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骨系統疾患はNIPTで調べられる?単一遺伝子検査の可能性と限界を解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。2025年国際誌『Global Woman Leader』表紙抜擢など、世界基準の出生前診断と遺伝カウンセリングを提供。

📍 クイックナビゲーション

骨の短縮や易骨折性といった骨格の異常を、生まれる前に血液検査で調べることはできるのでしょうか。答えはYESです。ただし、通常のNIPT(染色体検査)では骨系統疾患は検査対象に含まれません。対応するのは「拡大型NIPT(単一遺伝子疾患検査)」であり、ミネルバクリニックでは「ダイヤモンドプラン」として提供しています。

この記事でわかること
📖 読了時間:約10分
🦴 骨系統疾患・単一遺伝子NIPT
臨床遺伝専門医監修

Q. 骨系統疾患(軟骨無形成症など)はNIPTで調べられますか?まず結論だけ知りたいです

A. 調べることができます。
ただし、通常のNIPTではなく拡大型NIPT(単一遺伝子疾患検査)が必要です。ミネルバクリニックの「ダイヤモンドプラン」により、FGFR3遺伝子(軟骨無形成症・致死性骨異形成症)やCOL1A1/COL1A2遺伝子(骨形成不全症)などの主要な骨系統疾患を非侵襲的に調べることができます。

  • 骨系統疾患とは → 骨・軟骨の遺伝性疾患群で、200以上の疾患が報告されている
  • NIPTで検査可能 → 拡大型NIPT(単一遺伝子疾患検査)なら対応できる
  • 新生突然変異が多い → 軟骨無形成症の約80%は家族歴なしで発症する
  • 対応プラン → ダイヤモンドプランのみ(451,000円〜、当日割引407,000円〜)
  • 確定診断 → NIPT陽性後は羊水検査・絨毛検査が必要

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1. 骨系統疾患とは?200以上の疾患群の全体像

骨系統疾患(skeletal dysplasia)とは、骨・軟骨など骨格を形成する組織の成長・発達・分化の障害により、骨格の異常をきたす疾患の総称です。現在までに200以上の疾患が報告されており、そのほとんどが遺伝性の疾患(単一遺伝子病)です1

💡 用語解説:骨系統疾患(skeletal dysplasia)

骨格を形成する組織(骨・軟骨・結合組織など)の遺伝的な異常によって引き起こされる疾患群の総称です。四肢が短い、骨が折れやすい、頭や胸の形が異なるなど、症状や重症度は疾患ごとに大きく異なります。ほぼすべてが単一遺伝子病であり、特定の遺伝子変異が原因として同定されています。

骨系統疾患の主な分類

骨軟骨異形成症

骨・軟骨の成長・分化・機能の全身的・系統的な障害をきたす疾患群です。代表的な疾患に軟骨無形成症、骨形成不全症があります。

異骨症

特定の骨(頭蓋骨・指骨など)の局所的・部位特異的な発生・分化・成長の異常です。多指症、合指症が代表例です。

主要な骨系統疾患の特徴

疾患名 原因遺伝子 発症頻度 主な特徴
軟骨無形成症 FGFR3 1/25,000 四肢短縮型低身長、額突出
骨形成不全症 COL1A1/COL1A2 1/10,000〜20,000 骨脆弱性、易骨折性
致死性骨異形成症 FGFR3 1/20,000〜50,000 重篤な骨格異常、生命予後不良
低フォスファターゼ症 ALPL 1/100,000 骨石灰化障害、呼吸器症状

2. NIPTで骨系統疾患は調べられるのか?技術的可能性

結論:調べることが可能です。
拡大型NIPT(単一遺伝子疾患検査)により、主要な骨系統疾患の検査が可能です。特にFGFR3遺伝子変異による軟骨無形成症や致死性骨異形成症、COL1A1/COL1A2遺伝子変異による骨形成不全症などが検査対象となります。

従来のNIPTとの違い

従来のNIPTは主に染色体数的異常(21・18・13番染色体のトリソミーなど)を対象としていましたが、技術の進歩により単一遺伝子疾患の検出も可能になりました。

💡 用語解説:拡大型NIPT(単一遺伝子疾患検査)

通常のNIPTが染色体の数の異常を調べるのに対し、拡大型NIPTは特定の遺伝子の変異(一塩基変異など)を対象とした検査です。軟骨無形成症(FGFR3遺伝子)や骨形成不全症(COL1A1/COL1A2遺伝子)など、骨系統疾患の原因となる遺伝子変異を母体血から非侵襲的に調べることができます。父親の精子の遺伝子突然変異も同時に解析できる点が特長です。

通常のNIPT

  • 21・18・13番染色体トリソミー
  • 性染色体異常
  • 微小欠失症候群

拡大型NIPT(ダイヤモンドプラン)

  • 上記の通常検査内容すべてに加えて
  • 単一遺伝子疾患(骨系統疾患を含む)
  • 新生突然変異の検出
  • 父親の精子の遺伝子突然変異56遺伝子

3. 検査可能な骨系統疾患の具体例

軟骨無形成症(FGFR3遺伝子変異)

FGFR3遺伝子の変異により引き起こされる最も頻度の高い骨系統疾患で、四肢短縮型低身長を特徴とします。約80%は新生突然変異によるものです2

💡 用語解説:新生突然変異(de novo mutation)

両親にはない遺伝子変異が、子どもの発生の過程で新たに生じることを「新生突然変異(de novo mutation)」といいます。軟骨無形成症の約80%はこのパターンで発症します。家族歴がなくても発症するため、親の遺伝ではなく偶然に起こる変異として理解されます。このことが、家族歴のない方にとっても検査の意義がある理由のひとつです。

軟骨無形成症の遺伝パターンは以下の2通りです。

遺伝パターン 発症割合 特徴 家族歴
新生突然変異 約80% 両親に変異なし、胎児期に新規発生 なし
家族性(常染色体優性) 約20% 親から子へ50%の確率で遺伝 あり

骨形成不全症(COL1A1/COL1A2遺伝子変異)

コラーゲンI型の異常により生じる疾患で、骨脆弱性と易骨折性を特徴とします。重症度により8つの型に分類され、Ⅰ型コラーゲンα1鎖(COL1A1遺伝子)またはα2鎖(COL1A2遺伝子)の変異が原因となります3

⚠️ 出生前診断の重要性:重症例では胎児期から骨折を繰り返すことがあります。出生前に診断されることで、分娩方法や医療機関の選択、出生後の管理計画を事前に立てることができます。
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【家族歴がなくても、検査を持つ意味があります】

「うちの家系に骨の病気はありません」と言われる患者さんは少なくありません。でも、軟骨無形成症の約80%は、ご両親のどちらとも関係なく、その子どもだけに起こる新規の変異です。

これは「突然変異」という言葉から受けるネガティブな印象とは異なります。誰にでも起こり得ることとして、正しく理解していただくことが大切です。家族歴がないことは「リスクがない」ことを意味しません。だからこそ、知りたいと思う気持ちそのものに、ちゃんとした意味があるのです。

4. ミネルバクリニックでの骨系統疾患NIPT検査

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が常駐する非認証施設として、拡大型NIPTによる骨系統疾患の検査を提供しています。2025年6月より産婦人科を併設し、陽性時の確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで自院で一貫対応が可能になりました。

検査の特徴

🔬 COATE法採用

最新の次世代NIPT技術により、微小欠失の陽性的中率(PPV)99.9%以上を実現。従来の検査より飛躍的に精度が向上しています。

👩‍⚕️ 専門医による遺伝カウンセリング

臨床遺伝専門医による無料カウンセリングで、検査前後のサポートを提供。結果の解釈と意思決定を丁寧に支援します。

🏥 確定検査まで一貫対応

2025年6月より陽性時の羊水検査・絨毛検査を自院で実施可能。他院への紹介なしに確定診断まで対応できます。

🌐 24時間サポート・全国対応

オンラインNIPTに対応し、全国の提携医療機関で採血が可能。陽性後の手厚いフォロー体制で、患者様の不安に寄り添います。

5. 検査の精度と限界

検査精度について

骨系統疾患のNIPT検査における精度は、対象遺伝子や変異の種類によって異なります。一般的な目安は以下のとおりです。

感度(検出率)

90〜95%

特異度

99%以上

陽性的中率(PPV)

70〜99.9%

検査方法により異なる

⚠️ 検査の限界について

  • 全ての骨系統疾患を検出できるわけではない
  • 新生突然変異の一部は検出困難な場合がある
  • モザイク型の変異は検出が困難
  • 確定診断には羊水検査や絨毛検査が必要
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【陽性の後が、医療の本番です】

「陽性と出たらどうするか」を決めてから検査を受けてください、といつもお伝えしています。NIPTはスクリーニング検査であり、陽性が出ても確定診断ではありません。次のステップとして羊水検査・絨毛検査があり、私たちはその確定検査まで一貫して対応しています。

骨系統疾患と診断されたとしても、それがわかることで分娩方法や出生後の医療体制を準備できます。「知ること」は終わりではなく、次の選択肢の始まりです。どんな結果であっても、ひとりにはしません。

6. 費用と検査時期

検査費用

📌 別途必要な費用:マイページ利用料550円、検査結果作成費3,300円、互助会費8,000円(陽性時の羊水検査費用補償のため)
検査プラン 費用(税込) 主な検査内容 骨系統疾患
ライトプラン
(Medicover genetics)
176,000円 13/18/21トリソミー+性別
PPV:13染色体80〜93%、21染色体約99.9%
×
スタンダードプラン
(Medicover genetics)
198,000円 基本検査+微小欠失症候群4種類
(PPV約70%)
×
旧プレミアムプラン 275,000円 基本検査+微小欠失8種類+13/18/21以外の染色体異常+700万塩基の重複・欠失 ×
NEWプレミアムプラン 275,000円 基本検査+微小欠失12種類13疾患(PPV約99.9%以上)+15/16/22染色体異常 ×
ダイヤモンドプラン 451,000円 基本検査+微小欠失12種類13疾患(PPV約99.9%以上)+15/16/22染色体異常+父親の精子の遺伝子突然変異56遺伝子(PPV約99.9%以上) ◎ 対象
💡 当日割引特典適用時の料金:NEWプレミアムプラン 264,000円(税込)/ダイヤモンドプラン 407,000円(税込)

骨系統疾患の検査に対応するプランは「ダイヤモンドプラン」のみです。父親の精子の遺伝子突然変異56遺伝子の解析が含まれており、FGFR3遺伝子(軟骨無形成症・致死性骨異形成症)やCOL1A1/COL1A2遺伝子(骨形成不全症)などの主要な骨系統疾患が検査対象に含まれます。

検査時期

ミネルバクリニックでは妊娠9週0日から検査可能です(研究として6週からも対応)。骨系統疾患の場合、早期の検査により以下が可能になります。

  • 選択肢を考える時間の確保
  • 専門医・周産期チームへの相談時間の確保
  • 分娩方法・医療機関の選択準備

よくある質問(FAQ)

Q1. 家族歴がなくても骨系統疾患の検査は必要ですか?

軟骨無形成症の約80%、骨形成不全症の多くは新生突然変異によるものです。つまり、両親に変異がなくても胎児期に新規発生することがあります。家族歴がなくても一定のリスクが存在するため、不安がある場合は専門医にご相談ください。

Q2. NIPTで陽性だった場合、必ず羊水検査が必要ですか?

NIPTはスクリーニング検査のため、陽性の場合は確定診断のために羊水検査または絨毛検査が推奨されます。ミネルバクリニックでは2025年6月より自院で確定検査まで一貫対応が可能です。

Q3. 超音波検査で骨の異常を指摘されました。NIPTは有効ですか?

超音波検査で骨系統疾患が疑われる場合、拡大型NIPTにより原因遺伝子を特定できる可能性があります。遺伝子が特定されることで、より正確な診断と予後予測が可能になり、周産期管理の方針を立てるうえでも重要な情報となります。

Q4. 検査結果が出るまでどのくらいかかりますか?

単一遺伝子疾患を含む拡大型NIPTの場合、通常10〜14日程度です。検査の進捗状況はマイページでご確認いただけます。

Q5. 遠方に住んでいますが検査を受けられますか?

ミネルバクリニックではオンラインNIPTに対応しており、全国の提携医療機関で採血が可能です。臨床遺伝専門医によるオンラインカウンセリングも受けていただけますので、遠方の方もお気軽にご相談ください。

🏥 骨系統疾患の検査、まずは専門医に相談を

家族歴がなくても検査の意義があります。
臨床遺伝専門医が正確な情報丁寧なカウンセリングでサポートします。

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事例紹介拡大型NIPTで軟骨無形成症と判明したケース出生前に検査を受けた実際の事例をもとに、検査の流れと結果対応を解説します。遺伝性疾患致死性骨異形成症1型についてFGFR3遺伝子変異が引き起こす重篤な骨格異常の特徴と出生前診断について詳しく解説します。検査プランダイヤモンドプラン骨系統疾患を含む56遺伝子パネルに対応した、ミネルバクリニックの包括的NIPTプランです。確定検査羊水検査・絨毛検査についてNIPT陽性後の確定診断について、院内で一貫して実施する流れをご案内します。検査精度COATE法の精度に関するエビデンス微細欠失のPPV99.9%を誇る検査手法の詳細を解説します。

参考文献・ガイドライン

  • [1] 骨系統疾患コンソーシアム「骨系統疾患について」 [公式サイト]
  • [2] American Journal of Obstetrics & Gynecology. Skeletal dysplasias screening by NIPT for single-gene disorders. [AJOG]
  • [3] Research Square. Osteogenesis Imperfecta Type VIII in Prenatal Screening. [Research Square]
  • [4] ACOG. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. Practice Bulletin No. 226. [ACOG]
  • [5] 厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書」 [公式サイト]
  • [6] 日本産科婦人科学会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針(改訂)」 [PDF]

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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