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骨が短い、骨が折れやすいといった骨の病気(骨系統疾患)を、生まれる前に血液検査で調べることはできるのでしょうか。答えは「一部は調べられる」です。ただし、13・18・21トリソミーなど染色体の数を調べる一般的なNIPTでは、骨系統疾患は調べられません。調べられるのは、遺伝子1つの変化(単一遺伝子の変化)まで見るNIPTで、当院ではダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子・202疾患)がこれにあたります。この記事では、どの骨系統疾患が調べられて、どこからが調べられないのかを、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。
- ➤骨系統疾患とは何か、どのくらいの種類があるのか
- ➤NIPTで骨系統疾患が調べられるプランと、調べられないプラン
- ➤軟骨無形成症・致死性骨異形成症・骨形成不全症など、当院のNIPTで調べられる病気と原因遺伝子
- ➤家族歴がなくても起こる理由(de novo変異)と、検査の精度・限界
- ➤当院が骨系統疾患のNIPTを始めたきっかけ
⏱️ 30秒でわかる要約
🦴 Q. 骨系統疾患はNIPTで調べられる?
一部は調べられます。染色体の数を見る一般的なNIPTでは調べられず、単一遺伝子まで見るダイヤモンドプラン(56遺伝子)・インペリアルプラン(最大155遺伝子)で、軟骨無形成症・致死性骨異形成症(FGFR3)や骨形成不全症(COL1A1・COL1A2)などを調べられます。
🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫?
大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。こうした問題を伴いやすい病気や骨系統疾患は、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。
👪 Q. 家族に骨の病気がなくても起こる?
起こります。軟骨無形成症の赤ちゃんの約80%は、病気をもたないご両親から生まれています。精子や卵子ができるときに偶然起きた新しい変化(de novo変異)で、ご両親の行動が原因ではありません。
ダウン症候群だけで大丈夫ですか? 骨系統疾患など単一遺伝子の病気は、ダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子)で調べられます。陽性なら確定検査まで院内で受けられます。
1. 骨系統疾患とは?700以上の病気が分類される全体像
骨系統疾患(skeletal dysplasia)とは、骨や軟骨など、体の骨組みをつくる組織の成長や形づくりがうまくいかないことで、骨格に変化が出る病気の総称です。国際的な分類(2023年版)には771の病気が挙げられ、552の遺伝子が関係していることが分かっています[1]。1つひとつはまれでも、種類がとても多いのが特徴です。
💡 用語解説:骨系統疾患(こつけいとうしっかん)
骨・軟骨・結合組織などの遺伝的な変化によって起こる病気をまとめた呼び方です。手足が短い、骨が折れやすい、頭や胸の形が違うなど、症状も重さも病気ごとに大きく異なります。多くは、特定の遺伝子の変化が原因として分かっています。
骨系統疾患の主な分け方
大きくは、骨や軟骨の成長が全身で障害される「骨軟骨異形成症」(軟骨無形成症や骨形成不全症など)と、頭の骨や指の骨など特定の骨の形づくりが障害される「異骨症」(多指症・合指症など)に分けられます。NIPTで調べられるのは、このうち原因遺伝子が分かっていて、赤ちゃんに新しく起きた遺伝子の変化で起こるものの一部です。
主な骨系統疾患と、当院のNIPTで調べられるか
🦴 代表的な骨系統疾患
頻度は報告によって幅があります。軟骨無形成症は米国国立医学図書館の資料、骨形成不全症と致死性骨異形成症はGeneReviews(米国の遺伝性疾患の総説)の記載です。
2. NIPTで骨系統疾患は調べられるのか?
結論:一部は調べられます。ただし、どのNIPTでもよいわけではありません。NIPTには、染色体の本数や大きな欠け・重なりを調べるものと、遺伝子1つの小さな変化(単一遺伝子の変化)まで調べるものがあり、骨系統疾患の多くは後者でなければ見つけられません。
染色体を調べるNIPTと、単一遺伝子まで調べるNIPTの違い
染色体を調べるNIPTが見ているのは、21・18・13トリソミーのような染色体の数の変化や、微小欠失のような染色体の一部の欠けです。軟骨無形成症のように、遺伝子の中のたった1文字の変化で起こる病気は、染色体の量を比べても分かりません。そこで、対象の遺伝子を決めて、その中に赤ちゃんに新しく起きた変化(de novo変異)がないかを読み取るのが、単一遺伝子まで調べるNIPTです。
💡 用語解説:de novo変異(デノボへんい)
ご両親のどちらももっていない遺伝子の変化が、精子や卵子がつくられる過程で偶然生じ、赤ちゃんに初めて現れたものです。家族歴がなくても起こり、ご両親の生活や行動が原因ではありません。アイスランドの親子の全ゲノムを調べた研究では、子に伝わる新しい変化の多くは父親由来で、父親の年齢が1歳上がるごとに約2個ずつ増えていました[5]。
🔬 当院のNIPTプランと骨系統疾患
| プラン | 主に調べる範囲 | 骨系統疾患 |
|---|---|---|
| スタンダード | 13・18・21トリソミー+性染色体の数の異常/微小欠失6種類7疾患/単胎・双胎 | 対象外 |
| プレミアム | 13・18・21・15・16・22トリソミー+性染色体の数の異常/微小欠失12種類13疾患/単胎のみ | 対象外 |
| 双子マックス | 全常染色体の数の異常/92種類の微小欠失・重複+5Mbを超える構造異常/単胎・双胎 | 対象外(単一遺伝子は含まない) |
| ダイヤモンド | プレミアムと同じ範囲+単一遺伝子56遺伝子/単胎のみ | 対象(56遺伝子に含まれるもの) |
| インペリアル | 全常染色体の数の異常/92種類の微小欠失・重複+5Mbを超える構造異常+単一遺伝子 最大155遺伝子(202疾患)/単胎のみ | 対象(155遺伝子に含まれるもの) |
超音波だけでは見つけにくい時期がある
骨系統疾患の多くは、妊娠中の超音波検査で手足の骨の短さや骨の曲がりから気づかれます。ただ、見つかる時期は病気によって違います。致死性骨異形成症では妊娠12〜14週ごろから骨の短さが見えることがあり、妊娠20週までには多くが分かるとされています[4]。骨形成不全症でも、重い型は経験のある施設の超音波で妊娠20週より前に見つかることが多いとされています[3]。一方で、超音波で骨の短さに気づいた時点では妊娠が進んでいて、考える時間がほとんど残っていないこともあります。
超音波検査で赤ちゃんに異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[6]。これは異常が疑われた妊婦さんでの数字で、すべての妊婦さんで1.6倍になるという意味ではありません。
3. 当院のNIPTで調べられる骨系統疾患の具体例
軟骨無形成症(FGFR3遺伝子)
FGFR3遺伝子の変化で起こる、手足が短い低身長を特徴とする病気で、新生児1万5,000〜4万人に1人にみられます[2]。約80%は、病気をもたないご両親から生まれています[2]。つまり、多くは家族歴がないまま、赤ちゃんに新しく起きた変化で起こります。病気そのものについては軟骨無形成症とは?原因・症状・合併症で、当院のNIPTで分かった事例は拡大型NIPTで軟骨無形成症と判明したケースで紹介しています。
🧬 軟骨無形成症の起こり方
| 起こり方 | 割合 | 家族歴 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 新しく起きた変化(de novo) | 約80%[2] | なし | ご両親は病気をもたない。偶然の変化で、親の行動は関係しない |
| 親から受け継いだ変化 | 約20% | あり | 常染色体優性遺伝。病気をもつ親から子へ2分の1の確率で伝わる |
ご両親のどちらかが軟骨無形成症の場合は、検査の選び方が変わります。検査前の遺伝カウンセリングで、どの検査が合うかを確認します。
軟骨低形成症・致死性骨異形成症(同じFGFR3遺伝子)
同じFGFR3遺伝子の変化でも、どこが変わるかによって症状の重さが大きく違います。軟骨無形成症より症状が軽い軟骨低形成症や、胸郭が小さく呼吸が難しいことが多い致死性骨異形成症も、ダイヤモンドプランの56遺伝子で調べる病気に含まれています。致死性骨異形成症は、ほとんどが新しく起きた変化(de novo)によるもので、父親の年齢が高いと増えることが報告されています[4]。
骨形成不全症(COL1A1・COL1A2遺伝子)
骨をつくるI型コラーゲンの変化で、骨がもろく折れやすくなる病気です。全病型を合わせると10万人に約6〜7人で、欧米では患者さんの約80〜85%がCOL1A1・COL1A2遺伝子の変化によるものです[3]。重い型や周産期に命にかかわる型は、ほぼすべてが家族歴のない方に起こっています[3]。ダイヤモンドプランでは骨形成不全症1〜4型などを、インペリアルプランでも骨形成不全症I〜IV型を調べます。全体像は骨形成不全症(OI)総論で解説しています。
⚠️ 生まれる前に分かることの意味
重い型では、妊娠中から骨折をくり返すことがあります。生まれる前に分かっていれば、出産する施設の選び方や、生まれてすぐの診療の準備を前もって考えることができます。どうするかを決めるのはご家族で、どの選択も尊重されるべきものです。
そのほか、当院のNIPTに含まれる骨・頭の骨の病気
当院の遺伝子リストで確かめられた、主な骨系統疾患と頭蓋骨縫合早期癒合症の原因遺伝子です。下の遺伝子は、ダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子)のどちらでも調べられます。
🦴 56遺伝子・155遺伝子に含まれる主な骨の病気
| 病気 | 原因遺伝子 | ダイヤモンド | インペリアル |
|---|---|---|---|
| 軟骨無形成症・軟骨低形成症・致死性骨異形成症 | FGFR3 | ○ | ○ |
| 骨形成不全症 | COL1A1・COL1A2 | ○ | ○ |
| スティックラー症候群・脊椎骨端異形成症先天型・クニースト骨異形成症 | COL2A1・COL11A1 | ○ | ○ |
| アペール症候群・クルーゾン症候群・ファイファー症候群・セスレ・チョッツェン症候群など(頭蓋骨縫合早期癒合症) | FGFR1・FGFR2・FGFR3・TWIST1 | ○ | ○ |
| カンポメリック骨異形成症 | SOX9 | ○ | ○ |
| 鎖骨頭蓋異形成症 | RUNX2 | ○ | ○ |
| ラーセン症候群・骨無形成症 | FLNB | ○ | ○ |
| 骨幹端軟骨異形成症シュミット型 | COL10A1 | ○ | ○ |
ダイヤモンドプランの56遺伝子の一覧は56遺伝子de novo変異NIPTに載せています。
頭の骨のつなぎ目が早く閉じる病気については頭蓋骨癒合症候群はNIPTで検査できる?で、アペール症候群・クルーゾン症候群・カンポメリック異形成症は病気ごとのページで解説しています。
🩺 院長コラム【家族歴がないことは、可能性がないことではありません】
「家系に骨の病気の人はいないのに」と思われるのは、とても自然なことです。けれども軟骨無形成症の約80%は、ご両親のどちらとも関係なく、その赤ちゃんに初めて起きた変化によるものです。
「突然変異」という言葉には悪い印象があるかもしれませんが、精子や卵子がつくられるときに誰にでも起こりうることです。家族歴がないことは「可能性がない」ことを意味しません。だからこそ、知りたいと思う気持ちそのものに意味があると考えています。
4. ミネルバクリニックでの骨系統疾患NIPT検査
ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が常駐する非認証施設として、単一遺伝子まで調べるNIPTを提供しています。2025年6月からは産婦人科を併設し、陽性のときの確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で行っています。
骨系統疾患のNIPTを始めたきっかけ ― あるご夫婦との約束
当院が骨系統疾患を含むNIPTを扱うようになったのには、きっかけがあります。前の妊娠の途中で、超音波検査から赤ちゃんの骨系統疾患が分かり、ほとんど考える時間のないまま重い決断をしなければならなかったご夫婦がいらっしゃいました。次の妊娠で当院を訪れたお二人の「ああいう病気は、NIPTで調べられないのですか」という問いに、当時の当院の検査は応えられませんでした。
「次に妊娠されるときには、世界にそういう検査があれば受けられる体制を整えておきます」とお約束し、院長が海外の検査会社を一つずつあたった結果、2020年から骨系統疾患を含む単一遺伝子のNIPTを扱えるようになりました。そのご夫婦は、その後の妊娠でこの検査を受けられています。今では、ダイヤモンドプランで56遺伝子、インペリアルプランで最大155遺伝子(202疾患)まで調べられるようになっています。
検査の特徴
ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で検査します。
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
インペリアルプランは、低深度全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせ、全染色体の数の異常と5Mbを超える構造異常、最大155遺伝子の単一遺伝子の変化を1回の採血で調べます。
🏥 当院で検査を受けるときの流れと体制
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受けられる時期 | 妊娠9週から(妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます) |
| 遺伝カウンセリング | 90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います |
| 料金に含まれるもの | 遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定 |
| 陽性のとき | 陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料。確定検査(羊水検査・絨毛検査)も院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます |
| 来院が難しいとき | オンラインNIPT(Zoomでの遺伝カウンセリング+全国110か所の提携施設で採血) |
一部の自閉症・発達障害の原因も、単一遺伝子のNIPTで調べられる
単一遺伝子のNIPTが調べるのは骨の病気だけではありません。ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群など、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気の一部も調べられます。インペリアルプランでは、フェラン・マクダーミッド症候群やピット・ホプキンス症候群、16p11.2欠失・重複なども対象です。ただし調べられるのは原因の一部で、陰性でも自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。症状の重さも検査では予測できません。詳しくは自閉症はNIPTでわかりますか?で解説しています。
5. 検査の精度と限界
検査精度について
単一遺伝子のNIPTの精度は、研究ごとに対象と方法が違うため、数字をそのまま比べることはできません。そのうえで、当院の2つのプランの根拠になっている研究の数字は次のとおりです。
📊 単一遺伝子NIPTの精度(研究の数字)
どちらも、それぞれの研究の対象集団での数字です。すべての妊婦さんにそのまま当てはまるわけではありません。
NIPTはスクリーニング検査なので、陽性的中率は100%ではありません。陽性になったら、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることが大切です。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。
⚠️ 検査の限界について
・調べるのは選ばれた遺伝子だけで、すべての骨系統疾患が分かるわけではありません(分類上は771の病気があります[1])
・両親から1つずつ受け継いで起こる劣性遺伝の病気は対象外です。心配な方には、NIPTと同時に行うカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」があります
・陰性でも、すべての骨系統疾患がないとは言えません。まれですが偽陰性の可能性もあります
・確定診断には、羊水検査や絨毛検査などの確定検査が必要です
🩺 院長コラム【陽性の後が、医療の本番です】
NIPTはスクリーニング検査で、陽性が出ても診断が確定したわけではありません。だからこそ、「陽性と出たらどうするか」を、検査を受ける前に一度考えておいていただきたいと考えています。
骨系統疾患と分かったとしても、それによって出産する施設や生まれたあとの医療の準備ができます。知ることは終わりではなく、次の選択肢の始まりです。どの結果であっても、確定検査と結果の説明まで、臨床遺伝専門医が責任をもって対応します。
6. 費用と検査時期
検査費用
骨系統疾患まで調べられるのは、ダイヤモンドプラン(407,000円)とインペリアルプラン(550,000円)です(事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後・税込)。料金には遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定が含まれ、検査結果の作成費用3,300円は別にかかります。互助会は2つで全員加入です(カトレア会〈羊水検査互助会〉8,000円、安心検査結果保障制度6,000円)。最新の料金はNIPTの費用・料金でご確認ください。
検査時期
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。結果が出るまでは基本10〜14日で、ダイヤモンドプランは単一遺伝子の結果も10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。早い時期に結果が分かれば、次のようなことに時間を使えます。
- 陽性のときに、確定検査で確かめる時間
- ご夫婦で話し合い、気持ちを整理する時間
- 出産する施設や、生まれたあとの医療を準備する時間
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[8]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[8][9]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。この記事で取り上げた骨系統疾患も同じです。
出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。
三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。
当院のインペリアルプランは、全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,700円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。
🧮 調べられる病気の数で割ると(プラン別)
| プラン | 主に調べる範囲 | 数えた病気の数 | 1つの病気あたり |
|---|---|---|---|
| 三大トリソミーだけを調べる検査 (仮に10万円とした場合) |
13・18・21トリソミー | 3 | 約33,333円 |
| スタンダード (220,000円) |
13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 | 14 | 約15,714円 |
| プレミアム (264,000円) |
13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 | 23 | 約11,478円 |
| ダイヤモンド (407,000円) |
プレミアムの範囲+単一遺伝子56 | 79 | 約5,152円 |
| 双子マックス (440,000円) |
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 | 114+α | 約3,860円 |
| インペリアル (550,000円) |
全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 | 320+α | 約1,719円 |
※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。
※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。
※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
ただし、調べる病気の数が多いほどよい検査、ということではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だから、検査前の遺伝カウンセリングで、ご家族に合ったプランを選びます。
🏥 骨系統疾患まで、1回の採血で調べるという選択
ダイヤモンドプランは56遺伝子、インペリアルプランは最大155遺伝子(202疾患)の単一遺伝子の病気を、染色体の検査と同じ1回の採血で調べます。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。
まだ決めていない方は:NIPTのプラン一覧 | NIPTの費用 | 受けるべきか迷っている方へ
NIPT専用ダイヤル:03-3408-3768
よくある質問(FAQ)
Q1. 骨系統疾患はNIPTで調べられますか?
一部は調べられます。13・18・21トリソミーなど染色体の数を調べる一般的なNIPTでは、骨系統疾患は調べられません。当院では、単一遺伝子の変化を調べるダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子・202疾患)で、軟骨無形成症・致死性骨異形成症(FGFR3遺伝子)や骨形成不全症(COL1A1・COL1A2遺伝子)などを調べられます。骨系統疾患は700以上が分類されており、すべてを調べられるわけではありません。
Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題だと報告されています。こうした問題を伴いやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患、そして骨系統疾患は、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に決められます。
Q3. 家族に骨の病気の人がいなくても、赤ちゃんが骨系統疾患になることはありますか?
あります。軟骨無形成症の赤ちゃんの約80%は、病気をもたないご両親から生まれています。精子や卵子がつくられるときに偶然起きた新しい遺伝子の変化(de novo変異)によるもので、ご両親の生活や行動が原因ではありません。家族歴がないことは、可能性がないことを意味しません。
Q4. NIPTで陽性だった場合、必ず羊水検査が必要ですか?
NIPTはスクリーニング検査なので、陽性のときは羊水検査や絨毛検査などの確定検査で確かめてから判断することが大切です。当院では確定検査も院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。
Q5. 超音波検査で手足の骨が短いと言われました。NIPTは役に立ちますか?
超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍に増えたと報告されています。ただし、NIPTはスクリーニング検査で、診断を確定するには羊水検査などの確定検査が必要です。妊娠週数や超音波の所見によっては、最初から確定検査を選ぶほうがよいこともあるため、遺伝カウンセリングでどの検査が合うかを確認します。
Q6. 検査結果が出るまでどのくらいかかりますか?
基本は10〜14日です。ダイヤモンドプランは単一遺伝子の結果も10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。陰性の結果はマイページでお知らせします。
Q7. 骨系統疾患がすべてわかるわけではないのですか?
はい。骨系統疾患は国際的な分類で771の病気が挙げられ、552の遺伝子が関係しています。NIPTで調べるのは、選ばれた遺伝子に赤ちゃんに新しく起きた変化(de novo変異)です。両親から1つずつ受け継いで起こる劣性遺伝の病気や、対象外の遺伝子による病気は調べられません。陰性でも、すべての骨系統疾患がないとは言えません。
Q8. 遠方に住んでいますが検査を受けられますか?
オンラインNIPTをご利用いただけます。Zoomで臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受け、全国110か所の提携施設で採血する方法です。採血料は施設ごとに別にかかります。
関連記事
参考文献
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- [2] MedlinePlus Genetics (U.S. National Library of Medicine). Achondroplasia. [MedlinePlus]
- [3] Rodriguez Celin M, Steiner RD, Basel D. COL1A1/2 Osteogenesis Imperfecta. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; last update 2025 May 29. [NBK1295 / PMID 20301472]
- [4] French T, Savarirayan R. Thanatophoric Dysplasia. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; last revision 2023 May 18. [NBK1366 / PMID 20301540]
- [5] Kong A, Frigge ML, Masson G, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475. [PubMed 22914163]
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断を示すものではありません。各疾患の症状や重さには個人差があります。






