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NIPT判定保留で諦める前に|他院で結果が出なかった方の次の選択肢を遺伝専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

「NIPTの結果が出ませんでした。判定保留です」と言われると、何か悪いことが起きているのではないかと不安になります。最初にお伝えしたいのは、判定保留は「陽性」ではなく、結果を出せなかった状態だということです。ただし「判定保留」という言葉の使い方は施設によって違い、血液の中の赤ちゃん由来のDNAが足りずに採血し直す「再検査」まで含めて判定保留と呼ぶ施設もあれば、当院のように両者を分けている施設もあります。結果が出ない割合は、大規模な研究をまとめると約1.3%で、再検査をすると約8割で結果が出ています[1]。一方で、結果が出なかったことを理由に、そのまま何もしないのは勧められません。この記事では、判定保留の原因と確率、2回続いたときの考え方、他院で判定保留になった方が次にとれる選択肢を、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🩺 NIPT・判定保留・再検査
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤判定保留(判定不能・No-Call)の意味と、陽性・陰性との違い
  • ➤「判定保留」と、胎児分画不足による「再検査(再採血)」の違い
  • ➤判定保留になる確率と、再検査で結果が出る割合
  • ➤主な原因(胎児分画の不足・母体の体格・ヘパリンなどの薬・検査技術)
  • ➤2回続けて判定保留になったときの選択肢(別の方式のNIPT・羊水検査)
  • ➤現在当院で扱っているNIPTで判定保留が出ていない理由と、再検査になる場合

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. NIPTの判定保留とは?原因は?

本来の判定保留は、赤ちゃん由来のDNA(胎児分画)が十分にあるのに、陽性・陰性を判定できない状態です。胎児分画が足りないだけなら、週数をあけて採血し直せば結果が出るので判定保留ではなく「再検査」です。ただ、施設によっては胎児分画不足も「判定保留」と伝えることがあり、他院で判定保留と言われた方の多くはこちらです。

🔍 Q. ダウン症候群だけで大丈夫?

再検査を受けるなら、調べる範囲も選び直せます。当院のNIPTでは、ダウン症候群などのトリソミーに加えて、22q11.2欠失症候群などの微小欠失や、一部の自閉症・発達障害の原因になる単一遺伝子の病気まで、プランに応じて調べられます。

📊 Q. 判定保留になる確率と、再検査で結果が出る割合は?

30本の研究をまとめた解析では、初回で結果が出ない割合は約1.3%(欧米の研究で3.3%、アジアの研究で0.6%)で、再検査では約79%で結果が出ています[1]。2回続けて出ないときは、別の方式のNIPTか羊水検査を考えます。なお、現在当院で扱っているNIPTでは、胎児分画が足りているのに判定できない「判定保留」は出ていません。

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1. NIPT判定保留(再検査)とは?まず知っておくべきこと

【結論】NIPTの判定保留とは、「陽性」でも「陰性」でもなく、結果を出せなかった状態です。「判定不能」「再検査」「No-Call(ノーコール)」とも呼ばれます。赤ちゃんに病気があると分かったわけではありませんが、反対に「心配ない」と分かったわけでもありません。まだ何も分かっていない状態と考えてください。

NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液に含まれるDNAの断片(セルフリーDNA)を調べる検査です。このうち赤ちゃん側(実際には胎盤)から来ているDNAが一定の割合以上ないと、赤ちゃんの染色体の量を正確に見積もれません。この割合を胎児分画(たいじぶんかく)または胎児ゲノム率と呼びます。

💡 用語解説:判定保留(No-Call)

胎児分画が基準を満たしているのに、データのばらつきなどで陽性・陰性のどちらとも判定できなかった状態を指します。胎児分画が足りないだけの場合は、週数をあけて採血し直せば結果が得られるため、判定保留ではなく「再検査」です。ただし論文や一部の施設では、胎児分画不足も含めて「判定保留」「No-Call」「検査不成立」とまとめて呼んでいます。どちらも陽性を意味するものではありません。

「判定保留」と「再検査(再採血)」の違い

他院で「判定保留」と言われた方は、まずどちらの意味の判定保留だったのかを結果報告書で確かめてください。施設によって言葉の使い方が違うためです。当院では、胎児分画が基準に届かなかった場合は、判定保留とは呼ばず、週数をおいて採血し直す「再検査」として扱っています。当院のデータでは、妊娠8週で受けた方の約5%が再検査になっています。

📋 言葉の違いを整理する

状態 論文・多くの施設での呼び方 当院での呼び方と対応
胎児分画が基準に届かない 判定保留・No-Call・検査不成立に含めることがある 「再検査」:週数をあけて採血し直せば結果が出るので、判定保留ではない
胎児分画は足りているが、陽性・陰性を判定できない 判定保留 「判定保留」:現在扱っている検査では0%

この記事の以下の部分では、論文の数字を紹介するため、胎児分画不足で結果が出ない場合も含めて「判定保留」「結果が出ない」と書いています。

判定保留になる確率と、再検査で結果が出る割合

結果が出ない頻度(胎児分画不足で採血し直す場合を含む)は、検査の方式や施設、対象者の体格などで変わります。30本の研究をまとめた系統的レビューでは、初回の検査で結果が出ない割合は14の大規模な研究の平均で約1.3%でした。研究の地域別にみると、欧米の研究で3.3%、アジアの研究で0.6%と差がありました[1]。米国の一般の妊婦さん約1万6千人を対象にした研究では、3.0%(488人)で結果が得られませんでした[2]。

同じレビューでは、結果が出なかった方の83%が再検査を受け、再検査の79%で結果が得られています(研究によって46〜97%と幅があります)[1]。つまり、判定保留になっても、多くの方は再検査で結果を受け取れています。

💡 臨床遺伝専門医の補足:アジアの研究で頻度が低い理由

このレビューの著者は、アジアの研究で結果が出ない割合が低い理由として、胎児分画を日常的に測っていない検査が多いことと、体重の多い妊婦さんが少ないことを挙げています[1]。胎児分画を測らなければ「足りない」と判断されることもないため、保留は減ります。けれども、それは足りていたことの証明にはなりません。「保留が少ない」ことよりも、「胎児分画を測り、基準を決めたうえで結果を出しているか」が大切だというのが、この数字から読み取れることです。

判定保留と陽性・陰性の違い

混同されやすいのですが、「判定保留」と「陽性」はまったく別の結果です。表で整理します。

📋 NIPTの3つの結果

結果 意味 次のステップ
陰性 調べた病気の可能性が低い 通常の妊婦健診を続ける
陽性 調べた病気の可能性が高い 羊水検査・絨毛検査で確かめる
判定保留 結果を出せなかった(まだ分からない) 再検査、別の方式のNIPT、または確定検査を相談する

判定保留は陽性の可能性と関係がある?

ダウン症候群(21トリソミー)については、結果が出なかった妊娠と出た妊娠で割合に差がない(オッズ比0.98)とまとめられています[1]。一方、13トリソミー・18トリソミーや三倍体では胎盤が小さく、胎児分画が低くなりやすいため、結果が出なかったグループではこれらの割合が高いと報告されています[3]。先ほどの米国の研究でも、結果が得られなかった488人では、染色体の数の異常の割合が全体より高くなっていました[2]。

このため米国産婦人科学会(ACOG)は、結果が出なかった妊婦さんには遺伝カウンセリングを行い、詳しい超音波検査と確定検査を選べるようにすることを勧めています[4]。判定保留は「悪い結果」ではありませんが、「放っておいてよい結果」でもありません。

⚠️ 重要なポイント

判定保留は「陽性」ではなく、「まだ何も分かっていない状態」です。13・18トリソミーなど一部の病気では胎児分画が低くなりやすいことが知られているため、超音波検査の所見も合わせて、次にどうするかを早めに決めましょう。

2. なぜ結果が出ない?判定保留になる3つの主な原因

【結論】判定保留の主な原因は、①胎児分画の不足、②お母さんの体格や使っている薬など母体の要因、③検査の方式と基準の3つに分けられます。このうち胎児分画不足は、本来は判定保留ではなく、週数をあけて採血し直せば結果が出る「再検査」の原因です。ここでは、他院で「判定保留」と言われた方の多くがこのケースであるため、あわせて説明します。「なぜ私だけ」と自分を責める必要はありません。どれも、お母さんの行動で防げるものではありません。

💡 用語解説:胎児分画(Fetal Fraction)

お母さんの血液中にあるセルフリーDNA全体のうち、赤ちゃん(実際には胎盤)由来のDNAが占める割合です。NIPTの精度はこの割合に大きく左右されるため、検査会社ごとに「この値以上なら正確性を保証できる」という基準が設けられています。基準の考え方は胎児ゲノム率が低い=異常?4%基準と再検査の考え方で解説しています。

原因①:胎児分画の不足

結果が出ないことの最も多い原因です(当院では「再検査」として扱います)。妊娠11〜13週の妊婦さんを調べた研究では、胎児分画はお母さんの体重が多いほど低く、妊娠週数が進むほど高くなっていました[5]。大規模な検査データの解析でも、体格(BMI)が大きいことと妊娠週数が早いことが、胎児分画を下げる要因として示されています[6]。

🔬 胎児分画が低くなりやすい条件

条件 理由
妊娠週数が早い 胎盤がまだ小さく、赤ちゃん側のDNAが少ない。週数が進むと上がる
体重・BMIが多い お母さん側のDNAが増え、赤ちゃん側の割合が相対的に下がる
胎盤の状態 胎盤が小さい場合(13・18トリソミーなど)は赤ちゃん側のDNAが少ない
個人差 同じ週数・体格でも、胎児分画には人によって差がある

胎児分画が低くなる理由と、低いと結果にどう影響するかは胎児分画が低いとどうなる?NIPTの判定保留とリスク解説で詳しく解説しています。

原因②:お母さんの健康状態・薬が影響するケース

体格のほかに、使っている薬や持病が結果に影響することがあります。代表的なのが、不育症の治療などで使うヘパリン(特に低分子ヘパリン)で、血液中のDNAの状態に影響し、結果が出にくくなることが報告されています[7]。ヘパリンを使っている場合でも、休薬するかどうかは処方している主治医が判断します。自己判断で中止しないでください。詳しくはヘパリン注射とNIPT|不育症治療中でも検査可能?をご覧ください。

また、子宮筋腫がある方が判定保留になった場合の考え方は子宮筋腫があるとNIPTで判定保留になる?で解説しています。

原因③:検査の方式と、胎児分画の基準

ここが最も見落とされやすいポイントです。判定保留になるかどうかは、お母さん側の条件だけでなく、その検査が胎児分画をどう測り、どこに基準を置いているかでも変わります。たとえば同じ胎児分画3.5%でも、基準が4%の検査なら判定保留、基準が3%の検査なら結果を出せる、ということが起こります。

再検査で約8割は結果が出る一方で[1]、体重が多い方などで胎児分画がもともと低い場合は、週数を進めて同じ方式で採血し直しても、また基準に届かないことがあります。こうした場合は、胎児分画の基準や測り方が異なる方式のNIPTを選ぶことが選択肢になります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【判定保留は「検査の限界」であって「あなたの問題」ではない】

判定保留の知らせを受けて落ち込んでいる方に、まずお伝えしたいのは、「これはあなたのせいではない」ということです。胎児分画は、体格や妊娠週数、胎盤の状態といった、ご本人が変えられない条件で決まります。

そのうえで、臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、判定保留を「結果が出なかった」で終わらせないことです。胎児分画の基準がどこにあり、どの方式なら結果を出せる可能性があるのか、超音波で気になる所見はないか。それを整理すれば、次に何をすればよいかが見えてきます。

3. NIPTの検査技術の違いを理解する

【結論】NIPTには複数の解析方式があり、方式によって胎児分画の測り方や、正確性を保証できる基準が異なります。どの方式でも、検査会社の解析の質や品質管理によって結果の確かさは変わります。

主なNIPTの解析方式

🧪 NIPTの主な解析方式と胎児分画

解析方式 特徴 胎児分画の扱い
ワイドゲノム法(全ゲノムを広く浅く読む) 全染色体を一度に見られる 検査によっては胎児分画を結果に示さない
ターゲット法(標的捕捉濃縮) 調べたい領域を集中的に読む 検査会社ごとに基準を設定
SNP法 お母さんと赤ちゃんのDNAを見分けやすく、三倍体も判定できる 胎児分画を直接測りやすい
COATE法(SNP法+ターゲット法) 2つの方式を組み合わせた次世代の方式 当院のダイヤモンドプランの基準は3%

方式の名前だけで精度が決まるわけではありません。同じ方式でも、検査会社の解析技術と品質管理で結果の確かさは変わります。

💡 用語解説:COATE法

SNP法とターゲット法を組み合わせた次世代のNIPTの方式です。当院のダイヤモンドプランでは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供するCOATE法を採用しています※。データはCOATE法のエビデンスをご覧ください。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

検査会社によって結果の確かさが異なる理由

NIPTの確かさは、「どの方式を使うか」だけでなく、検査会社の解析の質にも左右されます。

🔬 結果の確かさを左右する要因

要因 内容
シーケンサー DNAを読み取る機器の種類と読み取りの深さ
バイオインフォマティクス 読み取ったデータを解析する専門家と解析手法
胎児分画の測定と基準 胎児分画を測っているか、どの値で正確性を保証しているか
品質管理 採血から輸送、解析までの管理体制

4. 当院なら判定可能?判定保留0%の理由と検査技術

【結論】現在当院で扱っているNIPTでは、胎児分画が足りているのに陽性・陰性を判定できない「判定保留」は出ていません。理由は、どのプランでも胎児分画を測り、検査会社ごとに正確性を保証できる基準を設けたうえで結果を出しているからです。基準に届かない場合は、判定保留にはせず、週数をおいて採血し直す「再検査」にしています(当院のデータでは、妊娠8週で受けた方の約5%)。

「0%」の意味と、これまでの経緯

正確にお伝えするために、経緯も書いておきます。以前(2017年〜2018年夏)に扱っていた検査では、判定保留が1例ありました。その方は羊水検査で確認し、異常はありませんでした。当時の検査では、血液中の赤ちゃん由来のDNAの割合(胎児分画)の値が結果に示されませんでした。当院はその後、胎児分画を測って確かめられる、より精度の高い検査に順次切り替え、その検査は現在扱っていません。

「胎児分画の値がわからない検査」では、結果が出たとしても、その結果が十分な胎児分画のもとで出たものかを確かめられません。一方、胎児分画を測り、基準を決めている検査では、基準に届いているかを確かめたうえで結果を出せます。基準に届いていれば判定し、届いていなければ採血し直す。この2つに分けていることが、現在の当院のNIPTで判定保留が出ていない理由です。再検査が0%という意味ではありません。また、これは今までの実績であり、今後も必ず結果が出ることを約束するものではありません。

📏 当院のNIPTの胎児分画の基準

プラン 胎児分画の基準 主な検査範囲
スタンダード 3% 13・18・21トリソミー+性染色体/微小欠失6種類7疾患(単胎・双胎)
プレミアム 3% 13・15・16・18・21・22トリソミー+性染色体/微小欠失12種類13疾患(単胎のみ)
ダイヤモンド 3% プレミアムと同じ範囲+単一遺伝子56(単胎のみ)
双子マックス 3.5% 全常染色体/微小欠失・重複92種類+5Mbを超える構造異常(単胎・双胎)
インペリアル 3.5% 全常染色体+性染色体/92種類+5Mbを超える構造異常/単一遺伝子最大155遺伝子(202疾患)(単胎のみ)

基準の値は、検査会社ごとに正確性を保証できる値として設定されています。

ダイヤモンドプランで検査できる項目

ダイヤモンドプランは、COATE法で次の範囲を調べます。

💎 ダイヤモンドプランの検査範囲

分類 内容
常染色体トリソミー(6種) 13/15/16/18/21/22番
性染色体の数の変化(4種) 45,X/47,XXX/47,XXY/47,XYY
微小欠失(12種類13疾患) 22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)、1p36欠失症候群、ウォルフ・ヒルシュホーン症候群、猫鳴き症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マゲニス症候群、ランガー・ギーディオン症候群、ジェイコブセン症候群など
単一遺伝子(56遺伝子) ヌーナン症候群、アラジール症候群、CHARGE症候群、ソトス症候群、骨形成不全症、コルネリア・デ・ランゲ症候群、レット症候群など

単一遺伝子の病気の多くは、ご両親に同じ変化がなくても、精子や卵子ができるときに新しく生じた変化(新生突然変異)で起こります。このうちレット症候群、ソトス症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群などは、知的障害や発達の遅れを伴うことがある病気です。一部の自閉症・発達障害は、その原因になる遺伝子や染色体の変化を当院のNIPTで調べられます。ただし、すべての自閉症・発達障害が分かるわけではなく、陰性でも心配がすべてなくなるわけではありません。

また、超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[8]。すべての妊婦さんで1.6倍になるという意味ではありません。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

判定保留で再検査を考えるときは、「もう一度同じ検査を受けるか」だけでなく、何を調べたいかを選び直す機会にもなります。三大トリソミー(13・18・21番)は、出生前検査で広く調べられている基本の項目です。当院では、スタンダードプランでも22q11.2欠失症候群を含む微小欠失を調べます。

料金を「1つの病気あたり」で考えると、プランごとの違いが分かりやすくなります。三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とした場合と比べたのが下の表です。

🧮 1つの病気あたりで考える

プラン 調べる病気の数 料金(税込) 1つの病気あたり
三大トリソミーのみ(仮) 3 100,000円(仮定) 約33,333円
スタンダード 14 220,000円 約15,714円
プレミアム 23 264,000円 約11,478円
ダイヤモンド 79 407,000円 約5,152円
双子マックス 114+α 440,000円 約3,860円
インペリアル 320+α 550,000円 約1,719円

料金は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の金額で、遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定を含みます(結果の作成費用は別途)。病気の数は、トリソミー・性染色体の数の変化(4種類)・微小欠失の疾患数・単一遺伝子の疾患数を足して数えています。「+α」は5Mbを超える構造異常の分です。詳しくはNIPTの費用・料金をご覧ください。

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5. 判定保留と言われたら?次にとるべき選択肢

【結論】判定保留になったときの選択肢は、①同じ検査で採血し直す、②胎児分画の基準や方式が異なるNIPTで検査する、③確定検査(羊水検査・絨毛検査)に進むの3つです。どれがよいかは、妊娠週数、判定保留の理由、超音波検査の所見で変わります。

選択肢①:同じ検査で採血し直す

多くの場合、まず勧められる方法です。週数が進むと胎児分画は上がるため[5]、再検査の約8割で結果が出ています[1]。一方で、体重が多い方など胎児分画がもともと低い方では再び結果が出ないことがあり、再採血から結果までの間に妊娠週数が進むことも考えておく必要があります。

選択肢②:胎児分画の基準や方式が異なるNIPTで検査する

胎児分画の基準が低い検査や、胎児分画を直接測りやすい方式の検査を選ぶ方法です。当院のNIPTはどのプランも胎児分画を測っており、基準はスタンダード・プレミアム・ダイヤモンドで3%、双子マックス・インペリアルで3.5%です。前回の検査の胎児分画の値が分かれば、それをもとにどの方式が合うかを判断できます。

選択肢③:確定検査(羊水検査・絨毛検査)に進む

羊水検査・絨毛検査は赤ちゃん側の細胞を直接調べるため、診断を確定できますが、わずかながら流産のリスクがあります。判定保留に加えて超音波検査で気になる所見がある場合や、週数の余裕がない場合には、NIPTを繰り返すより確定検査を先に考えることがあります[4]。

2回続けて判定保留になったら

再検査でも結果が出なかった場合は、同じ方式でさらに繰り返すより、方式の異なるNIPTか、確定検査に切り替えることを考えます。系統的レビューでは、初回と再検査の両方で結果が出なかった82例のうち、ダウン症候群は1例で、割合は結果が出た妊娠と差がありませんでした[1]。ただし、13・18トリソミーや三倍体は胎児分画が低くなりやすいため[3]、詳しい超音波検査で赤ちゃんの発育や形を確認し、確定検査も選べるようにしておくことが大切です。

📋 判定保留後の3つの選択肢

選択肢 流産のリスク 向いている場合
同じ検査で採血し直す なし 週数が早かった、初めての判定保留
基準・方式が異なるNIPT なし 体格などで胎児分画がもともと低い、2回目の判定保留
羊水検査・絨毛検査 わずかにあり 超音波で気になる所見がある、週数の余裕がない

6. NIPT施設選びで失敗しないために

【結論】判定保留に備えるには、検査の方式と胎児分画の基準、臨床遺伝専門医の有無、陽性や判定保留のときの対応を最初に確認しておくことが大切です。

施設選びで確認すべきポイント

✓ 施設選びのチェックリスト

確認すること 聞いてみたい質問
検査の方式 どの方式の検査か?胎児分画は測っているか?基準はいくつか?
専門医の有無 臨床遺伝専門医が常駐しているか?
遺伝カウンセリング 検査の前後に遺伝カウンセリングがあるか?
判定保留・陽性のとき 再検査の費用は?確定検査まで同じ施設で受けられるか?
費用の内訳 遺伝カウンセリングや超音波検査は料金に含まれているか?

価格の違いには理由がある

NIPTの料金には、検査の方式や解析の質のほか、検査前後の説明やフォローの体制が反映されます。当院のNIPTの料金には、遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定が含まれています。陽性だった場合の陽性カウンセリングは何度でも無料で、妊娠経過の中で心配なことがあれば相談できます。「お金がかかるから相談しにくい」という状況を避けるための仕組みです。選び方の詳しいポイントはNIPTクリニックの選び方にまとめています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「早く結果が出る」より「正確な結果が出る」を選んでほしい】

NIPTは、その後の妊娠の過ごし方を左右する検査です。だからこそ私は、短い日数で結果を出すことよりも、胎児分画を確かめたうえで正確な結果を出すことを優先すべきだと考えています。判定保留が少ないことも、胎児分画を測らずに結果を出しているのであれば意味が違ってきます。

もう一つ大切だと考えているのは、陽性や判定保留だったときに、誰が説明し、どこで確定検査を受けられるのかということです。結果を受け取った後の不安な時間をできるだけ短くするために、臨床遺伝専門医が最初から最後まで担当し、確定検査まで院内で受けられる体制が必要だと考えています。

7. 当院のサポート体制|トリプルリスクヘッジ

【結論】ミネルバクリニックは、費用・時間・心理面の3つの備えで、検査から確定検査まで院内で対応しています。

🛡️ 3つのリスクヘッジ

備え 内容
💰 費用の備え NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。カトレア会(8,000円)は陽性時の羊水検査の費用を上限なく補助します。安心検査結果保障制度(6,000円)は、結果が出ず再検査が必要になったのに、流産で再検査ができず結果が出ない場合に備える互助会です(どちらも収益目的ではないため消費税の対象外)
⏱️ 時間の備え 2025年6月に産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます
💚 心理面の備え 確定検査まで院内で受けられるため転院の必要がなく、臨床遺伝専門医が最初から最後まで担当します。陽性カウンセリングは何度でも無料です

当院でNIPTを受ける方へのサポート

90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。検査で分かること・分からないこと、判定保留や陽性だった場合の選択肢を理解していただいてから採血します。NIPTは妊娠9週から受けられ(妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます)、結果は基本10〜14日でお知らせします(インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間)。

胎児分画が基準に届かず再検査(再採血)になった場合、当院では再検査を無料で行っています(検査キット代4,400円のみご負担)。遠方の方は、全国110か所の提携施設で採血できるオンラインNIPTも利用できます。陽性だった場合は、確定検査のために当院へお越しいただく流れになります。

📝 他院で検査を受けた方へ

他院で検査を受けて判定保留や陽性になった方のフォローは、本来その施設が行うものです。当院は当院で検査を受けた方へのサポートを優先していますが、ご相談は可能です。前回の結果報告書(胎児分画の値が書かれていればその値も)をお持ちいただくと、次の選択肢を具体的に考えられます。

🏥 判定保留で迷っている方へ

ミネルバクリニックでは、どのプランも胎児分画を測り、基準(3%または3.5%)に届いていれば判定、届いていなければ再検査(再採血)としています。臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら確定検査まで院内で受けられます。NIPT専用ダイヤル:03-3408-3768

よくある質問(FAQ)

Q1. NIPT判定保留とはどういう意味ですか?原因は何ですか?

陽性でも陰性でもなく、結果を出せなかった状態です。赤ちゃんに病気があると分かったわけではありませんが、心配ないと分かったわけでもありません。本来の判定保留は、赤ちゃん(胎盤)由来のDNAの割合(胎児分画)が十分にあるのに判定できない状態です。胎児分画が足りないだけなら、週数をあけて採血し直せば結果が出るため判定保留ではなく再検査ですが、施設によってはこれも判定保留と伝えています。胎児分画は、妊娠週数が早い、お母さんの体重が多い、ヘパリンなどの薬を使っているといった条件で低くなりやすくなります。

Q2. ダウン症候群だけで大丈夫?再検査で調べる範囲を変えられますか?

変えられます。三大トリソミーは出生前検査で広く調べられている基本の項目ですが、当院ではスタンダードプランでも22q11.2欠失症候群を含む微小欠失を調べ、ダイヤモンドプラン(56遺伝子)やインペリアルプラン(最大155遺伝子)では、一部の自閉症・発達障害の原因になる単一遺伝子の病気まで調べられます。すべての病気が分かるわけではないため、検査前の遺伝カウンセリングで範囲を確認して選んでください。

Q3. 胎児分画不足の「再検査」と「判定保留」は同じですか?

同じではありません。胎児分画が足りないだけなら、週数をあけて採血し直せば結果が出るので「再検査」です。判定保留は、胎児分画が十分にあるのに陽性・陰性を判定できない状態を指します。ただし論文や一部の施設では、胎児分画不足も判定保留(No-Call)に含めて呼んでいます。他院で判定保留と言われた方は、結果報告書で理由と胎児分画の値を確かめてください。

Q4. NIPTで判定保留になる確率はどのくらいですか?

30本の研究をまとめた解析では、初回で結果が出ない割合は約1.3%で、欧米の研究で3.3%、アジアの研究で0.6%でした。頻度は検査の方式や胎児分画を測っているかどうか、対象者の体格で変わります。なお、現在当院で扱っているNIPTでは、胎児分画が足りているのに判定できない判定保留は出ていません。胎児分画が基準に届かない場合は再検査(再採血)になり、当院のデータでは妊娠8週で受けた方の約5%です。

Q5. 判定保留のあと再検査すれば結果は出ますか?

系統的レビューでは、再検査の約79%で結果が得られています(研究によって46〜97%)。週数が進むと胎児分画が上がるためです。ただし、体重が多い方など胎児分画がもともと低い方では、再検査でも結果が出ないことがあります。その場合は、胎児分画の基準や方式が異なるNIPTか、確定検査を考えます。

Q6. NIPTで2回判定保留になったらどうすればいいですか?

同じ方式でさらに繰り返すより、方式の異なるNIPTか、羊水検査・絨毛検査に切り替えることを考えます。ダウン症候群の割合は結果が出た妊娠と差がないとまとめられていますが、13・18トリソミーや三倍体は胎児分画が低くなりやすいため、詳しい超音波検査で発育や形を確認し、確定検査も選べるようにしておくことが大切です。

Q7. 判定保留は陽性の可能性が高いということですか?

判定保留は陽性ではありません。ダウン症候群については、結果が出なかった妊娠と出た妊娠で割合に差がないと報告されています。一方、13・18トリソミーや三倍体では胎盤が小さく胎児分画が低くなりやすいため、結果が出なかったグループで割合が高いと報告されています。米国産婦人科学会は、結果が出なかった方に遺伝カウンセリングと詳しい超音波検査、確定検査の選択肢を示すよう勧めています。

Q8. 他院で判定保留になりましたが、ミネルバクリニックで検査を受けられますか?

受けられます。当院のNIPTはどのプランも胎児分画を測り、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンドは3%、双子マックス・インペリアルは3.5%の基準に届いていれば判定し、届いていなければ再検査(再採血)としています。前回の結果報告書をお持ちいただくと、どの方式が合うかを判断しやすくなります。遠方の方は、全国110か所の提携施設で採血できるオンラインNIPTも利用できます。

Q9. 判定保留から確定検査(羊水検査)に進むべきですか?

超音波で気になる所見がある場合や、週数の余裕がない場合は、確定検査を先に考えることがあります。一方、羊水検査は流産のリスクがわずかにあり、NIPTは微小欠失や単一遺伝子の病気など、確定検査で通常調べる範囲とは違う項目も調べられます。所見や週数に応じて、臨床遺伝専門医と相談して決めてください。当院では羊水検査・絨毛検査を院内で行い、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。

Q10. 当院で再検査になった場合、費用はかかりますか?

胎児分画が基準に届かず再検査(再採血)になった場合、再検査は無料です。ご負担は検査キット代4,400円のみです。また、再検査が必要になったのに流産で再検査ができず結果が出ない場合に備えて、安心検査結果保障制度(6,000円)があります。

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参考文献

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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。判定保留後の対応は、検査を受けた施設または臨床遺伝専門医にご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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