この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

肢帯型筋ジストロフィーは、肩と腰まわり(肢帯)の筋肉から少しずつ弱くなっていく、遺伝性の筋ジストロフィーのグループです。原因の遺伝子はひとつではなく、どの遺伝子が原因かによって、心臓や呼吸の合併症の起こりやすさも、ご家族への遺伝のしかたも違います。「CKが高いと言われた」「階段がつらいのに病名がつかない」と、原因がわからないまま病院を回っている方もいます。このページの遺伝子検査は、肢帯型筋ジストロフィーと、症状のよく似た病気の原因になる21の遺伝子を一度に調べ、どの型かを確かめる検査です。症状・何歳から始まるか・寿命の見通し・遺伝する確率と、わかったあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. 肢帯型筋ジストロフィーの遺伝子検査で何がわかりますか?
肢帯型筋ジストロフィーの原因遺伝子と、症状がよく似た病気(ポンペ病など)の遺伝子、合わせて21遺伝子を一度に調べ、どの型かを確かめます。型がわかると、心臓・呼吸の見張り方、治療や治験の情報、ご家族への遺伝の確率が決まります。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
肩や腰まわりの筋力低下がある方、血液検査でCK(クレアチンキナーゼ)が高いと言われた方、筋生検で筋ジストロフィーの変化を指摘された方、ご家族に肢帯型筋ジストロフィーの方がいる方です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜のいずれかで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。潜性(劣性)遺伝の型なら、きょうだいが同じ病気である確率は4分の1です。ご家族の検査や、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。
1. 肢帯型筋ジストロフィーとは:症状・何歳から・寿命
肢帯型筋ジストロフィー(Limb-Girdle Muscular Dystrophy:LGMD)は、肩と腰まわりの筋肉から弱くなっていく遺伝性の筋疾患のグループです。「肢帯」とは、腕や脚を体幹につなぐ肩と骨盤のあたりのことです。2017年の国際ワークショップ(ENMC)で定義が見直され、遺伝子に原因があること、体の中心に近い筋肉から進む筋力低下があること、いちどは自分で歩けた時期があること、血液のCKが高いこと、筋肉の画像や筋生検で筋ジストロフィーの変化がみられることなどが条件とされました[1]。
日本では、難病情報センターが肢帯型筋ジストロフィーの有病率を、人口10万人あたり1.5〜2.0人程度と推測しています(2026年1月の情報更新、2026年10月時点で確認)。病気のしくみや研究中の治療をさらに詳しく知りたい方は、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)総論もご覧ください。このページでは、検査を受けるかどうかを決めるために必要なことを中心にお伝えします。
肩と腰まわりから弱くなる:大人の初期症状とCK
肢帯型筋ジストロフィーで弱くなりやすいのは、肩・腰・太もも・上腕など、体の中心に近い筋肉です。床やいすから立ち上がる、階段を上る、腕を上げて物を棚にのせる、といった動作のしにくさとして気づかれることがあります。子どものころからの「運動が苦手」が、大人になってから病気だったとわかることもあります。
手がかりになるのが、血液検査のクレアチンキナーゼ(CK)です。CKは筋肉が壊れると血液に出てくる酵素で、肢帯型筋ジストロフィーの定義でもCKが高いことが条件のひとつです[1]。たとえばカルパイン異常症(LGMD R1)では、CKが基準値の5〜80倍に上がるとされています[4]。1986年に報告された三好型の筋ジストロフィーでは、病気の早い時期にCKが最大で100倍まで上がり、症状が出る前の人でも上がっていたと報告されています[6]。健康診断で「CKが高い」と言われたことが、病気に気づくきっかけになることもあります。
何歳から発症する?子どもから大人まで
肢帯型筋ジストロフィーは、子どものころに始まる型も、大人になってから始まる型もあります。症状の重さや始まる年齢は、同じ家族の中でも違うことがあります。
いちばん多い型のひとつであるカルパイン異常症では、筋力低下が始まる年齢は2〜40歳と幅があり、顕性(優性)遺伝のタイプ(LGMD D4)では平均34歳と、潜性(劣性)遺伝のタイプより16年ほど遅いとされています[4]。三好型(ジスフェルリン異常症)は、若い大人で始まると報告されています[6]。「大人になってから筋ジストロフィーになることはあるのか」と心配される方がいますが、肢帯型には大人になってから症状が出る型が実際に含まれています。
寿命・予後は型で違う:心臓と呼吸が分かれ目
肢帯型筋ジストロフィーの寿命や予後は、ひとつの数字では言えません。どの遺伝子が原因かで、進み方と、心臓・呼吸の合併症の起こりやすさが大きく違うためです。
たとえばカルパイン異常症では、心臓の合併症はふつう起こりにくく、歩けなくなるのは症状が出てから10〜30年ほど後とされています[4]。一方、β・γサルコグリカン異常症(LGMD R4・R5)では、心臓の合併症が約4割にみられると報告されています[7]。FKRP遺伝子の型(LGMD R9)でも、米国の56人を調べた研究で45%に心筋症がみられました[8]。寿命や生活に大きく関わるのは、心臓と呼吸の合併症を早く見つけて手当てできるかどうかです。だからこそ、どの型かを遺伝子で確かめることに意味があります。
デュシェンヌ型・ベッカー型との違い:女性もなる病気
肢帯型筋ジストロフィーは、デュシェンヌ型・ベッカー型筋ジストロフィーとは別の病気として分けられています[1]。難病情報センターの病型の表では、肢帯型の遺伝形式は「常染色体顕性(優性)/潜性(劣性)」とされています。性別に関係する染色体ではなく、男女どちらもがもつ常染色体の遺伝子が原因なので、男性にも女性にも同じように起こります。「筋ジストロフィーは男の子の病気」と思われがちですが、女性で筋力低下が続いている場合も、肢帯型を考える必要があります。
デュシェンヌ型・ベッカー型筋ジストロフィーの原因遺伝子(DMD)は、このページの検査には含まれていません。
2. 型(タイプ)と原因遺伝子:新しい分類LGMD R/LGMD D
肢帯型筋ジストロフィーは、遺伝のしかたと原因のタンパク質で名前が付けられています。潜性(劣性)遺伝の型は「LGMD R」、顕性(優性)遺伝の型は「LGMD D」と呼びます。原因の遺伝子が違えば、病気の進み方も合併症も違うため、「肢帯型筋ジストロフィー」という病名だけでは、これからの見通しは立てられません。
2018年に発表された新しい呼び方と、肢帯型から外れた病気
以前は、顕性遺伝の型を「LGMD1」、潜性遺伝の型を「LGMD2」と呼び、見つかった順にA、B、C…とアルファベットを付けていました。2017年の国際ワークショップの報告(2018年発表)で、「LGMD R1 カルパイン3関連」のように、遺伝のしかた(RかD)・番号・原因のタンパク質を組み合わせた呼び方に改められました[1][2]。古い資料では「LGMD2A」と書かれていることが多いので、両方の名前を知っておくと情報を探しやすくなります。
このとき、定義に合わなくなった病気は肢帯型筋ジストロフィーから外されました。たとえば旧LGMD1A(MYOT)や旧LGMD1E・2R(DES)は筋原線維ミオパチー、旧LGMD1B(LMNA)はエメリー・ドレイフス型筋ジストロフィー、旧LGMD1C(CAV3)は波打ち筋病(rippling muscle disease)、旧LGMD2V(GAA)は代謝の病気であるポンペ病として扱われるようになりました[1][2]。このページの検査は、こうした「名前は変わったが症状がよく似た病気」の遺伝子も一緒に調べます。症状だけでは区別しにくい病気を、まとめて見分けられるのがこの検査の強みです。
📖 主な型の古い名前と新しい名前(この検査で調べる遺伝子)
※2017年の国際ワークショップの報告[1]と総説[2]による。FLNC・PNPLA2はもともとLGMDの番号をもたない遺伝子で、症状が似ている病気の原因として検査に含まれています。
多い型:カルパイン異常症とジスフェルリン異常症(三好型は日本で最初に報告)
世界的にみて多いのは、カルパイン異常症(CAPN3)とジスフェルリン異常症(DYSF)です。米国で肢帯型筋ジストロフィーが疑われた4,656人を遺伝子検査で調べた研究では、診断がついた人のうちCAPN3が17%、DYSFが16%、FKRPが9%、ANO5が7%でした[3]。21か国で肢帯型の筋力低下がある2,372人を調べた研究でも、原因が見つかった人のなかで最も多かったのはDYSFとCAPN3でした[10]。カルパイン異常症は、世界の肢帯型筋ジストロフィーの約30%を占めるとされますが、地域によって4〜80%と大きな差があります[4]。
カルパインは筋肉の中ではたらくタンパク質を分解する酵素で、その遺伝子がCAPN3です。ジスフェルリンは、傷ついた筋肉の細胞膜を修理するのにかかわるタンパク質です。
ジスフェルリン異常症には、日本とのつながりがあります。ふくらはぎの筋肉から弱くなる筋ジストロフィーは、1986年に日本の三好和夫医師らが8家系17人を報告したことから「三好型」と呼ばれています[6]。のちに、三好型とLGMD R2はどちらもDYSF遺伝子が原因とわかりました。国際的な研究で168人を比べた結果、2つは別の病気ではなく、ひとつながりの同じ病気と考えるべきだとされています。この研究では、三好型という診断は日本で多く、LGMD R2という診断は欧米で多かったと報告されています[5]。ふくらはぎから始まっても、太ももから始まっても、原因が同じDYSFなら、同じ検査で確かめられます。
型で違う、心臓・呼吸の合併症
遺伝子で型がわかると、心臓と呼吸のどちらを、どれくらいの間隔で見張ればよいかの重点が決まります。主な型の特徴を表にまとめます。
❤️ 型ごとの心臓・呼吸の合併症
※各文献の研究対象(国・人数)は本文と参考文献をご覧ください。ポンペ病の記載は米国国立医学図書館(MedlinePlus Genetics)の解説による(2026年10月時点で確認)。「主治医と定期的に確認」は、型ごとの検査の間隔を主治医と決めることを意味します。
サルコグリカン異常症の国際的な診療の標準(2025年)は、診断の時点から心臓の検査を始め、R4・R5は毎年、ほかの型は1〜2年ごとに確認するよう勧めています。呼吸は、歩ける方では12か月ごと、歩けなくなった方では6か月ごとの確認と、夜間の呼吸が浅くなっている方への非侵襲的な呼吸補助(マスク式の人工呼吸)が勧められています[7]。心臓の病気の詳しい解説は拡張型心筋症 総論を、サルコグリカンがはたらく場所についてはジストロフィン・糖タンパク質複合体(DGC)をご覧ください。
3. 肢帯型筋ジストロフィーは遺伝する?遺伝する確率
肢帯型筋ジストロフィーは遺伝する病気ですが、遺伝する確率は型によって違います。潜性(劣性)遺伝の型(LGMD R)なら、きょうだいが同じ病気である確率は4分の1、顕性(優性)遺伝の型(LGMD D)なら、お子さんに受け継がれる確率は2分の1です。肢帯型筋ジストロフィーは多くが潜性遺伝の型で、一部が顕性遺伝の型です[1]。どちらなのかは、原因の遺伝子がわかってはじめて言えます。
潜性遺伝(劣性遺伝)の型:きょうだいは4分の1
常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)では、対になった2本の遺伝子の両方に変化があると発症します。ご両親はそれぞれ1本だけ変化をもつ「保因者」で、ふつう症状はありません。保因者どうしのご夫婦では、お子さん1人ごとに、発症する確率が4分の1、保因者になる確率が2分の1、どちらでもない確率が4分の1です。上のお子さんが発症したかどうかで、下のお子さんの確率は変わりません。
ご本人が潜性遺伝の型を発症している場合、パートナーが同じ遺伝子の保因者なら、お子さん1人ごとに発症する確率は2分の1です。パートナーも同じ遺伝子による潜性遺伝の病気を発症している場合は、原則としてお子さん全員が両親から病的変異を受け継ぎます。パートナーが保因者かどうかは、保因者検査で調べられます(第7章)。保因者のしくみと確率は、劣性遺伝(潜性遺伝)とは?保因者の仕組みと子どもへ遺伝する確率でも詳しく解説しています。
顕性遺伝(優性遺伝)の型:お子さんは2分の1
常染色体顕性遺伝(優性遺伝)では、2本のうち1本に変化があれば発症しうるため、親から子へ伝わる確率は、お子さん1人ごとに2分の1です。父親からも母親からも同じように伝わり、性別には関係しません。顕性遺伝の型は、潜性遺伝の型より症状が軽く、遅く始まることがあります(カルパイン異常症の顕性遺伝のタイプでは平均34歳で発症[4])。
⚠️ 「自分が軽いから、子どもも軽い」とは言えません
カルパイン異常症の顕性遺伝のタイプでは、同じ変化をもつ人でも、腰痛や筋肉痛が主で筋力低下の目立たない人から、はっきりした筋力低下のある人まで幅があるとされています[4]。親御さんの症状が軽くても、同じ変化を受け継いだお子さんが同じ程度になるとは限りません。症状の有無だけで判断せず、知ったうえで計画することに意味があります。
家族歴がなくても発症するのはなぜ?
ご家族に患者さんがいなくても、肢帯型筋ジストロフィーになることはよくあります。潜性遺伝の型では、ご両親が症状のない保因者なので、家系の中で患者さんが1人だけ、ということがふつうに起こります。顕性遺伝の型でも、ご本人の代で新しく起きた変化(de novo)が原因のことがあります。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。
新しく起きた変化に見えても、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある「性腺モザイク」のことがあります。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。
4. どんな人がこの検査を受けるとよいか
肩や腰まわりの筋力低下がある方、CKが高いと言われた方、ご家族に肢帯型筋ジストロフィーの方がいる方に向く検査です。見た目や家族歴だけでは型を判断できないことが多いので、迷ったら、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。一般的な遺伝子検査のしくみは、遺伝子検査(遺伝学的検査)とはで解説しています。
- ●肩・腰・太ももなど、体の中心に近い筋肉の筋力低下が続いている方
- ●血液検査でCKが高い状態が続いている方
- ●筋生検で筋ジストロフィーの変化を指摘されたが、型がわかっていない方
- ●ご家族に肢帯型筋ジストロフィー・三好型の方がいる方
- ●結婚・妊娠を考えていて、ご家族の病気がお子さんにどう関わるか知りたい方
CKが高い・階段がつらいのに病名がつかない方
肢帯型筋ジストロフィーは、原因の遺伝子が多く、症状もよく似ているため、診察や筋生検だけでは型を決めにくい病気です。1回の検査で21の遺伝子を調べることで、原因がわからないまま病院を回る時間を短くできる可能性があります。筋生検の前に遺伝子検査で診断がつく場合もあります。
ただし、全員に原因が見つかるわけではありません。米国で肢帯型筋ジストロフィーが疑われた4,656人を調べた研究で、遺伝子検査で診断が確定したのは27%でした[3]。CKが高い理由は筋ジストロフィー以外にもあるため、まず脳神経内科などで診察を受け、そのうえでこの検査が合うかを考えるのがよいと考えています。原因が見つからなかったときの次の選択肢も、第7章でご説明します。
家族に筋ジストロフィーの人がいて「自分も・子どもも」と不安な方
親やきょうだいが筋ジストロフィーと診断され、「自分もいつか発症するのでは」「子どもに遺伝するのでは」と、つまずくたびに不安を抱えながら暮らしている方もいます。当院は、ライフステージごとに患者さんの人生をサポートするという考え方で診療しており、知りたいと願う方を拒むことはしません。遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は、その意思を尊重して検査まで行います。知らないでいる選択も、同じように尊重します。
ご家族で原因の変化がわかっていれば、症状のないご家族は同じ変化をもっているかをピンポイントで調べられます。症状のない方が将来の発症の可能性を調べる検査を「発症前の検査(予測的検査)」といいます。家族の変化を受け継いでいないとわかれば、その病気について、ご家族と同じ確率を心配しなくてよくなります。受け継いでいるとわかった場合は、心臓・呼吸の見張りや治験の情報など、早く備えを始められます(第7章)。
先が見えないまま過ごすより、わかったうえで、仕事・結婚や出産・住まいなど、これからの人生を計画したいと考える方もいます。英国でハンチントン病の発症前検査を受けた人の理由として最も多かったのは「不確実さを減らすため」(70.5%)でした[12]。病気は違いますが、「知って計画を立てたい」という思いは共通するものだと考えています。一方で、結果を知ったあとの気持ちの変化は、陽性でも陰性でも起こりえます。当院では、結果をお伝えしたあとも、遺伝カウンセリングで相談を続けていただけます。なお、日本医学会のガイドライン(2022年改定)は、成年期以降に発症する病気の未成年者への発症前の検査は、原則として本人が成人して自分で判断できるまで延期すべきとしています。
ご家族の病気を理由に、結婚や出産について悩む方もいます。遺伝する確率は、病気の型とご家族ごとに違います。ご自身が変化をもっているか、パートナーが保因者かを検査で知ることができ、知ったうえで選べることもあります。結婚相手と一緒に考える検査については、結婚相手と受けたい保因者検査で解説しています。
症状・CK値・発症年齢から選ぶ:この検査と別の検査
肩と腰まわりから弱くなり、CKが高いなら、まずこの検査です。反対に、症状が肢帯型らしくない場合は、次の検査のほうが向いていることがあります。比べる相手は検査の種類です。
🔍 症状・CK値・発症年齢から選ぶ筋肉の遺伝子検査
※どの検査が合うかは、症状・診察所見・CKの値・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。
5. 調べる21遺伝子と、わかる病気
この検査では、肢帯型筋ジストロフィーの原因遺伝子と、症状のよく似た病気の原因遺伝子、合わせて21遺伝子をまとめて調べます。遺伝子ごとに、関係する病気と遺伝のしかたを表にまとめます。
🧬 肢帯型筋ジストロフィー遺伝子検査で調べる21遺伝子
※対象遺伝子は当院の検査内容による。病名の新しい呼び方は文献[1][2]、関係する病気と遺伝のしかたは米国国立医学図書館(MedlinePlus Genetics)の遺伝子・病気の解説による(2026年10月時点で確認)。
ポンペ病(GAA)も一緒に調べる理由:治療薬がある病気
この検査にはポンペ病の原因遺伝子GAAが含まれています。遅発型のポンペ病は肢帯型筋ジストロフィーとよく似た筋力低下で始まることがあり、しかも酵素補充療法という治療がある病気です。
ポンペ病は、筋肉に糖(グリコーゲン)がたまる潜性遺伝の病気です。遅発型は子どものころ〜大人になってから始まり、脚と体幹の筋力低下や、呼吸の筋肉の弱さが目立ちます。21か国で肢帯型の筋力低下がある2,372人をGAAを含む10遺伝子で調べた研究では、原因が見つかった261人のうち13.8%(36人)がポンペ病でした[10]。
遅発型ポンペ病の90人を対象にした試験では、酵素補充療法(アルグルコシダーゼ アルファ)を78週間受けた群で、偽薬の群と比べて6分間に歩ける距離が平均28.1m長く、努力肺活量も予測値の3.4ポイント保たれました[11]。「肢帯型だと思っていたらポンペ病だった」とわかれば、治療につながる可能性があります。詳しくはポンペ病のページをご覧ください。
6. この検査でわかること・わからないこと
この検査でわかるのは、21遺伝子の文字(塩基)の小さな変化と、遺伝子の一部が欠けたり重複したりする変化です。次世代シークエンサー(NGS)で、遺伝子のうちタンパク質を作る部分(エクソン)と、その境目を読みます。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。
- ●小さな欠失・重複:欠失・重複は、遺伝子まるごとや、2つ以上続いたエクソンの大きさのものを調べます。エクソン1つだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、ふだんは検出の対象外です。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
- ●見つけられない変化:染色体の一部が入れかわる転座や逆位、同じ配列の繰り返しが伸びる変化(リピート伸長)、遺伝子のスイッチの部分(プロモーター)や、エクソンから20塩基以上離れた場所(深いイントロン)の変化は対象外です。
- ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態や、がんの組織の変化を見つけるための検査ではありません。
- ●よく似た配列:遺伝子によく似た配列(偽遺伝子など)がゲノムの別の場所にあると、まれに判定のじゃまになることがあります。読み取りの質が低かった変化は、サンガー法で確かめます。
- ●読み取りの深さ:調べる部分の99%以上を、同じ場所を20回以上読む深さで調べます(≥99% at 20x)。同じ場所を何度も読むほど、読み間違いの影響を小さくできます。
陰性でも病気は否定できない:別の検査が必要な筋ジストロフィー
この検査で原因が見つからなくても、筋ジストロフィーではないとは言えません。米国の大きな研究でも、肢帯型筋ジストロフィーが疑われた人のうち遺伝子で診断が確定したのは27%でした[3]。21遺伝子以外の原因や、この方法では見つからない変化が残っている可能性があります。
たとえば、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)や筋強直性ジストロフィーは、この検査では調べられません。FSHDでは反復配列の長さやメチル化などを調べる検査が、筋強直性ジストロフィーではリピート伸長を調べる検査が必要です。デュシェンヌ型・ベッカー型のDMD遺伝子も含まれていません。症状に合わせて、別の検査を選びます(第4章の表)。
意味がまだわからない変化(VUS)
遺伝子に変化が見つかっても、病気の原因かどうかまだ判断できないことがあります。これをVUS(臨床的意義不明のバリアント)といいます。VUSは、それだけで診断やご家族の発症リスクの判断には使いません。ただし、その変化の意味を調べるために、ご家族の同意を得て同じ変化の有無を調べることがあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。
7. 病的変異が見つかったら、次にできること
原因の遺伝子がわかると、病名が決まり、ご本人の体の見張り方、ご家族の検査、次のお子さんのための選択肢まで、次の一手が具体的になります。わかるだけで終わらせないために、立場ごとにできることをまとめます。結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。
ご本人:心臓・呼吸の見張り、リハビリ、治療や治験の情報
型がわかったら、脳神経内科・小児神経科など専門の医療機関で、型に合わせた見張りの計画を立てます。いちばん大切なのは、心臓と呼吸の合併症を症状が出る前から見張ることです。サルコグリカン異常症では、診断の時点から心電図・心エコーを始め、R4・R5は毎年の確認が勧められています[7]。LMNA関連では、不整脈を早く見つけるための定期的な心臓の検査が必要とされています[9]。FKRP関連でも心筋症が多いことがわかっています[8]。
今のところ、多くの型で行われているのは、リハビリ、夜間の呼吸補助、心臓の薬など、症状と合併症に合わせたケアです[2]。難病情報センターも、筋ジストロフィー全体について根本的な治療薬は現時点でないとしています(2026年10月時点)。病気の型ごとに、次のような動きがあります。
- ●ポンペ病(GAA):酵素補充療法があります[11]。
- ●FKRP関連(LGMD R9):飲み薬の候補(BBP-418)について、米国の食品医薬品局(FDA)が2026年5月に承認申請を受理し、優先審査中と発表されています(審査結果の目標日は2026年11月27日)。2026年10月時点では承認されていません。
- ●サルコグリカン異常症:遺伝子治療の臨床試験が行われてきましたが、2025年7月、米国FDAは、関連する試験で急性肝不全による死亡があったことを受けて、試験を一時停止としました。
治療や治験の状況は時期によって変わり、日本で使えるかどうかも別に確かめる必要があります。最新の情報は、専門の医療機関の主治医にご確認ください。治験に参加するには、原因の遺伝子が確定していることが前提になることが多く、遺伝子検査はその入口になります。
ご家族:症状のないご家族の検査
ご本人の原因がわかると、ご家族は同じ変化をもっているかを、その場所だけピンポイントで調べられます。あなたの1回の検査が、ご両親・きょうだい・お子さんが自分の状態を知る手がかりになります。潜性遺伝の型では、きょうだいが同じ病気である確率は4分の1で、症状が出る前に見つかることもあります。サルコグリカン異常症の国際的な診療の標準でも、リスクのある症状のないご家族に保因者の検査を勧めています[7]。顕性遺伝の型や、LMNAのように心臓の合併症が問題になる型では、ご家族が変化をもっているかを知ることが、心臓の見張りを始めるきっかけになります。症状のないご家族の検査は、ご本人の同意で行い、検査の前に遺伝カウンセリングで知ることの意味を考えていただきます。
次のお子さん:パートナーの保因者検査・出生前診断・NIPT・PGT-M
潜性遺伝の型では、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかで、お子さんへの確率が変わります。当院の拡大版保因者スクリーニングには、この検査の遺伝子の一部が入っています。
👫 パートナーの保因者検査で調べられる、この検査の遺伝子
※各ページの対象遺伝子一覧で確認(2026年10月時点)。TCAP(LGMD R7)はどの保因者検査にも含まれていないため、パートナーの検査はこのページの検査などで個別に考えます。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子)もあります。
ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。当院では羊水検査・絨毛検査を院内で行っています(2025年6月から産婦人科を併設)。出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。流れは単一遺伝子疾患の出生前診断で解説しています。
この検査の遺伝子のうちLMNAは、当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)でも調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性なら確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます。ほかの20遺伝子は、当院のNIPTの対象ではありません。
日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。どの方法も選ばずに、そのまま妊娠・出産を迎えることも、同じように尊重される選択です。
陰性・VUSだったとき
原因が見つからなかった場合は、症状に合わせて、神経筋疾患遺伝子パネル検査や全エクソーム検査(WES)、FSHDや筋強直性ジストロフィーの検査など、次の選択肢を考えます。VUSだった場合は、それだけで診断やご家族の発症リスクを判断せず、主治医の診察所見とあわせて考えます。その変化の意味を調べるため、ご家族の同意を得て家系内の検査を検討することがあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。
8. 日本の制度:指定難病・小児慢性特定疾病(2026年10月時点)
肢帯型筋ジストロフィーは、指定難病113「筋ジストロフィー」の病型のひとつに含まれています。難病情報センターの筋ジストロフィーのページ(2026年1月の情報更新)では、病型の表に「肢帯型」が、常染色体顕性(優性)/潜性(劣性)遺伝の病気として載っています。また、小児慢性特定疾病の対象疾病にも「肢帯型筋ジストロフィー」が掲載されています(2026年10月時点で確認)。
ポンペ病は、指定難病19「ライソゾーム病」の対象に含まれています(厚生労働省の資料で確認)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。遺伝子検査で型が確定していることは、制度を使うときの手がかりにもなります。
9. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
検査費用は税込330,000円で、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜のいずれかで、オンライン診療でも受けられます。
ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取お支払い後にキット
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
💴 費用・日数・検体
※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、キットが届く前にご自身で検体を採取しないでください。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。
遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。遺伝カウンセリングとは何かも、あわせてご覧ください。
10. 院長コラム
🩺 院長コラム【「肢帯型」という病名で止まらないでほしい】
肢帯型筋ジストロフィーは、ひとつの病気の名前というより、たくさんの病気をまとめた入れ物の名前です。同じ「肢帯型」でも、心臓をこまめに見張るべき型もあれば、心臓の心配が少ない型もあり、治療薬のあるポンペ病が紛れていることもあります。だからこそ、「肢帯型筋ジストロフィー」という病名のところで止まらず、どの遺伝子が原因なのかまで確かめてほしいと考えています。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度わかったことは、ご自身の健康管理にも、ご家族の検査にも、これからの妊娠・出産の計画にも、ずっと使える情報になります。
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。
結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。知ってから決めるのと、知らずに決めるのとでは、同じ選択でも意味が違うと考えています。遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、パートナーの保因者検査から出生前診断まで、当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 肢帯型筋ジストロフィーは遺伝しますか?遺伝する確率は?
遺伝する病気ですが、確率は型によって違います。潜性(劣性)遺伝の型では、ご両親が保因者の場合、お子さん1人ごとに発症する確率は4分の1です。顕性(優性)遺伝の型では、親から子へ伝わる確率は2分の1です。肢帯型は多くが潜性遺伝の型で、どちらの型かは原因の遺伝子がわかってはじめて言えます。
Q2. 家族に患者がいないのに肢帯型筋ジストロフィーと言われました。なぜですか?
潜性遺伝の型では、ご両親が症状のない保因者なので、家系の中で患者さんが1人だけということがよくあります。顕性遺伝の型でも、ご本人の代で新しく起きた変化が原因のことがあります。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。
Q3. 肢帯型筋ジストロフィーの寿命・予後はどのくらいですか?
ひとつの数字では言えません。原因の遺伝子によって進み方と、心臓・呼吸の合併症の起こりやすさが大きく違うためです。たとえばカルパイン異常症では心臓の合併症はふつう起こりにくい一方、β・γサルコグリカン異常症では約4割、FKRP関連では米国の研究で45%に心臓の合併症がみられました。型を確かめて、心臓と呼吸を早くから見張ることが大切です。
Q4. 肢帯型筋ジストロフィーは難病(指定難病)ですか?
はい。指定難病113「筋ジストロフィー」の病型のひとつとして肢帯型が含まれています(2026年10月時点、難病情報センターの情報)。小児慢性特定疾病の対象疾病にも掲載されています。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。
Q5. 健康診断でCKが高いと言われました。この検査を受けたほうがよいですか?
CKが高い理由は筋ジストロフィー以外にもあるため、まず脳神経内科などで診察を受けることをおすすめします。そのうえで、肩や腰まわりの筋力低下がある、CKが高い状態が続く、ご家族に筋ジストロフィーの方がいる、といった場合は、この検査が型を確かめる手がかりになります。症状のないままCKだけが高い状態(高CK血症)の原因になる遺伝子(CAV3など)も、この検査に含まれています。
Q6. 家族に筋ジストロフィーの人がいると、結婚や出産に差し支えますか?
遺伝する確率は、病気の型とご家族ごとに違い、一律には決まりません。ご自身が原因の変化をもっているか、パートナーが同じ遺伝子の保因者かは、検査で知ることができます。知ったうえで、出生前診断などの選択肢を考えることもできます。当院では、保因者検査から妊娠したときの羊水検査・絨毛検査まで、続けてご相談いただけます。
Q7. 検査が陰性なら、肢帯型筋ジストロフィーではないと考えてよいですか?
いいえ。陰性でも否定はできません。米国で肢帯型筋ジストロフィーが疑われた4,656人を調べた研究でも、遺伝子で診断が確定したのは27%でした。21遺伝子以外の原因や、この方法では見つからない変化(繰り返し配列の伸長など)が残っている可能性があります。症状に合わせて、神経筋疾患パネル検査や全エクソーム検査などを考えます。
Q8. 肢帯型筋ジストロフィーに治療法や新しい薬はありますか?
多くの型では、リハビリや呼吸・心臓の合併症の管理など、症状に合わせたケアが中心です。FKRP関連(LGMD R9)では、飲み薬の候補について米国で承認申請が受理され、審査が進められています(2026年10月時点で未承認)。この検査で見分けられるポンペ病には、酵素補充療法があります。治験の多くは原因の遺伝子が確定していることが前提になるため、遺伝子検査がその入口になります。
🧬 「肢帯型」の先にある、本当の原因を知る
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。肢帯型筋ジストロフィーの原因の遺伝子がわかれば、心臓・呼吸の見張り方、治療や治験の情報、ご家族の検査、結婚・妊娠の計画まで、次の一手を考えられます。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、パートナーの保因者検査、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
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