では、NIPTで早い時期に確かめ、陽性なら羊水検査・絨毛検査で確定するという計画を、妊娠前から立てておくと安心です。体外受精の施設では、胚の染色体を調べる着床前検査(PGT-A)が選択肢になることもあります。流産をくり返している場合の考え方は不育症の原因になる染色体異常とはで解説しています。

3. 転座型ダウン症とは?遺伝の仕組みと再発率

転座型ダウン症は、21番染色体の長い腕がほかの染色体(多くは14番、ときに21番や22番など)にくっついているタイプです。染色体の本数は46本に見えても、21番染色体の遺伝情報が実質的に3本分あるため、標準型と同じようにダウン症候群になります。症状の出方は、標準型と大きくは変わりません。

転座型でも、多くは親の染色体に異常のない「新たに起きた転座」です。この場合の再発率は標準型と同程度です。一方、親のどちらかが均衡型転座の保因者で、その転座を受け継いだ場合は、次の妊娠でも同じことが起こりやすくなります。どちらなのかは、お子さんが転座型とわかった後に、ご両親の染色体検査をすることで確かめられます。

💡 用語解説:ロバートソン転座

13番・14番・15番・21番・22番の染色体は、短い腕がとても小さい形をしています(アクロセントリック染色体)。この染色体どうしが、長い腕どうしでくっついたものをロバートソン転座といいます。転座型ダウン症で最も多いのは14番と21番のロバートソン転座(rob(14;21))です。転座をもつ人は、遺伝情報の量に過不足がないため本人は健康ですが(均衡型転座の保因者)、子どもにダウン症候群が生じる可能性があります。詳しくはロバートソン転座とはと均衡型構造異常の解説をご覧ください。

転座型ダウン症の2つのパターン

お子さんが転座型核型分析でわかる
▶
両親の染色体検査採血で調べる
▶
両親とも正常新たに起きた転座。再発率は標準型と同程度
お子さんが転座型核型分析でわかる
▶
両親の染色体検査採血で調べる
▶
親が保因者再発率が高い。転座の種類と、どちらの親かで変わる

ロバートソン転座の保因者のダウン症の確率は、母親か父親かで違う

親が14番と21番のロバートソン転座などの保因者の場合、子どもがダウン症候群になる確率は、保因者が母親か父親かで大きく異なります。1,356件の出生前診断をまとめた多施設の研究でも、21番を含むロバートソン転座では、母親が保因者の場合に不均衡型(ダウン症候群)の赤ちゃんが見つかる割合が、父親が保因者の場合より明らかに高いことが示されています[4]。遺伝カウンセリングでは、母親が保因者なら約10〜15%、父親が保因者なら数%以下(1〜2%前後)が目安としてよく使われます。理論上の組み合わせ(6通り)よりかなり低いのは、不均衡な受精卵の多くが妊娠のごく早い時期に流産するためと考えられています。

🧬 親が転座保因者のときのダウン症の確率の目安

転座の種類 保因者が母親 保因者が父親
rob(14;21)など、21番とほかの染色体のロバートソン転座 約10〜15% 数%以下(1〜2%前後)
21q21q転座(21番どうし) 生まれる赤ちゃんはすべてダウン症候群。それ以外の妊娠は流産になる

数字は出生前診断の時点の目安です。正確な見積もりは、転座の種類と家族歴をふまえて遺伝カウンセリングで行います。

21q21q転座:生まれる赤ちゃんはすべてダウン症候群

まれですが、21番染色体どうしがくっついた「21q21q転座」の保因者の場合、卵子または精子には、21番染色体が2本分入っているか、まったく入っていないかのどちらかになります。21番が入っていない受精卵は育たないため、妊娠が続いて生まれる赤ちゃんはすべてダウン症候群になり、それ以外は流産になります。

⚠️ 21q21q転座の保因者とわかったら

この場合、ご自身の卵子・精子で、ダウン症候群ではないお子さんを授かることは理論上難しくなります。卵子・精子の提供を受ける生殖医療や養子縁組などの選択肢があり、どの道を選ぶかはご夫婦の価値観によって変わります。結論を急がず、臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングで、ご夫婦のペースで考えていくことをお勧めします。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【転座型とわかることは「次への備え」】

お子さんが転座型ダウン症とわかると、「私のせいなのでしょうか」と自分を責めてしまう親御さんは少なくないと思います。けれど、均衡型転座をもっていることは、誰の責任でもありません。保因者ご本人は健康で、多くは自分が保因者だと知らないまま暮らしています。

大切なのは、転座型だとわかることで、次のお子さんに向けた備えができるということだと考えています。ご両親の染色体を調べれば、再発率を「目安」ではなく、ご家族の状況にあった数字で見積もることができます。保因者とわかった場合は、ごきょうだいなど血縁の方にとっても大切な情報になります。一人で抱え込まず、結果をどう受け止め、どう使うかまで、臨床遺伝専門医と一緒に考えていただきたいと思います。

4. 親の染色体検査が必要なケースと流れ

1人目のお子さんがダウン症候群と診断された場合、まずお子さんの染色体検査の結果で、標準型か転座型かを確認してください。標準型であれば、ご両親の染色体検査は通常必要ありません。転座型であれば、ご両親の染色体検査で保因者かどうかを確かめることが、次の妊娠を考えるうえで重要です[5]。

親の染色体検査を考えたいケース

🔬 染色体検査を考えたい状況

・お子さんが転座型ダウン症と診断された
・ダウン症の妊娠が2回以上続いた、または違うトリソミーが続いた
・ご家族に転座型ダウン症の方や、転座の保因者がいる
・流産をくり返している
・2人目以降を希望していて、ご自身の再発率を正確に知りたい

兄弟・姉妹にダウン症の人がいると、自分の子どもに遺伝する?

きょうだいのダウン症候群が標準型であれば、あなたのお子さんがダウン症候群になる確率は、一般の同じ年齢の方とほぼ変わりません。一方、きょうだいが転座型で、ご両親のどちらかが保因者だった場合は、あなた自身も同じ転座を受け継いでいる可能性があります。きょうだいのタイプがわからない場合や、家系に転座型の方がいる場合は、ご自身の染色体検査で確かめることができます。

染色体検査の流れ

🩸 親の染色体検査の流れ

ステップ 内容 目安
1. 遺伝カウンセリング 検査の目的、わかること・わからないこと、結果の受け止め方を説明 受診時
2. 採血 血液の白血球を培養して染色体を調べる 数分
3. 検査・分析 Gバンド法などで染色体の本数と構造を確認 約2〜3週間
4. 結果の説明 結果と再発率、次の妊娠での選択肢を一緒に整理 結果が出てから

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が常駐し、ご両親の染色体検査から結果の説明、次の妊娠でのNIPTや羊水検査・絨毛検査の計画まで、同じ医師が担当します。羊水検査・絨毛検査は院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。

\ 2人目を考えている方、次の妊娠でNIPTを受けたい方へ /

📅 NIPTを予約する

羊水検査・絨毛検査 | NIPTのアフターサポート

5. 父親由来のリスク|精子の新生突然変異と単一遺伝子疾患

「お母さんの年齢がダウン症候群の確率に関係する」ことはよく知られていますが、お父さんの年齢に関係する病気もあります。精子は男性の一生を通じて作られ続け、そのたびにDNAが複製されるため、年齢とともに精子のDNAに新しい変化(新生突然変異、de novo変異)が起こる回数が増えます。アイスランドの親子78組の全ゲノムを調べた研究では、子どもに生じる新生突然変異の数は父親の年齢とともに増え、父親が1歳年をとるごとに約2個ずつ増えると報告されています[6]。

こうした新生突然変異は、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患の原因になることがあり、中には知的障害や自閉スペクトラム症を伴う病気もあります。単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、30遺伝子・25疾患を合わせただけでも約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[7][8]。これは、ダウン症候群の出生頻度(全体で約700人に1人)と同じくらいです。

父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ

(父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)

ダウン症候群だけを調べればよいわけではない ― 子育てのストレスと行動の問題

知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています[9]。ストレスを最も強く左右していたのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷などの行動の問題、睡眠の問題でした[9]。アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では他人への攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群やスミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群では自傷が多いことが分かっています[10]。

こうした病気はどれも当院のNIPTで調べられます。スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群はスタンダードプランから(すべてのプランで)、ウィリアムズ症候群は双子マックスプランとインペリアルプランで、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。ダウン症候群の再発が心配で次の妊娠を考えている方にこそ、ダウン症候群だけを調べればよいのか、検査を選ぶ前に考えていただきたい点です。

22q11.2欠失症候群を調べる意味 ― 米国の学会の推奨

22q11.2欠失症候群は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群の中で最も多い病気です[12]。多くは親から受け継いだものではなく新しく起こる変化で、母親の年齢とは関係がありません[12]。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、口蓋裂、発達の遅れなどを伴うことがあり、自閉スペクトラム症を伴う割合も一般より高いと報告されています[12]。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、年齢にかかわらずすべての妊婦さんに、22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています[11]。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。

一方で、米国母体胎児医学会(SMFM)は、22q11.2欠失を調べる場合は検査前に十分な説明を受けて選ぶことを求めています。学会によって考え方が分かれる項目だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングが大切です。また、微小欠失・重複は染色体の数の異常より陽性的中率が低めなので、陽性の場合は確定検査で確かめる必要があります。

6. NIPTでわかること|2人目を考える方へ

NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの採血だけで、赤ちゃんの染色体の変化の可能性を調べる検査です。流産のリスクはなく、当院では妊娠9週から受けられます(妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます)。1人目がダウン症候群だった方の2人目の妊娠では、早い時期に可能性を知ることで、確定検査を受けるかどうかや、その後の準備を落ち着いて考える時間ができます。

転座型のダウン症候群もNIPTでわかる?

NIPTは21番染色体の量が多いかどうかを調べるため、転座型でも、21番染色体の量が増えていれば多くの場合「陽性」として拾い上げられます。ただし、NIPTでは標準型か転座型かの区別はできません。NIPTは確定診断ではないので、陽性の場合は羊水検査・絨毛検査で確かめ、転座の有無もそこで調べます。当院では確定検査まで院内で受けられます。NIPTの精度の考え方はNIPTの精度・陽性的中率の解説をご覧ください。

なお、ご両親のどちらかが転座の保因者とわかっている場合は、NIPTだけで判断せず、絨毛検査や羊水検査による確定検査を計画に入れることを考えてください。転座の種類によっては、NIPTで見つけにくい染色体の変化が起こることがあるためです。

当院のNIPTでわかること(プラン別)

🧬 当院のNIPTのプランと調べられる範囲

プラン 染色体の数の異常 微小欠失・重複 単一遺伝子
スタンダード 13・18・21トリソミー、性染色体 6種類7疾患(22q11.2欠失症候群など) ―
プレミアム 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体 12種類13疾患 ―
ダイヤモンド プレミアムと同じ 12種類13疾患 56遺伝子(ヌーナン症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、レット症候群など)
双子マックス 全常染色体(性染色体は調べない) 92種類+5Mbを超える構造異常 ―
インペリアル 全常染色体、性染色体 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患)

結果が出るまでの目安は、基本は10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります(ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日)。微小欠失・重複や単一遺伝子は、陽性の場合に必ず確定検査で確かめます。

各プランの検査方式は、スタンダードプランが標的捕捉濃縮法、ダイヤモンドプランが米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※、インペリアルプランが低深度全ゲノムシーケンス+ターゲット法です。COATE法の精度のデータはCOATE法のエビデンスで、スタンダードプランの精度のデータはスタンダードプランのエビデンスで紹介しています。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[13]。

7. ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

1人目がダウン症候群だった方が次の妊娠で心配されるのは、まず「またダウン症では」ということだと思います。けれど、赤ちゃんの生まれつきの病気はダウン症候群だけではありません。13・18・21番のトリソミー(三大トリソミー)は出生前検査で広く調べられている基本の項目ですが、22q11.2欠失症候群などの微小欠失や、ヌーナン症候群などの単一遺伝子疾患も、決して珍しいものではありません。単一遺伝子疾患は合わせると約600人に1人とされ、ダウン症候群(約700人に1人)と同じくらいの頻度です[7]。

さらに、自閉症・発達障害・知的障害の原因の一部も、NIPTで調べられるようになっています。たとえば16p11.2欠失・重複(双子マックス・インペリアル)、レット症候群(ダイヤモンド・インペリアル)、フェラン・マクダーミッド症候群(インペリアル)などです。自閉症・発達障害のすべてがわかるわけではなく、陰性であっても心配がすべてなくなるわけではありませんが、原因の一部を妊娠中に知ることができるのは、これまでにない選択肢です。

1つの病気あたりで考える

NIPTの料金を比べるとき、総額だけを見ると範囲の広いプランほど高く見えます。けれど「いくつの病気を調べられるか」で割ってみると、見え方が変わります。下の表は、三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とした場合と、当院の各プランを並べたものです。

🧬 調べられる範囲と「1つの病気あたり」の目安

プラン 数えた病気の数 料金 1つの病気あたり
三大トリソミーのみ(仮定) 3 100,000円(仮定) 約33,333円
スタンダード 14(トリソミー3+性染色体4+微小欠失7) 220,000円 約15,714円
プレミアム 23(トリソミー6+性染色体4+微小欠失13) 264,000円 約11,478円
ダイヤモンド 79(プレミアムの範囲+単一遺伝子56) 407,000円 約5,152円
双子マックス 114+α(全常染色体22+微小欠失・重複92+5Mb超の構造異常) 440,000円 約3,860円
インペリアル 320+α(全常染色体22+性染色体4+微小欠失・重複92+単一遺伝子202疾患+5Mb超の構造異常) 550,000円 約1,719円

料金は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後・税込です。遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定を含みます。別途、検査結果の作成費用3,300円と互助会の会費(カトレア会8,000円・安心検査結果保障制度6,000円)がかかります。病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたもので、5Mbを超える構造異常は数に入れていません。双子マックスは性染色体を調べません。最新の料金はNIPTの料金ページをご確認ください。

調べる範囲が広いほど、陽性になったときに確定検査で確かめる場面も増えます。どこまで調べるかは、ご家族の考え方によって答えが変わります。90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、1人目のお子さんのタイプやご両親の検査結果もふまえて、一緒にプランを選びます。

8. ミネルバクリニックのサポート体制

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が運営する遺伝子検査のクリニックです。1人目のお子さんがダウン症候群だった方の2人目のご相談から、ご両親の染色体検査、NIPT、確定検査まで、院内で続けて対応します。

🏥 当院で受けられること

項目 内容
臨床遺伝専門医が常駐 検査前後の遺伝カウンセリング、ご両親の染色体検査の結果説明を臨床遺伝専門医が担当します。
確定検査まで院内で 2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行います。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
陽性のときのカウンセリング 陽性の場合、陽性のカウンセリングは何度でも無料で受けられます。
互助会(全員加入) カトレア会(8,000円)で、陽性時の羊水検査の費用を補助します(上限なし)。安心検査結果保障制度(6,000円)は、結果が出ずに再検査が必要になったのに流産して再検査ができなかった場合に備える互助会です。どちらも収益を目的としない事業のため、消費税の対象外です。
遠方の方 オンラインNIPTで、全国110か所の提携施設で採血できます。
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「また同じことが起きたら」という不安に、数字で向き合う】

1人目のお子さんがダウン症候群だった方が、2人目を考えるときに抱く不安は、とても自然なものだと思います。その不安を「なんとなく怖い」のままにせず、「あなたの場合は何%くらいか」という数字に置き換えることが、臨床遺伝専門医の役割の一つだと考えています。標準型なのか転座型なのか、ご両親が保因者なのか。それがわかるだけで、見通しは大きく変わります。

NIPTも同じで、早さより正確さを大切にし、何を調べ、何を調べていないのかを知ったうえで選んでいただきたいと考えています。陽性のときも、結果の説明から確定検査まで院内で責任をもって対応する。それが、臨床遺伝専門医が運営するクリニックとしてできることだと考えています。

🏥 2人目の妊娠に向けて、まずは正確な情報から

臨床遺伝専門医が常駐し、ご両親の染色体検査からNIPT、陽性なら確定検査まで院内で対応します。

よくある質問(FAQ)

Q1. ダウン症は親から遺伝しますか?

ダウン症候群の約95%を占める標準型は、卵子や精子ができるときに偶然起こる染色体不分離が原因で、親から遺伝するものではありません。遺伝が関わりうるのは約4%の転座型のうち、親のどちらかが均衡型転座の保因者である場合です。1人目のお子さんがダウン症候群の場合は、まず染色体検査でタイプを確かめることが大切です。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q3. 2人目もダウン症になる確率はどのくらいですか?

1人目のお子さんのタイプによって大きく異なります。標準型の場合は約1%(お母さんの年齢による確率のほうが高ければそちら)が目安です。転座型で親が保因者の場合は高くなり、14番と21番のロバートソン転座などでは、母親が保因者なら約10〜15%、父親が保因者なら数%以下(1〜2%前後)とされます。21番どうしの転座(21q21q)の保因者では、生まれる赤ちゃんはすべてダウン症候群になります。

Q4. ダウン症の赤ちゃんを2回続けて妊娠することはありますか?

頻度は高くありませんが、あります。北米の研究では、21トリソミーの妊娠の次に再び21トリソミーになる割合は、同じ年齢で予想される値の約2.4倍で、1回目と2回目がどちらも30歳未満の場合は約8倍でした。21トリソミーの次に18トリソミーのような違うトリソミーが起こる割合も約2.3倍に高まっていました。2回続いた場合は、親の転座や、卵巣の一部に21トリソミーの細胞が混ざる性腺モザイク、染色体不分離が起こりやすい体質などを考え、赤ちゃんの核型とご両親の染色体を確かめたうえで、次の妊娠の計画を立てます。

Q5. 両親の染色体検査が正常でも、ダウン症がくり返すことはありますか?

あります。ご両親の血液の染色体が正常でも、卵巣(または精巣)の一部にだけ21トリソミーの細胞が混ざっている「性腺モザイク」があると、ダウン症候群の妊娠がくり返すことがあります。性腺モザイクはふつうの血液の染色体検査では見つからないことが多く、FISH法でより多くの細胞を調べたり、口の粘膜など別の組織を調べたりすることがあります。くり返している場合は、経過に合わせて再発率を個別に見積もり、次の妊娠ではNIPTと確定検査を組み合わせた計画を立てます。

Q6. 転座型ダウン症とは何ですか?

21番染色体の長い腕がほかの染色体(多くは14番)にくっついているタイプで、ダウン症候群全体の約4%を占めます。染色体の本数は46本に見えても、21番の遺伝情報が実質的に3本分あるため、ダウン症候群になります。多くは新たに起きた転座ですが、親が均衡型転座の保因者で、それを受け継いだ場合もあり、その場合は次の妊娠でも起こりやすくなります。

Q7. 親の染色体検査はどこで受けられますか?

当院では臨床遺伝専門医が常駐し、ご両親の染色体検査に対応しています。採血で検査し、結果は約2〜3週間でわかります。結果をもとに、再発率と次の妊娠でのNIPTや確定検査の計画まで一緒に整理します。

Q8. NIPTで転座型ダウン症はわかりますか?

NIPTは21番染色体の量が多いかどうかを調べるため、転座型でも21番の量が増えていれば、多くの場合は陽性として拾い上げられます。ただし、標準型か転座型かの区別はNIPTではできません。陽性の場合は羊水検査・絨毛検査で確定し、転座の有無もそこで調べます。ご両親のどちらかが転座の保因者とわかっている場合は、NIPTだけで判断せず、確定検査を計画に入れることを考えてください。

Q9. 兄弟・姉妹にダウン症の人がいると、自分の子どもに遺伝しますか?

きょうだいが標準型のダウン症候群であれば、あなたのお子さんがダウン症候群になる確率は、同じ年齢の方とほぼ変わりません。きょうだいが転座型で、ご両親のどちらかが保因者だった場合は、あなた自身も同じ転座をもっている可能性があります。きょうだいのタイプがわからない場合は、ご自身の染色体検査で確かめることができます。

Q10. モザイク型ダウン症の再発率はどのくらいですか?

モザイク型は受精後の細胞分裂の偶然の誤りで起こるため、親から受け継ぐものではありません。次の妊娠での再発率は、標準型と同程度かそれ以下と考えられています。

Q11. 21q21q転座とは何ですか?

21番染色体どうしがくっついた転座です。保因者の卵子または精子には、21番染色体が2本分入っているか、まったく入っていないかのどちらかになるため、妊娠が続いて生まれる赤ちゃんはすべてダウン症候群になり、それ以外は流産になります。卵子・精子の提供を受ける生殖医療や養子縁組などの選択肢について、遺伝カウンセリングで時間をかけて考えることをお勧めします。

Q12. ダウン症の人が子どもを産むと、子どももダウン症になりますか?

標準型のダウン症候群の女性の卵子は、21番染色体が2本入ったものと1本のものが理論上半分ずつできるため、子どもがダウン症候群になる確率は高くなります。妊娠を考える場合は、妊娠前から遺伝カウンセリングを受け、妊娠中の検査についても相談しておくことをお勧めします。

Q13. 遠方ですが相談できますか?

はい。オンラインNIPTで、全国110か所の提携施設で採血できます。NIPTの説明や遺伝カウンセリングもオンラインで受けられます。ご両親の染色体検査などは、来院していただく必要がある場合があるので、お問い合わせください。

関連記事

参考文献

  • [1] Sherman SL, Allen EG, Bean LH, Freeman SB. Epidemiology of Down syndrome. Ment Retard Dev Disabil Res Rev. 2007;13(3):221-227. [PubMed 17910090]
  • [2] Antonarakis SE, Skotko BG, Rafii MS, et al. Down syndrome. Nat Rev Dis Primers. 2020;6(1):9. [PubMed 32029743]
  • [3] Warburton D, Dallaire L, Thangavelu M, Ross L, Levin B, Kline J. Trisomy recurrence: a reconsideration based on North American data. Am J Hum Genet. 2004;75(3):376-385. [PubMed 15248154]
  • [4] Boué A, Gallano P. A collaborative study of the segregation of inherited chromosome structural rearrangements in 1356 prenatal diagnoses. Prenat Diagn. 1984;4 Spec No:45-67. [DOI 10.1002/pd.1970040705]
  • [5] Bull MJ, Trotter T, Santoro SL, Christensen C, Grout RW; Council on Genetics. Health supervision for children and adolescents with Down syndrome. Pediatrics. 2022;149(5):e2022057010. [DOI 10.1542/peds.2022-057010]
  • [6] Kong A, Frigge ML, Masson G, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475. [PubMed 22914163]
  • [7] Mohan P, Lemoine J, Trotter C, et al. Clinical experience with non-invasive prenatal screening for single-gene disorders. Ultrasound Obstet Gynecol. 2022;59(1):33-39. [DOI 10.1002/uog.23756]
  • [8] Zhang J, Li J, Saucier JB, et al. Non-invasive prenatal sequencing for multiple Mendelian monogenic disorders using circulating cell-free fetal DNA. Nat Med. 2019;25(3):439-447. [DOI 10.1038/s41591-018-0334-x]
  • [9] Fitzgerald J, Gallagher L. Parental stress and adjustment in the context of rare genetic syndromes: A scoping review. J Intellect Disabil. 2022;26(2):522-544. [DOI 10.1177/1744629521995378]
  • [10] Arron K, Oliver C, Moss J, Berg K, Burbidge C. The prevalence and phenomenology of self-injurious and aggressive behaviour in genetic syndromes. J Intellect Disabil Res. 2011;55(2):109-120. [PubMed 21199043]
  • [11] Dungan JS, Klugman S, Darilek S, et al. Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2023;25(2):100336. [PubMed 36524989]
  • [12] McDonald-McGinn DM, Sullivan KE, Marino B, et al. 22q11.2 deletion syndrome. Nat Rev Dis Primers. 2015;1:15071. [DOI 10.1038/nrdp.2015.71]
  • [13] Zhang J, Wu Y, Chen S, et al. Prospective prenatal cell-free DNA screening for genetic conditions of heterogenous etiologies. Nat Med. 2024;30(2):470-479. [DOI 10.1038/s41591-023-02774-x]
  • [14] Tseng LH, et al. Recurrent Down’s syndrome due to maternal ovarian trisomy 21 mosaicism. Arch Gynecol Obstet. 1994;255:213-216. [PubMed]
  • [15] Magalhães M, et al. Why could a woman have three Trisomy 21 pregnancies? – a case report. Clin Case Rep. 2017;5(8):1222-1225. [PubMed]
  • [16] Hasegawa Y, et al. Repeated Pregnancies With Full Trisomy 21: A Case Report and Literature Review. Cureus. 2025;17(4):e83275. [PubMed]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。ご自身やご家族の再発率については、臨床遺伝専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

関連記事