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凍結胚移植で障害児になる?ダウン症リスクの真実を遺伝専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

「凍結胚移植を勧められたけれど、受精卵を凍結すると障害児が生まれやすくなるのでは」「卵子凍結をしておけば、ダウン症のリスクは下がるの?」。体外受精を進めるなかで、こうした疑問を持つのは自然なことです。最初に結論をお伝えします。凍結胚移植そのもので、ダウン症候群などの染色体の病気や先天異常が増えるという根拠はありません。ダウン症候群の確率を左右するのは、凍結したかどうかではなく、採卵したときの年齢です。一方で、凍結胚移植ではお母さん側の妊娠高血圧症候群などに注意が必要なことも分かっています。この記事では、臨床遺伝専門医の立場から、数字と出典をそえて順に解説します。なお、ミネルバクリニックは体外受精や胚移植を行っていません。移植の方法は不妊治療の主治医と相談して決めてください。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🩺 体外受精・出生前診断
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤障害児・ダウン症のリスク → 凍結胚移植で増えるという根拠はない(採卵したときの年齢で決まる)
  • ➤卵子凍結・受精卵凍結とダウン症 → 確率は「凍結した年齢」のまま。ゼロにはならない
  • ➤ヘルシー・サバイバー効果 → 凍結・融解に耐えた胚が移植されるという考え方と、その限界
  • ➤母体側のリスク → 妊娠高血圧症候群は約1.3倍、大きめの赤ちゃんは約1.5倍
  • ➤PGT-A・体外受精後のNIPT → PGT-Aで調べていないこと、NIPTで調べられること

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 凍結胚移植(受精卵の凍結)で、障害児やダウン症は増えますか?

増えるという根拠はありません。26の研究をまとめた解析では、凍結胚移植と新鮮胚移植で先天異常の頻度に差はありませんでした。ダウン症候群などの染色体の数の異常は、主に卵子ができるときに起こるもので、凍結するかどうかとは別の話です。

🥚 Q. 卵子凍結や受精卵の凍結で、ダウン症のリスクは下がりますか?

下がるのではなく、採卵したときの年齢の確率のまま止まると考えます。35歳で採卵して40歳で移植した場合、目安になるのは40歳の約106人に1人ではなく、35歳の約385人に1人です(出生時の頻度)。ゼロにはなりません。

⚠️ Q. 凍結胚移植で気をつけることは?

赤ちゃんではなく、お母さん側です。新鮮胚移植と比べて妊娠高血圧症候群が約1.3倍、大きめの赤ちゃんが約1.5倍と報告されています。排卵をともなわないホルモン補充周期での移植では、さらに高くなります。

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ミネルバクリニックのNIPTは妊娠9週から(6〜8週は臨床研究)。陽性のときは、確定検査まで院内で受けられます。

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1. 凍結胚移植で障害児になる?結論から

【結論】 凍結胚移植だからといって、ダウン症候群などの染色体の病気が増えるという根拠はありません。染色体の数の異常は、主に卵子ができるときの細胞分裂で起こるもので、受精卵(胚)を凍結するかどうかとは別の話です。

「体外受精で凍結胚移植を勧められたけれど、障害のある子が生まれやすいのでは」「受精卵を凍結すると、赤ちゃんに影響があるのでは」。そう考えてこのページにたどり着いた方も多いと思います。大切な赤ちゃんのことですから、少しでも心配を減らしたいと思うのは当然です。

この疑問には、すでに多くのデータがあります。体外受精で生まれた単胎の赤ちゃんについて26の研究をまとめた解析では、凍結胚移植と新鮮胚移植のあいだで、先天異常の頻度にも、周産期の死亡にも差はありませんでした[1]。

染色体の病気については、起こるしくみから考えることができます。妊娠と確認されたうちの少なくとも5%には染色体の数の異常があり、トリソミー(特定の染色体が3本ある状態)の多くは、卵子ができるときの1回目の減数分裂の誤りで起こります。知られている要因のなかで最も大きいのは、母親の年齢です[2]。つまり、ダウン症候群になるかどうかは、受精の時点でほぼ決まっています。凍結や融解は、そのあとに行う操作です。

📊 凍結胚移植と障害児リスク ― 新鮮胚移植と比べた結果

項目 凍結胚移植での結果
染色体の病気(ダウン症候群など) 増えるという根拠はない。採卵したときの年齢で決まる[2]
先天異常の全体 新鮮胚移植と差なし[1]
早産・低出生体重 新鮮胚移植より少ない(早産0.90倍、低出生体重0.72倍)[1]
大きめの赤ちゃん 新鮮胚移植より多い(在胎週数のわりに大きい赤ちゃん1.54倍)[1]
妊娠高血圧症候群 新鮮胚移植より多い(1.29倍)[1]

出典:Maheshwariら(Human Reproduction Update, 2018)[1]。体外受精による単胎妊娠を対象に、26の研究をまとめた解析です。倍率は集団どうしを比べた数字で、一人ひとりの確率をそのまま表すものではありません。

💡 用語解説:染色体の数の異常とは?

ヒトの染色体は通常46本あります。この数が1本多い、または少ない状態が染色体の数の異常です。代表的なものにダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーがあります。多くは卵子や精子ができる過程で起こるため、胚を凍結するかどうかとは関係がありません。

卵子凍結・受精卵の凍結とダウン症 ― 確率は「採卵したときの年齢」で決まる

「卵子凍結をすれば、ダウン症のリスクは下がるの?」「どのくらい防げるの?」という疑問にも、同じ考え方で答えられます。卵子の染色体の数の異常は、卵子の年齢が上がるほど増えます[2]。凍結している間、卵子や受精卵の時間は止まっていると考えられています。ですから、ダウン症候群の確率は「移植したときの年齢」ではなく「採卵したときの年齢」で考えます。

たとえば35歳のときに採卵して凍結し、40歳で移植したとします。ダウン症候群の赤ちゃんが生まれる頻度は、40歳では約106人に1人、35歳では約385人に1人です(どちらも出生時の頻度)[3][4]。この場合に目安になるのは、35歳の約385人に1人のほうです。

ここで大切な点が2つあります。1つ目は、卵子凍結はダウン症の「予防」ではないということです。確率は凍結した年齢のまま残り、ゼロにはなりません。25歳でも約1,250人に1人の頻度で起こります[3][4]。2つ目は、凍結の操作そのものが染色体の数の異常を増やすわけではないということです。同じ人の卵子を、凍結したものと凍結しなかったものに分けて比べた試験では、ガラス化凍結をした卵子からできた胚で、染色体の数の異常は増えていませんでした[5]。

卵子凍結の妊娠率や、年齢ごとに必要な卵子の数は卵子凍結の妊娠率は?年齢別のデータと必要な個数で解説しています。

2. 凍結胚移植と新鮮胚移植の違い

【結論】 凍結胚移植と新鮮胚移植で、染色体の病気のリスクに差があるという根拠はありません。違いが出るのは、赤ちゃんの体重と、お母さんの血圧です。どちらにも良い点と注意点があります。

体外受精には、採卵した周期にそのまま移植する「新鮮胚移植」と、胚をいったん凍結保存して別の周期に移植する「凍結胚移植(凍結融解胚移植)」の2つの方法があります。

凍結胚移植と新鮮胚移植の比較

項目 新鮮胚移植 凍結胚移植
移植の時期 採卵した周期(採卵の2〜5日後) 採卵の次の周期以降
子宮内膜の状態 採卵のための卵巣刺激の影響が残る 卵巣刺激の影響がない周期に準備できる
染色体の病気のリスク 採卵したときの年齢で決まる 採卵したときの年齢で決まる(同じ)
先天異常のリスク 差なし[1]
出生体重 小さめの赤ちゃんが多い 大きめの赤ちゃんが多い[1][6]
妊娠高血圧症候群 凍結胚移植より少ない 1.29倍[1]
OHSS(卵巣過剰刺激症候群) 妊娠すると重くなることがある 移植を別の周期にすることで避けやすい

北欧3か国(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)の出生登録を使った研究でも、凍結胚移植で生まれた単胎の赤ちゃんは、新鮮胚移植と比べて低出生体重や早産が少なく、大きめの赤ちゃんが多いという、同じ向きの結果でした[6]。こうした違いをふまえ、先ほどの解析の著者らは、全員の胚を一律に凍結するのではなく、OHSSのおそれがある場合など、理由があるときに選ぶことを勧めています[1]。どちらの方法が合うかは、不妊治療の主治医と相談して決めてください。

💡 用語解説:OHSS(卵巣過剰刺激症候群)とは?

排卵誘発剤に卵巣が強く反応して、卵巣が腫れたり、お腹や胸に水がたまったりする状態です。重くなると入院が必要になります。凍結胚移植では採卵する周期と移植する周期を分けるため、OHSSが重くなるのを避けやすくなります。

3. ヘルシー・サバイバー効果とは

【結論】 ヘルシー・サバイバー効果とは、凍結と融解に耐えて生き残った胚だけが移植される、という考え方です。凍結胚移植で赤ちゃんの経過が悪くならない理由の1つとして挙げられますが、染色体の数の異常を減らす効果ではありません。

「凍結すると胚が傷むのでは」と心配する方は少なくありません。たしかに、凍結・融解の過程で生き残れない胚はあります。見方を変えると、移植されるのは融解したあとも生きている胚だけ、ということでもあります。

🔬 ヘルシー・サバイバー効果の考え方と限界

ポイント 内容
① 生き残った胚が移植される 凍結・融解に耐えられなかった胚は移植の対象にならない
② データで分かっていること 凍結胚移植と新鮮胚移植で、先天異常の頻度に差はない[1]
③ あくまで考え方の1つ 子宮内膜の状態の違いなど、ほかの理由も考えられている
④ 染色体の数は変わらない 染色体の数は受精の時点でほぼ決まっており、凍結で選別されるわけではない[2]

ここは誤解されやすいところです。凍結・融解に耐えたからといって、その胚の染色体が正常だとは言えません。染色体の数に異常のある胚も、凍結に耐えて着床し、育つことがあります。「凍結胚だから染色体の病気は少ない」とは考えないでください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「凍結」と「染色体」は分けて考える】

受精卵を凍結すると聞くと、何か大きな負担をかけているように感じて、赤ちゃんへの影響が心配になるのは自然なことだと思います。臨床遺伝専門医としてお伝えしたいのは、「凍結の影響」と「染色体の病気」は別々に考えたほうがよい、ということです。

凍結胚移植か新鮮胚移植かで、先天異常の頻度に差は出ていません。一方で、ダウン症候群などの確率は、採卵したときの年齢で決まります。凍結はそれを増やしも減らしもしない、というのが今のデータから言えることです。だからこそ、凍結したかどうかにかかわらず、採卵したときの年齢に応じた確率を知ったうえで、妊娠中の検査をどうするかを決めていただきたいと考えています。

4. 凍結胚移植特有のリスク(母体側)

【結論】 凍結胚移植で注意が必要なのは、赤ちゃんの染色体ではなく、お母さんの体です。妊娠高血圧症候群と、大きめの赤ちゃんが新鮮胚移植より多くなります。排卵をともなわない「ホルモン補充周期」での移植では、その傾向が強くなります。

正しく知っておけば、妊婦健診での血圧や体重の管理に生かせます。数字を確認しておきましょう。

⚠️ 妊娠高血圧症候群

26の研究をまとめた解析では、凍結胚移植は新鮮胚移植の1.29倍でした[1]。ホルモン補充周期で移植した場合は、自然周期で移植した場合の1.78倍と報告されています[7]。妊婦健診と家庭での血圧測定が大切です。

⚠️ 大きめの赤ちゃん

在胎週数のわりに大きい赤ちゃんは新鮮胚移植の1.54倍、出生体重の大きい赤ちゃんは1.85倍でした[1]。ホルモン補充周期では、自然周期と比べて巨大児が1.62倍と報告されています[7]。原因ははっきり分かっていません。

なぜ凍結胚移植で母体リスクが高くなるのか

凍結胚移植の子宮内膜の準備には、自分の排卵を利用する「自然周期」と、薬で内膜を整える「ホルモン補充周期」があります。ホルモン補充周期では排卵が起こらないため、黄体(おうたい:排卵のあと卵巣にできる組織)ができません。

黄体の数と妊娠経過を調べた研究では、黄体のない妊娠(ホルモン補充周期での凍結胚移植)94例のうち妊娠高血圧腎症は12.8%で、黄体が1つある妊娠290例の4.8%より多く、年齢などをそろえて比べると2.73倍でした[8]。一方、排卵を利用した周期での凍結胚移植では、こうした増え方はみられませんでした[8]。

💡 黄体がないことの影響

黄体は、黄体ホルモン(プロゲステロン)のほかに、血管を広げる働きをもつリラキシンなどの物質も出しています。ホルモン補充周期では黄体ホルモンと卵胞ホルモンは薬で補いますが、リラキシンなど黄体が出すほかの物質は補われません。これが血圧の上がりやすさに関係している可能性が考えられています[8]。ただし、観察にもとづく研究であり、原因と決まったわけではありません。

妊娠高血圧症候群の症状や予防については妊娠高血圧症候群とは|リスクや治療法・予防法で解説しています。どの周期で移植するかは、排卵の状態や通院の都合もふまえて、不妊治療の主治医と相談してください。

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90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

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5. PGT-Aを受けていてもNIPTを考える理由

【結論】 PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)で「正常」と判定された胚を移植しても、赤ちゃんに染色体や遺伝子の変化がないとは言い切れません。米国産科婦人科学会(ACOG)は、PGT-Aを受けた方にも、ほかの妊婦さんと同じように妊娠中の検査を案内するよう勧めています[9]。

PGT-Aは、移植する胚を選ぶための検査です。妊娠したあとの赤ちゃんを調べる検査ではありません。妊娠後のNIPTは、時期も調べるものも違う、別の検査です。

💡 用語解説:PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは?

体外受精でできた胚盤胞から細胞を5〜10個ほど採り、染色体の数の異常を調べる検査です。採るのは将来胎盤になる部分(栄養外胚葉)の細胞で、赤ちゃんの体になる部分(内細胞塊)は調べていません[9]。

PGT-Aの限界と、妊娠後の検査でできること

PGT-Aの限界 内容 妊娠後の検査でできること
調べる細胞が少ない 胎盤になる部分の細胞を5〜10個ほど調べる[9] NIPTは妊娠9週以降に、胎盤全体から母体の血液に出てくるDNAを調べる
モザイク 採った細胞と赤ちゃんの体になる部分とで、染色体が違うことがある[9] NIPTも胎盤由来のDNAを見ているため、食い違うことがある。確かめるのは羊水検査
微小欠失・重複 すべては見つけられない[9] スタンダードプランは6種類7疾患、プレミアム・ダイヤモンドプランは12種類13疾患、インペリアル・双子マックスプランは92種類
新しく起こる遺伝子の変化(de novo変異) PGT-Aの対象外[9] ダイヤモンドプランは56遺伝子、インペリアルプランは最大155遺伝子(202疾患)

NIPTはスクリーニング検査で、診断を確定する検査ではありません。PGT-Aと結果が食い違ったときや、NIPTが陽性だったときは、羊水検査や絨毛検査で確かめることが前提です。また、まれですがNIPTにも偽陰性の可能性はあります。微小欠失・重複は、染色体の数の異常と比べて陽性的中率が低め(項目によって60〜70%程度)であることも知っておいてください。

胚のグレードについても同じことが言えます。4AAなどのグレードは、顕微鏡で見た形の評価であって、染色体の数を調べたものではありません。グレードの良い胚盤胞でも、ダウン症候群などの可能性はゼロにはなりません。

⚠️ 出生前検査で調べるもの

出生前検査で調べるのは、命や発達、その後の暮らしに大きくかかわる病気です。体質の違いや、生活に大きな影響のない遺伝子の変化は対象にしていません。何を調べるかは、検査の前に臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで確認します。

6. 体外受精後の妊娠でNIPTを考える理由

【結論】 体外受精で妊娠する方は、採卵したときの年齢が高いことが多く、そのぶん染色体の数の異常の確率も高くなります。NIPTは採血だけで受けられ、ダウン症候群の検出率は99.7%と報告されています[10]。受けるかどうか、どこまで調べるかは、ご夫婦で決めることです。

長い治療を経て授かった妊娠だからこそ、「知っておきたい」と思う方も、「知らずに迎えたい」と思う方もいます。どちらも自然な気持ちです。ここでは、決めるための材料を整理します。

🏥 体外受精後の妊娠とNIPT ― 知っておきたいこと

ポイント 内容
確率は採卵時の年齢で考える 凍結胚でも、採卵したときの年齢に応じた確率になる
採血だけの検査 お母さんの腕から採血する。検査による流産のリスクはない
受けられる時期 当院では妊娠9週から。妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる
精度 35の研究をまとめた解析で、ダウン症候群の検出率99.7%、偽陽性率0.04%[10]
結果が出るまで 基本は10〜14日。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけ3〜4週間

NIPTはスクリーニング検査です。陽性のときは確定検査(羊水検査・絨毛検査)で確かめます。早い週数ほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。

母体年齢と染色体異常リスク

下の表は、母親の年齢ごとの出生時の頻度です。妊娠初期(NIPTを受ける時期)には、これより高くなります。染色体の数に異常のある赤ちゃんの一部は、生まれる前に流産になるためです。凍結した卵子や胚で妊娠した場合は、採卵したときの年齢の行を見てください。

📊 母親の年齢と染色体の数の異常(出生時の頻度)

母親の年齢 ダウン症候群 染色体異常の全体
25歳 約1,250人に1人 約476人に1人
30歳 約952人に1人 約384人に1人
35歳 約385人に1人 約192人に1人
38歳 約175人に1人 約102人に1人
40歳 約106人に1人 約66人に1人
42歳 約64人に1人 約42人に1人

出典:Hook(1981)[3]、Hookら(1983)[4]。「染色体異常の全体」は、通常の染色体検査で見つかるものの合計で、微小欠失などは含みません。42歳でも、およそ40人のうち39人の赤ちゃんには当てはまらない数字です。

父親の年齢も関係する:デノボ変異(新生突然変異)

染色体の数の異常は主に母親の年齢と関係しますが、デノボ変異(de novo変異)は父親の年齢と関係します。アイスランドの親子を調べた研究では、父親の年齢が1歳上がるごとに、子どもに伝わる新しい変異が約2個ずつ増えていました[11]。体外受精を受けるご夫婦は、パートナーの年齢も高いことが多いため、知っておきたい点です。ただし、新しい変異のほとんどは病気につながらず、大多数のお子さんには当てはまりません。

💡 用語解説:デノボ変異(新生突然変異)とは?

両親はもっていないのに、子どもで新しく生じた遺伝子の変化のことです。精子ができるときに起こることが多く、父親の年齢が上がるほど増えます[11]。当院のダイヤモンドプランは56遺伝子、インペリアルプランは最大155遺伝子(202疾患)のde novo変異を対象にしています。ヌーナン症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、レット症候群など、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因になる病気が含まれます。自閉症そのものを診断する検査ではなく、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。

「体外受精で障害のある子が生まれたら」と不安な方へ

「体外受精だったのにダウン症だった」「障害のある子が生まれて後悔しないだろうか」。こうした言葉で検索する方は少なくありません。まず数字を確認します。45の研究をまとめた解析では、体外受精などの生殖補助医療で生まれた赤ちゃんの先天異常は、自然妊娠の赤ちゃんの1.32倍でした[12]。1.32倍というのは集団どうしを比べた数字で、大多数の赤ちゃんには当てはまりません。この差には、治療そのものだけでなく、ご夫婦の年齢や不妊の背景も関係していると考えられています。

そして、体外受精で授かった赤ちゃんにも、ダウン症候群は採卵したときの年齢に応じた確率で起こります。「体外受精だとダウン症は少ない」と言われることがありますが、PGT-Aで染色体の数を調べた胚を移植した場合を除けば、体外受精だから少なくなるという根拠はありません。凍結胚移植でも、グレードの良い胚でも、PGT-Aを受けていても、ゼロにはなりません。これは誰かの選択のせいではなく、卵子や精子ができるときに偶然起こることです[2]。

妊娠中にできることは3つあります。採卵したときの年齢に応じた確率を知ること。妊婦健診の超音波検査をきちんと受けること。そして、出生前検査を受けるかどうか、受けるならどこまで調べるかを、ご夫婦で話し合って決めることです。体外受精全体のリスクは体外受精のリスクは?母体や子どもの合併症や先天性異常についてで詳しく解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【PGT-AとNIPTは「どちらか」ではない】

「PGT-Aで正常な胚を移植したのだから、もう調べなくてよいのでは」と考える方は多いと思います。PGT-Aは移植する胚を選ぶための検査で、調べるのは胎盤になる部分の数個の細胞です。妊娠してからのNIPTは、妊娠9週以降の胎盤全体から出てくるDNAを調べます。時期も、調べる量も、調べられる病気の範囲も違います。

臨床遺伝専門医として大切にしているのは、どの検査が何を調べ、何を調べていないかを正確に知っていただくことです。PGT-Aでは分からない微小欠失や、父親の年齢と関係するde novo変異まで調べるかどうかは、ご夫婦が何を知っておきたいかで決まります。検査を増やすことが目的ではなく、納得して妊娠期間を過ごせることが目的だと考えています。

7. ミネルバクリニックのサポート体制

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が運営するクリニックです。体外受精や胚移植、分娩は行っていませんが、妊娠後のNIPTから、陽性だったときの確定検査までを院内で行っています。

🏥 当院のNIPTの体制

項目 内容
👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐 90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行う。料金には遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定が含まれる
🔬 調べる範囲を選べる 染色体の数の異常から、微小欠失・重複、単一遺伝子まで5つのプラン。ダイヤモンドプランはCOATE法(SNP法とターゲット法の組み合わせ)で検査する(COATE法のエビデンス)
🏥 確定検査まで院内で 2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行う。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出る
💬 陽性後のカウンセリング 陽性だったときの遺伝カウンセリングは何度でも無料
💰 互助会(全員加入) 羊水検査互助会(カトレア会)8,000円:陽性のときの確定検査の費用を全額補助(補助の上限なし)。安心検査結果保障制度6,000円:再検査が必要になったのに流産して再検査ができず、結果が出なかったとき、検査代金(諸費用を除く)を返金
💻 オンラインNIPT Zoomで遺伝カウンセリングを受け、全国110か所の提携施設で採血する(採血料は施設ごとに別途)。オンラインNIPT

検査プランの比較

プラン 染色体の数の異常 微小欠失・重複 単一遺伝子 対象
スタンダードプラン 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常 6種類7疾患 ― 単胎・双胎
プレミアムプラン 13・15・16・18・21・22トリソミー、性染色体の数の異常 12種類13疾患 ― 単胎のみ
ダイヤモンドプラン プレミアムプランと同じ 12種類13疾患 56遺伝子(de novo変異) 単胎のみ
双子マックスプラン 全常染色体(1〜22番) 92種類+5Mbを超える構造異常 ― 単胎・双胎
インペリアルプラン 全常染色体(1〜22番)、性染色体の数の異常 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 単胎のみ

双子を妊娠した場合に受けられるのは、スタンダードプランと双子マックスプランです。22q11.2欠失症候群のような微小欠失は、母親の年齢と関係なく起こります[13]。調べる範囲が広がると、陽性になる場面や確定検査を考える場面も増えます。どのプランが合うかは、検査の前の遺伝カウンセリングで決めます。

NIPT施設選びで失敗しないために

体外受精を経験した方は、不妊治療のクリニック選びを通じて、施設によって説明や体制が違うことをよくご存じだと思います。NIPTも同じで、陽性になったあとに誰が説明し、どこで確定検査を受けられるかが施設によって違います。

☑️ NIPT施設選びのチェックポイント

確認すること 理由
□ 臨床遺伝専門医が説明するか 結果の読み方と、その後の選択肢について専門的な説明を受けられる
□ 陽性のときの体制 確定検査をどこで受けるのか、結果まで何日かかるのか
□ 調べる範囲と精度のデータ 何を調べ、何を調べていないのか。精度の根拠が示されているか
□ 費用に含まれるもの 遺伝カウンセリング料や確定検査の費用が、別にかかるのかどうか

🏥 体外受精で授かった妊娠のNIPTを、調べる範囲から選ぶ

凍結胚移植やPGT-Aのあとの妊娠でも、調べるのはダウン症候群だけでよいのか、迷う方は少なくありません。ミネルバクリニックのNIPTは、18・13トリソミーや微小欠失症候群に加え、ダイヤモンドプランで56遺伝子、インペリアルプランで最大155遺伝子の単一遺伝子まで調べられます。妊娠9週から受けられ(6〜8週は臨床研究)、陽性のときは確定検査まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 凍結胚移植(受精卵の凍結)で、障害児やダウン症のリスクは上がりますか?

上がるという根拠はありません。26の研究をまとめた解析では、凍結胚移植と新鮮胚移植で先天異常の頻度に差はありませんでした[1]。ダウン症候群などの染色体の数の異常は、主に卵子ができるときの分裂の誤りで起こり、採卵したときの年齢に左右されます[2]。凍結や融解は、染色体の数が決まったあとに行う操作です。

Q2. 体外受精後のNIPTは、ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群を調べることには意味があります。そのうえで、それだけでは足りないかもしれない、という点も知っておいてください。凍結胚移植やPGT-Aのあとの妊娠でも、母親の年齢と関係なく起こる微小欠失症候群[13]や、父親の年齢が上がると増える新しい遺伝子の変化[11]は起こりえます。知的障害を伴う病気のご家族を比べた研究では、子育てのストレスを最も強く左右していたのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動・自傷・睡眠の問題などの行動の問題でした[14]。こうした問題を伴いやすい[15]スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群は当院のスタンダードプランから、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプラン・インペリアルプランで調べられます。三大トリソミーだけの検査では調べられない病気です。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。

Q3. 卵子凍結をすれば、ダウン症のリスクは下がりますか?どのくらい防げますか?

下がるのではなく、採卵したときの年齢の確率のまま止まる、と考えます。35歳で採卵して40歳で移植した場合、目安になるのは40歳の約106人に1人ではなく、35歳の約385人に1人です(出生時の頻度)[3][4]。予防できるわけではなく、ゼロにはなりません。なお、ガラス化凍結をした卵子からできた胚で、染色体の数の異常が増えなかったという比較試験があります[5]。

Q4. 凍結胚移植と新鮮胚移植、どちらが安全ですか?

どちらにも良い点と注意点があります。凍結胚移植は、新鮮胚移植と比べて早産や低出生体重が少ない一方、妊娠高血圧症候群が1.29倍、在胎週数のわりに大きい赤ちゃんが1.54倍と報告されています[1]。先天異常の頻度に差はありません[1]。新鮮胚移植では、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)が重くなることがあります。どちらが合うかは一人ひとり違うため、不妊治療の主治医と相談してください。

Q5. ヘルシー・サバイバー効果とは何ですか?

凍結と融解に耐えて生き残った胚だけが移植される、という考え方です。凍結胚移植で赤ちゃんの経過が悪くならない理由の1つとして挙げられます。ただし、データで分かっているのは「先天異常の頻度は新鮮胚移植と差がない」ということまでです[1]。染色体の数の異常がある胚が凍結で取り除かれるわけではありません。

Q6. 凍結胚移植で妊娠高血圧症候群が増えるのはなぜですか?

排卵をともなわないホルモン補充周期では、黄体ができないことが関係していると考えられています。黄体のない妊娠では、妊娠高血圧腎症が12.8%で、黄体が1つある妊娠の4.8%より多かったと報告されています[8]。黄体は血管を広げる働きをもつリラキシンなどを出しますが、ホルモン補充周期ではこれが補われません。ただし、原因と決まったわけではありません。

Q7. 4AAなどグレードの良い胚盤胞なら、ダウン症の心配はありませんか?

心配がなくなるとは言えません。4AAなどのグレードは、顕微鏡で見た胚の形の評価で、染色体の数を調べたものではないからです。グレードの良い胚盤胞でも、ダウン症候群などの確率は採卵したときの年齢に応じて残ります。詳しくは「胚盤胞グレードと染色体異常の本当の関係」で解説しています。

Q8. PGT-Aで正常と判定された胚を移植しても、NIPTは受けたほうがよいですか?

受けるかどうかはご夫婦で決めることですが、PGT-Aを受けていても妊娠中の検査の対象になります。PGT-Aは胎盤になる部分の細胞を5〜10個ほど調べる検査で、微小欠失・重複のすべてや、新しく起こる遺伝子の変化は見つけられません[9]。米国産科婦人科学会は、PGT-Aを受けた方にも通常の出生前検査を案内するよう勧めています[9]。NIPTもスクリーニング検査ですので、陽性のときは羊水検査などで確かめます。

Q9. 体外受精で障害のある子が生まれるのでは、と不安です。後悔しないために今できることは?

体外受精などで生まれた赤ちゃんの先天異常は、自然妊娠の1.32倍と報告されていますが[12]、大多数の赤ちゃんには当てはまりません。凍結胚移植か新鮮胚移植かでも差はありません[1]。今できることは、採卵したときの年齢に応じた確率を知ること、妊婦健診の超音波検査を受けること、出生前検査を受けるかどうか・どこまで調べるかをご夫婦で話し合って決めることです。

Q10. 体外受精後のNIPTはいつから受けられますか?

当院では妊娠9週から受けられます。できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる体制を整えています。早い週数ほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。結果が出るまでの目安は10〜14日で、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけ3〜4週間かかります。

Q11. デノボ変異とは何ですか?

両親はもっていないのに、子どもで新しく生じた遺伝子の変化のことです。精子ができるときに起こることが多く、父親の年齢が1歳上がるごとに約2個ずつ増えると報告されています[11]。ほとんどは病気につながりません。当院のダイヤモンドプランは56遺伝子、インペリアルプランは最大155遺伝子(202疾患)のde novo変異を対象にしています。

Q12. NIPTで陽性だった場合、どうなりますか?

NIPTはスクリーニング検査ですので、陽性のときは羊水検査・絨毛検査で確かめます。当院は2025年6月から確定検査を院内で行っており、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性のときの遺伝カウンセリングは何度でも無料です。確定検査の費用は、互助会が全額補助します(補助の上限はありません)。

Q13. 遠方ですが検査を受けられますか?

はい。オンラインNIPTでは、Zoomで臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受け、全国110か所の提携施設で採血します。採血料は施設ごとに別にかかります。

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参考文献

  • [1] Maheshwari A, Pandey S, Amalraj Raja E, Shetty A, Hamilton M, Bhattacharya S. Is frozen embryo transfer better for mothers and babies? Can cumulative meta-analysis provide a definitive answer? Hum Reprod Update. 2018;24(1):35-58. [DOI 10.1093/humupd/dmx031]
  • [2] Hassold T, Hunt P. To err (meiotically) is human: the genesis of human aneuploidy. Nat Rev Genet. 2001;2(4):280-291. [DOI 10.1038/35066065]
  • [3] Hook EB. Rates of chromosome abnormalities at different maternal ages. Obstet Gynecol. 1981;58(3):282-285. [PubMed 6455611]
  • [4] Hook EB, Cross PK, Schreinemachers DM. Chromosomal abnormality rates at amniocentesis and in live-born infants. JAMA. 1983;249:2034-2038. [PubMed 6220164]
  • [5] Forman EJ, Li X, Ferry KM, Scott K, Treff NR, Scott RT Jr. Oocyte vitrification does not increase the risk of embryonic aneuploidy or diminish the implantation potential of blastocysts created after intracytoplasmic sperm injection: a novel, paired randomized controlled trial using DNA fingerprinting. Fertil Steril. 2012;98(3):644-649.
  • [6] Wennerholm UB, Henningsen AA, Romundstad LB, et al. Perinatal outcomes of children born after frozen-thawed embryo transfer: a Nordic cohort study from the CoNARTaS group. Hum Reprod. 2013;28(9):2545-2553. [DOI 10.1093/humrep/det272]
  • [7] Ginström Ernstad E, Wennerholm UB, Khatibi A, Petzold M, Bergh C. Neonatal and maternal outcome after frozen embryo transfer: Increased risks in programmed cycles. Am J Obstet Gynecol. 2019;221(2):126.e1-126.e18. [DOI 10.1016/j.ajog.2019.03.010]
  • [8] von Versen-Höynck F, Schaub AM, Chi YY, et al. Increased Preeclampsia Risk and Reduced Aortic Compliance With In Vitro Fertilization Cycles in the Absence of a Corpus Luteum. Hypertension. 2019;73(3):640-649. [DOI 10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12043]
  • [9] American College of Obstetricians and Gynecologists, Committee on Genetics. Preimplantation Genetic Testing: ACOG Committee Opinion, Number 799. Obstet Gynecol. 2020;135(3):e133-e137. [ACOG]
  • [10] Gil MM, Accurti V, Santacruz B, Plana MN, Nicolaides KH. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [DOI 10.1002/uog.17484]
  • [11] Kong A, Frigge ML, Masson G, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012;488(7412):471-475. [DOI 10.1038/nature11396]
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  • [14] Fitzgerald J, Gallagher L. Parental stress and adjustment in the context of rare genetic syndromes: A scoping review. J Intellect Disabil. 2022;26(2). [DOI 10.1177/1744629521995378]
  • [15] Arron K, Oliver C, Moss J, Berg K, Burbidge C. The prevalence and phenomenology of self-injurious and aggressive behaviour in genetic syndromes. J Intellect Disabil Res. 2011;55(2):109-120. [DOI 10.1111/j.1365-2788.2010.01337.x]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。ミネルバクリニックは体外受精・胚移植を行っていません。移植の方法や妊娠中の管理については、不妊治療・産科の主治医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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