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当院採用の2つの検査会社でNIPT「陽性」…精度が高くても羊水検査なしで中絶判断はできない?【2機関陽性事例】

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

「2つの検査会社で陽性なら、もう確実なのでは」「羊水検査を待つあいだに週数が進むのがつらい」。出生前診断(NIPT)で陽性となり、産むか産まないかを考えるなかで、そう感じる方は少なくありません。結論からお伝えすると、方式の異なる2つのNIPTがどちらも陽性でも、それだけで「確定」にはなりません。2つの検査はどちらも胎盤由来のDNAを調べているため、胎盤だけに染色体の変化がある場合(胎盤性モザイク)は、2回とも陽性になるからです。超音波検査で赤ちゃんに異常が見当たらないときは、羊水検査で確かめてから考えることをお勧めします。この記事では、ミネルバクリニックで実際にあった事例をもとに、その理由と、陽性のあとに確かめることを解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🧬 NIPT陽性・確定検査
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤方式の異なる2つの検査会社でNIPTが陽性だったことの意味と、陽性的中率の考え方
  • ➤羊水検査を待たずに妊娠を続けない選択をされた、院内の実際の事例
  • ➤2社陽性でも残る「胎盤性モザイク(CPM)」と、羊水検査で確かめる理由
  • ➤出生前診断で陽性のあと、産む・産まないを決める前に確かめること
  • ➤ミネルバクリニックの陽性後の体制(院内で確定検査・主要な検査項目は3日以内・互助会)

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 出生前診断(NIPT)が2つの検査会社で陽性でした。産まない選択をする前に、羊水検査は必要ですか?

超音波検査で赤ちゃんに異常が見当たらないなら、羊水検査で確かめることをお勧めします。2つのNIPTはどちらも胎盤由来のDNAを調べるので、胎盤だけに変化がある「胎盤性モザイク」では2回とも陽性になるからです。赤ちゃんの染色体を直接確かめられるのは羊水検査です。

👶 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。次の妊娠で検査を選ぶときにも関係する点です。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。こうした問題を伴いやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患は、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

🏥 Q. 陽性のあと、ミネルバクリニックでは何ができますか?

確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、羊水検査の費用は互助会(カトレア会)が上限なしで補助します。なお、当院は分娩・中絶を行っていません。

ダウン症候群だけで大丈夫ですか?

当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。陽性だった場合も、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と決められます。

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1. 事例紹介:2つの検査機関で「陽性」が出た意味

NIPT(新型出生前診断)はスクリーニング検査です。結果が陽性だった場合は、遺伝カウンセリングと詳しい超音波検査を受け、羊水検査などの確定検査で確かめるのが原則で、NIPTは確定検査と同じではないとされています[1]。ここで紹介するのは、ミネルバクリニックでNIPTを受け、方式の異なる2つの検査会社の検査がどちらも陽性となり、転院先の病院での超音波検査の結果と合わせて、羊水検査を受けずに妊娠を続けない選択をされた方の経過です。

この事例は、ご本人の同意を得て掲載しています。年齢や週数などの細部は、個人が特定されないようにぼかしています。「2つの検査で陽性なら確実なのか」「それでも羊水検査は必要なのか」という2つの疑問に、順に答えます。

🧬 この事例で陽性となった2つの検査

検査 方式 特徴
検査A 全ゲノムを広く読む方式 すべての染色体を対象に、染色体ごとのDNAの量を比べる
検査B 調べたい領域を集めて深く読む方式(ターゲット法) 対象を絞り、その領域をくり返し読む。現在のスタンダードプランと同じ標的捕捉濃縮法

2つの検査は別の検査会社が行い、DNAの読み方(測定原理)が異なります。

💡 用語解説:測定原理(アッセイ)とは

検査の「やり方」のことです。同じやり方の検査をくり返すより、やり方の違う2つの検査で同じ結果が出たときのほうが、測定上の誤りである可能性は小さくなります。ただし、どちらの検査も、お母さんの血液に流れ出た胎盤由来のDNAを調べている点は同じです。胎盤そのものに変化があるときは、やり方を変えても2回とも陽性になります。

なお、現在の当院のNIPTは、スタンダードプランが標的捕捉濃縮法、ダイヤモンドプランが米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※、インペリアルプランが低深度全ゲノムシーケンス+ターゲット法です。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

2社とも陽性なら、陽性的中率は100%になる?

NIPTは精度の高い検査で、ダウン症候群(21トリソミー)では検出率99.7%、偽陽性率0.04%と報告されています[2]。それでも、陽性と出た方のうち、実際に赤ちゃんがその病気だった割合(陽性的中率)は100%ではありません。一般の妊婦さん1,914人を対象にした米国の研究では、NIPTでダウン症候群が陽性となった方の陽性的中率は45.5%でした[3]。陽性的中率は、お母さんの年齢や、どの染色体の結果かによって変わり、年齢の高い方ではこれより高くなります。

方式の異なる2つの検査がどちらも陽性であれば、測定上の誤りによる偽陽性の可能性は小さくなり、陽性的中率は1つの検査だけのときより高くなると考えられます。ただし、2社とも陽性だった場合の陽性的中率を直接調べた研究は、確認できていません。そして、4章で述べる胎盤性モザイクのように、検査の誤りではなく、体の中で実際に起きていることが原因の場合は、何回検査しても陽性になります。「2回陽性だから100%」と言えないのは、このためです。

2. 羊水検査を「待てない」という決断

この方の場合、2つの結果がそろった時点で妊娠12週ごろでした。当時、確定診断にたどり着くまでの流れは、おおよそ次のとおりでした。

🗓️ 当時の確定診断までの流れ

時期 できること
妊娠16週ごろ 羊水検査ができる時期まで待つ(約4週間)
妊娠17週ごろ〜 FISH法による速報の結果が出る
妊娠18〜19週ごろ Gバンド法による最終の結果が出る

結果を待つあいだにも、週数は進みます。妊娠12週以降の中絶(中期中絶)は、お産と同じように陣痛を起こして行う方法になり、体への負担が大きくなります。死産届や火葬の手続きも必要です。「少しでも早く」と願う気持ちは、自然なものです。日本で人工妊娠中絶ができるのは妊娠22週未満までで、期限や手続きはNIPT陽性時の中絶はいつまで?法律と期間で解説しています。

💡 この事例での判断

転院先の病院の産婦人科医は、「方式の異なる2つのNIPTがどちらも陽性であること」と「超音波検査で心臓の所見やむくみなど複数の所見がみられたこと」を合わせて判断し、羊水検査を行わずに妊娠を続けない選択をすることに同意されました。この方は妊娠中期に入ってから、その病院で処置を受けられました。ミネルバクリニックは分娩・中絶を行っていないため、処置は対応できる医療機関で受けていただくことになります。

NIPTが陽性で、超音波検査でも所見があるときの考え方は、NIPT陽性かつエコー異常(ヒグローマ)でも取り上げています。また、現在は羊水検査を待つ以外の道もあります。一般に絨毛検査は妊娠11〜14週ごろ、羊水検査は妊娠15〜16週以降に行います。待てないときに絨毛検査で早く確かめる流れと、その注意点は、NIPT陽性で羊水検査なしの中絶は危険?にまとめています。

NIPTを早い週数で受けておくと、陽性だったときに確定検査の結果を待つ時間を取りやすくなります。当院のNIPTは通常、妊娠9週から受けられます(妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます)。ただし、週数が早いほど血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。

3. 患者様からの手紙

この方からいただいたメールの一部を、ご本人の同意を得て掲載します。検査の結果や医療の内容にふれた部分は省き、お世話になった方々へのお気持ちを書かれた部分だけを抜粋しました。文中の「先生や看護師さん」は、処置を受けた転院先の病院の方々です。

✉ 患者様からの手紙(抜粋)

「(前略)先生や看護師さんが最後まで私だけでなく子供にも優しく接してくださったことに、本当に感謝しております。
(中略)もし次がありましたら、その時はどうぞよろしくお願いいたします。妊婦さんが1人でも前に進めたり幸せになれるよう、先生のご活躍を陰ながら応援しております。」

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【この患者様のその後】

この方は、その後、次の妊娠をされ、元気な赤ちゃんを出産されました。つらい経験を経て次の妊娠に向き合われたことに、医師として敬意を抱いています。

経過の掲載に同意してくださったのは、同じ状況で悩む方の力になればというお気持ちからでした。どのような結果であっても、まず確定検査で事実を確かめ、そのうえでご家族が納得できる選択をすることが大切だと考えています。

4. それでも「羊水検査」を推奨する理由

この事例では、超音波検査で赤ちゃんに複数の所見がみられたため、羊水検査を受けずに判断することになりました。一方で、超音波検査で異常が見当たらない場合は、2つのNIPTがどちらも陽性であっても、羊水検査で確かめることをお勧めします。理由は、次に説明する胎盤性モザイクです。

注意すべき「胎盤性モザイク(CPM)」

NIPTが調べているのは、お母さんの血液に流れ出た「胎盤由来のDNA」です。多くの場合、胎盤と赤ちゃんの染色体は同じですが、まれに、胎盤の細胞には染色体の変化があるのに、赤ちゃんの染色体は正常ということがあります。これを胎盤性モザイク(胎盤限局性モザイク:CPM)といいます。米国産科婦人科学会(ACOG)も、NIPTの偽陽性の原因として胎盤限局性モザイクを挙げています[1]。

💡 用語解説:胎盤性モザイク(CPM)

受精卵が分裂していく途中で、赤ちゃんになる細胞は正常なのに、胎盤になる細胞にだけ染色体の変化が残った状態です。NIPTは胎盤由来のDNAを調べるので結果は「陽性」になりますが、赤ちゃんの染色体は正常です。

胎盤と赤ちゃんの染色体が食い違うことは、珍しくありません。52,673件の絨毛検査をまとめた報告では、絨毛でモザイク(一部の細胞だけの変化)として見つかった染色体の変化が、羊水検査で赤ちゃんにも確認された割合は、21トリソミーで31.4%(51例中16例)、18トリソミーで17.4%(46例中8例)、13トリソミーで2.6%(39例中1例)でした[4]。これは絨毛検査でモザイクが見つかった場合の数字で、NIPTが陽性の方すべてに当てはまるものではありません。それでも、とくに13トリソミーや18トリソミーでは、胎盤だけの変化が少なくないことが分かります。

胎盤だけの変化であれば、赤ちゃんの染色体は正常です。この見分けができるのは、羊水の中にある赤ちゃん由来の細胞を直接調べる羊水検査です。絨毛検査は胎盤の組織を調べる検査なので、胎盤だけの変化が疑われるときは、羊水検査が勧められることがあります。しくみはNIPTのモザイクとは?胎盤限局性モザイクが偽陽性・偽陰性を起こすしくみで解説しています。

「羊水検査は流産が心配」という方もいます。単胎の妊婦さん45,120人を調べた研究では、検査による流産の上乗せは、絨毛検査で0.29%、羊水検査で−0.36%で、どちらも検査を受けなかった方との統計的な差はありませんでした[5]。

⚠️ 大切なこと

2つのNIPTがどちらも陽性でも、超音波検査で所見がない場合は、羊水検査で確かめてから考えることをお勧めします。胎盤性モザイクだった場合、染色体が正常な赤ちゃんの妊娠をやめてしまうことになりかねないためです。

出生前診断で陽性のあと ― 産む・産まないを決める前に確かめること

出生前診断(NIPT)で陽性となったあとの道は、1つではありません。どの選択も、ご本人とご家族が決めることで、どれが正しいということはありません。大切なのは、決める前に、確定検査で事実を確かめることです。

🧭 NIPT陽性のあとの選択肢

選択肢 内容
確定検査で確かめる 羊水検査・絨毛検査で、赤ちゃんの染色体を調べます。当院では院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
妊娠を続ける(産む) 出産する施設や、生まれたあとの医療・支援の準備を進めます。事例はNIPT陽性でも産むと決めたケースで紹介しています。
妊娠を続けない(産まない) 母体保護法指定医のいる医療機関で、妊娠22週未満まで受けられます。期限と手続きはNIPT陽性時の中絶はいつまで?をご覧ください。
相談する 当院でNIPTを受けた方は、陽性後の臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを、何度でも無料で受けられます。

ミネルバクリニックは分娩・中絶を行っていません。出産や処置は、対応できる医療機関で受けていただきます。

\ 陽性のあと、確定検査まで院内で受けられるNIPT /

当院のNIPTは妊娠9週から受けられます。陽性の場合は、羊水検査・絨毛検査を院内で受けられ、陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。

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羊水検査・絨毛検査 | 他院でNIPT陽性だった方の確定検査

5. ミネルバクリニックの「トリプルリスクヘッジ」

「確定検査が必要なのは分かるが、結果を待つあいだが不安」「転院をくり返すのがつらい」。こうした負担を減らすために、ミネルバクリニックでは、費用・時間・陽性後の相談の3つについて、次の体制をとっています。

🏥 陽性だったときの3つの備え

備え 内容
1. 費用の備え(互助会) NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します(カトレア会8,000円・安心検査結果保障制度6,000円。消費税の対象外)。カトレア会は、陽性だったときの羊水検査の費用を補助する制度で、補助の上限はありません。安心検査結果保障制度は、再検査が必要になったのに流産などで再検査ができず、結果が出なかった場合に、検査代金(諸費用を除く)を返金する制度です。
2. 時間の備え(院内で確定検査) 2025年6月から産婦人科を併設し、確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で行っています。紹介状を持って別の病院の予約を取り直す必要がありません。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
3. 陽性後の相談(臨床遺伝専門医) 常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。陽性だった場合のカウンセリングは、何度でも無料です。

当院は分娩・中絶を行っていません。確定検査のあとの妊婦健診・分娩や処置は、対応できる医療機関で受けていただきます。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「陽性」の先にある選択肢】

NIPTで陽性と聞いたとき、多くの方は「どうしたらいいのか分からない」と感じます。けれども、陽性は結論ではありません。確かめるべきことが分かった、という段階です。

確定検査で本当に染色体の変化があるのかを確かめる。超音波検査で赤ちゃんの状態を見る。その結果をもとに、ご家族で話し合う。この順番を飛ばさないことが、あとで悔やまない選択につながると考えています。

検査を行った施設が、陽性のあとを引き受けない。そういうことがあってはならないと考え、確定検査まで院内で行う体制をとりました。それが、この3つの備えの出発点です。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

この事例の方のように、つらい経験のあとで次の妊娠を考える方は少なくありません(第1子がダウン症候群だった方の次の妊娠も参考になります)。次に検査を選ぶとき、「ダウン症候群だけが心配」という方もいます。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[6]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれ[6][7]、三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。考え方の1つとして、費用を、調べられる病気の数で割ってみます。三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。

当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。数えられる病気だけで320になり、同じように割ると1つの病気あたりは約1,700円です。5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、実際には、この数に入らない変化も調べています。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード
(220,000円)
13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム
(264,000円)
13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド
(407,000円)
プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス
(440,000円)
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル
(550,000円)
全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。
※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。
※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、調べる病気の数が多いほどよい検査、ということではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、この記事で見てきたように確定検査が必要になる場面も増えます。だから、検査前の遺伝カウンセリングで、ご家族に合ったプランを選びます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。なお、プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみが対象で、双子の妊娠で受けられるのはスタンダードと双子マックスです。

自閉症・発達障害・知的障害の原因はさまざまで、多くは特定できませんが、一部は染色体や遺伝子の変化によるものです。原因の分からない発達の遅れや知的障害、自閉スペクトラム症のある方をマイクロアレイ検査で調べると、約15〜20%で微細な欠失・重複が見つかると報告されています[8]。当院のNIPTは、その一部を妊娠中に調べられます(アンジェルマン症候群・プラダー・ウィリー症候群・22q11.2欠失症候群は全プラン、レット症候群・コルネリア・デ・ランゲ症候群・CHARGE症候群はダイヤモンドプランとインペリアルプラン)。ただし、自閉症そのものを診断する検査ではなく、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。微小欠失は陽性的中率が低め(項目によって60〜70%程度)なので、陽性の場合は必ず確定検査で確かめます。詳しくは自閉症はNIPTでわかりますか?をご覧ください。

まとめ

方式の異なる2つの検査会社でNIPTが陽性になった場合、測定上の誤りである可能性は小さくなります。しかし、胎盤性モザイクの可能性は残るため、超音波検査で異常が見当たらない限り、羊水検査で確かめないまま妊娠をやめる選択をすることはお勧めできません。

出生前診断で陽性となったあと、産む・産まないのどちらを選ぶ場合も、確定検査で事実を確かめることが出発点です。ミネルバクリニックでは、確定検査を院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、羊水検査の費用は互助会が補助します。

🏥 陽性のあとまで院内で受けられるNIPT

ミネルバクリニックでは、常駐する臨床遺伝専門医が、90分の受診枠の中で遺伝カウンセリングを行います。陽性の場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。NIPTは妊娠9週から受けられます(妊娠6〜8週は臨床研究として)。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。

プランを比べたい方へ:スタンダード|プレミアム|ダイヤモンド|双子マックス|インペリアル|料金

よくある質問(FAQ)

Q1. NIPTで2回陽性なら、羊水検査なしで確定として良いですか?

いいえ、確定にはなりません。方式の異なる2つのNIPTがどちらも陽性であれば、測定上の誤りである可能性は小さくなりますが、2つの検査はどちらも胎盤由来のDNAを調べています。胎盤だけに染色体の変化がある場合(胎盤性モザイク)は、2回とも陽性になります。超音波検査で赤ちゃんに異常が見当たらないときは、羊水検査で確かめてから考えることをお勧めします。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。次の妊娠で検査を選ぶときに、考えていただきたい点です。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと報告されています。こうした問題を伴いやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患は、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTは、プランによってこれらの病気まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで決められます。

Q3. 出生前診断で陽性でした。産まないと決める前に、何を確かめればよいですか?

まず、確定検査(羊水検査・絨毛検査)で、赤ちゃんに本当に染色体の変化があるのかを確かめます。NIPTはスクリーニング検査で、陽性でも赤ちゃんの染色体が正常なことがあるためです。あわせて、超音波検査で赤ちゃんの状態を確認します。そのうえで、妊娠を続けるか続けないかをご家族で話し合います。日本で人工妊娠中絶ができるのは妊娠22週未満までなので、確定検査の結果が出る時期から逆算して予定を立てることが大切です。期限と手続きはNIPT陽性時の中絶はいつまで?で解説しています。

Q4. ミネルバクリニックの陽性後のサポートは?

確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後は、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを何度でも無料で受けられ、羊水検査の費用は互助会(カトレア会)が補助します。なお、当院は分娩・中絶を行っていません。

Q5. 認証施設とミネルバクリニックの違いは?

ミネルバクリニックは、日本医学会の認証制度による認証を受けていない施設(非認証施設)です。認証施設のNIPTは13・18・21トリソミーの3つが対象で、当院は微小欠失や単一遺伝子まで調べるプランを用意しています。当院では、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、陽性の場合は確定検査まで院内で受けられます。どちらが良いということではなく、調べたい範囲と、陽性だったときの体制を比べて選んでください。

Q6. 父親の年齢が高いのですが、リスクはありますか?

父親の年齢が上がるほど、新しく起こる遺伝子の変化(de novo変異)が増えると報告されています[9]。こうした変化の一部は、発達の遅れや自閉スペクトラム症にかかわることがあります。ただし、父親の年齢が高くても、大多数のお子さんには当てはまりません。当院のダイヤモンドプランは56遺伝子、インペリアルプランは最大155遺伝子(202疾患)のde novo変異を対象にしています。すべての変化が分かるわけではなく、陽性の場合は確定検査で確かめます。

Q7. COATE法とは何ですか?

米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※のことです。当院ではダイヤモンドプランで採用しています。しくみと従来の方法との違いはCOATE法の解説ページをご覧ください。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

Q8. 互助会の上限額はありますか?

現在は、補助の上限はありません。以前は上限がありましたが、今は陽性だったときの羊水検査の費用を上限なしで補助しています。会費はカトレア会が8,000円、安心検査結果保障制度が6,000円で、NIPTを受ける方は全員加入します(消費税の対象外)。詳しくは互助会のページをご確認ください。

関連記事

参考文献

  • [1] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed 32804883]
  • [2] Gil MM, Accurti V, Santacruz B, Plana MN, Nicolaides KH. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [PubMed 28397325]
  • [3] Bianchi DW, Parker RL, Wentworth J, et al. DNA sequencing versus standard prenatal aneuploidy screening. N Engl J Med. 2014;370(9):799-808. [DOI 10.1056/NEJMoa1311037]
  • [4] Grati FR. Chromosomal Mosaicism in Human Feto-Placental Development: Implications for Prenatal Diagnosis. J Clin Med. 2014;3(3):809-837. [DOI 10.3390/jcm3030809]
  • [5] Beta J, Zhang W, Geris S, Kostiv V, Akolekar R. Procedure-related risk of miscarriage following chorionic villus sampling and amniocentesis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2019;54(4):452-457. [DOI 10.1002/uog.20293]
  • [6] Fitzgerald J, Gallagher L. Parental stress and adjustment in the context of rare genetic syndromes: A scoping review. J Intellect Disabil. 2022;26(2):522-544. [DOI 10.1177/1744629521995378]
  • [7] Arron K, Oliver C, Moss J, Berg K, Burbidge C. The prevalence and phenomenology of self-injurious and aggressive behaviour in genetic syndromes. J Intellect Disabil Res. 2011;55(2):109-120. [DOI 10.1111/j.1365-2788.2010.01337.x]
  • [8] Miller DT, Adam MP, Aradhya S, et al. Consensus statement: chromosomal microarray is a first-tier clinical diagnostic test for individuals with developmental disabilities or congenital anomalies. Am J Hum Genet. 2010;86(5):749-764. [PubMed 20466091]
  • [9] Kong A, Frigge ML, Masson G, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475. [PubMed 22914163]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。検査結果の受け止め方やその後の選択については、主治医・専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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