InstagramInstagram

体外受精のリスクとは?障害児は増える?先天異常・発達障害の確率と母体・妊娠への影響

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

体外受精で生まれる子どもの先天異常は、自然妊娠と比べて相対的に約1.3倍と報告されていますが、100人あたりに直すと増えるのは1人前後です。増える分の一部は治療そのものではなく、ご両親の年齢や不妊の原因によるものと考えられています。一方、遺伝の視点からは、遺伝子に付いた「どちらの親から来たか」の印が乱れるインプリンティング疾患がまれながら増えるという報告や、顕微授精で父親のY染色体の微小欠失が息子に受け継がれることなど、知っておきたい点があります。この記事では、体外受精のリスクを「母体」「妊娠経過」「子ども」の3つに分け、数字の意味とともに整理します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🧬 先天異常・インプリンティング・AZF・発達障害
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 体外受精で障害児は増えますか?

A. 先天異常は相対的に約1.3倍と報告されていますが、もともと約2〜3%ある頻度に対して、増えるのは100人あたり1人前後です。増加の一部はご両親の年齢や不妊の原因によるもので、体外受精そのものがダウン症を増やすという一貫した証拠はありません。遺伝の視点では、インプリンティング疾患がまれながら増える報告と、顕微授精でのY染色体微小欠失の受け渡しが主な論点です。

  • ➤先天異常 → 相対リスク約1.3倍、絶対差は100人あたり1人前後
  • ➤インプリンティング疾患 → BWS・SRSで増加の報告。ただし体外受精で生まれた子でもBWSは約4,000人に1人
  • ➤顕微授精 → 父親のAZF微小欠失は男の子に必ず受け継がれる
  • ➤発達障害 → 単胎では自閉症・ADHDに明らかな差なし
  • ➤妊娠・母体 → 多胎、単胎でも早産がやや増える。凍結胚は妊娠高血圧・癒着胎盤に注意

1. 体外受精のリスクは「母体・妊娠経過・子ども」の3つで考える

体外受精のリスクは、卵巣刺激と採卵のときに母体に起こるもの、妊娠から出産までの経過に関わるもの、生まれた子どもの健康に関わるものの3つに分けると整理しやすくなります。体外受精は、卵子を体の外に取り出して精子と受精させ、育った胚(受精卵)を子宮に戻す治療です。排卵誘発剤で卵巣を刺激する段階、針で卵子を採る段階、胚を移植して妊娠が続く段階と、いくつもの段階を経るため、それぞれの段階に固有のリスクがあります。

卵巣刺激・採卵OHSS・出血・感染
▶
胚移植・妊娠多胎・異所性妊娠・妊娠高血圧
▶
出産早産・低出生体重
▶
子どもの成長先天異常・インプリンティング・発達

多くは「わずかな増加」、まず結論

体外受精で報告されているリスクの多くは、自然妊娠と比べて「わずかに増える」という性質のものです。たとえば先天異常は、45のコホート研究を統合したメタ解析で相対リスク1.32と報告されています[1]。「1.32倍」と聞くと大きく感じますが、もともとの頻度が低いため、実際に増える人数は多くありません。2025年に113の研究をまとめたメタ解析でも、体外受精などの生殖補助医療で生まれた子どもの先天異常は「わずかに高い」とされ、絶対的な差は約1ポイントでした[2]。

このように、相対リスク(何倍になるか)と絶対リスク(100人あたり何人増えるか)は分けて考える必要があります。また、すべての数字は集団を対象にした研究の結果であり、ある一人の方が障害をもつ子を授かる確率をそのまま示すものではありません。

💡 用語解説:相対リスクと絶対リスク

相対リスクは「比べる集団の何倍起こるか」を表す数字です。絶対リスクは「100人あたり何人に起こるか」という実際の頻度です。もともと100人に3人起こることが1.3倍になると、100人に約4人になります。相対リスクは同じ1.3倍でも、もとの頻度が低いほど、実際に増える人数は少なくなります。

治療そのもののリスクと、親の背景(年齢・不妊の原因)によるリスクを分ける

体外受精で生まれた子どもに見られる差は、治療の手技だけで説明できるものではなく、ご両親の年齢や、不妊になった原因そのものも関わっています。南オーストラリアの約31万件の出生を調べた研究では、体外受精(IVF)の先天異常のリスクは、ご両親の年齢などで調整すると統計的に意味のある差がなくなりました。同じ研究では、生殖補助医療を受けていない不妊歴そのものも先天異常と関連していました[3]。

一方、カナダ・オンタリオ州で不妊と診断された女性の出生27万件あまりを比べた2026年の研究では、治療を受けていない不妊の女性から生まれた子どもの先天異常が5.9%、体外受精・顕微授精では7.6%で、調整後の相対リスクは1.28でした。多胎で説明できるのはこの差の一部だけでした[4]。つまり、「差はすべて不妊のせい」とも「すべて治療のせい」とも言い切れず、両方が関わっていると考えるのが、現在のデータに沿った理解です。こうした、結果に影響するほかの要因の重なりを「交絡(こうらく)」といいます。

💡 用語解説:交絡(confounding)

交絡とは、比べたい要因(ここでは体外受精)とは別の要因が、結果に影響して見かけの差をつくることです。体外受精を受ける方は年齢が高めで、不妊の原因をもっていることが多いため、単純に比べると治療のせいに見える差が生じます。研究では年齢などで「調整」してこの影響を取り除こうとしますが、完全には取り除けないことがあります。

2. 体外受精で障害児は増える?先天異常の確率を絶対リスクで見る

体外受精・顕微授精で生まれた子どもの先天異常は、自然妊娠と比べて相対的に約1.3倍と報告されていますが、100人あたりに直すと増えるのは1人前後です。ここでは、もともとの頻度、体外受精での増え方、ダウン症との関係を順に見ていきます。

もともと赤ちゃんの約2〜3%に先天異常がある

生まれつきの形や臓器の異常(先天異常)は、自然に妊娠した場合でも一定の割合で起こります。米国疾病予防管理センター(CDC)は、先天異常は米国で生まれる赤ちゃんの33人に1人(約3%)にみられるとしています[5]。欧州の先天異常監視ネットワーク(EUROCAT)の報告では、死産や妊娠中絶を含めて全出生の約2.5%に先天異常があるとされています[6]。

数字に幅があるのは、どこまでを先天異常に含めるか、いつまでに診断されたものを数えるかが調査ごとに違うためです。軽い異常まで含めたり、診断の対象年齢を5歳までに広げたりすると、頻度は高くなります。この記事では、もともとの頻度を「約2〜3%」として説明します。

体外受精・顕微授精では相対リスク1.3前後

複数の研究をまとめた分析では、体外受精・顕微授精で生まれた子どもの先天異常の相対リスクは1.3前後です。2013年のメタ解析では、生殖補助医療で生まれた子ども9万2,671人の先天異常のリスクは相対リスク1.32、重い先天異常(大奇形)に限ると1.42、単胎(1人の妊娠)に限ると1.36でした[1]。

臓器別では、北欧4か国の約775万人の出生を調べた研究で、重い先天性心疾患が生殖補助医療では1.84%、自然妊娠では1.15%で、調整後のオッズ比は1.36でした。この研究では、顕微授精と通常の体外受精、凍結胚と新鮮胚の間でリスクに差はありませんでした[7]。一方、南オーストラリアの研究では、顕微授精(ICSI)だけが調整後もオッズ比1.57と高いままでした[3]。顕微授精と通常の体外受精のどちらが高いかは、研究によって結果が分かれています。顕微授精は精子の数や動きに問題がある男性不妊で選ばれることが多いため、男性側の要因と治療法の影響を切り分けにくいことが理由の一つです。

100人あたりに直すと

相対リスクを実際の人数に直すと、体外受精で増える先天異常は100人あたり1人前後になります。主な研究の数字を並べると、次のとおりです。

📊 体外受精・顕微授精と先天異常の頻度(主な研究)

研究 比べた集団 先天異常の頻度 注意点
南オーストラリア(2012年) 自然妊娠/生殖補助医療 5.8%/8.3% 5歳までの診断・脳性麻痺を含む広い定義 [3]
北欧4か国(2024年) 自然妊娠/生殖補助医療 1.15%/1.84% 重い先天性心疾患のみ [7]
オンタリオ州(2026年) 治療なしの不妊/体外受精・顕微授精 5.9%/7.6% 比べる相手を不妊の方にそろえた研究 [4]
メタ解析(2025年) 自然妊娠/生殖補助医療 絶対差 約1ポイント 113研究の統合 [2]

※頻度は研究ごとに先天異常の定義や診断の時期が異なるため、研究をまたいで数字を直接比べることはできません。

体外受精での増え方は、どの研究でも「数ポイント以内」に収まっています。100人の赤ちゃんのうち、自然妊娠でも2〜3人に何らかの先天異常があり、体外受精ではそれが1人前後増える、というのが現在のデータに沿ったイメージです。

ダウン症は体外受精で増える?

体外受精そのものがダウン症(21トリソミー)を増やすという一貫した証拠はありません。ダウン症の確率を大きく左右するのは、母親の年齢です。南オーストラリアの研究では、生殖補助医療とダウン症、18トリソミー、13トリソミー、ターナー症候群、クラインフェルター症候群などの記録された症候群との間に、統計的に意味のある関連は見られませんでした[3]。

妊娠初期の流産で見つかる染色体異常についても、2013年のメタ解析で、生殖補助医療と自然妊娠の間に差はなく、胎児の染色体の数の異常は母親が35歳以上でオッズ比2.88と高くなっていました[8]。体外受精を受ける方は年齢が高めのことが多いため、体外受精で妊娠した方の中にダウン症の赤ちゃんが多く見えることがありますが、それは治療ではなく年齢によるものと考えられています。体外受精で妊娠した場合も、同じ年齢で自然に妊娠した場合と同じように、年齢に応じた確率で考えます。

\ 体外受精で妊娠された方の出生前診断について /

📅 遺伝カウンセリングを予約する

お問い合わせはこちら | 体外受精後の染色体異常と拡大NIPT

3. 遺伝の視点で見る体外受精の子どもへの影響

遺伝の視点から見ると、体外受精・顕微授精で特に知っておきたいのは、インプリンティング疾患、顕微授精でのY染色体の微小欠失の受け渡し、新生の染色体異常、そして不妊の原因そのものが遺伝する場合の4つです。どれも頻度としてはまれですが、仕組みを知っておくと、検査の意味や数字の読み方が分かりやすくなります。

インプリンティング疾患(BWS・SRSなど)が増えるという報告

体外受精などの生殖補助医療で生まれた子どもでは、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群(BWS)やシルバー・ラッセル症候群(SRS)など、インプリンティング疾患が相対的に増えると報告されています。ただし、もともと非常にまれな病気のため、実際の頻度は低いままです。2018年のメタ解析では、生殖補助医療で妊娠した場合の統合オッズ比は、BWSが5.8、アンジェルマン症候群(AS)が4.7、プラダー・ウィリ症候群(PWS)が2.2、SRSが11.3でした[9]。

💡 用語解説:ゲノムインプリンティング(遺伝子の刷り込み)

私たちは父と母から1本ずつ染色体を受け継ぎますが、一部の遺伝子は「父から来たものだけ働く」「母から来たものだけ働く」というように、どちらの親から来たかで働き方が決まっています。この親ごとの印をインプリンティングといい、DNAのメチル化(DNAに付く目印の一種)で付けられています。印が乱れて本来働くべき側が働かなかったり、両方が働いたりすると、BWSやSRSなどのインプリンティング疾患が起こります。

日本では、全国調査で4つのインプリンティング疾患と生殖補助医療の関係が調べられています。生殖補助医療で生まれた子どもの割合は、予想される値に比べてBWSで4.46倍、SRSで8.91倍、PWSで3.44倍でしたが、ASでは増加は見られませんでした[10]。ASについては海外と日本で結果が一致しておらず、はっきりした結論は出ていません。

🧬 主なインプリンティング疾患と生殖補助医療

病名 もともとの頻度 生殖補助医療との関連
ベックウィズ・ヴィーデマン症候群(BWS) 約1万〜1万3,700人に1人 [11] 統合オッズ比5.8 [9]、日本の調査で予想の4.46倍 [10]
シルバー・ラッセル症候群(SRS) 3万〜10万人に1人と推定(より多いとする報告もある)[12] 統合オッズ比11.3 [9]、日本の調査で予想の8.91倍 [10]
プラダー・ウィリ症候群(PWS) ― 統合オッズ比2.2 [9]、日本の調査で予想の3.44倍 [10]
アンジェルマン症候群(AS) 1万2,000〜2万4,000人に1人 [13] 統合オッズ比4.7 [9]、日本の調査では増加なし [10]

※オッズ比はもともとの頻度に対する相対的な値です。研究数が少ない疾患もあり、不妊そのものの影響とは切り分けられていません。

絶対的な頻度で見ると、BWSの国際的な専門家の合意文書では、生殖補助医療でBWSのリスクは約10倍になるものの、体外受精で生まれた子どもでのBWSはおよそ4,000人に1人と推定されています。また、生殖補助医療で生まれたBWSの子どもの9割以上は、11番染色体のKCNQ1OT1という領域のメチル化が失われる「エピ変異」によるもので、自然妊娠のBWS(約5割)より割合が高いとされています[14]。受精や胚の培養は、ちょうど親ごとの印が付け直される時期と重なるため、この時期の環境が印の維持に影響する可能性が考えられています。ただし、原因が培養の環境なのか、不妊そのものなのかは、まだ明らかになっていません。

インプリンティング疾患の診断では、まずDNAのメチル化を調べる検査(メチル化解析)が行われます。病気の仕組みや検査の詳細は、インプリンティング疾患の解説で扱っています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「どちらの親から来たか」で決まる働き】

インプリンティングは、遺伝子の配列そのものは同じでも、父由来か母由来かで働きが変わるという、少し分かりにくい仕組みです。私自身、GNASという刷り込みを受ける遺伝子の父由来アレルに新生突然変異があり、偽性偽性副甲状腺機能低下症という病気の当事者です。同じ遺伝子の変化でも、父から来たか母から来たかで症状の出方が変わる病気です(詳しくは当事者として書いたブログにまとめています)。

体外受精とインプリンティング疾患の関係は、相対的な数字だけを見ると大きく感じられますが、もとが非常にまれな病気であることを忘れないでほしいと考えています。「何倍か」と「何人に1人か」を分けて考えることが、数字を正しく受け止めるうえで大切です。

顕微授精では、父親のY染色体AZF微小欠失が息子に受け継がれる

精子がきわめて少ない男性では、Y染色体の一部が欠けている「AZF微小欠失」が見つかることがあり、顕微授精で妊娠した場合、男の子にはこの欠失が必ず受け継がれます。AZF(無精子症因子)領域は、精子をつくるために必要な遺伝子が集まるY染色体上の領域です。欧州アンドロロジー学会などのガイドラインでは、AZFcという領域の完全な欠失は、顕微授精で生まれた男の子に「必ず伝わる」とされています[15]。女の子はY染色体を受け継がないため、この欠失は伝わりません。

欧州泌尿器科学会(EAU)のガイドラインによると、Y染色体の微小欠失は無精子症の男性の8〜12%、乏精子症の男性の3〜7%に見つかり、精子濃度が1mLあたり100万以下の場合は検査を行うべきとされています[16]。検査施設によっては無精子症での頻度を2〜10%とする報告もあり、数字には幅があります[15]。欠失を受け継いだ男の子は、将来、父親と同じように精子が少なくなる可能性があります。男性不妊で顕微授精を考える際には、このことを知ったうえで治療を選ぶことが勧められています。仕組みの詳細はY染色体AZF微小欠失の解説をご覧ください。

💡 用語解説:顕微授精(ICSI)

顕微授精は、細いガラス針で1個の精子を卵子の中に直接注入して受精させる方法です。精子の数や動きが非常に少ない場合でも受精が可能になる一方、顕微授精では重度の男性不妊がある場合にも受精が可能になるため、男性不妊の背景に遺伝的な原因がある場合、その遺伝的要因が子どもに受け継がれる可能性があります。

性染色体の数の異常と新生突然変異

顕微授精で妊娠した場合、親から受け継いだのではない新しい染色体の異常(新生の染色体異常)がわずかに増えるという報告があります。ベルギーで顕微授精による妊娠1,586件の胎児の染色体を調べた研究では、新生の染色体異常が1.6%と、平均年齢33.5歳の羊水検査での0.5%より高くなっていました。このうち10件は性染色体の数の異常でした。精子濃度が1mLあたり2,000万未満の男性では2.1%、それ以上では0.24%と、男性不妊が重いほど高い傾向がありました[17]。

同じ研究では、親から受け継いだ染色体の構造異常も1.4%に見つかり、22例中17例が父親由来でした[17]。これは、不妊の男性ではもともと染色体の異常が多いことを反映しています。親から受け継いだものではない新しい変化は新生突然変異と呼ばれます。この研究は2002年のもので、比べた相手も一般の羊水検査を受けた集団であるため、現在の治療でも同じ数字になるかは分かりません。

不妊の原因そのものが遺伝することがある(CFTR・CBAVD、クラインフェルター症候群)

男性不妊の一部は、遺伝的な原因で起こります。その場合、顕微授精で授かった子どもに、同じ遺伝的な要因が受け継がれることがあります。EAUのガイドラインでは、不妊男性9,766人をまとめたデータで染色体の異常が5.8%に見つかり、新生児の男児(0.38%)より高いとされています。最も多いのはクラインフェルター症候群(X染色体が1本多い47,XXY)で、無精子症の男性の約14%を占めます。精子が非常に少ない男性や無精子症の男性には、染色体検査(核型分析)が推奨されています[16]。

生まれつき精管がない先天性両側精管欠損症(CBAVD)の男性では、約8割に嚢胞性線維症の原因遺伝子であるCFTRの変異が見つかります[18]。CBAVDの男性の精子を使って顕微授精を行う場合、パートナーの女性もCFTRの変異をもっていると、子どもが嚢胞性線維症やCBAVDになる可能性があるため、ご夫婦ともにCFTRの検査を行うことが推奨されています[16]。こうした評価は治療の前に行うものであり、子どもへの影響を事前に知る手がかりになります。

\ 体外受精・顕微授精と遺伝について専門医の説明を受けたい方へ /

📅 遺伝カウンセリングを予約する

お問い合わせはこちら | 遺伝カウンセリングとは

4. 体外受精で生まれた子は発達障害・自閉症になりやすい?

単胎に限った大規模な研究では、体外受精で生まれた子どもの自閉スペクトラム症やADHDに明らかな差は見られていません。一方で、学習や運動の発達の診断、知的障害でわずかな上昇を示す研究もあります。ここでは、主な研究の結果と、その読み方を整理します。発達障害には遺伝的な要因も大きく関わっています。

大規模研究では、交絡を調整すると差はほぼ消える

スウェーデンの全国規模の研究では、体外受精全体と自閉症(自閉性障害)の間に統計的に意味のある関連はありませんでした(相対リスク1.14)。知的障害は相対リスク1.18とわずかに高くなっていましたが、単胎に限ると統計的な差はなくなりました[19]。手術で採取した精子を使った顕微授精では自閉症のリスクが高く出ましたが、該当する子どもの数が少なく、結果の幅が大きいため、慎重に読む必要があります。

2021年のメタ解析では、交絡を調整した全体の相対リスクは1.11でしたが、単胎に限ると0.96と差がなく、関連は多胎妊娠によるものと解釈されています[20]。北欧で単胎約508万人を調べた研究でも、自閉スペクトラム症(調整後ハザード比1.07)とADHD(1.05)に統計的な差はなく、学習・運動の発達の診断だけがわずかに高くなっていました(1.17)[21]。

デンマークで約124万人の子どもを調べた2025年の研究では、発達・行動に関する薬の処方がわずかに多かった(調整後オッズ比1.15)ものの、同じ両親から生まれたきょうだいで比べると差はなくなり、出生体重が関連の一部を説明していました[22]。きょうだいで比べる方法は、両親の遺伝的な背景や家庭環境をそろえられるため、治療そのものの影響を見るのに適しています。

残る影響は多胎・早産を経由したもの

体外受精で生まれた子どもの発達に関する差の多くは、双子などの多胎や、早く小さく生まれることを通じて生じていると考えられています。デンマークの研究では、生殖補助医療で生まれた子どもの脳性麻痺のリスクは、多胎と在胎週数を考慮すると消えました[23]。早産や低出生体重は、それ自体が発達の遅れや脳性麻痺のリスクになるためです。

このことから、体外受精で生まれる子どもの発達を守るうえでは、移植する胚を1個にして多胎を避けることが重要と考えられています。なお、これらの研究はいずれも観察研究で、関連があることと、治療が原因であることは別の問題です。受診の機会が多い家庭ほど診断を受けやすいといった偏りも指摘されています[22]。

5. 体外受精で生まれた子のその後(長期の健康)

小児がん全体や血圧について、体外受精で生まれた子どもと自然妊娠の子どもの間に明らかな差はないという研究が増えています。ただし、高齢期の健康や寿命を直接示すデータはまだありません。世界で初めて体外受精で生まれたルイーズ・ブラウンは1978年生まれで、2026年時点で48歳です。

成長・代謝・小児がん

小児がん全体の発生率は、体外受精で生まれた子どもで高くならないという結果で一貫しています。オランダで約4万8,000人を中央値21年追跡した研究では、不妊の女性から自然に生まれた子どもと比べたがんのリスクはハザード比1.00で、差はありませんでした[24]。

一方、凍結胚移植については、北欧の研究で凍結胚移植で生まれた子どもの小児がんが自然妊娠と比べて調整後ハザード比1.65と高く、特に白血病でシグナルが見られました。ただし著者自身が、がんになった子どもの数が少ないため慎重に解釈すべきとしています[25]。凍結胚移植と小児白血病の関連は、現時点では確定したものではありません。

血圧については、以前のメタ解析でわずかな上昇が報告されていましたが、2025年のメタ解析では、交絡を調整すると生殖補助医療と子どもの血圧に関連は見られませんでした(評価は最大27歳まで)[26]。寿命については、若年成人期までの死亡率を調べた報告はあるものの、学会発表の段階にとどまり、高齢期までを追ったデータは存在しません。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【数字の「前提」を確かめる】

体外受精と子どもの健康に関する研究は、年代や国、比べる相手によって結果が少しずつ変わります。比べる相手が「一般の集団」なのか「不妊だが治療をしていない方」なのかで、見えてくる差の大きさが違うからです。

臨床遺伝専門医としては、一つの研究の数字だけを切り取らず、「誰と誰を比べた数字か」「多胎を含むか」「何を数えたか」を確認してから受け止めることが大切だと考えています。

6. 体外受精の妊娠はなぜ「ハイリスク」扱いなのか

体外受精の妊娠がハイリスクとして扱われるのは、多胎が起こりやすいこと、1人の妊娠でも早産や低出生体重がやや増えること、凍結胚移植では妊娠高血圧症候群や癒着胎盤などに注意が必要なことが理由です。背景には、ご両親の年齢や不妊の原因といった要因も重なっています。

多胎妊娠

複数の胚を移植すると双子などの多胎妊娠が起こりやすくなり、多胎は早産や妊娠高血圧症候群など、母子の合併症を増やします。日本では、移植する胚を原則1個にする方針が広がり、2023年の日本産科婦人科学会の集計では、単一胚移植の割合は新鮮胚で80.5%、凍結胚で84.7%でした。多胎妊娠率は新鮮胚で3.4%、凍結胚で3.8%です[27]。

多胎の妊娠では、赤ちゃんが早く小さく生まれやすく、母体も妊娠高血圧症候群や分娩後の出血が起こりやすくなります。前の章で見たように、体外受精で生まれた子どもの脳性麻痺や発達の差の多くも、多胎と早産を通じて生じていました[23]。1個の胚を移植しても一卵性の双子になることがあるなど、多胎の詳しい仕組みは体外受精で双子になる確率で解説しています。

単胎でも早産・低出生体重がやや増える

1人の妊娠(単胎)に限っても、体外受精・顕微授精では早産や低出生体重がやや増えると報告されています。2012年のメタ解析では、自然妊娠と比べて早産が相対リスク1.54、低出生体重が1.65、周産期死亡が1.87、妊娠高血圧症候群が1.49でした[28]。2016年のメタ解析でも早産が1.71と高く、特に前置胎盤(胎盤が子宮の出口をふさぐ状態)は3.71と大きく増えていました[29]。

著者らは、こうした妊娠は周産期のハイリスクとして管理するよう勧めています[29]。ただし、いずれも不妊の背景による影響を完全には切り分けられていません。体外受精で妊娠したからといって必ず合併症が起こるわけではなく、注意して経過を見る必要がある妊娠という意味での「ハイリスク」です。

凍結胚移植とホルモン補充周期(妊娠高血圧・癒着胎盤・巨大児)

凍結胚移植は、新鮮胚移植と比べて早産や低出生体重が少ない一方、赤ちゃんが大きめになりやすく、妊娠高血圧症候群がやや増えると報告されています。2018年のメタ解析では、凍結胚移植は新鮮胚移植と比べて早産が0.90倍、低出生体重が0.72倍と少ない一方、在胎週数に比べて大きい赤ちゃん(LGA)が1.54倍、4,000gを超える赤ちゃんが1.85倍、妊娠高血圧症候群が1.29倍でした[30]。

凍結胚を移植するときの子宮の準備には、排卵に合わせる自然周期と、薬で子宮内膜を整えるホルモン補充周期があります。日本の登録データを用いた研究では、ホルモン補充周期は自然周期と比べて、妊娠高血圧症候群が調整後オッズ比1.43、癒着胎盤(胎盤が子宮の壁に深く入り込んではがれにくくなる状態)が6.91と高く、一方で妊娠糖尿病は0.52と低くなっていました[31]。

この差の理由として、ホルモン補充周期では排卵が起こらないため、排卵後にできる黄体(妊娠初期に血管を広げるホルモンを出す組織)がないことが注目されています。米国の研究では、黄体がない周期での妊娠高血圧腎症は12.8%で、黄体が1個ある周期の4.8%より高くなっていました[32]。癒着胎盤は件数が少なく、数字の幅が大きい点には注意が必要です。凍結胚移植と子どもの染色体異常の関係は、凍結胚移植で障害児は増えるかの記事で扱っています。

異所性妊娠

子宮の中に胚を戻しても、胚が卵管などに移動して着床する異所性妊娠(子宮外妊娠)が起こることがあります。2023年の日本産科婦人科学会の集計から計算すると、妊娠あたりの異所性妊娠は新鮮胚移植で約1.1%、凍結胚移植で約0.44%でした[27]。自然妊娠では約1〜2%とされることが多く、体外受精で特に多いわけではありません。

異所性妊娠は、放置すると卵管が破れて腹腔内で出血するおそれがあるため、妊娠判定後に超音波検査で胎嚢が子宮の中にあるかを確認します。病気の詳細は異所性妊娠(子宮外妊娠)で解説しています。

7. 母体へのリスク:卵巣刺激と採卵

母体へのリスクで代表的なのは、卵巣を刺激する薬による卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と、採卵の処置に伴う出血・感染・臓器の損傷です。いずれも頻度は高くありませんが、予防の方法が確立しつつあります。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵誘発剤で卵巣が過剰に刺激されて腫れ、お腹や胸に水がたまる状態です。「お腹が張る」「吐き気がする」「急に体重が増えた」「尿の量が減った」などの症状が出て、重症になると血栓症や腎不全を起こすことがあります。米国生殖医学会(ASRM)のガイドラインでは、中等症から重症のOHSSは体外受精の周期の約1〜5%に起こるとされています[33]。

起こりやすいのは、若い方、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方、AMH(卵巣に残る卵の数の目安となるホルモン)が高い方、卵胞の数や採れた卵の数が多い方です。予防として、GnRHアンタゴニストを使う刺激法、排卵の引き金にGnRHアゴニストを使う方法、すべての胚を凍結して移植を次の周期に回す方法などが強く推奨されています[33]。

採卵時の出血・感染・臓器損傷・麻酔

採卵は、超音波で確認しながら腟から卵巣に細い針を刺して卵子を吸い取る処置で、まれに出血や感染などの合併症が起こります。イタリアで2万3,827件の採卵を調べた研究では、合併症は採卵あたり0.4%、入院が必要になったのは0.29%、手術が必要になったのは0.1%でした[34]。

卵巣の近くには太い血管や腸・膀胱があるため、針で傷つけると腹腔内の出血や臓器の損傷が起こることがあります。子宮内膜症の癒着で卵巣の位置がずれている場合には注意が必要です。また、チョコレート嚢胞や卵管水腫がある方、骨盤内の感染を起こしたことがある方では、腟の細菌が入って骨盤内感染を起こすリスクが高くなります。採卵時には必要に応じて局所麻酔や静脈麻酔が使われ、薬へのアレルギー反応が起こることもあります。

女性のがんリスク

体外受精などの治療を受けた女性のがんについては、全体としては大きな増加はないとする研究が多く、一部のがんでわずかな上昇が報告されています。英国で約25万人を調べた研究では、乳がん全体は増えておらず、卵巣がんは一般の女性と比べて1.39倍でした[35]。2026年のオーストラリアの研究でも、ホルモンに関連するがんの多くでハザード比1.09〜1.64の上昇が見られましたが、実際の差は小さく、測定されていない要因や検診を受ける機会の多さで説明できる可能性があるとされています[36]。

不妊の背景にある子宮内膜症や、出産経験がないことは、それ自体が卵巣がんのリスクと関係するため、治療の影響とは切り分けが難しい点に注意が必要です。

8. リスクを減らすためにできること

体外受精のリスクの中には、治療の選び方で減らせるものがあります。代表的なのが、移植する胚の数、凍結胚の移植周期、顕微授精の前の男性側の評価の3つです。

まず、移植する胚を1個にすることで、多胎とそれに伴う早産・合併症を大きく減らせます[27]。次に、凍結胚移植では、排卵がある方なら自然周期を選ぶことで、妊娠高血圧症候群を減らせる可能性が示されています[31]。ただし、周期の選び方は月経の状態や通院の事情によっても変わるため、主治医と相談して決めることになります。

顕微授精を考える男性、特に精子が非常に少ない方や無精子症の方では、治療の前に染色体検査やY染色体の微小欠失の検査を受けることが推奨されています[16]。結果によっては、子どもへの受け渡しについて理解したうえで治療を選べます。

胚の染色体を移植前に調べる着床前診断(PGT-A)は、胚の染色体の数を調べる検査です。ただし、インプリンティング疾患や単一遺伝子の変化など、分からないこともあります。妊娠が成立したあとは、胎児の染色体を調べる出生前検査という選択肢もあります。体外受精で妊娠した場合の検査の考え方は、体外受精後の染色体異常と拡大NIPTで解説しています。どの検査も受けるかどうかはご本人とご家族が決めることで、検査を受けないという選択も含めて尊重されるべきものです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 体外受精で障害児が生まれる割合は?

生まれつきの形の異常(先天異常)は、自然妊娠でも赤ちゃんの約2〜3%にみられます。体外受精・顕微授精では、これが相対的に約1.3倍になると報告されていますが、100人あたりに直すと増えるのは1人前後です。増える分の一部は、治療そのものではなく、ご両親の年齢や不妊の原因によるものと考えられています。

Q2. 体外受精でダウン症になる可能性は高くなりますか?

体外受精そのものがダウン症(21トリソミー)を増やすという一貫した証拠はありません。ダウン症の確率を大きく左右するのは母親の年齢で、体外受精で妊娠した場合も、同じ年齢で自然に妊娠した場合と同じように考えます。

Q3. 体外受精で生まれた子は発達障害になりやすいですか?

単胎(1人の妊娠)に限った大規模な研究では、自閉スペクトラム症やADHDで明らかな差は見られていません。学習・運動の発達の診断や知的障害でわずかな上昇が報告されていますが、多胎や早産、出生体重、ご両親の背景による部分が大きいと考えられています。

Q4. 顕微授精は体外受精よりリスクが高いですか?

先天異常全体では、顕微授精のほうが高かったとする研究と、差がなかったとする研究があり、結論は一致していません。一方で、父親の染色体やY染色体の微小欠失など、男性不妊の遺伝的な原因が子どもに受け継がれる可能性がある点は、顕微授精に特有の論点です。

Q5. 凍結胚移植にリスクはありますか?

凍結胚移植は新鮮胚移植と比べて早産や低出生体重が少ない一方、赤ちゃんが大きめになりやすく、妊娠高血圧症候群がやや増えると報告されています。特にホルモン補充周期では、自然周期と比べて妊娠高血圧症候群や癒着胎盤が増えたという日本の登録データがあります。

Q6. 体外受精で生まれた子は病気になりやすいですか?

小児がん全体の発生率は、体外受精で生まれた子どもと自然妊娠の子どもで差がないという結果が一貫しています。血圧についても、最新のメタ解析では関連が認められていません。ただし、体外受精で生まれた人はまだ最年長でも40代で、高齢期の健康や寿命についてのデータはありません。

まとめ

体外受精で生まれる子どもの先天異常は相対的に約1.3倍と報告されていますが、もともと約2〜3%ある頻度に対して、増えるのは100人あたり1人前後です[1][2]。増加の一部はご両親の年齢や不妊の原因によるもので、体外受精そのものがダウン症を増やすという一貫した証拠はありません[3]。

遺伝の視点では、BWSやSRSなどのインプリンティング疾患がまれながら増えるという報告[9]と、顕微授精で父親のY染色体AZF微小欠失が男の子に受け継がれること[15]が主な論点です。発達障害は、単胎では自閉症やADHDに明らかな差はなく[21]、差の多くは多胎や早産を通じたものと考えられています。妊娠経過では多胎、単胎での早産、凍結胚移植での妊娠高血圧症候群や癒着胎盤、母体ではOHSSと採卵の合併症に注意が必要です。数字は集団のデータであり、一人ひとりの確率をそのまま示すものではないことを踏まえて、治療や検査を選んでください。

🏥 体外受精で妊娠された方の出生前診断・遺伝カウンセリング

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医がNIPT(新型出生前診断)・羊水検査・絨毛検査などの出生前診断と、遺伝カウンセリングを行っています。体外受精・顕微授精などの不妊治療そのもの(採卵・胚移植)は当院では行っていません。体外受精で妊娠され、赤ちゃんの染色体や遺伝学的な評価について正確な情報に基づいて検査を選びたい方は、ご予約のうえご来院ください。

参考文献

  • [1] Assisted reproductive technology and birth defects: a systematic review and meta-analysis. Hum Reprod Update. 2013;19(4):330-353. [DOI: 10.1093/humupd/dmt006]
  • [2] Congenital anomalies observed in children conceived through assisted reproductive technology—a systematic review and meta-analysis. J Assist Reprod Genet. 2025;42(5):1547-1565. [DOI: 10.1007/s10815-025-03454-0]
  • [3] Reproductive technologies and the risk of birth defects. N Engl J Med. 2012;366(19):1803-1813. [DOI: 10.1056/NEJMoa1008095]
  • [4] Increased risk of congenital anomalies after fertility treatment is partially mediated by multiple birth: a population-based cohort study. Hum Reprod. 2026 (advance online publication). [DOI: 10.1093/humrep/deag124]
  • [5] About Birth Defects. Centers for Disease Control and Prevention (CDC). [CDC]
  • [6] EUROCAT Statistical Monitoring Report 2021. European Commission, JRC. [EU RD Platform]
  • [7] Congenital heart defects in children born after assisted reproductive technology: a CoNARTaS study. Eur Heart J. 2024;45(45):4840-4858. [DOI: 10.1093/eurheartj/ehae572]
  • [8] Risk of chromosomal abnormalities in early spontaneous abortion after assisted reproductive technology: a meta-analysis. PLoS One. 2013;8(10):e75953. [DOI: 10.1371/journal.pone.0075953]
  • [9] Comprehensive meta-analysis reveals association between multiple imprinting disorders and conception by assisted reproductive technology. J Assist Reprod Genet. 2018;35(6):943-952. [DOI: 10.1007/s10815-018-1173-x]
  • [10] Association of four imprinting disorders and ART. Clin Epigenetics. 2019;11:21. [DOI: 10.1186/s13148-019-0623-3]
  • [11] Beckwith-Wiedemann Syndrome. GeneReviews®. University of Washington, Seattle. [NCBI Bookshelf NBK1394]
  • [12] Silver-Russell Syndrome. GeneReviews®. University of Washington, Seattle. [NCBI Bookshelf NBK1324]
  • [13] Angelman Syndrome. GeneReviews®. University of Washington, Seattle. [NCBI Bookshelf NBK1144]
  • [14] Expert consensus document: Clinical and molecular diagnosis, screening and management of Beckwith–Wiedemann syndrome: an international consensus statement. Nat Rev Endocrinol. 2018;14(4):229-249. [DOI: 10.1038/nrendo.2017.166]
  • [15] EAA/EMQN best practice guidelines for molecular diagnosis of Y-chromosomal microdeletions: State of the art 2023. Andrology. 2023. [DOI: 10.1111/andr.13514]
  • [16] EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health: Male Infertility. European Association of Urology. [Uroweb]
  • [17] Prenatal testing in ICSI pregnancies: incidence of chromosomal anomalies in 1586 karyotypes and relation to sperm parameters. Hum Reprod. 2002;17(10):2600-2614. [DOI: 10.1093/humrep/17.10.2600]
  • [18] CFTR mutations in men with congenital bilateral absence of the vas deferens (CBAVD): a systematic review and meta-analysis. Hum Reprod. 2012;27(1):25-35. [DOI: 10.1093/humrep/der377]
  • [19] Autism and mental retardation among offspring born after in vitro fertilization. JAMA. 2013;310(1):75-84. [DOI: 10.1001/jama.2013.7222]
  • [20] Association of assisted reproductive technology with autism spectrum disorder in the offspring: an updated systematic review and meta-analysis. Eur J Pediatr. 2021;180:2741-2755. [DOI: 10.1007/s00431-021-04187-9]
  • [21] The neurodevelopmental morbidity of children born after assisted reproductive technology: a Nordic register study from the Committee of Nordic Assisted Reproductive Technology and Safety group. Fertil Steril. 2022;117(5):1026-1037. [DOI: 10.1016/j.fertnstert.2022.01.010]
  • [22] Neurodevelopmental or behavioral disorders in children conceived after assisted reproductive technologies: a nationwide cohort study. Fertil Steril. 2025;123(4):665-676. [DOI: 10.1016/j.fertnstert.2024.10.017]
  • [23] Multiplicity and early gestational age contribute to an increased risk of cerebral palsy from assisted conception: a population-based cohort study. Hum Reprod. 2010;25(8):2115-2123. [DOI: 10.1093/humrep/deq070]
  • [24] Risk of cancer in children and young adults conceived by assisted reproductive technology. Hum Reprod. 2019;34(4):740-750. [DOI: 10.1093/humrep/dey394]
  • [25] Cancer in children born after frozen-thawed embryo transfer: A cohort study. PLoS Med. 2022;19(9):e1004078. [DOI: 10.1371/journal.pmed.1004078]
  • [26] Infertility treatment and offspring blood pressure—a systematic review and meta-analysis. Hum Reprod Update. 2025;31(1):2-20. [DOI: 10.1093/humupd/dmae029]
  • [27] 2023年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績. 日本産科婦人科学会 登録・調査小委員会. [日本産科婦人科学会]
  • [28] Obstetric and perinatal outcomes in singleton pregnancies resulting from IVF/ICSI: a systematic review and meta-analysis. Hum Reprod Update. 2012;18(5):485-503. [DOI: 10.1093/humupd/dms018]
  • [29] Assisted reproductive technology and the risk of pregnancy-related complications and adverse pregnancy outcomes in singleton pregnancies: a meta-analysis of cohort studies. Fertil Steril. 2016;105(1):73-85. [DOI: 10.1016/j.fertnstert.2015.09.007]
  • [30] Is frozen embryo transfer better for mothers and babies? Can cumulative meta-analysis provide a definitive answer? Hum Reprod Update. 2018;24(1):35-58. [DOI: 10.1093/humupd/dmx031]
  • [31] Endometrial preparation methods for frozen-thawed embryo transfer are associated with altered risks of hypertensive disorders of pregnancy, placenta accreta, and gestational diabetes mellitus. Hum Reprod. 2019;34(8):1567-1575. [DOI: 10.1093/humrep/dez079]
  • [32] Increased Preeclampsia Risk and Reduced Aortic Compliance With In Vitro Fertilization Cycles in the Absence of a Corpus Luteum. Hypertension. 2019;73(3):640-649. [DOI: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.12043]
  • [33] Prevention of moderate and severe ovarian hyperstimulation syndrome: a guideline. Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Fertil Steril. 2024;121(2):230-245. [DOI: 10.1016/j.fertnstert.2023.11.002]
  • [34] Appraisal of clinical complications after 23,827 oocyte retrievals in a large assisted reproductive technology program. Fertil Steril. 2018;109(6):1038-1043.e1. [DOI: 10.1016/j.fertnstert.2018.02.002]
  • [35] Risks of ovarian, breast, and corpus uteri cancer in women treated with assisted reproductive technology in Great Britain, 1991-2010: data linkage study including 2.2 million person years of observation. BMJ. 2018;362:k2644. [DOI: 10.1136/bmj.k2644]
  • [36] Medically Assisted Reproduction and Hormone-Related Cancers. JAMA Netw Open. 2026;9(7):e2622832. [DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2026.22832]

関連記事

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

関連記事