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コルネリア・デランゲ症候群はNIPTで検査できる?遺伝子検査の種類と診断方法を専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

「コルネリア・デランゲ症候群は、いつわかるの?」「妊娠中に調べる方法はある?」。結論からお伝えすると、妊娠中のエコーで気づかれるのは一部で、多くは生まれてから顔つきや成長の特徴で疑われます。ただし、原因の大部分を占める遺伝子を調べる単一遺伝子のNIPTなら、妊娠9週から採血だけで調べ、約10〜14日で結果を知ることができます。一般的な3つのトリソミーだけを調べるNIPTでは対象外です。この記事では、妊娠中・出生後にわかる時期と方法、ミネルバクリニックのダイヤモンドプランで調べられる5つの遺伝子、検査の限界までを、臨床遺伝専門医の立場から解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🧬 CdLS・単一遺伝子NIPT・出生前診断
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤コルネリア・デランゲ症候群が妊娠中・出生後にわかる時期と方法
  • ➤原因遺伝子(NIPBL・SMC1A・HDAC8・SMC3・RAD21など)と、それぞれの割合
  • ➤一般的なNIPTでは検査できない理由
  • ➤ダイヤモンドプラン(COATE法)で調べられる5つの遺伝子と、その限界
  • ➤羊水検査・絨毛検査との違いと、受ける前に知っておきたいこと

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. コルネリア・デランゲ症候群はいつわかる?

妊娠中期以降のエコーで、赤ちゃんの発育の遅れや腕の形の異常などから疑われることがありますが、軽いタイプでは目立たず、多くは生まれてから顔つきや成長の特徴で気づかれます。原因遺伝子を調べる単一遺伝子のNIPTなら、妊娠9週から受けられ、結果は約10〜14日です。

🤔 Q. ダウン症候群だけを調べるNIPTで大丈夫?

コルネリア・デランゲ症候群は、染色体の数ではなく1つの遺伝子の変化で起こる病気です。13・18・21番の染色体の数を調べるNIPTでは対象外で、単一遺伝子まで調べる検査を選ぶ必要があります。

🔬 Q. ミネルバクリニックでは何を調べられる?

ダイヤモンドプランの56遺伝子に、NIPBL・SMC1A・HDAC8・SMC3・RAD21の5つが入っています。原因遺伝子が見つかる人の約9割を占める遺伝子ですが、すべての患者さんを見つけられるわけではなく、陽性なら確定検査で確かめます。

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コルネリア・デランゲ症候群はいつわかる?妊娠中と出生後の時期

コルネリア・デランゲ症候群(CdLS)がわかる時期は、どの方法で調べるかで大きく変わります。大きく分けると「妊娠初期に遺伝子を調べる(NIPT・確定検査)」「妊娠中期以降のエコーで気づく」「生まれてから特徴で気づく」の3つです。

妊娠中にわかる場合:NIPTと確定検査

妊娠中に遺伝子のレベルで調べられるのは、原因遺伝子を対象にした単一遺伝子のNIPTです。ミネルバクリニックのダイヤモンドプランは妊娠9週から受けられ(妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます)、結果は約10〜14日で出ます。陽性の場合は、絨毛検査(妊娠11〜14週ごろ)または羊水検査(妊娠15〜16週以降)で、赤ちゃんの細胞の遺伝子を直接調べて確かめます。

妊娠中のエコーで気づく場合

53件の妊娠を振り返った研究では、赤ちゃんの発育の遅れ、腕や手の形の異常、横隔膜ヘルニア、首のうしろのむくみ(NT)の増加、あごが小さいなどの特徴的な横顔が、妊娠中に気づく手がかりとして挙げられています[3]。多くは妊娠中期以降の超音波検査でみられる所見です。ただし、これらはほかの病気でもみられ、エコーだけで診断はできません。また、軽いタイプでは妊娠中に目立った所見がないことも多いため、「エコーで何も言われなかった=心配ない」とはいえません[1]。

生まれてからわかる場合

古典的なタイプでは、つながった眉毛、長いまつげ、小さな体、腕や手の形の違いなどから、新生児期〜乳児期に疑われることが多い病気です。診断は、顔つきや体の特徴を点数にした国際的な基準(2018年の国際コンセンサス)と遺伝子検査を組み合わせて行います[2]。一方、軽いタイプは特徴がはっきりせず、発達の遅れなどをきっかけに幼児期以降に診断されることもあります[1]。生まれたあとの遺伝子検査についてはコルネリア・デランゲ症候群NGS遺伝子パネル検査で説明しています。

🗓️ コルネリア・デランゲ症候群がわかる時期と方法

時期 方法 わかること
妊娠9週〜(6〜8週は臨床研究) 単一遺伝子まで調べるNIPT(採血) 原因遺伝子の変化の可能性。結果は約10〜14日
妊娠11〜14週ごろ 絨毛検査 赤ちゃん側の細胞で遺伝子の変化を確かめる
妊娠15〜16週以降 羊水検査 赤ちゃんの細胞で遺伝子の変化を確かめる
妊娠中期以降 超音波検査(エコー) 発育の遅れ・腕の異常などの手がかり(診断はできない)
出生後 診察(顔つき・成長)と遺伝子検査 診断の確定。軽いタイプは幼児期以降のことも

コルネリア・デランゲ症候群とは

コルネリア・デランゲ症候群(Cornelia de Lange syndrome:CdLS)は、特徴的な顔つき、出生前から続く成長の遅れ、知的発達の遅れ、腕や手の形の違いなどを特徴とする生まれつきの病気です。1933年にオランダの小児科医コルネリア・デ・ランゲが報告したことから、この名がつきました。頻度は、欧州の調査で古典的なタイプが約5万人に1人と推定されていますが、軽いタイプは見逃されやすく、実際にはもっと多いと考えられています[1]。

重症度には大きな幅があります。知能指数(IQ)は30未満から102までと幅広く、平均はおよそ53と報告されています[1]。病気そのものの症状や顔つきの特徴は、コルネリア・デ・ランゲ症候群1型とは?症状・原因・診断で詳しく解説しています。この記事では、出生前にどこまでわかるかに絞ってお伝えします。

原因遺伝子について

コルネリア・デランゲ症候群は、複数の遺伝子のどれかに変化が起きることで発症する病気です。米国の遺伝性疾患の専門書GeneReviewsの集計では、原因遺伝子ごとの割合は次のとおりです[1]。

🧬 コルネリア・デランゲ症候群の原因遺伝子と割合

遺伝子(染色体の位置) CdLS全体に占める割合 遺伝の形式
NIPBL(5番) 約80% 常染色体顕性(優性)
SMC1A(X) 約5% X連鎖
HDAC8(X) 約4% X連鎖
SMC3(10番) 1〜2% 常染色体顕性(優性)
RAD21(8番) 1%未満 常染色体顕性(優性)
BRD4・MAU2 それぞれ1%未満 常染色体顕性(優性)
原因不明 3〜5% ―

出典:GeneReviews「Cornelia de Lange Syndrome」(2026年6月更新)[1]。

多くの患者さんでは、両親にはない遺伝子の変化が、赤ちゃんで新たに起きています(新生突然変異)[1]。ご両親の行動や体質が原因で起こるものではありません。ただし、患者さんご本人の子どもには50%の確率で受け継がれ、また両親に変化が見つからなくても、親の精子や卵子のもとになる細胞だけに変化がある(性腺モザイク)ために、まれに次の子で再び起こることがあります[1]。新生突然変異のしくみはDe Novo変異(新生突然変異)とはで解説しています。

💡 用語解説:新生突然変異(しんせいとつぜんへんい)

新生突然変異(de novo変異)とは、両親のどちらの体の細胞にもない遺伝子の変化が、子どもで初めて生じたものです。精子や卵子が作られる過程などで偶然起こります。誰にでも起こりうる偶然の出来事で、妊娠中の過ごし方で防げるものではありません。

コヒーシンの機能とコルネリア・デランゲ症候群の関係

上の遺伝子はすべて、細胞の中のリング状のタンパク質複合体「コヒーシン」の働きに関わっています[2]。コヒーシンは、細胞分裂のときに染色体を正しく分けるだけでなく、DNAをループ状に折りたたんで遺伝子のスイッチのオン・オフを調節したり、傷ついたDNAの修復を助けたりしています。コルネリア・デランゲ症候群で全身にさまざまな症状が出るのは、発生の早い時期から多くの遺伝子の調節にコヒーシンが関わっているためと考えられています。こうしたコヒーシンの異常で起こる病気は「コヒーシン病(cohesinopathy)」と総称されます。NIPBLとコヒーシンの働きはNIPBL遺伝子のページで詳しく説明しています。

💡 用語解説:コヒーシン

コヒーシン(cohesin)は、SMC1A・SMC3・RAD21などのサブユニットからなるリング状のタンパク質複合体です。NIPBLはコヒーシンをDNAに載せる役割を、HDAC8はコヒーシンを再利用できる状態に戻す役割をもちます。どの部品に変化が起きても、コヒーシンの働きが弱まるという点で共通しています。

主な症状と合併症

妊娠中の検査を考えるうえで知っておきたい、主な特徴は次のとおりです。

  • 特徴的な顔つき(つながった眉毛・長いまつげ・上向きの鼻・薄い上唇など)
  • 出生前から続く成長の遅れ、小頭症
  • 腕や手の形の違い(指が少ないなど。重い場合は前腕が欠ける)
  • 難聴(約80%)、胃食道逆流(約75%)[1]
  • 心臓の病気(心室中隔欠損など)、横隔膜ヘルニア、自閉的な傾向や自傷行為
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「いつわかるか」より先に知ってほしいこと】

コルネリア・デランゲ症候群は、遺伝子の偶然の変化で起こることがほとんどで、ご両親の行動や体質が原因ではありません。それでも「妊娠中にわかる方法はないのか」と調べる方の気持ちは、とても自然なものだと考えています。

大切なのは、「エコーで何も言われなかった」と「遺伝子を調べて変化が見つからなかった」は、意味がまったく違うということです。エコーは形の変化を見る検査で、軽いタイプは妊娠中にほとんど手がかりがありません。遺伝子を直接調べる方法があることを知ったうえで、受けるかどうかを選んでいただきたいと考えています。出生前にわかれば、生まれた直後の哺乳や心臓・聴力の検査など、出産後のケアを前もって準備することもできます。

ミネルバクリニックのNIPTで検査できる5つの遺伝子

ミネルバクリニックのダイヤモンドプランは、56遺伝子のde novo変異(新生突然変異)を調べる単一遺伝子のNIPTを含みます。その56遺伝子のリスト(56遺伝子de novo変異NIPTに掲載)を確認すると、コルネリア・デランゲ症候群の原因遺伝子のうち、NIPBL・SMC1A・HDAC8・SMC3・RAD21の5つが対象に入っています。

💎 ダイヤモンドプランで調べられるCdLSの原因遺伝子

遺伝子 病型 CdLSに占める割合 特徴
NIPBL 1型 約80% 古典的な特徴を示すことが多い
SMC1A 2型 約5% X連鎖。比較的軽いことが多い
SMC3 3型 1〜2% 軽いタイプが多い
RAD21 4型 1%未満 軽い〜中等度のことが多い
HDAC8 5型 約4% X連鎖。特徴的な顔つき・成長の遅れ

割合はGeneReviews[1]。対象遺伝子は当院の56遺伝子リストによる。

この5つの遺伝子は、割合を足し合わせるとコルネリア・デランゲ症候群全体の約9割にあたります[1]。ただし、これは「原因遺伝子の割合」から計算した理論上の数字で、実際にこの検査で見つけられる割合ではありません。後で説明するモザイクや、お母さんから受け継いだ変化など、NIPTで見つけにくい場合があるためです。

BRD4とMAU2は56遺伝子に入っていません。また、コルネリア・デランゲ症候群に似た特徴が出ることがあるANKRD11(KBG症候群の原因遺伝子)は、ダイヤモンドプランの対象外で、インペリアルプランの対象です。インペリアルプランは最大155遺伝子(202疾患)を対象にしており、対象疾患にコルネリア・デランゲ症候群も含まれます。

一般的なNIPTでは検査できない理由

認証施設で行われているNIPTは、21トリソミー(ダウン症候群)・18トリソミー・13トリソミーの3つの染色体の数の変化を対象にしています。コルネリア・デランゲ症候群が一般的なNIPTで検査できない主な理由は次のとおりです。

❌ なぜ一般的なNIPTでは検査できないのか

対象の違い:一般的なNIPTは染色体の「数」の変化を調べる検査で、1つの遺伝子の中の小さな変化は対象にしていません。
解析方法の違い:染色体ごとのDNAの量を比べる方法では、1文字単位の遺伝子の変化(点変異)は見つけられません。
専用の解析が必要:単一遺伝子の変化を調べるには、対象の遺伝子を深く読む解析と、それに見合った精度の確認が必要です。

つまり、コルネリア・デランゲ症候群のような「単一遺伝子の変化」が原因の病気は、染色体の数を数える従来型のNIPTでは原理的に検出できません。単一遺伝子のNIPTの仕組みと限界は単一遺伝子疾患のNIPD(非侵襲的出生前診断)とはで解説しています。

ミネルバクリニックのNIPTなら検査可能

ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で検査します。13・18・21・15・16・22番のトリソミー、性染色体の数の変化、12種類の微小欠失に加えて、コルネリア・デランゲ症候群を含む56遺伝子の単一遺伝子疾患を対象にしています。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[4]。すべての妊婦さんで1.6倍になるという意味ではありませんが、染色体の数だけでは見つからない病気があることを示すデータです。COATE法の精度のデータはCOATE法のエビデンスで紹介しています。

ミネルバクリニックの検査体制

🏥 検査から確定検査までの体制

受けられる時期 妊娠9週から(妊娠6〜8週は臨床研究として)
結果までの目安 約10〜14日(ダイヤモンドプランは単一遺伝子も同じ。インペリアルプランの単一遺伝子のみ3〜4週間)
遺伝カウンセリング 臨床遺伝専門医が常駐し、検査前に遺伝カウンセリングを実施
エコー 採血の前に4Dエコーで赤ちゃんの心拍と発育を確認(料金に含む)
陽性のとき 陽性のカウンセリングは何度でも無料。羊水検査・絨毛検査も院内で実施
遠方の方 オンラインNIPT(採血の提携施設は全国110か所)

2025年6月からは産婦人科を併設し、陽性だった場合の羊水検査・絨毛検査も院内で行っています。染色体の主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。NIPTで見つかった遺伝子の変化を確かめる解析は、内容によって期間が異なるため、遺伝カウンセリングでご説明します。確定検査については羊水検査・絨毛検査のページをご覧ください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【単一遺伝子のNIPTが広げた選択肢】

「コルネリア・デランゲ症候群のような単一遺伝子の病気を、なぜ採血だけで調べられるようになったのか」。答えは解析技術の進歩にあります。お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAの中から、特定の遺伝子の小さな変化を読み取れるようになったことで、これまで「一般的なNIPTでは調べられない」とされていた病気にも、妊娠初期に向き合えるようになりました。

もちろん限界もあり、すべての患者さんを見つけられるわけではありません。それでも、原因の大部分を占める遺伝子を妊娠9週から調べられることは、知りたいと考えるご家族にとって意味のある選択肢だと考えています。検査の限界まで含めて説明を受けたうえで、受けるかどうかを決めていただくことを大切にしています。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

NIPTを選ぶとき、つい料金の総額で比べてしまいがちです。けれども、出生前検査で見つける病気はダウン症候群だけではなく、コルネリア・デランゲ症候群のように染色体の数を調べるだけでは見つからない病気もあります。そこで、調べられる項目の数で割った「1つの病気あたり」で考えてみます。

📋 1つの病気あたりで考える(目安)

プラン 主な範囲 項目数の目安 料金 1項目あたり
(仮)三大トリソミーのみ 13・18・21番 3 100,000円(仮) 約33,300円
スタンダード 3トリソミー+性染色体4種+微小欠失6種類 13 220,000円 約16,900円
プレミアム 6トリソミー+性染色体4種+微小欠失12種類 22 264,000円 12,000円
ダイヤモンド プレミアムの範囲+単一遺伝子56 78 407,000円 約5,200円
双子マックス 全常染色体+微小欠失・重複92種類+5Mb超の構造異常 114+α 440,000円 約3,860円
インペリアル 全常染色体+性染色体4種+92種類+5Mb超+単一遺伝子202疾患 320+α 550,000円 約1,719円

※料金は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の金額(税込)。三大トリソミーのみの検査は比較のための仮の金額で、三大トリソミーは出生前検査で広く調べられている基本の項目です。互助会の会費や結果作成費用などは別途かかります(NIPTは検査費用以外に何がかかる?)。コルネリア・デランゲ症候群を調べられるのはダイヤモンドとインペリアルです。

総額は上がっても、調べる範囲が広いほど1つの病気あたりの金額は下がります。どこまで調べるかは、ご家族が何を知りたいかで選ぶものです。検査の範囲は保険の補償内容に近い考え方ですが、陰性は「調べた範囲で可能性が低い」という意味で、すべての病気がないことを保証するものではありません。

他の遺伝子検査との比較

🔬 コルネリア・デランゲ症候群を調べる方法の比較

検査方法 検査時期 調べる内容 位置づけ 流産のリスク
ダイヤモンドプラン(NIPT) 妊娠9週〜(6〜8週は臨床研究) NIPBL・SMC1A・HDAC8・SMC3・RAD21の変化 スクリーニング なし(採血のみ)
絨毛検査 妊娠11〜14週ごろ NIPTで見つかった変化や、家族ですでにわかっている変化を直接確認 確定検査 わずかにある
羊水検査 妊娠15〜16週以降 NIPTで見つかった変化や、家族ですでにわかっている変化を直接確認 確定検査 わずかにある
超音波検査(エコー) 妊娠中期以降が中心 発育の遅れ・腕の異常・横隔膜ヘルニアなどの形の変化 手がかり なし
一般的なNIPT(認証施設) 妊娠10週〜 13・18・21トリソミー CdLSは対象外 なし

羊水検査・絨毛検査は、何を調べるか決めて行う検査です。NIPTやエコーで手がかりがない状態で、すべての遺伝子を調べるものではありません。

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検査を受ける際の注意点

単一遺伝子のNIPTは、陰性でもコルネリア・デランゲ症候群を完全に否定できる検査ではありません。見つけにくい場合として、次の4つを知っておいてください。

⚠️ 検査前に知っておきたい4つの限界

① 対象外の遺伝子:BRD4・MAU2による場合や、原因遺伝子が見つからない3〜5%の場合は対象外です[1]。
② モザイク:NIPBLの変化が体の一部の細胞にだけある「モザイク」の人が約10〜15%いると報告されています[1]。NIPTが見ているのは主に胎盤由来のDNAなので、胎盤と赤ちゃんで遺伝子の状態が違うと、結果が一致しないことがあります。
③ お母さんから受け継いだ変化:de novo変異のNIPTは、お母さんの血液にない変化を探す仕組みです。お母さん自身がもつ変化(X連鎖のSMC1A・HDAC8など)が受け継がれた場合は、母体のDNAと区別しにくく見つけにくくなります。
④ 陽性は確定ではない:NIPTはスクリーニング検査です。陽性の場合は、羊水検査・絨毛検査で必ず確かめます。

このほか、ダイヤモンドプランは単胎妊娠のみが対象です。また、正確な結果を出すには、血液中の赤ちゃん由来のDNAの割合(胎児分画)が3%以上必要です。ご家族にすでにコルネリア・デランゲ症候群の方がいて原因の変化がわかっている場合は、NIPTよりも、その変化を直接調べる絨毛検査・羊水検査が向いていることがあります。どれを選ぶかは、遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

ミネルバクリニックのサポート体制

  • 院内確定検査:2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で実施
  • 4Dエコー:採血の前に赤ちゃんの心拍と発育を確認(料金に含む)
  • カトレア会(8,000円):陽性のときの羊水検査の費用を補助する互助会(補助の上限なし)
  • 安心検査結果保障制度(6,000円):再検査が必要なのに流産で再検査ができず結果が出ないときに、検査料金(諸費用を除く)が返金される互助会
  • 陽性のカウンセリング:何度でも無料

まとめ

コルネリア・デランゲ症候群は、妊娠中のエコーで気づかれることもありますが、軽いタイプでは手がかりが少なく、多くは生まれてから診断されます。一般的なNIPTでは検査できませんが、ミネルバクリニックのダイヤモンドプランなら、原因の約9割を占めるNIPBL・SMC1A・HDAC8・SMC3・RAD21の5遺伝子を、妊娠9週から採血だけで調べられます。

  • 結果は約10〜14日。陽性なら羊水検査・絨毛検査で確かめる(院内で実施)
  • モザイクや、お母さんから受け継いだ変化など、見つけにくい場合がある
  • 陰性はすべての患者さんを否定するものではない
  • 臨床遺伝専門医が常駐し、検査前の遺伝カウンセリングから陽性時の確定検査まで対応

🏥 単一遺伝子の病気まで調べるNIPTを検討している方へ

ミネルバクリニックは臨床遺伝専門医が常駐し、ダイヤモンドプランではコルネリア・デランゲ症候群の原因遺伝子5つを含む56遺伝子を妊娠9週から調べます。陽性なら羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. コルネリア・デランゲ症候群はいつわかりますか?

古典的なタイプは新生児期〜乳児期に顔つきや成長の特徴から疑われることが多く、軽いタイプは幼児期以降に診断されることもあります。妊娠中は、妊娠中期以降のエコーで発育の遅れや腕の異常などから疑われることがありますが、目立った所見がないことも多くあります。原因遺伝子を調べる単一遺伝子のNIPTなら妊娠9週から受けられ、結果は約10〜14日です。陽性なら羊水検査・絨毛検査で確かめます。

Q2. ダウン症候群だけを調べるNIPTで大丈夫ですか?

コルネリア・デランゲ症候群は1つの遺伝子の変化で起こる病気なので、13・18・21番の染色体の数を調べるNIPTでは対象外です。調べたい場合は、単一遺伝子まで対象にしたNIPTを選ぶ必要があります。ミネルバクリニックではダイヤモンドプランとインペリアルプランが対象です。

Q3. 妊娠中のエコーでコルネリア・デランゲ症候群はわかりますか?

赤ちゃんの発育の遅れ、腕や手の形の異常、横隔膜ヘルニア、首のうしろのむくみ、特徴的な横顔などが手がかりになることがあります。ただし、ほかの病気でもみられる所見で、エコーだけで診断はできません。軽いタイプでは妊娠中に所見がないことも多く、エコーで指摘がなくても否定はできません。

Q4. ミネルバクリニックのNIPTでコルネリア・デランゲ症候群を調べられますか?

ダイヤモンドプランの56遺伝子に、NIPBL・SMC1A・HDAC8・SMC3・RAD21の5つが含まれています。原因の割合を足すと全体の約9割にあたる遺伝子ですが、BRD4などほかの遺伝子による場合、モザイクの場合、お母さんから受け継いだ変化の場合などは見つけにくく、陰性でも完全には否定できません。陽性の場合は確定検査が必要です。

Q5. NIPTで陽性だった場合はどうなりますか?

陽性のカウンセリングは何度でも無料で受けられます。確定のために、羊水検査または絨毛検査で赤ちゃんの細胞の遺伝子を直接調べます。ミネルバクリニックでは2025年6月から産婦人科を併設し、確定検査も院内で行っています。羊水検査の費用は互助会(カトレア会)で補助されます。

Q6. コルネリア・デランゲ症候群の寿命はどのくらいですか?

平均寿命として確立した数字はありません。重症度の幅が大きく、軽いタイプでは成人期まで生活する方も多くいます。一方で、胃食道逆流による誤嚥性肺炎、腸のねじれ(腸軸捻転)、心臓の病気、横隔膜ヘルニアなどが命に関わることがあり、合併症を早く見つけて管理することが大切です。

Q7. 次の子どもにも起こりますか?

多くは赤ちゃんで新たに起きた遺伝子の変化(新生突然変異)なので、次の子で再び起こる可能性は低いと考えられます。ただし、親の精子や卵子のもとになる細胞だけに変化がある(性腺モザイク)場合があり、ゼロではありません。原因の変化がわかっていれば、次の妊娠ではその変化を確定検査で直接調べることもできます。

Q8. 遺伝カウンセリングは必須ですか?

はい。ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が検査前に遺伝カウンセリングを行い、調べられる範囲と限界、陽性だったときの流れを説明したうえで検査を受けていただきます。

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参考文献

  • [1] Deardorff MA, Raible SE, Krantz ID. Cornelia de Lange Syndrome. In: Adam MP, et al., eds. GeneReviews®. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-. Initial posting 2005; last update 2026 Jun 16. [NBK1104]
  • [2] Kline AD, Moss JF, Selicorni A, et al. Diagnosis and management of Cornelia de Lange syndrome: first international consensus statement. Nat Rev Genet. 2018;19(10):649-666. [DOI 10.1038/s41576-018-0031-0]
  • [3] Clark DM, et al. Identification of a prenatal profile of Cornelia de Lange syndrome (CdLS): a review of 53 pregnancies. Am J Med Genet A. 2012;158A(8):1848-1856. [PubMed 22740382]
  • [4] Zhang J, Wu Y, Chen S, et al. Prospective prenatal cell-free DNA screening for genetic conditions of heterogenous etiologies. Nat Med. 2024;30(2):470-479. [DOI 10.1038/s41591-023-02774-x]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。検査の選び方については、主治医・専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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