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致死性骨異形成症はいつわかる?エコーとNIPT

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

「赤ちゃんの手足の骨が短いと言われた」「致死性骨異形成症は、妊娠のいつごろわかるのだろう」。こうした疑問をお持ちの方に向けて、エコー(超音波検査)でわかる時期と、NIPTで調べられるかどうかを、論文と公的な情報をもとに臨床遺伝専門医が解説します。東京・北青山の当院で受けられる検査の範囲と料金は、東京のNIPT(新型出生前診断)のページにまとめています。

⏱️ 30秒でわかる要約

🩻 Q. 致死性骨異形成症は、いつわかりますか?

エコーでは、早ければ妊娠12〜14週ごろに手足の骨の短さが見えることがあり、妊娠20週までには、手足の長さが同じ週数の赤ちゃんの5パーセンタイル未満として分かる程度になるとされています。原因の遺伝子を調べるNIPTなら、エコーで目立つ前の時期に採血で調べられます。

🧬 Q. NIPTで致死性骨異形成症はわかりますか?

当院のダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子)は、致死性骨異形成症1型・2型の原因遺伝子FGFR3を調べる対象に含んでいます。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。

🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言えません。

👪 Q. 次の妊娠でも、また起こりますか?

ほとんどは、ご両親にはない赤ちゃんで新しく起きた変化によるものです。きょうだいでくり返す確率は、一般の確率と比べて大きくは上がらないとされています。ただし、理論上の可能性があるため0ではありません。

\ 骨の病気まで調べられるNIPTを /

当院のNIPTは、微小欠失症候群や、致死性骨異形成症などの単一遺伝子の病気(ダイヤモンド・インペリアル)まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。

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まだプランを決めていない方は、単一遺伝子まで調べるプランの内容をご覧ください。
ダイヤモンドプラン | インペリアルプラン

致死性骨異形成症(タナトフォリック骨異形成症)とは?

致死性骨異形成症とは、FGFR3(エフジーエフアールスリー)という遺伝子の変化によって、手足の骨がとても短く、胸(胸郭)が小さく育つ骨の病気です[1][2]。国の指定難病(275)としての名前は「タナトフォリック骨異形成症」で、以前は生まれてまもなく亡くなることが多かったため「致死性骨異形成症」と呼ばれてきました[2]。この記事では、検索でよく使われる「致死性骨異形成症」の呼び方で書きます。

頻度は、海外の報告で約2万人に1人とされています[1]。日本の全国調査(2019年報告)では10万出生あたり1.1人(約9万人に1人)でしたが、実際はこれより多いと考えられています[2]。まれな病気ですが、出生前に見つかる骨の病気(骨系統疾患)の中では、知っておきたい病気の1つです。

1型と2型の違い

致死性骨異形成症には1型と2型があり、どちらも同じFGFR3遺伝子の変化で起こります。いちばん大きな違いは、太ももの骨(大腿骨)が曲がっているか、まっすぐかです[1]。

🦴 1型と2型の比べ方

項目 1型(TD1) 2型(TD2)
手足の骨 とても短く、大腿骨が曲がっている とても短く、大腿骨はまっすぐ
頭の形(クローバーリーフ頭蓋) みられることがある いつもみられる
原因となるFGFR3の変化 主な2つの変化(p.Arg248Cys・p.Tyr373Cys)でおよそ9割 1つの変化(p.Lys650Glu)が99%を超える

出典:GeneReviews「Thanatophoric Dysplasia」[1]。それぞれの病型の詳しい解説は致死性骨異形成症1型(TD1)、致死性骨異形成症2型(TD2)のページにまとめています。

💡 用語解説:クローバーリーフ頭蓋と胸郭低形成

クローバーリーフ頭蓋(くろーばーりーふずがい)は、頭の骨のつなぎ目が早く閉じるなどして、正面から見た頭の形が三つ葉のクローバーのように見える状態です。胸郭低形成(きょうかくていけいせい)は、肋骨が短く胸が小さく育つ状態で、生まれたあとの呼吸に大きくかかわります。

生まれたあとの経過

GeneReviewsによると、致死性骨異形成症の赤ちゃんの多くは、胸が小さいことによる呼吸不全で、生まれてまもなく亡くなります[1]。一方で、長く生きている方もまれに報告されており、その方々はみな人工呼吸による呼吸の管理を受けていました[1]。難病情報センターは、呼吸管理を行うと長期生存が報告されているが、その場合は重度の精神的・身体的な発達障害を伴う、と説明しています[2]。「致死性」から「タナトフォリック」へ呼び方が改められた背景には、こうした長期生存の報告があります。

生まれたあとにどこまで治療を行うかは、ご家族と、出産する施設の産科・新生児科の医師とで話し合って決めることです。そのためにも、妊娠中のできるだけ早い時期に分かっていることが、考える時間と準備の時間につながります。

致死性骨異形成症はいつわかる? エコーでわかる時期

結論から言うと、エコーでは早ければ妊娠12〜14週ごろに手足の骨の短さが見えることがあり、妊娠20週までには、手足の長さが同じ週数の5パーセンタイル未満として分かる程度になるとされています[1]。妊娠初期には、首の後ろのむくみ(NT)が厚く見えることもあります[1]。妊娠中期以降は、背骨の扁平化、羊水過多、脳室の拡大、胸の小ささ(短い肋骨)などが見つかる手がかりになります[1]。

英国の施設で、確定した致死性骨異形成症42例のエコー所見をまとめた研究では、見つかった時期は妊娠13週から32週までと幅がありました[3]。大腿骨の長さは早い時期から正常の範囲より短く、週数が進むほど差が広がり、妊娠20週ごろからはほとんど伸びなくなっていました[3]。ただし、正常の範囲に入っていた2例は、どちらも妊娠14週以前の計測でした[3]。つまり、妊娠初期のエコーでは、まだ見分けられないことがあるということです。

🩻 致死性骨異形成症42例でみられたエコー所見

エコー所見 みられた割合
手足の骨が短い 42例中42例(全例)
胸が小さい(短い肋骨) 37例中35例(95%)
おでこが前に出ている(前頭部突出) 横顔が見えた30例中24例(80%)
大腿骨が曲がっている 42例中28例(67%)
クローバーリーフ頭蓋 42例中13例(31%)
羊水過多 羊水量の記録があった35例中11例(31%)

出典:Chittyら(Prenatal Diagnosis, 2013)[3]。すでに致死性骨異形成症と確定した赤ちゃんで、どの所見がどのくらいみられたかを調べた数字です。「手足が短い」と言われた赤ちゃんのうち、どのくらいが致死性骨異形成症かを示す数字ではありません。

足の短さだけで、致死性骨異形成症とは限らない

エコーで手足の骨の短さを指摘されても、それだけで致死性骨異形成症というわけではありません。ご両親の体格、出産予定日のずれ、計測のばらつき、赤ちゃんの発育の遅れ、染色体の変化など、原因はさまざまです。大腿骨の長さの測り方と基準値の見方は胎児の大腿骨長(FL)とはで、大腿骨の短さとダウン症候群との関係はダウン症の予兆はある?(FLが短いなどの噂)で解説しています。

致死性骨異形成症を考える手がかりになるのは、手足の短さがとても強いことに加えて、胸の小ささ・大腿骨の曲がり・頭の形がそろうかどうかです。先ほどの研究では、致死性骨異形成症の大腿骨は、ほぼすべての週数で、同じFGFR3の病気である軟骨無形成症よりも短いことが示されています[3]。それでもエコーだけで病名を決めることはできず、最終的にはFGFR3遺伝子を調べて確かめます[1]。

妊娠22週という「時間の壁」

日本では、人工妊娠中絶ができる時期は、厚生事務次官通知で「通常妊娠満22週未満」とされています[4]。エコーで手足の短さがはっきりするのが妊娠20週前後だとすると、そこから確定検査を受け、結果を聞き、ご家族で考えるまでの時間は、2週間ほどしか残らないことがあります。

これは中絶を勧める話ではありません。妊娠を続ける場合も、生まれてすぐの呼吸の管理をどうするか、どの施設で出産するかを考えるには時間が必要です。どちらを選ぶにしても、早く分かれば、考える時間と準備の時間を持てるということです。妊娠22週と出生前診断の関係は出生前診断のあとの中絶はいつまで?でも解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「いつわかるか」は、「どれだけ考える時間があるか」です】

致死性骨異形成症について「いつわかるのか」と調べる方の多くは、すでにエコーで何かを指摘されているか、そうなる前に知っておきたいと考えている方だと思います。臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、「いつわかるか」は、そのまま「ご家族がどれだけ考える時間を持てるか」につながる、という点です。

致死性骨異形成症は、ほとんどが赤ちゃんで新しく起きた遺伝子の変化で起こるため、家族歴から予想することができません。エコーで見えるのを待つだけでなく、原因の遺伝子を採血で調べる方法がある、ということを知ったうえで、ご自身に合った検査を選んでいただきたいと考えています。

NIPTで致死性骨異形成症はわかる?

結論から言うと、単一遺伝子の変化まで調べるNIPTであれば、致死性骨異形成症を調べることができます。染色体の数だけを調べるNIPT(ダウン症候群・18トリソミー・13トリソミーなど)では、致死性骨異形成症は調べられません。

なぜ、お母さんの血液で赤ちゃんの遺伝子の変化がわかるのか

妊娠中のお母さんの血液には、主に胎盤から出た赤ちゃん側のDNAの断片が混ざっています。致死性骨異形成症のFGFR3の変化は、ほとんどがご両親にはなく、赤ちゃんで新しく起きたもの(de novo変異)です[1]。お母さんのDNAにはない変化なので、血液の中に混ざった赤ちゃん側のDNAにその変化が見つかれば、赤ちゃんに変化がある可能性を示すことができます。

実際に、先ほどの英国の研究では、お母さんの血液を使った検査で、致死性骨異形成症の妊娠3例(妊娠19週・21週・36週の採血)の変化をすべて正しく見つけ、変化のない妊娠1例も正しく判定していました[3]。著者らは、体に負担をかけない、早い時期の確かな診断の方法になるとまとめています[3]。ただし、これはエコーですでに疑われていた少数の妊娠での報告で、一般の妊婦さんにそのまま当てはめられる数字ではありません。

💡 用語解説:de novo(デノボ)変異

de novo変異(新生突然変異)は、ご両親の体の細胞にはなく、精子・卵子ができる過程や受精のあとに新しく起きた遺伝子の変化です。家族歴がなくても起こります。詳しくはDe Novo変異(新生突然変異)とはをご覧ください。

当院のNIPTで調べられるプラン

当院では、ダイヤモンドプラン(de novo変異56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子・202疾患)で、致死性骨異形成症1型・2型(FGFR3)を調べる対象に含めています。同じFGFR3の病気である軟骨無形成症・軟骨低形成症・SADDAN異形成症も対象です。スタンダードプラン・プレミアムプラン・双子マックスプランは単一遺伝子を調べないため、致死性骨異形成症は対象外です。対象の遺伝子は56遺伝子de novo変異NIPT、155遺伝子de novo変異NIPTで確認できます。

検査の精度は、FGFR3による致死性骨異形成症だけを取り出した数字ではなく、多くの病気をまとめて調べた検査全体の数字として報告されています。ダイヤモンドプランの方式では、遺伝的な病気のリスクが高い妊婦さん1,090人を対象にした研究で感度98.5%・特異度99.3%でした[6]。インペリアルプランの単一遺伝子(155遺伝子・202疾患)では、リスクの高い妊婦さん750人での検証で陽性的中率96.9%・感度100%・特異度99.9%でした[7]。どちらも、研究で調べた病気の範囲・対象の妊婦さん・解析方法のもとでの数字です。リスクの高い妊婦さんでの数字なので、一般の妊婦さんにそのまま当てはめることはできず、とくに陽性的中率はこれより低くなることがあります。

🔎 致死性骨異形成症を見つける検査の比べ方

検査 時期の目安 わかること 位置づけ
エコー(超音波検査) 早ければ12〜14週、20週までには分かる程度に 手足の短さ・胸の小ささ・頭の形など 疑いを見つける。病名までは決められない
単一遺伝子まで調べるNIPT(当院のダイヤモンド・インペリアル) 当院では妊娠9週から(6〜8週は臨床研究) FGFR3の変化がある可能性 スクリーニング。陽性なら確定検査で確かめる
確定検査(絨毛検査・羊水検査) 当院では絨毛検査11〜13週、羊水検査15週から 赤ちゃんの細胞のFGFR3の変化 診断を確かめる

エコーの時期はGeneReviews[1]による。NIPTはエコーの代わりではなく、エコーと組み合わせて使う検査です。

NIPTの限界も知っておく

NIPTは、可能性のある赤ちゃんを拾い上げるスクリーニング検査です。陽性でも確定ではなく、確定検査で確かめる必要があります。また、偽陰性はまれですが可能性はあり、陰性でも、調べた範囲に入っていない骨の病気はわかりません。NIPTを受けたあとも、妊婦健診のエコーはかかりつけの産婦人科で続けてください。

なお、日本医学会の出生前検査認証制度のもとで認証を受けた施設のNIPTは、妊娠9〜10週以降に、ダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーの3つを調べる検査です[8]。当院は認証外の施設ですが、臨床遺伝専門医が運営・常駐し、検査前の遺伝カウンセリングから陽性後のケア、確定検査まで院内で行っています。認証施設と認証外施設の違いはNIPTの認可(認証)施設と認可外の違いで解説しています。

エコーやNIPTで疑われたら:確定検査と考える時間

エコーやNIPTで致死性骨異形成症が疑われたら、絨毛検査や羊水検査で赤ちゃんの細胞をとり、FGFR3遺伝子を調べて確かめます[1]。妊娠の時期によって受けられる確定検査が違い、当院では絨毛検査を妊娠11〜13週、羊水検査を妊娠15週から行っています。2つの検査の違いは絨毛検査と羊水検査の違いで解説しています。

当院でNIPTを受けた方は、陽性になった場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。NIPTで見つかった変化を目印にして赤ちゃんの細胞を調べる解析も含めて、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、NIPTを受ける方が全員加入する羊水検査互助会(カトレア会)が確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。陽性と言われたあとの流れはNIPTで陽性だったらにまとめています。

確定検査で診断がついたあとは、妊娠を続けるかどうか、続ける場合はどの施設で出産し、生まれたあとどこまで治療を行うかを考えることになります。当院は分娩や中絶を行っていないため、出産や妊娠の管理は、かかりつけの産婦人科や出産する施設で行うことになります。どの道を選ぶ場合も、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで、医学的な見通しと選べることを整理してお伝えします。

致死性骨異形成症の原因は? 遺伝する? 次の妊娠は?

致死性骨異形成症は、FGFR3遺伝子の変化で起こる常染色体顕性(優性)遺伝の病気ですが、これまで報告された方のほとんどは、ご家族にほかに同じ病気の人がいない、新しく起きた変化によるものです[1]。難病情報センターは、ご両親は変化を持っておらず、主にお父さんの精子ができる過程で変化が生じることが原因とされている、と説明しています[2]。

お父さんの年齢が高いほど起こりやすい傾向(父親の年齢の影響)も報告されています[1]。一般に、赤ちゃんに新しく起こる遺伝子の変化の数は、お父さんの年齢が上がるほど増えることがわかっています[5]。父親の年齢とde novo変異の関係は単一遺伝子疾患とNIPTで解説しています。

次の妊娠で、また起こる確率は?

GeneReviewsは、致死性骨異形成症のお子さんがいたご両親で、次のお子さんでくり返す確率は、一般の確率と比べて大きくは上がらないとしています[1]。ただし、ご両親の精子や卵子の一部だけに変化がある状態(性腺モザイク)は、これまで報告はないものの理論上はありうるとされており[1]、確率は0とは言えません。次の妊娠で早い時期に確かめたい場合は、単一遺伝子まで調べるNIPTや確定検査という選択肢があります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【ご両親の何かが原因で起きた病気ではありません】

致死性骨異形成症と分かったとき、「妊娠中の過ごし方が悪かったのでは」「自分たちの遺伝子のせいでは」と考えてしまう方は少なくないと思います。けれども、この病気のほとんどは、精子ができる過程などで偶然に新しく起きた1つの遺伝子の変化によるものです。妊娠中の生活や、ご両親の体質が原因ではない、ということを、臨床遺伝専門医としてまずお伝えしたいと考えています。

そのうえで、次の妊娠を考えるときには、「確率は低いが0ではない」という事実を、数字の意味とあわせて理解しておくことが大切だと考えています。早い時期に確かめる方法があることを知っておくことが、ご自身に合った選択を考えるための材料になります。

自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること

妊娠中に、赤ちゃんの骨の病気だけでなく、自閉症や発達障害、知的障害を心配されるのは自然なことです。原因はさまざまですが、その一部は染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。知的障害の遺伝的な原因で最も多いのはダウン症候群ですが、発達の遅れ・知的障害・自閉症のあるお子さんでは、染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかることがあり、マイクロアレイ検査で約15〜20%と報告されています[10]。

当院のNIPTが調べる微小欠失・重複や単一遺伝子疾患には、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気の一部が含まれています。プランごとの範囲は次のとおりです。

🧩 プランごとに調べられる範囲と、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気
スタンダード 6種類7疾患 ― 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群など
プレミアム 12種類13疾患 ― スタンダードの病気+ジェイコブセン症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 de novo 56遺伝子 上の病気+レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群など
双子マックス 92種類+5Mbを超える構造異常 ― 16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群など
インペリアル 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 上の病気+フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など

プランごとの詳しい範囲は各プランのページでご確認ください。

微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、自閉スペクトラム症の特徴がみられる割合が高い病気があり、その病気のある方を調べた研究をまとめた解析では、レット症候群61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群43%、アンジェルマン症候群34%、CHARGE症候群30%と報告されています[9]。割合は研究の評価方法や対象によって幅があり、出生前にその変化が見つかった赤ちゃんが自閉スペクトラム症と診断される確率を示す数字ではありません。アンジェルマン症候群は全プラン、レット症候群・コルネリア・デ・ランゲ症候群・CHARGE症候群はダイヤモンド・インペリアルで調べられます。

正直にお伝えしたい限界

NIPTで陽性になったら、確定検査で確かめる必要があります(当院は院内で実施)。微小欠失・重複は、数の異常より陽性的中率が低めで、項目によって60〜70%程度です。そして、陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。脆弱X症候群のようにNIPTで調べられない原因もあり、症状の重さを予測することもできません。もっと詳しく知りたい方は一部の自閉症・発達障害の原因はNIPTでわかるをご覧ください。

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📅検査を予約する

13・18・21トリソミーに加えて、微小欠失症候群や、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。まだ決めていない方は、調べられる範囲と費用を比べたページからご覧ください。
NIPTの費用・料金 | NIPTの施設選びで後悔しないために

1つの病気あたりで考える ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

出生前検査は、何を調べるかによって、見つけられる病気が大きく変わります。三大トリソミーだけを調べる検査では、微小欠失症候群や、致死性骨異形成症のような単一遺伝子の病気は調べられません。調べられる範囲を、病気の数で比べてみます。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。

当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード(220,000円) 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム(264,000円) 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド(407,000円) プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス(440,000円) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル(550,000円) 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、調べる病気の数が多いほど良い検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングで、どこまで調べたいかを考えてプランを選ぶことが大切です。どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

当院でNIPTを受けるときの時期と流れ

当院のNIPTは妊娠9週から受けられます。さらに、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなるため、早い時期に結果を知りたいと考える方もいます。一方で、週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。受けられる時期についてはNIPTはいつからいつまで受けられる?で詳しく解説しています。

結果が出るまでの目安は基本10〜14日です。ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。陰性でも陽性でも、まずマイページでお知らせします。

① 遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医がプラン選びから説明
▶
② 4Dエコー・採血赤ちゃんの状態を確かめてから
▶
③ 結果基本10〜14日・マイページで
▶
④ 陽性なら確定検査絨毛検査・羊水検査も院内で

90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。羊水検査互助会(カトレア会)は1回のNIPTにつき8,000円で、陽性のときの確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。安心検査結果保障制度は1回6,000円で、再検査が必要になったのに流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金します。来院が難しい方は、Zoomでのカウンセリングと全国110か所の提携施設での採血を組み合わせたオンラインNIPTもご利用いただけます。

🏥 骨の病気まで、妊娠9週からの採血で調べるという選択

ダイヤモンドプラン・インペリアルプランは、致死性骨異形成症(FGFR3)などの単一遺伝子の病気と、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられます。臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます。

まだ決めていない方は:NIPTを受けるべきか迷う方へ | ダイヤモンドプランの詳細

よくある質問(FAQ)

Q1. 致死性骨異形成症は、いつわかりますか?

エコーでは、早ければ妊娠12〜14週ごろに手足の骨の短さが見えることがあり、妊娠20週までには、手足の長さが同じ週数の5パーセンタイル未満として分かる程度になるとされています。ただし、妊娠初期のエコーではまだ見分けられないこともあります。原因の遺伝子FGFR3を調べるNIPTなら、当院では妊娠9週からの採血で調べられます。

Q2. NIPTで致死性骨異形成症はわかりますか?

単一遺伝子の変化まで調べるNIPTであれば調べられます。当院ではダイヤモンドプラン(de novo変異56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子)が、致死性骨異形成症1型・2型の原因遺伝子FGFR3を対象に含んでいます。スタンダード・プレミアム・双子マックスは対象外です。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら絨毛検査や羊水検査で確かめます。

Q3. エコーで手足の骨の短さを指摘されたら、致死性骨異形成症でしょうか?

手足の骨の短さを指摘されただけで、致死性骨異形成症とは限りません。ご両親の体格、出産予定日のずれ、計測のばらつき、赤ちゃんの発育の遅れなど、原因はさまざまです。手がかりになるのは、手足の短さがとても強いことに加えて、胸の小ささ・大腿骨の曲がり・頭の形がそろうかどうかで、最終的にはFGFR3遺伝子を調べて確かめます。

Q4. 致死性骨異形成症は遺伝しますか?次の妊娠でもまた起こりますか?

ほとんどは、ご両親にはなく、赤ちゃんで新しく起きたFGFR3の変化によるものです。主にお父さんの精子ができる過程で変化が生じるとされ、父親の年齢の影響も報告されています。次のお子さんでくり返す確率は、一般の確率と比べて大きくは上がらないとされていますが、性腺モザイクの理論上の可能性があるため0ではありません。

Q5. エコーやNIPTで疑われたら、どうすればよいですか?

絨毛検査(当院では妊娠11〜13週)や羊水検査(当院では妊娠15週から)で赤ちゃんの細胞をとり、FGFR3遺伝子を調べて確かめます。当院でNIPTを受けた方は、確定検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。羊水検査互助会(カトレア会)が確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。

Q6. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。たとえば、22q11.2欠失症候群やアンジェルマン症候群は全プラン、レット症候群やコルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンド・インペリアル、16p11.2欠失・重複はインペリアル・双子マックスが対象です。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言えません。

Q7. NIPTは何週から受けられますか?結果はいつ出ますか?

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。結果は基本10〜14日で、ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。週数が早いほど、判定できずに再検査になることがあります。

Q8. 費用はいくらですか?

プランごとの料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。料金には臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定が含まれます。別途、互助会の会費(カトレア会8,000円・安心検査結果保障制度6,000円)と、検査結果の作成費用3,300円がかかります。

関連記事

参考文献

  • [1] French T, Savarirayan R. Thanatophoric Dysplasia. In: Adam MP, et al., editors. GeneReviews®. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; Initial Posting: May 21, 2004; Last Revision: May 18, 2023. [NCBI Bookshelf NBK1366]
  • [2] 難病情報センター. タナトフォリック骨異形成症(指定難病275). [難病情報センター]
  • [3] Chitty LS, Khalil A, Barrett AN, Pajkrt E, Griffin DR, Cole TJ. Safe, accurate, prenatal diagnosis of thanatophoric dysplasia using ultrasound and free fetal DNA. Prenat Diagn. 2013;33(5):416-423. [DOI 10.1002/pd.4066]
  • [4] 日本医師会. 医の倫理の基礎知識 2018年版【生殖医療】D-5. [日本医師会]
  • [5] Kong A, Frigge ML, Masson G, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475.
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査の選択を示すものではありません。検査については臨床遺伝専門医にご相談ください。

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

Google公認:仲田洋美 公式プロフィール

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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