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シャルコーマリートゥース病(CMT)とは|症状・遺伝子・治療の最新知識

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

シャルコーマリートゥース病(CMT)は、遺伝性末梢神経疾患の中で最も頻度が高く、世界で約260〜300万人が罹患していると推定される疾患群です。100以上の原因遺伝子が特定されており、足のつまずきや筋力低下から始まり、数十年かけてゆっくりと進行します。2026年現在、細胞療法・遺伝子サイレンシング・軸索保護薬など複数の疾患修飾治療が後期臨床試験段階に入り、「治療のない時代」からの歴史的転換点を迎えています。臨床遺伝専門医が最新エビデンスをもとに詳しく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約20分
🧬 遺伝性末梢神経疾患・臨床遺伝学
臨床遺伝専門医監修

Q. シャルコーマリートゥース病(CMT)とはどんな病気ですか?まず結論を教えてください

A. 末梢神経(手足の神経)の働きを支える遺伝子の変異により、足や手の筋力低下・感覚障害が数十年かけて進行する遺伝性疾患群です。100以上の原因遺伝子が判明しており、脱髄型(CMT1)・軸索型(CMT2)・X連鎖型(CMTX)などに分類されます。現在、根治療法は未確立ですが、2026年には複数の疾患修飾薬が臨床試験後期段階にあり、治療開発は歴史的転換期を迎えています。

  • 有病率 → 世界平均で約2,500人に1人(日本は約10,000人に1人)
  • 典型症状 → 足のつまずき・下垂足・凹足(ハイアーチ)・腱反射消失・感覚低下
  • 日本の主要遺伝子 → GJB1(21.9%)・MFN2(21.9%)・MPZ(16.9%)が上位3位
  • 診断の要 → 神経伝導速度検査(NCV)+NGS遺伝子パネル
  • 要注意薬剤 → ビンクリスチン・タキサン系は絶対禁忌(神経障害を不可逆的に悪化させる)

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1. シャルコーマリートゥース病とは何か|疾患概念と病態生理学的基盤

シャルコーマリートゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease: CMT)は、末梢神経の構造的・機能的維持に関与する遺伝子群の変異を原因とする、進行性の遺伝性ニューロパチーの総称です。遺伝性運動感覚ニューロパチー(Hereditary Motor and Sensory Neuropathy: HMSN)とも同義であり、19世紀後半に本疾患の臨床像を体系的に報告した3人の医師——Jean-Martin Charcot、Pierre Marie、Howard Henry Toothの名を冠しています。医学史的には「腓骨筋萎縮症(Peroneal muscular atrophy)」「デジェリン・ソッタ症候群(Dejerine-Sottas syndrome)」といった名称でも参照されてきました。[1]

💡 用語解説:末梢神経とは?

脳・脊髄(中枢神経)から手足へ伸びる神経のネットワークです。筋肉を動かす運動神経、触覚・痛覚・温度・振動を感じる感覚神経、血圧や消化管を調節する自律神経の3種類があり、CMTではこれら末梢神経が遺伝子変異によって徐々に障害されます。末梢神経は、体の中で最も長い細胞(長さ1メートル以上)が存在するため、遠位部(手足の先)から障害が始まることが特徴です。

病態生理の2つの軸:脱髄性障害と軸索性障害

CMTの病態生理は、障害の一次的な発生部位によって大きく2系譜に分かれます。第一は、末梢神経の軸索を覆い電気信号の高速伝達を可能にする絶縁体「髄鞘(ミエリン鞘)」を形成するシュワン細胞の異常に起因する脱髄性障害です。第二は、神経信号を伝達する本体である「軸索(アクソン)」そのものの変性に起因する軸索性障害です。[2]

💡 用語解説:脱髄(だつずい)と軸索障害の違い

脱髄は神経の「絶縁体」であるミエリン(髄鞘)が傷む状態で、電気信号の伝導速度が著しく低下します。神経伝導速度(NCV)の検査で35 m/s未満の著明な遅延として現れます。

軸索障害は神経線維そのものが変性する状態で、伝導速度は比較的保たれますが、信号の強さ(振幅)が低下します。NCV検査では45 m/s以上と正常〜軽度低下を示すことが多い一方、筋電図(EMG)で神経原性変化が検出されます。

特筆すべき病態生理学的洞察として、これら2つの主要サブタイプは細胞レベルでは全く異なるメカニズムから出発するにもかかわらず、疾患の進行に伴って最終的には「軸索の機能不全および物理的な消失」という共通の終末像(コンバージェンス)に至ることが判明しています。臨床的な筋力低下・感覚消失の重症度は、脱髄の程度よりもむしろ軸索消失の程度と最も強く相関することが神経病理学的研究で証明されています。[2]

この共通経路の存在は、近年の治療薬開発において、SARM1経路阻害やHDAC6阻害など「軸索変性そのものをいかに食い止めるか」という、広範なサブタイプに適用可能な治療戦略の理論的根拠となっています。[3]

💡 用語解説:シュワン細胞とは?

末梢神経専用の「絶縁テープ職人」です。末梢神経の軸索に髄鞘(ミエリン)を巻きつけ、電気信号がランヴィエの絞輪を跳び越える「塩跳ね伝導(跳躍伝導)」を可能にします。中枢神経系でミエリンを作るオリゴデンドロサイトとは別の細胞です。詳しくはグリア細胞の解説ページをご覧ください。

2. 症状と自然歴|「足から始まる」緩徐進行性の障害

CMTの発症年齢は原因遺伝子や変異の性質によって大きく異なりますが、最も一般的には小児期から若年成人期にかけて最初の症状が顕在化します。疾患の進行は数十年単位で極めて緩徐であり、多くの患者は生命予後に大きな影響を受けないまま長期の経過をたどります。[1]

典型的な運動症状の進行パターン

典型的な臨床像は、両側対称性かつ緩徐進行性の遠位部運動感覚ニューロパチーです。障害は通常、神経細胞体からの距離が最も遠い下肢遠位部(足部および下腿)から始まり、数年から数十年かけて上肢遠位部(手・前腕)へと上行性に波及します。[1]

🦶 初期症状(足・下腿)

  • つまずきやすい・段差で足先が引っかかる
  • 下垂足(つま先が上がらない)→ 鶏歩(高く膝を上げる歩き方)
  • 凹足(ハイアーチ)・槌趾(ハンマートゥ)
  • 腱反射の低下または消失(早期から)
  • 下腿の筋萎縮「コウノトリの脚」「逆シャンパンボトル」

✋ 進行期症状(手・上肢)

  • 手の内在筋の萎縮・「鷲手」変形
  • ボタン留め・箸・筆記など細かい動作の困難
  • 前腕の筋力低下
  • 一部では感音難聴(聴神経関与例)

🧠 感覚症状

  • 振動覚の低下(最も早期かつ鋭敏な所見)
  • 痛覚(ピン刺し覚)・温度覚の低下
  • 関節位置覚の障害
  • 「靴下を履いているような」感覚鈍麻

疼痛:「痛くない病気」という誤解

歴史的な医学文献においてCMTは「無痛性(painless)」と記述されることが多くありましたが、現代の臨床研究では、疼痛が患者の生活の質(QOL)を著しく損なう主要な因子であることが再認識されています。CMTにおける疼痛は2種類に分類されます。[4]

  • 侵害受容性疼痛:骨格変形・関節への異常負荷・姿勢異常が原因の「整形外科的な痛み」
  • 神経障害性疼痛:神経線維自体の損傷による「しびれ・チクチク感・灼熱感・アロディニア(軽い刺激で生じる痛み)」。CMT1A患者の約30%に認められ、MPZ変異型でより高頻度

神経障害性疼痛を抱える患者群は、上肢機能パフォーマンスの低下・日常生活動作の障害・うつ病の有病率上昇と有意に相関することが報告されています。[4]

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【”足のクセ”を見逃さない視点】

CMTは、最初は「運動が苦手」「よく捻挫する」「靴が合わない」という、一般的には病気として見えにくいサインから始まることが多い疾患です。臨床遺伝専門医として遺伝カウンセリングを行う立場から文献を踏まえると、凹足や足下垂が明らかになる前でも、歩き方・疲れ方・腱反射の有無にすでに重要なヒントが隠されています。

大切なのは「気づいたタイミングで評価する」こと。神経伝導検査と遺伝子パネル検査でタイプが分かると、生活設計と家族への説明が一気に整理できます。原因遺伝子が判明すれば、将来的に疾患修飾薬の適応対象になるかどうかの判断にも直結します。

3. 分類体系のパラダイムシフト:伝統的分類からMagy新分類へ

CMTの分類は、分子遺伝学が未発達であった時代から、臨床所見・電気生理学的特徴(正中神経の運動神経伝導速度:NCV)・家系図から推測される遺伝形式に基づいて体系化されてきました。しかし1990年代以降の遺伝子解析技術の進歩に伴い、従来の英数字によるナンバリングシステムは論理的な破綻をきたしつつあります。[2]

従来の電気生理学的分類(伝統的)

分類 NCV基準 遺伝形式 代表例
CMT1(脱髄型) 35 m/s未満 常染色体顕性(優性) CMT1A(PMP22重複)、CMT1B(MPZ)
CMT2(軸索型) 45 m/s以上 常染色体顕性(優性) CMT2A(MFN2)
DI-CMT(優性中間型) 35〜45 m/s 常染色体顕性(優性) 同一家系内で混在
CMT4(劣性型) 多様 常染色体潜性(劣性) SH3TC2(CMT4C)、GDAP1
CMTX(X連鎖型) 中間〜軸索型 X染色体連鎖 CMTX1(GJB1)

💡 用語解説:NCV(神経伝導速度)

末梢神経に電気刺激を与え、信号がどれくらいの速さで伝わるかを測る検査です。健常成人では上肢50 m/s以上、下肢40 m/s以上が正常範囲の目安です。脱髄型CMTでは速度が著しく低下し(35 m/s未満)、軸索型では速度は比較的保たれながら信号の振幅が低下します。この「速度か振幅か」の区別がCMTのタイプ分けと遺伝子検査戦略を決める出発点になります。

Magy新分類(2018年〜):遺伝子ベースの論理的命名法

次世代シーケンシングの普及により100を超える原因遺伝子が特定される中で、単一の遺伝子変異(例えばMPZ)が脱髄型・軸索型・中間型のいずれの表現型も引き起こし得ることが明らかになり、従来の英数字分類は生物学的実態を正確に反映しないものとなりました。2018年にMagy博士らは、「遺伝形式」「神経生理学的表現型」「原因遺伝子名」の3要素をハイフンで連結する新分類システムを提唱しました。[2]

従来分類 Magy新分類 原因遺伝子
CMT1A AD-CMTde-PMP22 PMP22重複
CMT1B / CMT2I/J AD-CMTde-MPZ / AD-CMTax-MPZ MPZ(同一遺伝子が複数の表現型)
CMT2A AD-CMTax-MFN2 MFN2
CMTX1 XL-CMT-GJB1 GJB1

この新体系により、「CMT1BもCMT2Iも同じMPZ遺伝子の変異から生じる」という生物学的実態を論理的に整理することが可能となりました。精密医療(プレシジョン・メディシン)時代に向けた標準的な命名法として医学界全体での採用が期待されています。[2]

4. 疫学と日本固有の遺伝学的プロファイル

CMTは遺伝性末梢神経疾患の中で最も有病率が高く、世界的な疫学調査では約2,500人に1人(10万人あたり約40人)と推定されています。全世界で約260万〜300万人が影響を受けていると考えられています。[1]

日本における有病率は、歴史的に欧米と比較して低い(約10,000人に1人)と認識されてきましたが、鳥取県などを対象とした地域ベースのコホート研究により、10万人あたり10.8人というより精緻な有病率が算出されています。この結果は、軽度の表現型を示すCMT患者が多数存在し、確定診断に至らず過小評価されていた可能性を示唆しています。[5]

日本の大規模NGS解析(1,005例)が明らかにした遺伝学的ランドスケープ

2012年〜2016年に実施された日本全国のCMT疑い1,005名を対象とした大規模NGS(次世代シーケンシング)解析では(PMP22重複・欠失例は事前除外)、301例(30.0%)において40の異なる遺伝子に病的変異が特定されました。最多上位3遺伝子はGJB1(21.9%)・MFN2(21.9%)・MPZ(16.9%)で、この3遺伝子だけで変異陽性例の6割以上を占める結果でした。[6]

日本における主要CMT原因遺伝子の割合(変異陽性例 n=301)

PMP22重複・欠失を事前除外した1,005例中の陽性例 ※Takashima H et al., JNNP 2019

GJB1(コネキシン32・X連鎖型)21.9%
MFN2(ミトフシン2・軸索型)21.9%
MPZ(ミエリンタンパク質ゼロ・脱髄型)16.9%
その他(37遺伝子)39.3%

日本国内の地域差(ファウンダー効果)

同研究では日本国内の地域間における原因遺伝子分布の明確な偏りも確認されました。北海道地方では変異陽性例の半数以上をMFN2変異が占め、MPZ変異例は1例も同定されませんでした。対照的に中部日本(関東・近畿地方)ではGJB1関連CMTがより優勢で、四国地方ではNEFL遺伝子変異の発生頻度が特徴的に高いという固有のプロファイルが確認されています。[6]

⚠️ 臨床的示唆:これらの知見は、日本においては単一の画一的な遺伝子パネルに依存するのではなく、各地域の遺伝的ランドスケープを考慮したテーラーメイドな診断アルゴリズムの構築が有用であることを示唆しています。

5. 分子遺伝学的病態と主要原因遺伝子の機能

CMTの原因として特定されている100以上の遺伝子は、ミエリンの形成と維持・長距離軸索輸送・ミトコンドリアの動態管理・エンドソーム輸送・アミノアシルtRNA合成など、末梢神経細胞の生存と機能発現に不可欠な多岐にわたる細胞内経路を制御しています。[2]

PMP22遺伝子:世界最多のCMT原因(CMT1A)

全世界のCMT症例の約50%を占める最多サブタイプがCMT1Aであり、第17番染色体短腕(17p11.2)に位置するPMP22(末梢神経ミエリンタンパク質22)遺伝子の重複変異によって引き起こされます。詳細は17p11.2・PMP22重複の解説ページをご参照ください。[7]

💡 用語解説:コピー数重複(重複変異)とは?

通常、遺伝子は父親から1コピー・母親から1コピーの計2コピーを持ちます。CMT1Aでは17番染色体短腕の1.5 Mb(メガベース)領域が重複し、PMP22遺伝子が3コピー(ヘテロ接合体)になります。過剰なPMP22タンパク質は細胞内に蓄積して毒性を持ち、シュワン細胞の髄鞘形成を阻害して深刻な伝導遅延をもたらします。同じ17p11.2領域の欠失(コピー数が1個になる)は、CMTとは別の疾患「HNPP(遺伝性圧迫性ニューロパチー)」を引き起こします。

MPZ遺伝子:脱髄型〜軸索型まで多彩な表現型

ミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)遺伝子の変異はCMT1の5〜10%を占め、フレームシフト変異などにより変異タンパク質がニューロンの小胞体(ER)内に大量に凝集します。この異常タンパク質の蓄積は過度な小胞体ストレス応答を引き起こし、最終的にシュワン細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導します。[2]

重要な臨床的特徴として、MPZ変異は脱髄型(CMT1B)だけでなく軸索型(CMT2I/J)や中間型も引き起こします。さらに新生突然変異(de novo変異)の割合が約25%と、PMP22重複(約1.3%)と比較して極めて高く、家族歴がない症例でも積極的に疑う必要があります。[2]

💡 用語解説:de novo変異(新生突然変異)とは?

両親には存在せず、子どもで初めて生じた遺伝子変異のことです。「遺伝」という言葉から「親から子に伝わるもの」とイメージされますが、de novo変異は突然変異として精子または卵子の形成時に自然に発生します。家族歴がなくてもCMTを発症する理由の一つです。MPZ変異ではこのde novo変異の比率が特に高い(約25%)ため、「親に症状がないから遺伝性疾患ではない」と誤解して診断が遅れるケースに注意が必要です。

GJB1遺伝子:X連鎖型CMTの90%

ギャップ結合タンパク質ベータ1(GJB1)遺伝子の変異はX連鎖性CMT(CMTX)の約90%を占めます。この遺伝子はシュワン細胞のミエリン鞘層間を接続し、イオンや小分子の輸送経路を形成するコネキシン32(Cx32)タンパク質をコードしています。この機能の破綻により、軸索とグリア細胞間の代謝的・電気的恒常性が崩壊し、脱髄と軸索変性が混在した表現型を呈します。[2]

X連鎖性であるため男性で重症化しやすい一方、女性保因者でも症状が発現することがあります。また中枢神経系のミエリンにも発現するため、一部の患者では一過性の白質脳症などのCNS症状を伴うことがあります。家族歴上は常染色体顕性遺伝のように見える場合があるため注意が必要です。X連鎖遺伝の詳細はX染色体連鎖遺伝の解説ページをご参照ください。[2]

MFN2遺伝子:軸索型CMTの最頻原因・ミトコンドリア輸送の破綻

ミトコンドリアの外膜に局在し、ミトコンドリアの融合プロセスに関与するミトフシン2(MFN2)遺伝子の変異は、軸索型CMT(CMT2)の最も一般的な原因です。ヒトの体内で最長となる末梢神経の軸索末端までミトコンドリアを効率的に輸送し局所でエネルギーを供給するメカニズムが破綻することで、神経終末における深刻なエネルギー枯渇と軸索の逆行性退縮(ダイバック現象)が引き起こされます。[2]

一部の患者では視神経萎縮を合併する表現型も示します。軸索輸送とモータータンパク質の詳細についてはダイニンの解説モータータンパク質の解説もご参照ください。

遺伝子 病態メカニズム 表現型の特徴
PMP22 過剰発現によるシュワン細胞毒性・髄鞘形成阻害 脱髄型CMT1A(全CMTの約50%)
MPZ ERストレス→シュワン細胞アポトーシス 脱髄・軸索・中間型(de novo変異25%)
GJB1 コネキシン32欠損→軸索・グリア間の恒常性崩壊 CMTX1(男性重症・女性保因者でも発症)
MFN2 ミトコンドリア輸送破綻→軸索末端エネルギー枯渇 軸索型CMT2A(視神経萎縮合併例も)
SORD ソルビトール蓄積→軸索への直接毒性 CMT-SORD(新規同定・治療標的として注目)

6. 鑑別診断|CMTと紛らわしい疾患群

CMTの正確な診断を行うためには、類似した多発性末梢神経障害の症状を呈する他の広範な疾患群を体系的に除外していくことが不可欠です。鑑別すべき疾患は大きく3つのカテゴリーに分類されます。[2]

全身性障害・複雑な遺伝性神経疾患との鑑別

失明・てんかん発作・認知症・知的障害といった中枢神経系の重篤な症状は、純粋なCMTの表現型には原則として含まれません。これらが認められる場合は、より広範な全身性疾患群を強く疑う必要があります。[2]

疾患名 原因遺伝子 CMTと鑑別すべき主要な所見
フリードライヒ運動失調症 FXN(AR) 深部感覚消失・凹足を伴うが、顕著な小脳性運動失調・心筋症が特徴
家族性アミロイドポリニューロパチー TTR(AD) 深刻な自律神経障害・心筋症・腎機能障害、アミロイド沈着
レフサム病 PEX7/PHYH(AR) 末梢神経障害+嗅覚脱失・網膜色素変性症・難聴・魚鱗癬
PHARC症候群 ABHD12(AR) 多発ニューロパチー+難聴・運動失調・網膜色素変性・白内障

遠位型ミオパチーとの鑑別:「神経か筋肉か」

遠位型ミオパチー群はCMTと同様に下肢遠位部に進行性の筋力低下と萎縮をきたしますが、CMTが神経の障害であるのに対し、ミオパチーは筋線維自体の障害であるため、神経伝導検査の結果は正常範囲にとどまり、筋電図・筋生検において筋原性変化が確認される点で鑑別が可能です。代表的な遠位型ミオパチーとして、三好型ミオパチー(DYSF変異・ふくらはぎ特異的)、野中型ミオパチー(GNE変異・前脛骨筋特異的)などが挙げられます。[2]

後天性ニューロパチーの除外

コントロール不良の糖尿病・ビタミンB12欠乏症・甲状腺機能障害・アルコール依存症・HIV感染・重金属中毒などの後天的原因も、臨床的にCMTと酷似した末梢神経障害を引き起こします。また慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)などの自己免疫性ニューロパチーやパラネオプラスティック症候群も鑑別対象となります。[2]

7. 臨床管理と神経毒性薬剤の厳格なリスク管理

現在まで規制当局に承認されたCMTの根本的治癒をもたらす治療薬は存在しません。そのため疾患の管理は、患者の身体機能を最大限に維持しQOLを向上させるための支持療法・対症療法が中心となります。[1]

🚶 歩行・転倒予防

  • AFO(短下肢装具)で足下垂を補正
  • インソール・靴型装具で足底負担分散
  • 住環境整備(段差・手すり・夜間照明)

🏃 リハビリテーション

  • アキレス腱の拘縮予防(毎日のストレッチ)
  • 低負荷筋トレ・有酸素運動
  • 作業療法(手作業の工夫・自助具)

🏥 整形外科的治療

  • 凹足・槌趾の矯正(腱移行・骨切り・固定)
  • アキレス腱延長術・足部関節固定術
  • 変形が固まる前の早期評価が重要

神経毒性薬剤(Neurotoxic Drugs)による「ツー・ヒット」の回避

CMT患者の臨床管理において最も重大かつ直接的に機能予後に関わるのが、神経毒性を持つ特定薬剤の投与回避です。CMT患者の末梢神経は遺伝的な機能不全を抱えて極めて脆弱な状態にあるため、そこに神経毒性薬剤が加わると「ツー・ヒット(二重の打撃)現象」が引き起こされ、健常者では考えられないほど劇的かつ不可逆的な神経障害の悪化をもたらします。[8]

🚨 絶対的禁忌(High Risk):投与厳禁

  • ビンクリスチン(Vincristine):ビンカアルカロイド系抗がん剤。微小管への結合により長距離軸索輸送を完全に遮断。無症状の潜在的CMT患者(例:未発症のCMT1A児)が微量投与だけで急速・重度の多発神経障害を発症し、初めてCMTと診断されるケースが多数報告されています。いかなる状況でも厳格に禁忌。[8]
  • タキサン系抗がん剤(パクリタキセル・ドセタキセル等):ビンクリスチンと同様に微小管ネットワークに直接作用し、極めて高い末梢神経毒性リスクを持ちます。[9]
リスクカテゴリー 代表的薬剤名 ガイドラインの推奨
絶対的禁忌(High Risk) ビンクリスチン、タキサン系(パクリタキセル等) 既存の脆弱な軸索輸送システムを崩壊させ不可逆的神経損傷を招くため完全禁止
中等度〜重大なリスク アミオダロン、シスプラチン、フルオロキノロン系、コルヒチン(長期)、サリドマイド誘導体 神経毒性の報告あり。癌治療等で不可欠な場合は神経機能の綿密なモニタリングを条件に使用を検討
無視できる/疑わしいリスク アミトリプチリン、シメチジン、サルファ剤等 CMTAによる2022年包括的レビューでは、CMT患者において健常者以上の特段のリスク増加は認められないと結論

2022年にCMTAが実施した毒性リストの体系的レビューによれば、ビンクリスチンとタキサン系を除く大半の薬剤については確固たる証拠は乏しく、リストに掲載されているからといって機械的に有益な治療機会を奪うべきではないと強く勧告されています。[9]

8. 2026年最新:疾患修飾治療(DMT)と臨床試験パイプライン

長らく対症療法に依存してきたCMT治療は、分子標的アプローチと遺伝子治療の飛躍的な進歩により、疾患の根本原因に介入する「疾患修飾治療(Disease-Modifying Therapies: DMT)」の実用化という歴史的転換点を迎えています。[3]

CMT1A:PXT3003の挫折と新世代アプローチ

これまでCMT1A治療のフロントランナーであったPXT3003(バクロフェン・ナルトレキソン・D-ソルビトールの低用量配合剤)は、最終的な有効性を検証する第3相「PREMIER試験」において統計的に有意な改善を証明することができず、開発元のPharnext社は2024年に破産宣告に至りました。この失敗は既存薬再利用戦略の限界を示すものでした。[10]

PXT3003の停滞と入れ替わるように注目されているのが、韓国のENCell社が開発する同種間葉系幹細胞療法「EN001」です。臍帯組織(ウォートン・ジェリー)由来の幹細胞を静脈内投与するこのアプローチは、注入細胞が分泌するパラクライン因子(神経栄養因子)を介して変性した髄鞘の再髄鞘化を促進します。2026年5月より第2a相臨床試験において最初の患者への投与が韓国の主要大学病院で開始されました。[3]

遺伝子サイレンシングアプローチも臨床応用が迫っています。Novartis社(旧DTx Pharma)は化学修飾スクアレン結合型siRNA「DTx-1252」の前臨床開発を完了し、治験薬申請(IND)の準備を進めています。アンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)やCRISPR/Cas9を用いたエピジェネティックな転写抑制戦略も動物モデルで成功を収めています。[3]

CMT-SORD:Govorestatの開発停止と今後

SORD遺伝子の機能喪失によりソルビトールが蓄積し末梢神経軸索を変性させる「CMT-SORD」に対して開発されたGovorestat(AT-007)は、アルドース還元酵素阻害薬として注目を集めました。INSPIRE試験(第2/3相)の24ヶ月データでは血中ソルビトール濃度の有意な低下とMRI上の疾患進行遅延が確認されましたが、主要評価項目(10メートル歩行テスト)では統計的有意差に達しませんでした。[11]

2026年4月17日、Cycle Pharmaceuticals(Applied Therapeuticsを2026年初頭に買収した企業)は、CMT-SORDに関するすべての臨床試験を一時停止すると発表しました。規制当局(FDA)への承認申請に必要な追加データを検討するためとされており、開発を完全に中止するものではないとしています。これは2026年現在の最新情報であり、リサーチ作成時点(2025年)の「NDA申請準備中」という記述は現在更新が必要な状況です。[12]

軸索保護と機能回復を狙う革新的アプローチ

特定の遺伝子変異に依存しない広範な軸索型CMTに対しては、軸索変性そのものを防止するアプローチが臨床段階に入っています。[3]

  • HDAC6阻害薬(AGT-100216、CKD-510):微小管のアセチル化を回復させ、停滞していた末梢神経への軸索輸送を再活性化。現在CMT1・CMT2を対象とした第1相臨床試験が進行中
  • SARM1経路阻害薬:神経損傷時に「軸索死プログラム」を実行するSARM1を薬理学的に阻害。前臨床モデルでCMT2A(MFN2変異)における軸索変性を強力に抑制
  • ClC-1モジュレーター「NMD670」:筋形質膜の塩化物イオンチャネル(ClC-1)を調整し神経筋接合部の電気的伝達効率を向上。CMT1・CMT2対象の第2a相SYNAPSE-CMT試験(NCT06482437)で現在評価中

CMT疾患修飾治療(DMT)主要パイプライン進行状況(2026年現在)

EN001(ENCell)/ CMT1A・細胞療法
Phase 2a 開始
NMD670(NMD Pharma)/ CMT1&2・ClC-1
Phase 2a
HDAC6阻害薬(AGT-100216、CKD-510)
Phase 1
siRNA/ASO(DTx-1252等)/ CMT1A・PMP22
前臨床/IND準備
Govorestat(CMT-SORD)
臨床試験一時停止(2026年4月)
PXT3003(Pharnext)/ CMT1A
開発中止(破産)

2026年6月現在。各試験の進捗は変動する場合があります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【治療のない時代の終わりの始まり】

CMTは私が臨床遺伝専門医として遺伝カウンセリングを担ってきた疾患群の一つです。「原因は分かったが、治療できないことをどう伝えるか」という場面が長く続きました。それが2026年には、細胞療法・遺伝子サイレンシング・軸索保護薬の複数が後期臨床試験に達し、原因遺伝子の同定が直接「どの治療の候補になるか」につながる時代になりました。

GovorestatのCMT-SORDにおける臨床試験一時停止は確かに残念な知らせですが、主要評価項目は外れても24ヶ月のMRIデータでは疾患進行の遅延が示されており、希少疾患の開発にはこうした山あり谷ありの経過が付き物です。大切なのは、遺伝子型を正確に確定しておくこと。将来の治療選択肢につながる「切符」を今から準備する、というのが、現時点で私が患者ご家族にお伝えできる最も誠実なメッセージです。

9. 遺伝カウンセリングと診断アルゴリズム

CMTは遺伝形式が多様(常染色体顕性・常染色体潜性・X連鎖)であるため、「誰にどのくらい遺伝するか」を整理するには遺伝カウンセリングが不可欠です。[2]

📋 遺伝カウンセリングで整理すること

  • 臨床像(脱髄型/軸索型/混合)と家族歴の一致確認
  • 遺伝形式:常染色体顕性(優性)・常染色体潜性(劣性)・X連鎖の確定
  • 家族の誰が検査対象か(症状の有無にかかわらず)
  • 将来的な疾患修飾治療の候補になり得るかの事前評価

出生前診断について

CMTは多くが小児期〜成人期に発症し、生命予後が良好で重症度の幅が大きい疾患です。そのため出生前診断の扱いには倫理的な論点があります。家族内で原因が確定している場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)で評価を検討する選択肢がありますが、「何を意味するのか」「どう受け止めるか」の整理は個別性が高く、臨床遺伝専門医との遺伝カウンセリングで丁寧に行うことが重要です。

検査の種類 位置づけ ポイント
NIPT スクリーニング 疾患により解釈が異なる場合あり。結果の意味は遺伝カウンセリングで整理
羊水検査+遺伝子解析 確定診断 家族内で変異が確定している場合、ターゲット遺伝子の検索が可能
絨毛検査+遺伝子解析 確定診断 妊娠初期に実施可能。適応と限界を事前に遺伝カウンセリングで整理

よくある質問(FAQ)

Q1. シャルコーマリートゥース病は「遺伝する」のですか?

はい、CMTは遺伝性疾患ですが、遺伝形式によって「どのくらい遺伝するか」が大きく異なります。最も多い常染色体顕性(優性)遺伝型(CMT1Aなど)では、罹患した親から子への遺伝確率は理論上50%です。一方、常染色体潜性(劣性)遺伝型(CMT4など)では両親がともに保因者の場合に25%の確率で発症します。また、MPZ変異では約25%がde novo変異(新生突然変異)であり、家族歴がないケースも少なくありません。遺伝形式の確定と再発リスクの正確な評価には、遺伝子検査と遺伝カウンセリングが必要です。

Q2. CMT1AとCMT2Aでは症状が違うのですか?

いくつかの違いがあります。CMT1A(PMP22重複による脱髄型)は通常5〜25歳に緩徐に発症し、神経伝導速度が著しく遅延(35 m/s未満)します。感覚障害も比較的早期からみられます。CMT2A(MFN2変異による軸索型)は神経伝導速度は比較的保たれますが、若年発症の場合は重症化することがあり、一部では視神経萎縮を合併します。ただし臨床的な重複は大きく、確実な鑑別には遺伝子検査が必要です。どちらも進行は緩徐であり、多くの患者さんは長期にわたって生活の質を保つことが可能です。

Q3. 日本でCMTの遺伝子検査を受けるにはどうすればいいですか?

日本ではNGS(次世代シーケンシング)を用いたCMT遺伝子パネル検査が専門施設で実施されています。当院ではCMT59遺伝子NGSパネル検査を提供しており、原因が特定されていない方でも一度に多くの関連遺伝子を検索することができます。遺伝子検査の前後には臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで結果の意味と家族への影響を丁寧に整理します。まずはご相談からどうぞ。

Q4. CMTの患者がビンクリスチンを投与されてはいけない理由を教えてください

ビンクリスチンは白血病や一部の固形癌に使われる抗がん剤ですが、微小管への結合によって神経細胞内の長距離軸索輸送を遮断する毒性を持ちます。健常者でも神経毒性が問題になりますが、CMT患者ではもともと末梢神経が脆弱な状態にあるため、微量の投与でも「ツー・ヒット」効果により急速・重度・不可逆的な神経障害悪化を引き起こします。無症状でCMTと診断されていなかった患者が髄芽腫などの治療でビンクリスチンを投与されたことで重篤な神経障害が顕在化し、初めてCMTと判明したケースが世界中で報告されています。CMTの診断がついていれば、担当医に必ず申告し代替薬の検討を依頼することが非常に重要です。

Q5. CMTは車椅子が必要になりますか?命に関わりますか?

多くのCMT患者は生命予後に大きな影響を受けることなく、数十年にわたって生活を送ります。重症型(特にCMT4などの常染色体潜性遺伝型や早期発症例)では車椅子が必要になる場合もありますが、最も多いCMT1AやCMTX1では、装具やリハビリを適切に活用することで長期にわたって歩行を維持できるケースが大多数です。疾患の進行速度や重症度は遺伝子型・変異の種類・個人差によって大きく異なるため、原因遺伝子の特定と定期的な専門医フォローが重要です。

Q6. CMTX1(GJB1変異)は女性にも発症しますか?

はい、女性保因者でも症状が発現します。X連鎖性遺伝であるため、男性(Y染色体を持つため変異X染色体が1本だけ)では重症化しやすい傾向がありますが、女性保因者でも片方のX染色体にGJB1変異を持つ場合、X染色体不活性化(ライオン化)のパターンによっては比較的軽い〜中等度の症状が出ることがあります。また家族歴上は「男性が重症で女性が軽症または無症状」という独特のパターンが常染色体顕性遺伝と区別するヒントになります。X染色体不活性化について詳しくは当院のX染色体連鎖遺伝の解説ページをご参照ください。

Q7. CMT-SORDとは何ですか?新しい疾患ですか?

CMT-SORDは、SORD(ソルビトール脱水素酵素)遺伝子の機能喪失変異により体内にソルビトールが蓄積し、その毒性が直接的に末梢神経の軸索を変性させる常染色体潜性遺伝の軸索型ニューロパチーです。数年前に新たに同定された比較的新しいサブタイプであり、これまで「原因不明のCMT」や「遺伝性末梢神経障害」と診断されていた患者の中にCMT-SORDが含まれていた可能性があります。尿中ソルビトールアッセイによる簡便なスクリーニングが普及しつつあり、これまで見逃されていた患者の早期発見が促進されることが期待されています。2026年4月には治療薬開発の試験が一時停止されましたが、引き続き研究が継続されています。

Q8. CMTと診断された場合、子どもへの検査はすべきですか?

これは非常にデリケートで個別性の高い問いかけです。CMTは成人発症が多く生命予後が良好であるため、症状のない小児への遺伝子検査を一律に推奨するのは医学的・倫理的観点から慎重な判断が求められます。一方で、薬剤リスク管理(特にビンクリスチンなどの絶対禁忌薬剤の回避)の観点では、遺伝子型を早期に把握しておくことに明確な利益があります。家族の状況・子どもの年齢・遺伝形式・希望に応じた個別の判断のために、臨床遺伝専門医との遺伝カウンセリングを強くお勧めします。「知る権利」と「知らないでいる権利」の両方を大切にする姿勢で、ご家族の意思決定を支援します。

🏥 CMT・遺伝性末梢神経疾患のご相談

シャルコーマリートゥース病の遺伝子検査・遺伝カウンセリング
原因遺伝子の特定から家族への説明まで
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにお気軽にご相談ください。

参考文献

  • [1] Charcot–Marie–Tooth disease – Wikipedia. [Wikipedia]
  • [2] Bird TD. Charcot-Marie-Tooth Hereditary Neuropathy Overview. 1998 Sep 28 [updated 2025 Nov 20]. In: Adam MP et al., editors. GeneReviews® [Internet]. University of Washington, Seattle. [NCBI NBK1358]
  • [3] Towards a Cure for CMT. ECMTF D.4.2 Report. 2026. [ECMTF]
  • [4] Charcot-Marie-Tooth disease: a review of clinical developments and its management – What’s new in 2025? Taylor & Francis. [Taylor & Francis]
  • [5] Kurihara S, Adachi Y, Wada K, Awaki E, Harada H, Nakashima K. An epidemiological genetic study of Charcot-Marie-Tooth disease in Western Japan. Neuroepidemiology. 2002;21(5):246-250. doi:10.1159/000065643 [PubMed 12207153]
  • [6] Takashima H et al. Genetic profile and onset features of 1005 patients with Charcot-Marie-Tooth disease in Japan. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2019;90(2):195-202. [JNNP]
  • [7] Charcot-Marie-Tooth Disease – StatPearls – NCBI Bookshelf. [NCBI NBK562163]
  • [8] What Medications to Avoid With Charcot-Marie-Tooth? Inciteful Med Resources. [Inciteful Med]
  • [9] Neurotoxic drugs for CMT. CMT Research Foundation. [CMTRF]
  • [10] What is the Status of PXT3003 for CMT1A? Inciteful Med Resources. [Inciteful Med]
  • [11] CMTA-STAR Partner Applied Therapeutics Presents 24-Month CMT-SORD Data at PNS 2025. Charcot-Marie-Tooth Association. [CMTAUSA]
  • [12] Cycle Pharmaceuticals Stops Clinical Studies of Govorestat. Charcot-Marie-Tooth Association. 2026. [CMTAUSA]

関連記事

検査CMT遺伝子検査(NGSパネル)59遺伝子シャルコーマリートゥース病に関連する59遺伝子を一度に検索するパネル検査。疾患シャルコーマリートゥース病2A1型(CMT2A1)KIF1B遺伝子変異によるCMT2A1型の症状・遺伝・診断を詳説。疾患CMT1A・17p11.2とPMP22重複の詳細17番染色体短腕(17p11.2)のコピー数変化とCMT1A・HNPPの病態を解説。用語ミエリン(髄鞘)とは神経の絶縁体「ミエリン鞘」の役割・構造・医学的重要性を分かりやすく解説。基礎知識遺伝カウンセリングとは結果の意味づけや家族への説明を専門家と一緒に整理するカウンセリングの解説。基礎知識臨床遺伝専門医とは遺伝性疾患の診断・説明・意思決定支援を担う専門医の役割を解説。

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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