この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

脊髄性筋萎縮症(SMA)は、多くがSMN1遺伝子の変化による常染色体潜性(劣性)遺伝の病気で、ご両親がともに保因者だと、お子さんは4分の1の確率でSMAになります。保因者はまれではなく、症状がないので、家族にSMAの人がいなくても気づかないまま過ごしていることがあります。SMAには治療薬があり、症状が出る前に始めるほど、座る・歩くなどの発達が期待できることが臨床試験で示されています。生まれ持った遺伝子は一生変わらないので、一度の検査でわかったことは、ご自身やお子さんの治療だけでなく、これからの妊娠の計画やご家族の健康を考えるときにも使える情報になります。このページでは、遺伝のしかたと子どもへの確率、29の遺伝子を一度に調べる脊髄性筋萎縮症NGSパネル検査でわかること、わかったあとに次にできることを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
脊髄性筋萎縮症(SMA)の原因として知られる29の遺伝子(SMN1・SMN2を含む)をまとめて調べます。小児期に多いSMN1によるSMAだけでなく、下肢優位型・X連鎖・遠位型など、SMN1以外が原因の型も一度に確かめられます。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
筋力の低下や運動の発達の遅れがあるお子さんや大人の方、新生児スクリーニングで指摘された方、ご家族にSMAの方がいる方です。SMAは潜性(劣性)遺伝で、ご両親がともに保因者なら、お子さんは妊娠のたびに4分の1でSMAになります。症状がなく保因者かどうかだけ知りたい方には、保因者検査が向いています。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
税込330,000円、結果まで2〜3週間です。血液・唾液・頬の粘膜で検査でき、オンライン診療にも対応しています。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。SMAとわかれば治療薬を選べ、早く始めるほど効果が期待できます。ご家族の保因者検査、次の妊娠での絨毛検査・羊水検査、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。SMN1によるSMAは、当院のNIPTでは調べられません。
1. 脊髄性筋萎縮症(SMA)は遺伝する?最初に知っておきたいこと
脊髄性筋萎縮症の多くは、SMN1遺伝子が両方とも働かないことで起こる常染色体潜性(劣性)遺伝の病気です。ご両親がともに保因者の場合、お子さんは妊娠のたびに4分の1の確率でSMAになります[1]。保因者には症状がないため、上のお子さんの診断や新生児スクリーニングで、はじめてご夫婦が保因者だとわかることも少なくありません。
SMAとはどんな病気か
脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)は、脊髄にある運動ニューロン(筋肉を動かす命令を出す神経細胞)が少しずつ失われ、体の中心に近い筋肉から力が弱くなり、筋肉がやせていく病気です[1]。感じる神経は保たれます。病気の全体像は脊髄性筋萎縮症(SMA)総論で詳しく解説しています。
日本では、大阪府と兵庫県の出生を調べた研究で、SMAの発症は出生3万〜4万人に1人と推定されています[3]。脊髄性筋萎縮症は指定難病(告示番号3)で、小児慢性特定疾病(神経・筋疾患)の対象でもあります(難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターで2026年10月に確認)。
型ごとの違いと、大人になってから出る症状(0〜IV型)
SMAは、症状が出る年齢と、到達できる運動の発達によって0型からIV型に分けられます。下の表は、治療薬のない時代の経過(支える治療だけの場合)をまとめたもので、今は治療によって経過が変わってきています[1]。
🧬 脊髄性筋萎縮症の型(GeneReviews 2026年改訂の表より)
※GeneReviews[1]のTable 2による。II型の生存率は表では約70%、本文では68%と書かれている。IV型の発症は原文で「second or third decade(10〜20代)」。
「脊髄性筋萎縮症 成人型 症状」で調べる方は多いのですが、IV型(成人型)は運動の発達はふつうで、寿命も変わらないとされています[1]。大人になってから体の付け根の筋力が落ちてきた場合は、SMN1によるIV型のほかに、SMN1以外の遺伝子による型(このページの検査に含まれるVAPBによる成人発症の近位型など。第5章)も考えます。
筋ジストロフィー・球脊髄性筋萎縮症との違い
SMAは神経(運動ニューロン)の病気で、筋ジストロフィーは筋肉そのものが壊れやすくなる病気の総称です。どちらも筋力が落ちますが、原因の場所も遺伝子も違うため、調べる検査も違います。筋ジストロフィーの代表的な病気はデュシェンヌ型筋ジストロフィーのページで解説しています。
名前がよく似た球脊髄性筋萎縮症(SBMA、ケネディ病)は、別の病気です。X染色体にあるAR遺伝子のCAGという3文字の繰り返しが長くなって起こり、主に男性で、30〜50歳ごろに発症することが多いとされています[11]。遺伝のしかたも原因遺伝子も違い、SBMAはこのページのパネル検査の対象ではありません。
2. 遺伝のしくみ:SMN1とSMN2
SMAの原因の中心はSMN1遺伝子で、すぐ近くにあるよく似たSMN2遺伝子の数が、症状の重さを左右します[1]。この2つの関係を知ると、「なぜ同じSMAでも重さが違うのか」「なぜ検査に工夫が必要なのか」がわかります。
SMN1が両方働かないと発症する(常染色体潜性遺伝)
SMN1遺伝子は5番染色体にあり、運動ニューロンが生きていくのに必要なSMNタンパク質を作ります。人は父親と母親から1本ずつ、2本の5番染色体を受け継ぎます。両方のSMN1が働かないときにSMAになり、1本だけに変化がある人は「保因者」で、症状は出ません。このような遺伝のしかたを常染色体潜性(劣性)遺伝といいます。
SMN1の変化の多くはエクソン7を含む部分がなくなる「欠失」で、欠失を調べる方法で95〜98%の変化が見つかります。残りの2〜5%は、片方が欠失、もう片方が遺伝子の中の小さな変化という組み合わせです[1]。また、SMAの方の約2%では、片方の変化が親から受け継いだものではなく、新しく起きたものとされています[1]。
SMN2の数で重さが変わる
SMN2はSMN1とほとんど同じ配列をもつ遺伝子ですが、働くSMNタンパク質を少ししか作れません。SMN1が働かないとき、SMN2の数(コピー数)が多いほど、症状は軽くなる傾向があります[1]。ただし、同じコピー数でも型には幅があり、コピー数だけで一人ひとりの経過を決めることはできません。
🧬 SMN2のコピー数と型の関係(GeneReviews 2026年改訂の表より)
※GeneReviews[1]のTable 3(Calucho 2018のデータをもとにした表)による。SMN1が働かないSMAの方での割合。
保因者はどのくらいいるか
SMAの保因者はまれではありません。GeneReviews(2026年改訂)の表では、アジア系の保因者頻度は約48人に1人とされています[1]。米国で7万2千件以上の検体を調べた研究では、全体で約54人に1人、アジア系で約59人に1人でした[2]。日本人だけを調べた確かな保因者頻度は、2026年10月時点で確認できていません。このページでは、アジア系の数字を目安として使います。保因者の考え方は保因者とはもご覧ください。
💡 用語解説:2+0型の保因者
ふつうの保因者は、片方の5番染色体にSMN1が1つ、もう片方に0、という状態です。ところが、片方の染色体にSMN1が2つ並び、もう片方には1つも無い人がいます(2+0型)。合計は2つなので、SMN1の「数」を数える検査では、保因者ではない人と見分けられません。GeneReviewsは、保因者の約4%がこのタイプとしています[1]。
SMN1以外が原因のSMA
SMAと似た症状は、SMN1以外の遺伝子でも起こります。たとえば、脚の筋肉から弱くなる下肢優位型SMA 1型(DYNC1H1)や下肢優位型SMA 2A型・2B型(BICD2)、乳児期に発症するX連鎖のSMA(UBA1)、呼吸の障害を伴う遠位型SMA(IGHMBP2)などです。これらは顕性(優性)遺伝やX連鎖など、SMN1とは違う遺伝のしかたをするものが多く、子どもへの確率も変わります。対象の遺伝子と病気は第5章の表にまとめました。
3. 子どもに遺伝する確率(立場ごとの表)
お子さんへの確率は、ご自身の立場(親が保因者か、ご本人がSMAか、きょうだいがSMAか)と、パートナーが保因者かどうかで大きく変わります。下の表は、SMN1による常染色体潜性遺伝のSMAについての目安です。
👪 立場ごとの、お子さんがSMAになる確率の目安
※「計算値」は、上の数字をもとに当院で計算したもので、文献に書かれた値ではない。日本人の保因者頻度は確かな数字がないため、アジア系の値を使った。約2%はSMN1の変化が新しく起きたもので、その場合は確率が変わる[1]。
ご両親が保因者だった場合
上のお子さんがSMAと診断された場合、ご両親はそれぞれ保因者であることがほとんどです。次のお子さんもSMAになる確率は、妊娠のたびに4分の1です。上のお子さんがSMAだったから次は大丈夫、ということはなく、毎回同じ確率です。ただし、片方の変化が新しく起きたもの(約2%)の場合は、きょうだいの確率は上がらないとされています[1]。ご両親の検査で、どちらの場合かを確かめられます。
ご本人がSMAの場合
SMAの方のお子さんは、SMAの親からSMN1の変化を必ず1本受け継ぎます[1]。パートナーがSMN1に原因の変化を持たなければ、お子さんは全員が保因者となり、SMAは発症しません。パートナーが保因者なら、お子さんがSMAになる確率は1人ごとに2分の1です。パートナーもSMAの場合は、お子さん全員が両親から原因の変化を受け継ぎます。パートナーの保因者検査でSMN1が2コピーあれば、お子さんの確率は約1,340分の1まで下がると計算されています[1]。
きょうだいがSMAの場合
ご両親がともに保因者で、ご自身がSMAではないとわかっている場合、保因者である確率は3分の2です。SMAには大人になってから発症する型(IV型など)もあるため、今症状がないことだけで決めず、年齢・ご家族の型・検査の結果をあわせて考えます。おじ・おば、いとこがSMAという方も、保因者の可能性は一般の人より高くなります。ご家族のSMAの原因(SMN1の欠失か、遺伝子の中の小さな変化か)がわかっていると、ご自身の検査で調べる場所がはっきりし、結果の確かさが上がります。潜性遺伝と確率の考え方は劣性遺伝(潜性遺伝)とはで詳しく解説しています。
結婚・妊娠を考えるとき:パートナーの保因者検査
潜性遺伝の病気は、ご夫婦の両方が保因者のときにだけ、お子さんに発症の可能性が生まれます。そのため、SMAに備えるには、ご自身だけでなくパートナーの保因者検査が大切です。結婚の前や妊娠の前に二人で受けておくと、わかったうえで家族計画を考えられます。考え方は結婚相手と受けたい保因者検査で解説しています。
米国の学会が、妊娠を考えるすべての人にSMAを含む保因者検査を勧めていることは、第7章で紹介します。当院の拡大版保因者スクリーニング女性版1009遺伝子・男性版911遺伝子は、SMN1のコピー数の変化をNGSで調べ、MLPA法で確かめます(当院の検査ページによる)。
大人になってから自分も発症するか心配な方
親やきょうだいにSMAの方がいると、「自分もいつか発症するのでは」と不安になるのは自然なことです。SMN1による常染色体潜性のSMAでは、保因者(変化を1本だけもつ人)は、SMAを発症しません。ご家族の原因の変化を受け継いでいないとわかれば、その変化によるSMAについて、ご家族と同じ確率を心配する必要はなくなります。一方、IV型(成人型)や、SMN1以外の遺伝子による顕性遺伝の型もあるため、ご家族の原因によって考え方が変わります。わからないまま悩むより、ご家族の原因とご自身の結果を確かめて、これからを計画したいと考える方もいます。検査を受けるかどうかは、遺伝カウンセリングで十分に考えてから、ご本人が決めます。
4. この検査でわかること(脊髄性筋萎縮症NGSパネル・29遺伝子)
この検査では、SMN1とSMN2を含む、SMAとその類縁の病気に関わる29の遺伝子を一度に調べます。SMN1による典型的なSMAを確かめるだけでなく、SMN1に原因が見つからない場合に考える遺伝子もまとめて調べられるのが特徴です。遺伝子検査とはもあわせてご覧ください。
どんな人に向いているか
- ●お子さんに、体がやわらかく力が弱い(筋緊張の低下)、首のすわりやお座りが遅い、できていた動きができなくなった、などの症状がある方
- ●新生児スクリーニングでSMAの可能性を指摘され、確定の検査が必要な方
- ●ご家族にSMAの方がいて、原因の遺伝子を確かめたい方
- ●大人になってから体の付け根の筋力が落ちてきて、SMAを含めて原因を調べたい方
- ●ご家族の原因を確かめたうえで、出生前診断や着床前診断(PGT-M)を考えている方
SMN1・SMN2はどこまで調べられるか
配列の読み取り(シーケンス)と、欠失・重複の解析は、どちらも料金に含まれます。SMN2は、SMN1で診断につながる結果が出た場合に限り、エクソン7〜8の配列と欠失・重複を調べます。SMN2のほかの部分は調べません。治療を選ぶときにSMN2のコピー数が必要になった場合は、結果のご説明の際に、確かめ方をご相談ください。
保因者かどうかだけ知りたい方へ
症状がなく、ご自身が保因者かどうかを知りたい場合、この検査でもSMN1を調べられますが、2+0型の保因者は見分けられません。SMAだけでなく、ほかの潜性遺伝の病気もまとめて調べたい方には、拡大版保因者スクリーニングが向いています。保因者検査の考え方は保因者スクリーニング検査とはで、確認に使うMLPA法は用語のページで解説しています。
どの検査を選ぶか
🔍 症状や目的に合わせた検査の選び方
※どの検査が合うかは、症状・診察所見・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。パネル検査と全エクソーム検査の違いはWESとパネル検査の違いで解説しています。
5. 対象遺伝子29と、関係する病気
この検査の29遺伝子には、SMAそのものの原因遺伝子だけでなく、手足の先から弱くなる遠位型の運動ニューロパチーや、SMAに似た症状を起こす病気の遺伝子も含まれています。遺伝のしかたは遺伝子ごとに違い、常染色体潜性・常染色体顕性・X連鎖が混ざっています。
🧬 対象遺伝子と、関係する主な病気・遺伝のしかた
※病名とOMIM番号は、OMIM番号つきの遺伝子・疾患データベース(UniProt・MedlinePlus Genetics・NCBI Gene など)で2026年10月に確認。遺伝子の並びは当院の検査ページの順ではなく、SMAとの関係が近いものから並べた。対象は、AARS, ASAH1, ATP7A, BICD2, BSCL2, CHCHD10, DCTN1, DNAJB2, DYNC1H1, EXOSC3, EXOSC8, FBXO38, GARS, HEXA, HSPB1, HSPB3, HSPB8, IGHMBP2, LAS1L, PLEKHG5, REEP1, SCO2, SLC5A7, SMN1, SMN2, TRPV4, UBA1, VAPB, VRK1(29遺伝子)。
橋小脳低形成(EXOSC3・EXOSC8・VRK1)が疑われる場合は橋小脳低形成症NGS遺伝子パネル検査、生まれたときから関節が固い場合は関節拘縮症遺伝子検査パネルも選択肢になります。シャルコー・マリー・トゥース病についてはシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)総論で解説しています。
6. 病的な変化が見つかったら、次にできること
SMAは、原因がわかると治療薬を選べる病気です。そして、症状が出る前や、出てすぐに治療を始めるほど、運動の発達が期待できることが臨床試験で示されています[4][5][6][7][8]。ここでは、ご本人・ご両親・ご家族の立場ごとに、次にできることをまとめます。当院は治療を行っていないため、治療は専門の医療機関で受けていただきます。
ご本人・お子さん:3つの治療薬
💊 日本で承認されているSMAの治療薬(2026年10月時点)
※承認の時期は、製薬会社の発表・PMDAの添付文書情報・専門誌の記事で確認(2026年10月)。使える年齢・条件・投与の間隔は薬ごとに違うため、専門の医療機関でご確認ください。
症状が出る前に治療を始めた臨床試験では、次のような結果が報告されています。
- ●ヌシネルセン(NURTURE試験):症状が出る前に治療を始めたSMN2が2〜3コピーの赤ちゃん25人は、全員が支えなしで座れるようになり、22人(88%)がひとりで歩けるようになりました(中間報告)[4]。5年の追跡では、SMN2が2コピーの15人のうち13人がひとりで歩けていました[5]。
- ●オナセムノゲン アベパルボベク(SPR1NT試験):SMN2が2コピーの赤ちゃん14人は全員が18か月までに30秒以上ひとりで座れました[6]。3コピーの15人は全員が24か月までにひとりで立ち、14人がひとりで歩けました[7]。
- ●リスジプラム(RAINBOWFISH試験):症状が出る前に治療を始めた26人のうち、12か月の時点で21人(81%)が5秒以上ひとりで座れていました[8]。
これらは症状が出る前に治療を始めた試験の結果で、すでに症状がある方に同じ結果が出るとは限りません。それでも、治療は早いほど効果が期待できるため、SMAとわかったら、できるだけ早く専門の医療機関につなぐことが大切です。
新生児スクリーニングで「要精査」と言われた方
新生児スクリーニングは、病気の可能性がある赤ちゃんを見つけるための検査で、確定の検査ではありません。「要精査」と言われたら、紹介された専門の医療機関で、すぐに確定の遺伝子検査を受けてください。日本では、こども家庭庁が2024年度から、SMAと重症複合免疫不全症(SCID)を対象に、新生児マススクリーニングの全国展開をめざす実証事業を行っています。2026年5月25日付の事務連絡では、41都道府県と20の政令指定都市が実証事業の採択の内示を受けています(こども家庭庁の公表資料で2026年10月に確認)。お住まいの地域で受けられるかは、出産する医療機関や自治体でご確認ください。
ご両親:次の妊娠の選択肢
お子さんのSMAの原因がわかると、ご両親が保因者かどうかを確かめられ、次の妊娠でとれる方法がはっきりします。どの方法を選ぶか、あるいは検査をせずにそのまま産むかは、ご夫婦が決めることで、どの選択も尊重されます。
- ●妊娠してから赤ちゃんを調べる:絨毛検査・羊水検査で、赤ちゃんのSMN1を直接調べます(第7章)。
- ●妊娠する前に受精卵を調べる:着床前遺伝学的検査(PGT-M)という方法があります。日本産科婦人科学会の審査を経て国内で受ける方法と、海外で受ける方法があります(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。下の「海外でPGT-Mを考えている方へ」)。
- ●検査をせずに妊娠・出産する:生まれてすぐに診断と治療につなげられるよう、出産する医療機関と準備しておくことができます。
きょうだい・ご家族の保因者検査
SMAの方のきょうだいや、おじ・おばなど血のつながったご家族は、保因者である可能性が一般の人より高くなります(第3章)。ご家族の中で原因がわかっていると、ほかのご家族は同じ場所を調べることで、保因者かどうかを確かめられます。
医療費の助成
脊髄性筋萎縮症は指定難病(告示番号3)と、小児慢性特定疾病(神経・筋疾患)の対象です(2026年10月時点)。医療費の助成を受けるには、それぞれの認定の条件を満たして申請する必要があります。くわしくは、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
当院でのその後
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。病的な変化が見つかった場合は、治療を受ける医療機関へつなぐための情報、ご家族の検査、次の妊娠の選択肢まで、立場ごとにご説明します。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。ご家族で原因の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。妊娠を考えている段階からご相談ください。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いは、当院の二次的所見の開示方針もご覧ください。
海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます
PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因の遺伝子の確定、英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠したあとの絨毛検査・羊水検査です。
ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。欧州ヒト生殖学会(ESHRE)の指針は、病気の原因と確かめられた変化があること、その変化が書かれた元の報告書(認定を受けた検査室のもの)を用意することを勧めています[12]。さらに、受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは、2本のうち片方が読み取れない「アレルドロップアウト」などで判定を誤るおそれがあります。そのため、変化のある場所の両側にある目印(多型マーカー)を使って、変化をもつ染色体を家系の中でたどる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます。どちらの染色体に変化が乗っているかを決めるには、ご夫婦に加えて血縁者のDNAが必要で、SMAのような潜性遺伝の病気では、患者さん(2つの変化をもつ方)・保因者・保因者でない方が目安とされています[12]。血縁者がいない場合に、ご夫婦の目印を調べたうえで受精卵や1個の精子を調べて決める方法も挙げられていますが、できるかどうかは施設や家系の状況で大きく変わり、受けられないこともあります。新しく起きた変化(de novo)で、これまでに妊娠歴のないご夫婦では、一般的なハプロタイプ解析は使えないとされています[12]。
海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。臨床遺伝専門医としての判断では、意義がまだわからない変化(VUS)は病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しいと考えます。また、潜性遺伝のSMAでは、ご夫婦それぞれがどの変化をもっているかを確かめておく必要があります。海外の施設によって求められる書類や検体は違うので、受ける予定の施設にも前もってご確認ください。
⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です
PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの指針は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[13]。当院は、PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと考えています。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。
日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定。2026年10月に学会の公式ページで確認)にもとづき、PGT-Mは症例ごとに学会の審査を受け、そのうえで実施施設の倫理委員会が承認して行われます。指針の「重篤」は、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、申請の時点で有効な治療法がないか、治療法があっても高度かつ侵襲度の高いもの、とされています。審査が続いている申請も多く、学会の発表では、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち、37件が審査継続中でした(2026年9月発表)。
英国では、公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2,000を超える病気が載っています(2026年9月17日更新の一覧で2,067)。一覧にない病気は、施設を通じて申請し、HFEAが審査します。米国では、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[14]。米国生殖医学会(ASRM)の倫理委員会は2024年、大人になってから発症する病気に対するPGT-Mも倫理的に許容されうるとする意見を出しています[15]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。くわしくは遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。
7. 妊娠前・妊娠中にできること:NIPTでは調べられない理由と確定検査
SMN1によるSMAは、当院のNIPTのどのプラン(ダイヤモンドプラン・インペリアルプランを含む)でも調べることはできません。SMAに備えるには、ご夫婦の保因者検査と、必要に応じて絨毛検査・羊水検査を組み合わせます。
なぜNIPTではSMAがわからないのか
NIPTは、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAのかけらを調べる検査です。SMAでは、お母さん自身が保因者であることが多く、お母さんのDNAと赤ちゃんのDNAを見分けて「赤ちゃんが2本とも受け継いだか」を判定するのが難しくなります。さらに、SMN1はSMN2とほとんど同じ配列をもつため、区別して数えることも難しい遺伝子です[10]。お母さんの血液でSMAを調べる方法(NIPD)は研究として報告されていますが[10]、当院では今は扱っていません。くわしくはNIPTでSMAは本当にわかる?で解説しています。
なお、この検査の対象遺伝子のうち、下肢優位型SMAの原因になるBICD2とDYNC1H1は、当院のNIPTのインペリアルプランの対象遺伝子です(ダイヤモンドプランには含まれません)。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性なら確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます。くわしくはNIPTのページをご覧ください。SMN1によるSMAに備えるには、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子。単独では受けられません)があります。
米国の学会は、妊娠を考えるすべての人にSMAの保因者検査を勧めている
米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)の2021年の指針は、妊娠中の人と妊娠を考えているすべての人に、保因者頻度200人に1人以上の病気を対象にした保因者検査(Tier 3)を勧め、保因者頻度100人に1人以上という基準でもSMAはすべての人の検査対象に含まれるとしています[9]。家族にSMAの人がいなくても保因者であることは珍しくないため、家族歴だけで判断しない、という考え方です。学会の推奨はキャリア(保因者)スクリーニング検査:米国の学会の推奨内容でも紹介しています。
絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんのSMN1を調べる
ご夫婦がともに保因者とわかっている場合は、妊娠中に絨毛検査または羊水検査で、赤ちゃんのSMN1を直接調べられます。GeneReviewsは、ご両親の変化がわかっていれば出生前の遺伝学的検査が可能で、SMN2のコピー数も調べると重さの見通しに役立つことがあるとしています[1]。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。絨毛検査は妊娠11週ごろから、羊水検査は15週ごろから受けられます。単一遺伝子の病気の出生前診断については単一遺伝子疾患の出生前診断もご覧ください。
着床前診断(PGT-M)という選択肢
体外受精でできた受精卵を調べる着床前遺伝学的検査(PGT-M)も、選択肢のひとつです。GeneReviewsは、ご両親の変化がわかっていれば着床前の遺伝学的検査が可能としています[1]。日本での扱いと、海外で受ける場合に必要な準備は、第6章の「海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ」にまとめました。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。
8. 検査の流れ・検体・日数・料金
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。血液のほか、唾液・頬の粘膜でも検査でき、オンライン診療に対応しています。
ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取お支払いのあとキット送付
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
💴 費用・日数・検体
※検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、ご自身で先に検体を採らないでください。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査の結果の読み方で解説しています。
検査の前の遺伝カウンセリングで、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。
9. 検査の限界
どの遺伝子検査にも限界があり、この検査で原因が見つからなくても、SMAやほかの神経・筋の病気を否定することはできません。
- ●2+0型の保因者:SMN1が片方の染色体に2つあり、もう片方に無いタイプの保因者は、この検査では見分けられません。保因者の約4%がこのタイプとされています[1]。数を数える検査で保因者ではないとされた場合でも、残る保因者の可能性は、全体で約500分の1[1]、アジア系で約806分の1と報告されています[2]。
- ●SMN2の解析の範囲:SMN2は、SMN1で診断につながる結果が出た場合に限り、エクソン7〜8だけを調べます。
- ●よく似た配列:SMN1とSMN2のように、とてもよく似た配列(偽遺伝子など)がある場所では、変化の見つけやすさが下がることがあります。
- ●欠失・重複:1つの遺伝子全体、または連続する2つ以上のエクソンの大きさの欠失・重複を見つけます(2つ以上のエクソンは血液の検体のみ)。1つのエクソンだけの欠失・重複は、ふつうは見つかりません。見つかった欠失・重複は、別の方法で確かめます。
- ●調べていない変化:転座・逆位、繰り返し配列の伸長、遺伝子の働きを調節する領域やエクソンから離れたイントロンの変化は調べていません。体の一部の細胞だけにある変化(モザイク)の検出も目的にしていません。
- ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。VUSは、それだけで診断やご家族の検査には使いません。
検査の限界は、検査を行う会社の資料と当院の検査ページの記載にもとづいています。原因が見つからなかった場合は、症状に合わせて、ほかのパネル検査や全エクソーム検査を考えます。
10. 院長コラム
🩺 院長コラム【知っていれば、間に合う病気】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、保因者であることは誰のせいでもありません。そしてSMAは、治療薬が登場し、症状が出る前に治療を始めるほど発達が期待できるとわかってきた病気です。だからこそ、「家族にいないから関係ない」と考えるのではなく、知っておくことに意味がある病気だと考えています。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、保因者検査から出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 脊髄性筋萎縮症(SMA)は遺伝しますか?
はい。多くはSMN1遺伝子の両方に変化があって起こる常染色体潜性(劣性)遺伝です。ご両親がともに保因者の場合、お子さんは妊娠のたびに4分の1の確率でSMAになり、2分の1の確率で保因者になります。約2%は、片方の変化が親からではなく新しく起きたものとされています。
Q2. 両親とも健康なのに、なぜ子どもがSMAになるのですか?
保因者は、SMN1の変化を1本だけ持っていて、もう1本が正常に働くため症状が出ません。保因者どうしのカップルでは、両方から変化のある1本ずつを受け継いだお子さんだけが発症します。家族にSMAの人がいなくても、保因者であることに気づかないまま過ごしている人は少なくありません。
Q3. 保因者はどのくらいいますか?
GeneReviews(2026年改訂)の表では、アジア系の保因者頻度は約48人に1人とされています。米国で7万2千件以上を調べた研究では、全体で約54人に1人、アジア系で約59人に1人でした。日本人だけを調べた確かな数字は、2026年10月時点で確認できていません。
Q4. NIPTでSMAはわかりますか?
SMN1によるSMAは、当院のNIPTのどのプランでも調べられません。お母さんも保因者であることが多く、母体血の中で赤ちゃんの分だけを見分けにくいためです。なお、この検査の対象遺伝子のうち、下肢優位型SMAの原因になるBICD2とDYNC1H1は、当院のNIPTのインペリアルプランの対象です(妊娠9週から、6〜8週は臨床研究として実施)。SMN1によるSMAに備えるには、ご夫婦の保因者検査を受け、必要なら絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんを直接調べます。
Q5. 新生児スクリーニングで「要精査」と言われました。どうすればよいですか?
新生児スクリーニングは確定の検査ではありません。紹介された専門の医療機関で、すぐに確定の遺伝子検査を受けてください。症状が出る前に治療を始めた赤ちゃんでは、座る・立つ・歩くなどの運動の発達が得られた臨床試験の報告があり、治療はできるだけ早く始めることが大切です。
Q6. この検査でSMN2の数はわかりますか?
この検査では、SMN1で診断につながる結果が出た場合に限り、SMN2のエクソン7〜8の配列と欠失・重複を調べます。SMN2のほかの部分は調べません。治療の判断にSMN2のコピー数が必要な場合は、結果のご説明の際に、どの検査で確かめるかをご相談ください。
Q7. 保因者検査で陰性なら、保因者ではないと言い切れますか?
言い切れません。SMN1が片方の染色体に2つ並んでいて、もう片方には無いタイプ(2+0型)の保因者は、数を数える検査では見分けられません。陰性の結果は、保因者である可能性を大きく下げますが、ゼロにはしません。
Q8. 大人になってから発症することはありますか?
あります。IV型(成人型)は10代〜20代に発症し、運動の発達はふつうで、寿命も変わらないとされています。SMN1以外の遺伝子による型(成人発症の近位型など)もあります。ご家族にSMAの方がいてご自身の発症が心配な場合は、遺伝カウンセリングで、検査を受けるかどうかから一緒に考えます。
Q9. 筋ジストロフィーとの違いは何ですか?
SMAは、筋肉を動かす命令を出す脊髄の運動ニューロンが弱っていく病気です。筋ジストロフィーは、筋肉そのものが壊れやすくなる病気の総称です。どちらも筋力が落ちますが、原因の場所も遺伝子も違うため、調べる検査も違います。
Q10. 治療薬はありますか?
あります。日本では、ヌシネルセン(スピンラザ)、オナセムノゲン アベパルボベク(ゾルゲンスマ)、リスジプラム(エブリスディ)が承認されています(2026年10月時点)。使える年齢や条件は薬ごとに違います。当院は治療を行っていないため、治療は専門の医療機関で受けていただきます。
Q11. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整わないため、ご家族の検査も含めて早めにご相談ください。
Q12. 結果はいつ、どのように説明されますか?
結果は2〜3週間ほどで出ます。臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。病的な変化が見つかった場合は、治療につなぐ方法、ご家族の検査、次の妊娠の選択肢まで、立場ごとにご説明します。
🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。脊髄性筋萎縮症の原因がわかれば、早く治療につなげられるだけでなく、ご家族の検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、29遺伝子のパネル検査とご夫婦の保因者検査から、羊水検査・絨毛検査による赤ちゃんのSMN1の検査まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
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