目次
- 1 1. まず結論:ダウン症は「いつ・どうやって」わかる?
- 2 2. 出生前にダウン症が「わかる」場合:NIPT→確定診断という流れ
- 3 3. ダウン症が生まれてから「わかる」場合:出生後診断の流れ
- 4 4. 出生前と出生後の違いの本質:変わるのは「時間」と「準備」です
- 5 5. 検査の見取り図:NIPT・羊水検査・CMAを混同しない
- 6 6. 精度と解釈:NIPTが陰性でも「後からわかる?」の答え方
- 7 7. いつから受けられる?検査の流れと「判定不能」への備え
- 8 8. 陽性・判定不能の次にすること:確定検査とカウンセリング
- 9 ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
- 10 9. ミネルバクリニックの体制:確定検査まで院内で
- 11 まとめ|出生前と出生後、どちらも「準備の形」が違うだけ
- 12 よくある質問(FAQ)
- 13 関連記事
- 14 参考文献
ダウン症候群(21トリソミー)は、妊娠中に検査を受けていなければ、多くは生まれた直後から数日のうちに、赤ちゃんの顔立ちや筋肉のやわらかさなどから疑われ、血液の染色体検査で確定します。染色体検査の結果が出るまでには2〜3週間ほどかかるため、確定は生後1か月前後になるのがひとつの目安です。一方、妊娠中であれば、NIPT(新型出生前診断)で妊娠9週から可能性を調べ、陽性なら羊水検査・絨毛検査で確定できます。違いは「わかる時期」だけでなく、心の準備や医療の準備にどれだけ時間を使えるかにあります。この記事では、生まれてからわかる流れと妊娠中にわかる流れを、臨床遺伝専門医の立場から順に整理します。
- ➤生まれてからわかる → 生後すぐ〜数日で疑われ、染色体検査で確定(生後何か月でわかるかの目安)
- ➤出生前でわかる → NIPTは妊娠9週からのスクリーニング、確定は羊水・絨毛検査
- ➤わかる/わからない → 出生前に未来を断定できない領域の扱い
- ➤陰性でも後から? → 結果の意味を取り違えないためのポイント
- ➤ダウン症候群だけで大丈夫? → 調べられる範囲でNIPTを選ぶ考え方
⏱️ 30秒でわかる要約
👶 Q. ダウン症は生まれてから、いつ・どうやってわかる?
多くは生まれた直後〜数日(産院に入院している間)に、顔立ちや筋肉のやわらかさ、心臓の検査などから疑われます。確定は赤ちゃんの血液の染色体検査で、結果まで2〜3週間ほどかかるため、確定は生後1か月前後が目安です。妊娠中なら、NIPTで妊娠9週から調べられます。
🧬 Q. ダウン症候群だけで大丈夫?
出生前検査で見つかる病気はダウン症候群だけではありません。当院のNIPTはすべてのプランで、ダウン症候群に加えて22q11.2欠失症候群などの微小欠失も調べます。プランによっては全染色体や、自閉症・発達障害の原因の一部になる遺伝子の変化まで対象にできます。
🩺 Q. NIPTで陽性だったら、確定まで何日?
NIPTの結果は基本10〜14日。陽性なら、当院では羊水検査・絨毛検査を院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます(マイクロアレイは2週間ほど)。陽性のカウンセリングは何度でも無料です。
1. まず結論:ダウン症は「いつ・どうやって」わかる?
「ダウン症はいつわかるの?」と検索するとき、多くの方が本当は“いつわかるか”より、“その後どうなるか”が不安なのだと思います。まず、医学的に混同しやすいポイントを整理します。
【結論】ダウン症がわかる時期
生まれてからの場合:生後すぐ〜数日で身体の特徴などから疑われ、赤ちゃんの血液の染色体検査で確定します[1]。結果まで2〜3週間ほどかかるため、確定は生後1か月前後が目安です。
妊娠中の場合:NIPTで妊娠9週から「可能性(リスク)」を調べられます。出生前の確定診断は羊水検査・絨毛検査です[2]。
妊娠中に検査を受けていない場合や、健診のエコーで特に指摘がなかった場合、ダウン症候群は生まれてから分かることになります。ダウン症候群の出生頻度は全体で約700人に1人で、お母さんの年齢にかかわらず起こりうるため、「生まれてからわかった」というご家族は決して珍しくありません。
💡 用語解説:スクリーニング検査と確定診断
スクリーニング検査は「可能性(リスク)」を評価する検査です。結果が陽性でも確定ではなく、陰性でも医学的にゼロを保証するものではありません。一方で確定診断は、赤ちゃんの細胞の染色体を直接調べて診断を確定させる検査です。NIPTはスクリーニング、羊水検査・絨毛検査は出生前の確定診断、出生後は赤ちゃんの血液の染色体検査で確定診断という位置づけになります[2]。
2. 出生前にダウン症が「わかる」場合:NIPT→確定診断という流れ
出生前にわかる、という言葉は便利ですが、実際には段階があります。まずNIPTで評価し、必要があれば出生前の確定診断へ進みます。ここで大切なのは、検査は結論を強制するものではないということです。
出生前にわかることの利点は、医療面だけでなく心の準備・家族での話し合い・出産する施設や小児科の体制の確認など「時間を使えること」です。ダウン症候群の赤ちゃんの約半数には先天性の心臓の病気があるとされ[1]、事前に分かっていれば、小児循環器の診療ができる施設での出産を計画できます。一方で、結果を待つ期間や情報の解釈が心理的な負担になることもあります。だからこそ、遺伝カウンセリングは「結論を出す場」ではなく、意思決定を支える場であることが大切です。
🩺 院長コラム【「早さ」より「正確さ」を優先する理由】
妊娠中の不安は、数字が1つ増えただけでも大きくなります。だから検査の世界では、「速さ」よりも正確さを大切にしたいと考えています。誤った陽性(偽陽性)も、見逃し(偽陰性)も、ご家族の心に深い傷を残すからです。
そのうえで大切なのは、結果を受け取ったあとに「次に何をすればよいか」がすぐに分かることだと考えています。陽性なら確定検査をどこで、いつ受けられるのか。その道筋が見えているだけで、待つ時間の重さは変わります。どんな結果でもご家族を孤立させないこと。それが遺伝医療の役割だと考えています。
3. ダウン症が生まれてから「わかる」場合:出生後診断の流れ
ダウン症候群は、生まれてから顔立ちの特徴や筋肉の緊張の弱さ(筋緊張低下)、心臓の雑音などをきっかけに疑われ、染色体検査で確定されることがあります[1]。出生後診断は、妊娠中の検査がなかったから「遅い」「悪い」という意味ではありません。選択肢の取り方と、準備の順番が変わるだけです。
生後何ヶ月でわかる?生まれてからの時間の目安
「生まれてから、何日・何か月でわかるのか」は、多くの方が知りたい点です。一般的な流れを時間の目安で整理すると、次のようになります。
👶 生まれてからダウン症候群と分かるまでの目安
| 時期 | 起こること |
|---|---|
| 生まれた直後〜数日 | 産院での診察で、目尻が上がった目・平たい鼻・首の後ろのたるみ・手のひらの線(ますかけ線)・筋肉のやわらかさなどから疑われることが多い時期です。心臓の超音波検査などで合併症も調べます。 |
| 検査から数日 | FISH法などの迅速検査を行う場合、21番染色体の数の目安が数日で分かります。ただし、確定には次の染色体分析が必要です。 |
| 検査から2〜3週間ほど | 染色体分析(Gバンド法による核型分析)の結果が出て、確定診断になります。標準型・転座型・モザイク型のどれかも、この検査で分かります[1]。 |
| 生後数か月以降 | 特徴がはっきりしないモザイク型などでは、首すわりの遅れや筋肉のやわらかさ、成長の様子をきっかけに、乳児健診などで初めて疑われることもあります。 |
※施設や検査の混み具合で日数は変わります。赤ちゃんの見た目の特徴はダウン症の新生児・赤ちゃんの特徴で、特徴が目立ちにくいタイプはモザイク型ダウン症とはで解説しています。
つまり、多くは生まれてすぐに疑われ、確定までは生後1か月前後というのがひとつの目安です。「顔立ちだけ」で診断することはなく、特徴がいくつか当てはまっても、染色体検査でダウン症候群ではないと分かることもあります。見た目の印象だけで判断せず、検査の結果を待つことが大切です。
なぜ確定には染色体分析が必要なのか
ダウン症候群には、21番染色体が丸ごと1本多い「標準型」のほかに、21番染色体の一部がほかの染色体にくっついた「転座型」、正常な細胞と21番染色体が多い細胞が混ざった「モザイク型」があります。迅速検査では21番染色体の数の目安は分かりますが、転座型かどうかは染色体の形まで見る核型分析でないと分かりません。転座型ではご両親のどちらかが転座をもっていることがあり、次のお子さんの再発の確率が変わるため、米国小児科学会も核型分析での確認を勧めています[1]。より細かい欠失・重複を調べる必要があるときは、CMA(染色体マイクロアレイ)を追加することもあります。
出生後に診断がついた場合、意思決定の中心は「検査を受けるかどうか」から、「心臓などの合併症の評価」「医療的なフォロー」「支援の設計」へ移ります。ここで大切なのは、診断名よりも支援にアクセスすることです。ダウン症候群そのものについては21トリソミー(ダウン症)とはで詳しく解説しています。
4. 出生前と出生後の違いの本質:変わるのは「時間」と「準備」です
出生前にわかる場合と、生まれてからわかる場合で大きく変わるのは、病気そのものではなく“時間の持ち方”です。
⏳ 出生前にわかる場合と生まれてからわかる場合
| 観点 | 出生前にわかる | 生まれてからわかる |
|---|---|---|
| 情報の順番 | 妊娠中にリスク評価→必要なら出生前の確定診断 | 出生後に疑い→血液の染色体検査で確定診断 |
| わかる時期 | NIPTは妊娠9週から、結果は基本10〜14日 | 生後すぐ〜数日で疑い、確定は生後1か月前後 |
| 家族の時間 | 準備・相談・情報整理の時間を確保しやすい | 準備は後追いになりやすいが、現実に沿った支援へ移りやすい |
| 心理的負担 | 待ち時間と不確実性が負担になることがある | 突然の情報で混乱しやすいが、次の行動が具体化しやすい |
| 医療の動き方 | 確定診断の選択肢、妊娠経過中の支援、出産施設の選択 | 合併症の評価・医療フォロー・支援制度の設計 |
💡 大切な視点
出生前診断には「知る権利」と同じだけ「知らないでいる権利」があります。どちらが正しい、という話ではありません。医師は決定者ではなく、情報提供者・意思決定支援者です。選択は常にご家族に委ねられます。
5. 検査の見取り図:NIPT・羊水検査・CMAを混同しない
ここは誤解が起きやすいので、丁寧に整理します。NIPTは出生前の検査ですが、診断(確定)ではありません。確定診断は別の検査です[2]。
🔬 ダウン症候群に関わる検査の位置づけ
| 分類 | 検査 | 方法 | ポイント |
|---|---|---|---|
| スクリーニング | NIPT | 採血 | 結果は「可能性」。陽性なら出生前の確定診断へ |
| スクリーニング | 超音波(エコー) | エコー | 所見の有無で評価。染色体の確定診断はできません |
| 確定診断(出生前) | 羊水検査 | 穿刺 | Gバンド法で全体像、必要に応じてCMA |
| 確定診断(出生前) | 絨毛検査 | 穿刺 | 羊水検査より早い時期に行われることが多い |
| 確定診断(出生前) | 羊水検査+CMA | 穿刺+解析 | Gバンド法では検出できない微小欠失を確定診断可能。学会指針では原則として超音波で構造異常がある場合などが対象 |
| 確定診断(出生後) | 赤ちゃんの血液の染色体検査 | 採血 | 迅速検査(FISH法など)は数日、核型分析は2〜3週間ほど |
エコーでどこまで分かるかはダウン症はエコーで指摘されない?わかる時期と特徴で、妊娠何週で何の検査ができるかはダウン症はいつわかる?妊娠何週で診断可能かで解説しています。
💡 用語解説:CMA(染色体マイクロアレイ)とCNV
CMA(Chromosomal Microarray Analysis)は、染色体の欠失や重複などのコピー数変化(CNV)を検出しやすい検査です。症状の幅が広い所見も含まれるため、結果の意味づけには専門的な解釈が必要です。国際的にも、命に直結しない所見をどこまで出生前に検出すべきかは議論が続いています。
6. 精度と解釈:NIPTが陰性でも「後からわかる?」の答え方
「NIPTで陰性なら安心できますか?」という質問は、とても自然です。ただ、ここで一番避けたいのは数字の意味を取り違えたまま心を預けてしまうことです。
【結論】陰性の意味
陰性は「その検査が調べた範囲で、ダウン症候群の可能性が低い」という評価であり、医学的にゼロを保証する意味ではありません。
一方で、必要以上に怖がる必要もありません。複数の研究をまとめた解析では、NIPTはダウン症候群の約99.7%を見つけ、偽陽性は約0.04%と報告されています[3]。陰性のあとに生まれてからダウン症候群と分かる「偽陰性」はまれですが、胎盤と赤ちゃんの染色体が食い違う場合などに起こりえます。
よくある誤解は、「陰性=絶対に大丈夫」と受け止めてしまうことです。たとえば、健診の超音波で気になる所見が出たときに「でもNIPTは陰性だった」と一人で抱え込み、相談が遅れてしまうことがあります。陰性は安心材料にはなりますが、その後の情報(超音波所見・妊娠経過)と合わせて整理することが大切です。偽陰性の確率と原因はNIPT陰性だったのにダウン症…偽陰性の確率と原因で解説しています。
💡 補足:陽性的中率は「事前確率」で変わる
陽性的中率(陽性の人が本当にその病気である割合)は、お母さんの年齢などの背景によって変わります。事前の確率が低いほど、同じ精度の検査でも偽陽性の割合が相対的に増えるため、数字は個別の条件で解釈します。陽性のときは確定検査で確かめ、当院では確定検査まで院内で受けられます。精度の考え方はNIPTの精度・確率は?感度・特異度と陽性的中率をご覧ください。
当院では、検査精度の根拠を公開しています。スタンダードプラン(以前のスーパーNIPT)のデータはスーパーNIPTのエビデンス、ダイヤモンドプランで使うCOATE法(SNP法とターゲット法の組み合わせ)のデータはCOATE法のエビデンスをご参照ください。
7. いつから受けられる?検査の流れと「判定不能」への備え
妊娠中の検査を考えるとき、現実的に気になるのが「何週から」「結果はいつ」「判定不能は?」という点だと思います。
📅 当院のNIPTの時期と流れ
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 検査を受けられる時期 | 妊娠9週から。妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます |
| 結果が出るまで | 基本は10〜14日。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間(ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日) |
| 出生前の確定診断 | 絨毛検査は妊娠初期、羊水検査は妊娠中期以降に行われることが多い検査です。当院では院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほどで結果が出ます。詳しくは羊水検査・絨毛検査の解説をご確認ください。 |
| 判定不能(再検査) | 胎児分画(胎児由来のDNAの割合)が低い場合などに起こりえます。当院で必要とする胎児分画は、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンドプランが3%、インペリアル・双子マックスプランが3.5%です。 |
早い時期に受けたい方がいるのは、妊娠12週を過ぎると、その後の選択肢や体への負担、仕事との両立などの事情が大きく変わるためです。当院では、妊娠9週より前でも臨床研究として受けられるようにしています。
💡 用語解説:胎児分画(たいじぶんかく)
お母さんの血液中にある細胞外DNA(cfDNA)のうち、赤ちゃん(胎盤)由来のものの割合です。胎児分画が低いと解析が難しくなり、判定不能や再検査となることがあります。基準の値は、検査会社ごとに正確性を保証できる値として決められています。
8. 陽性・判定不能の次にすること:確定検査とカウンセリング
結果を待つ時間は、想像以上に長く感じます。まずお伝えしたいのは、次に取れる行動は必ずあるということです。
【結論】陽性は「確定」ではありません
出生前の確定診断は羊水検査・絨毛検査です。微小欠失・重複の確定診断は「羊水検査+CMA」で行い、Gバンド法では検出できない微小欠失を確定診断できます。ただし学会指針では、原則として超音波で構造異常がある場合などが対象とされています。
💡 「確定検査」の前に大切なこと
検査結果は“情報”であり、結論を迫るものではありません。知る権利・知らないでいる権利を含め、選択は常にご家族に委ねられます。医師の役割は、情報提供者であり意思決定支援者です(非指示的支援)。当院では、陽性だった場合のカウンセリングを何度でも無料で受けられます。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
「ダウン症はいつわかる?」と調べている方の多くは、ダウン症候群のことを心配されています。ただ、出生前検査で見つかる病気はダウン症候群だけではありません。NIPTを選ぶときは、料金の総額だけでなく「何を調べられるか」で比べることをお勧めします。
当院のプランで調べられる範囲
🧬 プランごとの検査範囲
1つの病気あたりで考える
調べる範囲が広いプランは総額が上がりますが、1つの病気あたりで割ると、次のようになります。三大トリソミー(13・18・21)は出生前検査で広く調べられている基本の項目なので、比べやすいように、それだけを調べる検査を仮に10万円としています。
📊 1つの病気あたりの目安
| 検査 | 料金 | 調べる病気の数 | 1つの病気あたり |
|---|---|---|---|
| 三大トリソミーのみ(仮に10万円) | 100,000円 | 3 | 約33,333円 |
| スタンダード | 220,000円 | 14 | 約15,714円 |
| プレミアム | 264,000円 | 23 | 約11,478円 |
| ダイヤモンド | 407,000円 | 79 | 約5,152円 |
| 双子マックス | 440,000円 | 114+α | 約3,860円 |
| インペリアル | 550,000円 | 320+α | 約1,719円 |
※料金は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後(税込)。別途、検査結果の作成費用3,300円と、全員加入の互助会(カトレア会8,000円・安心検査結果保障制度6,000円)がかかります。病気の数は、トリソミー・性染色体の数の変化(4種類)・微小欠失の疾患数・単一遺伝子疾患の数を足したもので、+αは5Mbを超える構造異常です。詳しくはNIPTの費用・料金をご覧ください。
陰性は、調べた範囲について可能性が低いという意味で、調べていない病気を保証するものではありません。検査の範囲は、保険の補償内容のように「何に備えたいか」で選ぶものだと考えてください。
22q11.2欠失症候群はすべてのプランで調べられる
22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)は、心臓の病気や免疫の弱さ・発達の遅れを伴うことがある染色体の微小欠失です。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、22q11.2欠失のNIPTをすべての妊婦さんに提供することを提案しています[4]。一方で、ルーチンの検査として勧めていない学会もあり、考え方が分かれる項目だからこそ、検査前のカウンセリングで理解してから選ぶことが大切です。当院ではスタンダードプランを含むすべてのプランで調べられます。詳しくは22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)の全体像をご覧ください。
自閉症・発達障害の原因の一部も調べられる
自閉症・発達障害・知的障害の原因の一部は、染色体のごく小さな欠失・重複や、1つの遺伝子の変化(単一遺伝子疾患)です。当院のNIPTでは、プランによってその一部を調べられます。たとえば16p11.2欠失・重複は双子マックス・インペリアル、レット症候群やソトス症候群はダイヤモンド・インペリアル、フェラン・マクダーミッド症候群やピット・ホプキンス症候群はインペリアルの対象です。
こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[5][6]。これはダウン症候群(約700人に1人)と同じくらいの数字です。また、超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件)に増えたと報告されています[7]。
ただし、調べられるのは原因の一部です。陰性でも自閉症や発達障害の可能性がなくなるわけではありません。詳しくは自閉症はNIPTでわかりますか?で解説しています。
9. ミネルバクリニックの体制:確定検査まで院内で
日本には、日本医学会の認証を受けた施設(大学病院が中心)と、認証を受けていない施設(民間が中心)があります[8]。施設を選ぶときは、認証の有無だけでなく、誰が説明し、陽性のときに確定検査をどこで受けられるかという体制の中身を確認することが大切です。
💡 当院の体制(事実)
当院は認証を受けていない施設ですが、常駐する臨床遺伝専門医が、検査前の遺伝カウンセリングからNIPTの結果、陽性後の対応まで担当します。2025年6月からは確定検査(羊水検査・絨毛検査)も院内で行っており、転院せずに確定まで進めるため、結果を待つ時間を短くできます。
🏥 ミネルバクリニックのNIPTで受けられること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当医 | 常駐する臨床遺伝専門医。90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います |
| 料金に含まれるもの | 遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定 |
| 陽性のとき | 陽性のカウンセリングは何度でも無料。羊水検査・絨毛検査を院内で実施し、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます(マイクロアレイは2週間ほど) |
| 互助会(全員加入) | カトレア会(8,000円):陽性で羊水検査が必要になった場合の費用を補助(上限なし) 安心検査結果保障制度(6,000円):結果が出ず再検査が必要なのに、流産で再検査ができない場合に備える互助会 |
| 遠方の方 | オンラインNIPT(提携施設は全国110か所) |
| 問い合わせ | NIPT専用ダイヤル 03-3408-3768 |
🩺 院長コラム【「話を聞いてから決める」ための時間】
出生前診断は、検査の名前より先に「何を知りたいのか」「知ったあとどうしたいのか」を整理することが大切だと考えています。検査の意味、結果の解釈、陽性だった場合の選択肢を理解しないまま検査を受けると、結果が出たときにかえって迷いが深くなるからです。
どの検査を選ぶかは、ご家族の価値観と優先順位によって変わります。医師が誘導するものではありません。「理解したうえで選べる状態」をつくることが、臨床遺伝専門医の役割だと考えています。
まとめ|出生前と出生後、どちらも「準備の形」が違うだけ
📝 この記事のまとめ
生まれてからわかる:生後すぐ〜数日で疑われ、染色体検査で確定(確定は生後1か月前後が目安)
出生前にわかる:NIPTで妊娠9週からリスク評価し、陽性なら羊水検査・絨毛検査で確定
わからないこと:出生前に生活や発達を断定することはできません
ダウン症候群だけで大丈夫?:NIPTは調べられる範囲で選ぶ
出生前診断を「受けるべきかどうか」に正解はありません。大切なのは、ご家族が納得できるだけの情報を持った上で選ぶことです。迷ったときは、まず「理解できる状態」を作るところから始めてください。
🏥 ダウン症候群だけで大丈夫? 調べる範囲から選ぶNIPT
常駐する臨床遺伝専門医が検査前のカウンセリングから結果まで担当し、陽性なら羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます(主要な検査項目は3日以内に結果)。妊娠9週から受けられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ダウン症は生まれてから何日・生後何ヶ月でわかりますか?
多くは生まれた直後から数日のうちに、顔立ちや筋肉のやわらかさ、心臓の検査などから疑われます。確定は赤ちゃんの血液の染色体検査で、FISH法などの迅速検査なら数日、確定に使う核型分析(Gバンド法)は2〜3週間ほどかかるため、確定は生後1か月前後が目安です。特徴が目立ちにくいモザイク型などでは、生後数か月以降に気づかれることもあります。
Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
出生前検査で見つかる病気はダウン症候群だけではありません。当院のNIPTはすべてのプランで、13・18・21トリソミーに加えて22q11.2欠失症候群などの微小欠失も調べます。プランによっては全染色体や、自閉症・発達障害の原因の一部になる単一遺伝子の変化も対象です。ただし陰性は調べた範囲の可能性が低いという意味で、すべてを保証するものではありません。
Q3. ダウン症は妊娠何週でわかりますか?
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ(妊娠6〜8週は臨床研究として)、結果は基本10〜14日で出ます。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は羊水検査・絨毛検査で確定します。当院では確定検査も院内で受けられます。
Q4. 生まれてからダウン症とわかる確率はどのくらいですか?
ダウン症候群の出生頻度は全体で約700人に1人です。妊娠中にNIPTや確定検査を受けていない場合、エコーでは指摘されないことも多いため、生まれてから分かることになります。お母さんの年齢が上がるほど頻度は高くなりますが、若い方でも起こります。
Q5. NIPTで陰性なら、ダウン症の可能性はゼロですか?
NIPTはスクリーニング検査で、確定診断ではありません。ダウン症候群の検出率は約99.7%と高いものの、陰性は「可能性が低い」という評価で、医学的にゼロを保証するものではありません。健診のエコーで気になる所見があれば、陰性でも相談してください。
Q6. NIPTで陽性と出たら、確実にダウン症ですか?
いいえ。NIPTはスクリーニング検査であり、陽性でも確定診断にはなりません。出生前の確定診断は羊水検査・絨毛検査です。当院では陽性のカウンセリングを何度でも無料で受けられ、確定検査は主要な検査項目が3日以内に結果が出ます。
Q7. 羊水検査+CMAは、どんなときに行われますか?
羊水検査は出生前の確定診断です。CMA(染色体マイクロアレイ)を組み合わせることで、Gバンド法では検出できない微小欠失を確定診断できます。学会指針では原則として、超音波で構造異常がある場合などが対象とされています。
Q8. 互助会費は別途かかりますか?
はい。NIPTを受ける方は全員、カトレア会(8,000円)と安心検査結果保障制度(6,000円)に加入します。カトレア会は陽性で羊水検査が必要になった場合の費用を上限なしで補助し、安心検査結果保障制度は結果が出ず再検査が必要なのに流産で再検査ができない場合に備える互助会です。
Q9. 遠方でも相談できますか?
はい。オンラインNIPTに対応しており、提携施設は全国110か所にあります。遺伝カウンセリングもオンラインで行えます。
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参考文献
- [1] Bull MJ, Trotter T, Santoro SL, et al. Health Supervision for Children and Adolescents With Down Syndrome. Pediatrics. 2022;149(5):e2022057010. [DOI 10.1542/peds.2022-057010]
- [2] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [ACOG]
- [3] Gil MM, Accurti V, Santacruz B, Plana MN, Nicolaides KH. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [PubMed 28397325]
- [4] Dungan JS, Klugman S, Darilek S, et al. Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2023;25(2):100336. [DOI 10.1016/j.gim.2022.11.004]
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- [6] Zhang J, et al. Non-invasive prenatal sequencing for multiple Mendelian monogenic disorders using circulating cell-free fetal DNA. Nat Med. 2019;25(3):439-447. [DOI 10.1038/s41591-018-0334-x]
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- [8] 厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書」[厚生労働省]
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。赤ちゃんの診断や検査については、主治医・専門医にご相談ください。






