目次
📍 クイックナビゲーション
「赤ちゃんが鎖骨頭蓋異形成症かどうか、生まれる前にわかるの?」。ご自身やパートナーがこの病気の当事者である方、エコーで「鎖骨が短いかもしれない」と言われた方、NIPTのプランを選んでいる方が、まず知りたいのはこの点だと思います。結論からお伝えすると、原因になるRUNX2(ランクスツー)遺伝子の変化は、NIPTで調べられます。ただし、すべての変化を見つけられるわけではなく、陽性なら確定検査で確かめる必要があります。当院の東京のNIPT(新型出生前診断)では、ダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. 鎖骨頭蓋異形成症はNIPTでわかりますか?
原因遺伝子のRUNX2は、当院のダイヤモンドプランとインペリアルプランの対象です。赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo変異)を拾い上げられる可能性があります。ただし対象の遺伝子でもすべての変化を見つけられるとは限らず、陽性なら絨毛検査・羊水検査で確かめます。
🩻 Q. エコーではいつわかりますか?
鎖骨が短い・ない、頭の骨の骨化が弱いといった所見が、早い報告では妊娠12〜14週ごろに見えています。ただし、生まれる前に診断された報告は少なく、その多くは家族にこの病気の人がいた例です。家族歴がないと、妊娠中には気づかれにくい病気です。
👪 Q. 親が当事者だと遺伝しますか?
常染色体顕性(優性)遺伝なので、親のどちらかが当事者なら、赤ちゃんに受け継がれる確率は妊娠ごとに2分の1です。一方で、親に当てはまらず赤ちゃんで新しく起こる例も大きな割合を占めます。
🧠 Q. 知的障害や自閉症を伴いますか?NIPTで自閉症はわかりますか?
鎖骨頭蓋異形成症では、知能は通常正常とされています。なお当院のNIPTでは、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因(微小欠失や単一遺伝子の変化)も、プランによって調べられます。
🏥 Q. 陽性だったらどうなりますか?
NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。当院では絨毛検査(妊娠11〜13週)・羊水検査(妊娠15週から)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。
\ RUNX2まで調べられるプランでNIPTを受けたい方へ /
鎖骨頭蓋異形成症とは? ― 出生前に知っておきたい要点
鎖骨頭蓋異形成症(さこつとうがいいけいせいしょう、CCD)とは、RUNX2遺伝子の変化によって、鎖骨・頭の骨・歯のでき方に特徴があらわれる骨の病気です[1][2]。「鎖骨頭蓋異骨症」「鎖骨頭蓋骨異形成症」と呼ばれることもあります。鎖骨が小さい・ない、生まれたときに大泉門(頭のてっぺんのやわらかい部分)が大きく開いていて閉じるのが遅い、永久歯が生えにくい・歯の数が多いといった特徴が知られています[1]。
米国ユタ州の調査では、1万人あたり0.12人と推定されていますが、実際にはもっと多い可能性があるとされています[1]。知能は通常正常とされています[1]。
🦴 鎖骨頭蓋異形成症の主な特徴(GeneReviewsより)
| 部位 | 報告されている特徴 |
|---|---|
| 鎖骨 | 小さい(低形成)、またはない(無形成)。中心となる特徴 |
| 頭の骨 | 生まれたとき大泉門が大きく開いていて、閉じるのが遅い |
| 歯 | 歯の問題が最大94%(乳歯が抜けにくい・永久歯が生えにくい)、過剰歯の芽が70% |
| 耳 | 伝音難聴が39% |
| 身長・骨格 | 成人の平均身長は男性約165cm・女性約156cm(家族の中で当事者でない兄弟姉妹より低い)、扁平足57%、側弯18% |
| 知能 | 通常正常 |
出典:GeneReviews「Cleidocranial Dysplasia Spectrum Disorder」[1](日本語版[2])。症状の出方は、同じ家族の中でも人によって違います。
症状・診断・歯科や矯正の治療・暮らしの支援など、病気そのものについては鎖骨頭蓋異形成症(CCD)の症状・原因・遺伝と歯の治療に、原因遺伝子のはたらきはRUNX2遺伝子のページにまとめています。このページでは、「生まれる前にわかるのか」に絞ってお話しします。
鎖骨頭蓋異形成症はNIPTでわかる? ― ダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます
鎖骨頭蓋異形成症の原因遺伝子RUNX2は、当院のダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子202疾患)の両方に入っています。NIPTで調べるのは、主に赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo変異)です。家族に当事者がいなくても起こる病気なので、「家族歴がないから調べなくてよい」とは言い切れません。
🧬 当院のNIPTプランと鎖骨頭蓋異形成症(RUNX2)
どちらのプランも単胎のみが対象です。対象の遺伝子でも、すべての変化を見つけられるとは限りません。2つのプランの違いはインペリアルプランとダイヤモンドプランの違いをご覧ください。
ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で検査します。
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
なお、インペリアルプランの対象には、名前の似た別の病気「頭頂骨孔を伴う鎖骨頭蓋異形成症」(原因遺伝子MSX2)も入っています。こちらはダイヤモンドプランの56遺伝子には入っていません。病気については頭頂骨孔を伴う鎖骨頭蓋異形成症(PFMCCD)で解説しています。
精度はどのくらい?
インペリアルプランの検証データ(リスクの高い妊婦さん750人・155遺伝子202疾患)では、de novo変異を調べるNIPTの実測値は、陽性的中率96.9%・感度100%・特異度99.9%でした[4]。ダイヤモンドプランと同じ方式の研究(リスクの高い妊婦さん1,090人)では、感度98.5%・特異度99.3%と報告されています[5]。どちらも複数の疾患を対象とした研究全体の数字で、RUNX2単独の検出性能を示すものではありません。また、リスクの高い妊婦さんでの数字で、一般の妊婦さんにそのまま当てはまるものではありません。陽性なら確定検査で確かめます。
「見つけられない変化」もある理由
鎖骨頭蓋異形成症の人(原因がわからない人も含む)を検査の方法ごとにみると、RUNX2の配列を読む検査で小さな変化が見つかる人が約70〜80%、遺伝子の一部や全体が欠けたり重なったりする変化が見つかる人が約15%、検査をしても原因が見つからない人が約5〜15%と報告されています[1]。原因の変化の種類がこのように分かれているため、RUNX2が対象でも、すべての変化をNIPTで見つけられるとは限りません。陰性は「調べた範囲では可能性が低い」という意味だと受け止めてください。
💡 用語解説:de novo(デノボ)変異
ご両親の血液の遺伝子にはなく、赤ちゃんで新しく起こった遺伝子の変化のことです。家族歴がなくても起こります。詳しくはDe Novo変異(新生突然変異)とはをご覧ください。
🩺 院長コラム【「家族にいないから大丈夫」とは言えない病気です】
鎖骨頭蓋異形成症は、親から受け継ぐ場合もあれば、赤ちゃんで新しく起こる場合もある病気です。新しく起こった場合、家族歴は手がかりになりません。しかも妊娠中に診断された例として文献で報告されているものはごくわずかで、その多くは家族にこの病気の人がいた例でした。
だからこそ、エコーで何も言われていない段階で、RUNX2のような原因遺伝子を調べられることには意味があると考えています。一方で、NIPTは確定ではない検査で、見つけられない変化もあります。検査で何がわかり、何がわからないかを知ったうえで選んでいただくことが大切だと考えています。
鎖骨頭蓋異形成症はいつわかる? ― エコーで見える所見と時期
エコー(超音波検査)では、鎖骨が短い(妊娠週数の5パーセンタイル未満)・一部または全部がないという所見が最も一貫してみられ、頭の骨の骨化が弱い、短頭、おでこが出ているといった所見もあらわれることがあります[1]。親が当事者の家系では、妊娠14週という早い時期にエコーで診断された例があります[1]。香港からの2026年の報告では、父親が当事者だった2例で、妊娠12週のエコーにより頭の骨などの骨化の弱さが認められ、そのうち1例では鎖骨の低形成も認められました[3]。
🩻 出生前に鎖骨頭蓋異形成症がわかる場面
| 検査 | 時期 | わかること・注意点 |
|---|---|---|
| エコー | 早い報告で妊娠12〜14週ごろ | 鎖骨が短い・ない、頭の骨の骨化が弱いなど。家族歴がないと気づかれにくい |
| NIPT(ダイヤモンド・インペリアル) | 妊娠9週から(6〜8週は臨床研究) | RUNX2の変化を拾い上げる検査。陽性なら確定検査が必要 |
| 絨毛検査 | 妊娠11〜13週(当院) | 赤ちゃん側の細胞で、RUNX2の変化があるかを確かめる |
| 羊水検査 | 妊娠15週から(当院) | 同上。家族の変化がわかっていれば、その変化を目印に調べられる |
生まれる前に診断された例は、まだ少ない
同じ香港の2026年の報告が集計した出生前診断の文献報告例は、その3例を含めて22例で、多くは家族にこの病気の人がいたことが手がかりになっていました[3]。親が当事者でない場合、エコーで鎖骨の長さを意識して測る機会は多くありません。鎖骨頭蓋異形成症は、エコーだけに頼ると妊娠中には気づかれにくい病気だといえます。
エコーで所見を言われたら、確定検査が基本
すでにエコーで鎖骨や頭の骨の所見を指摘されている場合は、羊水検査・絨毛検査(確定検査)で調べるのが基本です。骨の所見は鎖骨頭蓋異形成症だけでなく、ほかの骨系統疾患でもみられるため、確定検査では染色体に加えて骨の病気の原因遺伝子をまとめて調べる方法(骨系統疾患NGS遺伝子パネル検査など)も考えます。NIPTは、まだエコーで何も言われていないけれど心配な方のための検査と考えてください。
鎖骨頭蓋異形成症は遺伝する? ― 親が当事者のとき・次の子の確率
鎖骨頭蓋異形成症は常染色体顕性(優性)遺伝で、RUNX2の2本のうち1本に変化があると発症します[1]。親から受け継いだ人もいますが、赤ちゃんで新しく起こった変化(de novo変異)による人が大きな割合を占めるとされています[1][2]。
👪 ご家族の状況ごとの、赤ちゃんの確率
性腺モザイクとは、親の血液には変化がなく、精子や卵子のもとになる細胞の一部にだけ変化がある状態です。見かけ上当事者でないお母さんから3人の当事者のきょうだいが生まれた家系で確認されています[1]。モザイクの親では、確率はお子さん1人あたり最大で2分の1と考えます。
赤ちゃんで新しく起こる遺伝子の変化は、お父さんの年齢が上がるほど増えることが知られています[11]。年齢との関係は単一遺伝子疾患とNIPT|父親の年齢リスクで解説しています。
(父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)
お父さんが鎖骨頭蓋異形成症の当事者のとき
お父さん由来の変化はお母さんの血液にはないため、NIPTで見つかれば赤ちゃん由来と判断しやすいという特徴があります(お母さんがその変化を持っていない場合)。香港の報告でも、お父さんが当事者の家系で、NIPTがお父さんと同じRUNX2の変化を「可能性が高い」と示し、生まれたあとの臍帯血の検査で確かめられた例がありました[3]。ただしNIPTは確定ではない検査なので、陽性のときは絨毛検査・羊水検査で確かめます。お父さんの変化がプランの対象として調べられる種類かどうかは、検査前の遺伝カウンセリングで確かめます。詳しくはお父さんが単一遺伝子疾患をお持ちのご夫婦へをご覧ください。
お母さんが鎖骨頭蓋異形成症の当事者のとき
原因の変化は、できれば妊娠前にお母さん本人の遺伝子検査で特定しておくのが基本です。妊娠週数などで時間的な余裕がないときは、NIPTで対象の病的バリアントの有無をチェックすることがあります。このときのNIPTは、赤ちゃんが受け継いだかを判定するためではなく、確定検査で調べる目印を把握するためのものです。お母さん自身が病的バリアントを持っている場合、通常のNIPTでは、見つかった変化がお母さん由来か赤ちゃん由来かを区別できません。そのうえで、その変化を目印にして、絨毛検査(妊娠11〜13週)か羊水検査(妊娠15週から)で赤ちゃんを調べます。
ただし鎖骨頭蓋異形成症は、軟骨無形成症のように原因の変化がほぼ1つに決まっている病気ではなく、RUNX2の小さな変化のほか、遺伝子の欠失・重複による人もいます[1]。そのため、NIPTでお母さんの変化を決められるとは限りません。どの検査を選ぶかは、検査前の遺伝カウンセリングで、ご家族の状況に合わせて考えます。お母さんの変化とは別に、赤ちゃんで新しく起こる単一遺伝子の病気もあるため、NIPTは基本的に受けたほうがよいと考えています。くわしくは軟骨無形成症・クルーゾン病などのあるお母さんへをご覧ください。
🩺 院長コラム【当事者のご家族ほど、「生まれる前に知ること」の意味を考えてほしい】
鎖骨頭蓋異形成症では、知能は通常正常で、多くの方がそれぞれの生活を送っています。一方で、歯の治療や矯正が長く続いたり、難聴への対応が必要になったりすることがあります。ご自身が当事者の方は、その大変さも、生活の工夫も、誰よりもよくご存じだと思います。
生まれる前に知ることは、妊娠を続けるかどうかだけのためではありません。生まれてすぐの歯科・耳鼻科の準備、成長に合わせた見通しを立てる材料にもなります。どの検査を、いつ、何のために受けるのかを、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えたいと考えています。
NIPTで陽性だったらどうする? ― 確定検査までの流れ
NIPTはスクリーニング検査です。RUNX2の変化が見つかって陽性になった場合も、それだけで診断にはなりません。見つかった変化を目印にして、絨毛検査か羊水検査で赤ちゃんの細胞を調べて確かめます。
当院では、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。絨毛検査は妊娠11〜13週、羊水検査は妊娠15週からです。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。変化を目印にした遺伝子の解析も、3日以内に出せる主要な項目の一つです。確定検査で、意義がまだわからない変化(VUS)が見つかった場合は、それだけでは診断も否定もできないため、結果の意味を遺伝カウンセリングでご説明します。確定検査は基本的に日曜日(月曜日が祝日のときは月曜日)に行っています。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、NIPTを受ける方が全員加入する羊水検査互助会(カトレア会)が確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。
NIPTはいつ受ける?
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。受けられる時期の上限は設けていません。ただし、人工妊娠中絶ができるのは通常妊娠満22週未満です[12]。上限がないことは、結果によって妊娠を続けるかどうかを選べる時期が続くという意味ではありません。受ける時期と、結果を出産や生まれたあとの準備にどう生かすかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。確定検査まで時間を確保するためにも、早めに受けることをおすすめしています。
単一遺伝子の病気は約600人に1人 ― 鎖骨頭蓋異形成症のほかに調べられる病気
こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[6][7]。30の遺伝子に絞った研究での数字なので、実際にはこれより多いと考えています。ダウン症候群の出生頻度(米国の全国推計〔2004〜2006年の出生〕で約700人に1人)より多い頻度です[8]。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子のde novo変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。
超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[5]。骨の病気では、鎖骨頭蓋異形成症のほか、軟骨無形成症(FGFR3)や骨形成不全症(COL1A1・COL1A2)なども、ダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。骨の病気全体とNIPTの関係は骨系統疾患はNIPTで調べられる?にまとめています。
一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因もNIPTでわかる
鎖骨頭蓋異形成症は知能が通常正常とされる病気ですが、当院のNIPTが調べる病気の中には、知的障害や自閉スペクトラム症を伴うことがある病気も含まれます。たとえば、レット症候群・コルネリア・デ・ランゲ症候群・CHARGE症候群(ダイヤモンド・インペリアル)、ピット・ホプキンス症候群・フェラン・マクダーミッド症候群(インペリアル)、22q11.2欠失症候群・アンジェルマン症候群(全プラン)などです。ただし調べられるのは原因の一部で、陰性でも自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。くわしくは一部の自閉症・発達障害の原因はNIPTでわかるをご覧ください。
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90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。
まだ決めていない方は:インペリアルとダイヤモンドの違い | NIPTの費用・料金
1つの病気あたりで考える ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[9]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[9][10]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。
出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。『安さ』だけで選んで大丈夫でしょうか。
三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。
当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。
| プラン | 主に調べる範囲 | 数えた病気の数 | 1つの病気あたり |
|---|---|---|---|
| 三大トリソミーだけを調べる検査 (仮に10万円とした場合) |
13・18・21トリソミー | 3 | 約33,333円 |
| スタンダード(220,000円) | 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 | 14 | 約15,714円 |
| プレミアム(264,000円) | 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 | 23 | 約11,478円 |
| ダイヤモンド(407,000円) | プレミアムの範囲+単一遺伝子56 | 79 | 約5,152円 |
| 双子マックス(440,000円) | 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 | 114+α | 約3,860円 |
| インペリアル(550,000円) | 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 | 320+α | 約1,719円 |
※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。どこまで調べたいかはご家族によって違うので、検査前の遺伝カウンセリングでプランを選びます。NIPTの料金には、遺伝カウンセリング、NIPTでの性別判定、4Dエコー(来院の場合)が含まれます。費用以外にかかるものと2つの互助会については、下の関連記事をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 鎖骨頭蓋異形成症はNIPTでわかりますか?
原因遺伝子のRUNX2は、当院のダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子202疾患)の対象です。赤ちゃんに新しく起こった変化を拾い上げられる可能性があります。ただし、対象の遺伝子でもすべての変化を見つけられるとは限りません。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら絨毛検査・羊水検査で確かめます。スタンダード・プレミアム・双子マックスでは単一遺伝子を調べません。
Q2. エコーで鎖骨頭蓋異形成症はいつわかりますか?
鎖骨が短い・ない、頭の骨の骨化が弱いといった所見が、早い報告では妊娠12〜14週ごろに見えています。ただし、2026年の香港の報告が集計した出生前診断の文献報告例は22例と少なく、多くは家族にこの病気の人がいた例でした。家族歴がないと、エコーだけでは妊娠中に気づかれにくい病気です。
Q3. 親が鎖骨頭蓋異形成症だと、子どもに遺伝する確率は?
鎖骨頭蓋異形成症は常染色体顕性(優性)遺伝なので、お父さんかお母さんが当事者なら、赤ちゃんに受け継がれる確率は妊娠ごとに2分の1(50%)です。前の妊娠の結果には左右されません。
Q4. 両親とも当てはまらないのに、鎖骨頭蓋異形成症の子が生まれることはありますか?
あります。鎖骨頭蓋異形成症では、赤ちゃんで新しく起こった変化(de novo変異)による人が大きな割合を占めるとされています。この場合、次のお子さんの確率は低いものの、親の精子や卵子のもとになる細胞にだけ変化がある性腺モザイクの可能性があるため、0ではありません。
Q5. NIPTが陰性なら、鎖骨頭蓋異形成症の心配はありませんか?
陰性は「調べた範囲では可能性が低い」という意味で、心配がまったくないとは言えません。鎖骨頭蓋異形成症の原因には、RUNX2の小さな変化のほか、遺伝子の欠失・重複などもあり、すべての変化をNIPTで見つけられるとは限りません。まれですが偽陰性の可能性もあり、陰性でも鎖骨頭蓋異形成症を否定できません。エコーで気になる所見があれば、主治医と確定検査を含めて相談してください。
Q6. エコーで鎖骨が短いと言われました。NIPTを受ければよいですか?
すでにエコーで鎖骨や頭の骨の所見を指摘されている場合は、羊水検査・絨毛検査(確定検査)で調べるのが基本です。骨の所見はほかの骨系統疾患でもみられるため、染色体に加えて骨の病気の原因遺伝子をまとめて調べる方法も考えます。当院では、絨毛検査は妊娠11〜13週、羊水検査は妊娠15週から院内で受けられます。
Q7. 鎖骨頭蓋異形成症で知的障害や自閉症はありますか?
鎖骨頭蓋異形成症では、知能は通常正常とされています。なお、当院のNIPTでは、知的障害や自閉スペクトラム症を伴うことがある病気の原因の一部(微小欠失や単一遺伝子の変化)もプランによって調べられます。調べられるのは一部で、陰性でも自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。
Q8. NIPTの結果はいつわかりますか?
当院のNIPTの結果は基本10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります(ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日)。陰性でも陽性でも、まずマイページでお知らせします。陽性の場合は、陽性後の遺伝カウンセリングを何度でも無料で受けられます。
🏥 RUNX2まで調べられるNIPTを、確定検査まで院内で
鎖骨頭蓋異形成症の原因遺伝子RUNX2は、ダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。
まだ決めていない方は:ダイヤモンドプランの詳細 | インペリアルプランの詳細 | 来院が難しい方はオンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)
関連記事
参考文献
- [1] Machol K, Mendoza-Londono R, Lee B. Cleidocranial Dysplasia Spectrum Disorder. In: GeneReviews. Initial posting: January 3, 2006; Last update: April 13, 2023. PMID 20301686. [NCBI Bookshelf NBK1513]
- [2] GeneReviews Japan(GRJ)「鎖骨頭蓋異形成スペクトラム障害」(日本語訳、最終更新2023年8月6日). [GRJ]
- [3] Cao Y, Cheng YKY, Leung TY, et al. Early prenatal detection of autosomal dominant skeletal dysplasia using first-trimester ultrasound and cell-free fetal DNA screening: three case reports. Hong Kong Med J. 2026;32(1):58-61. [DOI 10.12809/hkmj2513462]
- [4] Chen S, Xu W, Zhang L, et al. Expanded noninvasive prenatal screening for dominant single-gene disorders: proof-of-concept, performance, and challenges. Am J Obstet Gynecol. 2025;233(6):673.e1-673.e21. doi:10.1016/j.ajog.2025.06.043(PMID 40550458) [DOI]
- [5] Zhang J, Wu Y, Chen S, et al. Prospective prenatal cell-free DNA screening for genetic conditions of heterogenous etiologies. Nat Med. 2024;30(2):470-479. [DOI 10.1038/s41591-023-02774-x]
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- [7] Zhang J, et al. Non-invasive prenatal sequencing for multiple Mendelian monogenic disorders using circulating cell-free fetal DNA. Nat Med. 2019;25(3):439-447. [DOI 10.1038/s41591-018-0334-x]
- [8] Parker SE, Mai CT, Canfield MA, et al. Birth Defects Res A Clin Mol Teratol. 2010;88(12):1008-1016. [PubMed 20878909]
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- [10] Arron K, Oliver C, Moss J, Berg K, Burbidge C. The prevalence and phenomenology of self-injurious and aggressive behaviour in genetic syndromes. J Intellect Disabil Res. 2011;55(2):109-120. [DOI 10.1111/j.1365-2788.2010.01337.x]
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- [12] 日本医師会「医の倫理の基礎知識 2018年版【生殖医療】D-5」. [日本医師会]
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査の選択を示すものではありません。検査については臨床遺伝専門医にご相談ください。






