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グリア細胞とは?ニューロンやシュワン細胞との違い

神経膠細胞とも呼ばれる神経膠細胞は、ホメオスタシスを維持し、ミエリンを形成し、中枢神経系と末梢神経系の神経細胞に対する支持と保護を与える非神経細胞である。

グリア細胞とは?わかりやすく説明してください

グリア細胞は、脳内でニューロン神経細胞)と共に重要な役割を果たす細胞の一群です。ニューロンが情報の伝達を担うのに対し、グリア細胞はニューロンのサポートを行い、脳の健康と機能を維持するために不可欠です。グリア細胞にはいくつかの主要なタイプがあり、それぞれ異なる機能を持っています。

アストロサイト: これらの細胞は、脳の代謝を支え、ニューロンの栄養供給を助ける役割を持っています。また、脳の血液循環を調節し、神経伝達物質の再吸収や分解を行い、脳のホメオスタシス(内部環境の安定)を維持します。

オリゴデンドロサイト: これらの細胞は、ニューロンの軸索を取り巻くミエリン鞘を形成します。ミエリン鞘は、神経伝達の速度を上げる絶縁体のような役割を果たし、電気信号の迅速な伝達を可能にします。

ミクログリア: 脳の免疫系の一部として機能し、死んだ細胞や異物を取り除く貪食作用を持っています。また、シナプスの保守点検にも関わり、神経回路の維持や再編に積極的に働いています。

グリア細胞は、ニューロンの数の約10倍存在し、脳の大部分を占めています。これらの細胞は、脳の健康を維持するために、ニューロンと協力して様々な重要な機能を果たしています[1][3][4].

神経細胞(ニューロン)とグリア細胞の違いは何ですか?

神経細胞には軸索と樹状突起があります。

基本ニューロン型
神経細胞(ニューロン)とグリア細胞は、どちらも神経系を構成する主要な細胞タイプですが、彼らの役割と機能には大きな違いがあります。

● 神経細胞(ニューロン)
神経細胞は情報の伝達と処理に特化した細胞で、脳や神経系の主要な機能を担っています。神経細胞は、電気的な信号を生成し、これを神経系を通じて他の細胞へと伝達する能力を持っています。神経細胞は、細胞体、樹状突起、軸索という三つの主要な部分から構成されています。樹状突起は他の細胞からの信号を受け取り、軸索はその信号を他の細胞へと伝える役割を果たします[3].
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● グリア細胞
一方、グリア細胞は「神経のサポート細胞」とも呼ばれ、神経細胞の機能を支える多様な役割を持っています。グリア細胞にはいくつかのタイプがあり、それぞれ異なる機能を持ちます。例えば、アストロサイトは神経細胞の栄養供給や代謝のサポートを行い、オリゴデンドロサイトは中枢神経系で神経細胞の軸索をミエリン鞘で覆い、信号の伝達速度を向上させます。ミクログリアは脳内の免疫細胞として機能し、病原体や死んだ細胞の除去を行います[2][5].

● 主な違い
– 機能の違い: ニューロンは情報の伝達に特化しているのに対し、グリア細胞はニューロンのサポート、保護、栄養供給、および脳内環境の維持など、より多岐にわたるサポート機能を担っています。
– 数の違い: 人間の脳には約1000億個のニューロンが存在する一方で、グリア細胞はその数倍存在します[2].

これらの違いにより、神経細胞とグリア細胞は神経系内で補完的な役割を果たし、脳の正常な機能を維持しています。

シュワン細胞とグリア細胞の違い

シュワン細胞とグリア細胞は、神経系において重要な役割を果たす細胞ですが、その機能と存在する場所に違いがあります。
髄鞘は、中枢神経系ではオリゴデンドロサイト、末梢神経系ではシュワン細胞によって形成されます。これらの細胞は神経細胞の軸索を取り巻き、電気信号の伝達速度を高める役割を持っています。髄鞘は軸索を均一に覆うわけではなく、ランビエ絞輪と呼ばれる間隔が存在します。ランビエ絞輪は髄鞘の間に位置し、ここでのみ活動電位が発生するため、信号の跳躍伝導を可能にします。

● シュワン細胞
シュワン細胞は、主に末梢神経系に存在し、神経繊維の軸索を取り囲んで髄鞘を形成します。この髄鞘は、神経伝達の速度を高めるために重要であり、電気信号の効率的な伝達を支援します。シュワン細胞は、一つの軸索に対して一つの細胞が髄鞘を形成する構造を持っています[4][6][7].

● グリア細胞
グリア細胞は、中枢神経系(脳と脊髄)において多様なタイプが存在し、シュワン細胞とは異なり、複数の軸索に対して髄鞘を形成することができるオリゴデンドロサイトを含みます。グリア細胞は、神経細胞のサポート、栄養供給、死細胞の除去、そして髄鞘の形成など、神経系の保守と機能維持に幅広い役割を果たします[2][3][5].

● 主な違い
– 存在場所: シュワン細胞は末梢神経系に、グリア細胞は中枢神経系に主に存在します。
– 髄鞘形成: シュワン細胞は一つの軸索に対して一つの細胞が髄鞘を形成しますが、オリゴデンドロサイト(グリア細胞の一種)は一つの細胞で複数の軸索に髄鞘を形成することができます。
– 機能の多様性: グリア細胞はシュワン細胞よりも多様な機能を持ち、神経細胞のサポートに加えて、脳の免疫応答やホメオスタシスの維持に関与しています[3][4].

これらの違いにより、シュワン細胞とグリア細胞は神経系の異なる部分で特有の役割を果たしています。

ミクログリア

ミクログリアは中枢神経系に存在するグリア細胞の一種で、脳と脊髄に常在するマクロファージとしての機能を持ちます[1][2][3][4]. これらの細胞は、脳内の免疫担当細胞として知られ、中枢神経系の健康と機能を維持するために重要な役割を果たしています。

ミクログリアは、通常は小さな細胞体から多数の突起を伸ばしている形態をしており、この状態では「ラミファイド型」と呼ばれます[2][3]. これらの突起を使って脳内を監視し、ニューロンや他の細胞の健康状態をチェックします。異常が検出されると、ミクログリアは活性化し、細胞体が肥大化し突起が短縮する「アメボイド型」へと形態を変化させます[2][3][4]. この活性化状態では、ミクログリアは異物や死細胞を除去し、炎症反応を調節し、必要に応じて修復や保護因子を放出することで脳の健康を支えます。

また、ミクログリアは発生学的に他の神経系細胞と異なり、中胚葉由来であり、胎生期の卵黄嚢で発生する前駆細胞から誕生します[2]. これらの細胞は脳へ移動し、分化しながらミクログリアになります。ミクログリアは脳内でのシナプスの刈り込みや、神経回路の形成にも関与し、発達期だけでなく成体の脳においても重要な役割を持っています[3][6].

ミクログリアの活性化は、神経保護と神経障害の両方の効果を持つことが知られており、過剰に活性化すると神経疾患の進行に寄与することもあります[4]. このため、ミクログリアの機能と調節メカニズムの理解は、神経疾患の治療戦略を開発する上で非常に重要です。
ミクログリアは、脳の免疫細胞であり、傷害や病気から脳を守る役割を果たしています。ミクログリアは、何か問題が発生したことを認識し、有害物質を除去したり、死んだ細胞を取り除いたりする反応を起こします。このように、ミクログリアは脳のプロテクターなのです。しかし、アルツハイマー病などの神経変性疾患では、状況が異なる可能性がある。ミクログリアが過剰に活性化して神経炎症を促進し、アルツハイマー病で見られる特徴的な毒性タンパク質の沈着(アミロイド斑や神経原線維変化)を引き起こす可能性が示唆されています。最近、ミクログリアが発達中の脳で大切な役割を果たしていることがわかってきました。通常、シナプスは必要以上に作られ、最も強く、最も重要なものだけが生き残ります。ミクログリアは、不要と判断されたシナプスを捕食することで、このシナプスの選定プロセスに直接貢献しています。

マクログリア

マクログリアは、中枢神経系に存在するグリア細胞の一種で、主にアストロサイト、オリゴデンドロサイト、およびミューラー細胞を含むグループです[3][4][5][6]. これらの細胞は、神経細胞のサポート、保護、栄養供給、および神経信号の伝達効率の向上など、多様な機能を担っています。

● アストロサイト: 神経細胞の間に存在し、物理的な支持や栄養供給、神経伝達物質の回収といった役割を果たします。また、血管とニューロンの間に介在し、グルコースを乳酸に変換してエネルギーを供給することもあります[5].

● オリゴデンドロサイト: 中枢神経系において、神経軸索にミエリン鞘を形成し、神経信号の伝達速度を高める役割を持ちます。これにより、軸索径を過度に太くすることなく、インパルスの伝導速度を向上させます[5].

● ミューラー細胞: 眼の網膜に存在し、光受容体細胞のサポートや栄養供給、廃棄物の除去などを行います[3].

マクログリアは、これらの細胞が持つ特有の機能により、神経系の健康と機能の維持に不可欠な役割を果たしています。

アストロサイト

アストロサイトは、中枢神経系に存在するグリア細胞の一種で、その名前はギリシア語の「astron」(星)と「cyte」(細胞)に由来し、星のような形状をしています[8]. アストロサイトは、神経細胞(ニューロン)、血管と共に脳を構成する三大要素の一つであり、神経細胞のサポートを行う重要な役割を担っています[1].

アストロサイトの主な機能は、シナプスから放出された神経伝達物質の回収、神経細胞への栄養供給、血液脳関門の維持、および脳内環境の調整です[1][5][6]. また、アストロサイトはカルシウムイオンの濃度変動を通じて、血管の拡張や収縮を調節し、脳の各部位の活動に応じて血流をコントロールすることが知られています[2][7].

研究により、アストロサイトはグルタミン酸などの神経伝達物質を感知すると、カルシウムイオンの濃度が振動し、これが周囲のアストロサイトに伝播することが明らかにされています[3]. このカルシウム振動は、アストロサイトがニューロンの活動を感知し、それに応じて脳の機能を調節するメカニズムの一部であると考えられています.

さらに、アストロサイトは脳損傷時にも重要な役割を果たします。脳が損傷を受けると、アストロサイトは増殖し、損傷部位の修復や炎症の拡大を抑制する働きをします[4]. このようにアストロサイトは、脳の健康と機能の維持に不可欠な細胞であり、その多様な機能は神経科学の研究において重要な対象となっています[1][2][3][4][5][6][7][8].

オリゴデンドロサイト

オリゴデンドロサイトは中枢神経系に存在するグリア細胞の一種で、主にミエリン鞘(髄鞘)の形成を担当しています[2][3][4][5]. このミエリン鞘は神経細胞の軸索を覆い、電気信号の伝達速度を高めることで、神経伝達の効率を向上させます。オリゴデンドロサイトは、その特有の細胞膜を軸索に巻き付けることにより、ミエリンを形成し、絶縁体の役割を果たします[2][4][5].

オリゴデンドロサイトは「希突起膠細胞」とも呼ばれ、その名前は「少ない」を意味する「オリゴ」と「突起」を意味する「デンドロ」から来ています[3][4][7]. これは、オリゴデンドロサイトが比較的突起の少ない細胞であることを反映しています。中枢神経系の健康と機能において重要な役割を果たし、特に多発性硬化症などの神経疾患では、ミエリンが破壊されることが知られています[4].

また、オリゴデンドロサイトは神経成長因子などを分泌し、神経細胞の維持や再生にも関与しています[4]. これらの細胞は、神経細胞の軸索部分を覆うことにより、電気信号が軸索の外に漏れ出るのを防ぎ、情報の正確な伝達を支援します[2][4][5].

その他のマクログリア

中枢神経系のその他のマクログリア

●上衣細胞:上衣細胞(じょういさいぼう、英: ependymal cell)は、中枢神経系に存在する脳室系(嗅脳室、側脳室、第三脳室、中脳水道、第四脳室、脊髄中心管)の壁を構成する上皮細胞の一種です[1][2][3][4][5][6][7]. これらの細胞は、脳および脊髄内部の液体で満たされた空洞、すなわち脳脊髄液(CSF)で満たされた脳室を裏打ちしている層状組織(上衣)を形成しています。

上衣細胞は、正方形や円柱状の形をしており、脳室側には線毛や微線毛が存在します[1]. これらの線毛は、脳脊髄液の循環に関与していると考えられています[6]. 上衣細胞は、脳実質と脳脊髄液の間の髄液の恒常性維持に重要な役割を果たし、水チャネル蛋白質アクアポリン-4を豊富に含んでいます[2]. また、上衣細胞はgap結合によって互いに接続されており、細胞間コミュニケーション、イオンホメオスタシス、体積制御、隣接する細胞間の接着結合に寄与するコネキシンタンパク質を含んでいます[2].

上衣細胞は、神経板と神経管の上皮から発生し、発達する過程で有糸分裂活動を行い、脳室の裏打ちが完了した時点でその活動は終了します[2]. さらに、側脳室を取り囲む薄い層にある上衣細胞(SEZ)は、神経幹細胞の特性を示すことがわかっており、大脳皮質の損傷に対する代謝活性を持つことが示されています[2].

上衣細胞は、ウイルスや細菌感染に対する免疫反応に重要なサイトカイン及びその受容体を発現し、感染後には免疫系との相互作用に重要な細胞接着分子を発現上昇させることから、感染症に対する防御機能も持っていると考えられています[3].

これらの特徴から、上衣細胞は脳室系の構造と機能の維持に不可欠な細胞であり、脳脊髄液の生成と循環、脳実質との物質交換、および脳の免疫防御において重要な役割を果たしています[1][2][3][4][5][6][7].

●放射状グリア:放射状グリア細胞(radial glial cell)は、胎生期の中枢神経系(脳・脊髄)に存在し、神経幹細胞(神経前駆細胞)として機能する細胞です[1][3][6]. これらの細胞は、脳表面(軟膜側)まで非常に長い放射状の突起を伸ばしており、この突起は新生ニューロンが軟膜側に移動する際の足場となります[1].

放射状グリア細胞は、自己複製能と多分化能を持ち、発生初期には神経上皮細胞として自己複製を繰り返し、発生中期には放射状方向に伸びて長くなり、ニューロンや他のグリア細胞(アストロサイトやオリゴデンドロサイト)を産生するようになります[1][3]. 発生後期には、特にグリア細胞を産生するようになります[1].

放射状グリア細胞は、高い極性を持ち、脳室面側では細胞接着装置によって互いに繋ぎとめられており、基底膜方向に向かう放射状の突起は基底膜側突起と呼ばれ、突起の先端部は基底膜に接して固定されています[1]. また、ヒトなどの霊長類で特に発達した大脳皮質原基においては、外側放射状グリア細胞(outer radial glial cells, oRG cells)が豊富に存在し、これらの細胞もまた神経幹細胞として働き、進化の過程において大脳皮質の拡大に貢献したことが近年明らかになっています[1][2][7].

放射状グリア細胞は、ニューロン分化期において非対称分裂を行い、神経幹細胞とニューロンをひとつずつ産むことが観察されており、ニューロン分化期が終わるとグリア分化期に移行し、アストロサイトおよびオリゴデンドロサイトというグリア細胞を産むことが知られています[3].

末梢神経系のその他のマクログリア

●シュワン細胞:シュワン細胞は、末梢神経系に存在するグリア細胞の一種で、神経繊維(軸索)の周囲に髄鞘を形成し、維持する役割を担っています[1][2][3][4][5][6][7][8]. これらの細胞は、神経繊維を包む神経鞘を作り出し、シュワン鞘とも呼ばれます[1]. 髄鞘は神経膠の細胞膜で構成されており、軸索の周りを何層にも取り巻いています[1].

シュワン細胞は、神経伝達の効率を高めるために重要であり、髄鞘を形成することによって神経信号の伝達速度を向上させます[2][3][4][5][6][7][8]. また、神経線維の保護や栄養を提供し、神経損傷後の再生を促進する役割も持っています[4][5]. さらに、シュワン細胞はサイトカインなどの重要な栄養因子を産生し、運動・感覚ニューロンの生存や機能維持に寄与しています[2][8].

シュワン細胞は、有髄神経線維においては一つの軸索に対して一つの細胞が髄鞘を形成し、無髄神経においては複数の神経線維を一本ずつ別々に細胞質内に取り囲むことが多いです[4]. これにより、有髄神経ではランヴィエの絞輪と呼ばれる髄鞘の切れ目を利用した跳躍伝導により、信号の伝達速度が無髄神経に比べて格段に速くなります[3][6].
神経細胞ニューロンとミエリン

●サテライト細胞:サテライト細胞は、骨格筋の組織幹細胞であり、筋線維と基底膜の間に位置しています[1][2][3][4][5][6][7][8]. これらの細胞は通常、休止状態にありますが、筋肉が損傷を受けたり、運動などの物理的な刺激を受けたりすると、速やかに活性化されます[3][5][6][8].

サテライト細胞が活性化すると、増殖を始め、筋分化制御因子であるMyoDを発現して筋芽細胞になります[2][5]. 筋芽細胞は分裂を繰り返し、その後筋細胞へと分化し、複数の筋細胞が互いに融合して多核の筋管を形成します。これにより、新しい筋線維が形成されたり、既存の筋線維と融合して骨格筋が再生されます[1][2][3][4][5][6].

サテライト細胞は、筋肉の修復や再生に不可欠であり、その強力な筋再構築能力から、筋疾患治療や再生医療への応用が期待されています[1][3][4][5][6][7]. また、サテライト細胞の運命選択は巧妙に制御されており、その異常はサルコペニアや筋ジストロフィーなど様々な筋脆弱症と関連しています[5].

●腸管グリア細胞:腸管グリア細胞(Enteric Glial Cells, EGCs)は、腸管神経系(Enteric Nervous System, ENS)の構成要素であり、消化管の神経回路の構築や粘膜防御に積極的な役割を果たしていることが近年報告されています[1]. これらの細胞は、腸管神経叢だけでなく、粘膜の直下にある結合組織にも存在し、神経細胞や神経線維を支持する役割を担っています[2].

腸管グリア細胞は、カルシウム結合タンパク質であるS100やグリア細胞繊維性酸性タンパク質(Glial Fibrillary Acidic Protein, GFAP)およびSOX8、SOX9、SOX10などの転写因子を発現する細胞として特徴づけられています[2]. これらのマーカーはグリア細胞解析に広く用いられていますが、特定のサブタイプを識別しているのか、あるいは機能的な状態を識別しているのかは不明です[1].

腸管グリア細胞は、粘膜バリア機能の一部を腸内細菌とのクロストークを介して制御していると考えられており、短鎖脂肪酸(Short chain fatty acids, SCFA)などの代謝物を産生することで、宿主細胞の栄養源として利用されるだけでなく、生体恒常性の維持においても積極的な役割を果たしています[1].

研究により、腸管グリア細胞は上皮細胞の分化やバリアー機能に重要な因子を分泌することが示されており、これにはS-nitrosoglutathione, 15-deoxy-Δ-12,14-prostaglandin J2(15-d-PGJ)、transforming growth factor β1、proepidermal growth factorなどが含まれます[2].

また、腸管グリア細胞は炎症性腸疾患の研究においても重要であり、不死化ヒト腸管グリア細胞の提供が研究に利用されています[3]. これらの細胞は、消化管機能に重要な役割を果たしており、消化管グリア細胞動態とストレス応答の研究が行われています[4].

腸管グリア細胞とカルシニューリンの役割に関する研究は、小腸の機能制御や恒常性維持における腸管グリア細胞の重要性を示しています[5]. さらに、腸管神経系におけるグリア細胞の謎を解く研究が進められており、消化や病気の発生においてグリア細胞が果たす役割が注目されています[6].

炎症性腸疾患における腸管神経の機能変化に対するグリア細胞の関与についても研究が行われており、腸管グリア細胞は腸管神経細胞だけでなく、腸管を構成する他の要素とも相互作用していることが示されています[7].

ヒト消化管グリア細胞の分布・形態の解析と病態における役割の解明に関する研究も進行中であり、小腸・大腸の生検・手術切除によるサンプルを用いた研究が行われています[8].

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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