InstagramInstagram

自己免疫性卵巣炎とは?21水酸化酵素抗体(21OH抗体)と早発卵巣不全(POI)の自己免疫原因を遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

40歳より前に月経が止まってしまう早発卵巣不全(POI)には、免疫の誤作動が原因になっているタイプがあります。それが自己免疫性卵巣炎です。このタイプは、卵子のもとになる原始卵胞が壊されずに残っているという、他の原因にはない大きな特徴を持っています。そして、その手がかりになるのが「副腎の酵素」に対する抗体である21水酸化酵素抗体(21OH抗体)です。この記事では、卵巣の中で何が起きているのか、どんな検査をどの順番で受けるのか、そして2026年に発表された免疫療法の研究がどこまで進んでいるのかまでを、遺伝専門医の視点で整理してお伝えします。

この記事でわかること
📖 読了時間:約18分
🧬 自己免疫性卵巣炎・21OH抗体・POI
臨床遺伝専門医監修

Q. 自己免疫性卵巣炎とは何ですか。まず結論だけ知りたいです

A. 自分の免疫が卵巣のホルモンをつくる細胞(内卵胞膜細胞)を攻撃してしまい、早発卵巣不全を引き起こす病態です。大きな特徴は、育ちかけの卵胞は壊されるのに眠っている原始卵胞は残っていること。診断は卵巣の組織を採るのではなく、原因のわからないPOIの方に21水酸化酵素抗体(21OH抗体)を測ることで進めます。陽性なら副腎の病気(アジソン病)が隠れている可能性があるため、内分泌の専門医への紹介が推奨されています。

  • 攻撃される場所 → 育ちかけの卵胞と黄体の「内卵胞膜細胞」。原始卵胞は残されるのが特徴
  • ホルモンの特徴 → エストラジオールは低いのにインヒビンは高く、超音波では多嚢胞状に見えることがある
  • 診断の入口 → 21OH抗体。抗卵巣抗体(AOA)は診断に使わないことが明確に推奨されています
  • 遺伝との関係 → AIRE遺伝子によるAPS-1、そして自己免疫が疑われても染色体検査とFMR1検査は省略しません
  • 研究の現在地 → B細胞を減らす免疫療法の概念実証研究が2026年に報告。対照群のない小規模研究です

\ 早発卵巣不全の原因検索について遺伝専門医に相談したい方へ /

📅 遺伝カウンセリングを予約する

遺伝子検査に関するご相談:遺伝子検査について

1. 自己免疫性卵巣炎とは:POIのなかで「性格が違う」ひとつのタイプ

早発卵巣不全(POI)は、40歳になる前に卵巣のはたらきが失われる状態を指します。国際的な診療ガイドラインでは、月経が4か月以上不順または止まっていることに加えて、下垂体から出るホルモンであるFSHが25 IU/Lを超えて高いことを診断の目安としています[1]。かつては40歳未満のおよそ1%とされてきましたが、近年の研究では3.5%前後という高い数値も報告されており、けっして珍しい状態ではないという認識に変わりつつあります[1]

POIには、染色体や遺伝子の変化によるもの、がん治療や手術によるもの、そして原因が特定できないものなど、さまざまな背景があります。そのなかで免疫の誤作動が卵巣を攻撃してしまうタイプが、この記事のテーマである自己免疫性卵巣炎(Autoimmune Oophoritis)です。ある単一施設で1978〜2003年の172例と2017〜2024年の111例を比べた研究では、原因不明とされた割合が72.1%から36.9%へ半減する一方、自己免疫性と分類された割合は8.7%から18.9%へと増えていました[2]。ただしこれは単一施設の比較であり、そのまま日本全体の数字として読むことはできません。

💡 用語解説:自己免疫(じこめんえき)とは

免疫は本来、細菌やウイルスなど「自分ではないもの」を見分けて攻撃する仕組みです。ところが何らかのきっかけでこの見分けがうまくいかなくなり、自分自身の細胞や組織を敵とみなして攻撃してしまうことがあります。これが自己免疫疾患です。攻撃の目印として血液中に現れるタンパク質を自己抗体と呼び、どの自己抗体が出ているかを調べることで、どの臓器が狙われているかを推定できます。

ここで数字の読み方に注意が必要です。「自己免疫性はPOIの4〜30%」という幅のある記載を目にすることがありますが、これはどこまでを自己免疫性と数えるかによって大きく変わるためです[3]。ステロイドをつくる細胞に対する抗体がはっきり陽性で、卵巣そのものが免疫の標的になっていると考えられる「狭い意味」の自己免疫性卵巣炎は、POI全体の数%程度と見積もられます。一方、甲状腺の病気など何らかの自己免疫疾患を合併している人まで含めた「広い意味」で数えると、割合はぐっと大きくなります。記事や論文を読むときは、その数字がどちらの定義かを確かめてください。

2. 卵巣の中で何が起きているのか:狙われる細胞と、残される細胞

卵巣を顕微鏡で見たとき、自己免疫性卵巣炎にはとても特徴的な像があります。育ちかけの卵胞(有腔卵胞)や排卵後にできる黄体のまわりに、リンパ球と形質細胞が集まって炎症を起こしているのですが、その集まり方が卵胞を狙い撃ちするように偏っているのです[4]。とくに集中するのが内卵胞膜細胞(theca interna cells)という層で、症例報告では顆粒膜の層は比較的保たれていることが記載されています[6]

💡 用語解説:内卵胞膜細胞(ないらんほうまくさいぼう)

卵胞は、真ん中に卵子があり、そのまわりを顆粒膜細胞が取り囲み、さらにその外側を卵胞膜細胞が包む、という三層構造をしています。内卵胞膜細胞は、女性ホルモンの材料(アンドロステンジオンなど)をつくる工場です。顆粒膜細胞はその材料を受け取ってエストラジオールに変換します。つまり内卵胞膜細胞は「原料工場」、顆粒膜細胞は「加工工場」という分業になっており、原料工場が壊れると加工工場が無事でも製品はできあがりません。

そしてこの病態のもっとも重要な点が、眠っている原始卵胞は攻撃を免れていることです。46,XXの自然発症POI 266人を対象に行われた研究では、副腎皮質抗体が陽性だった方に卵巣生検が行われ、組織学的に自己免疫性卵巣炎と確認された4例すべてで、激しい卵胞膜への浸潤にもかかわらず原始卵胞と初期の一次卵胞は無傷のまま保たれていました[5]。さらに、この4例は全員が21水酸化酵素抗体も陽性でした[5]。卵子のもとになる細胞のプールが物理的に枯れてしまっているわけではなく、長い休止期に入ったまま残っている——ここが、加齢や他の原因によるPOIとの決定的な違いです。

図1:自己免疫性卵巣炎で「壊れる場所」と「残る場所」

🔥 攻撃される(壊れる)

育ちかけの卵胞・閉鎖卵胞・黄体の内卵胞膜細胞

→ ホルモンの材料が作れなくなる

🌱 残される(無傷)

眠ったままの原始卵胞・初期の一次卵胞

→ 卵子のもとは残っている可能性がある

この「壊れる/残る」の分かれ方が、自己免疫性卵巣炎の最大の特徴です。

ホルモン検査が「ちぐはぐ」に見える理由

原料工場だけが壊れて加工工場が残っている、という状態は、血液検査に独特のパターンとして現れます。米国マサチューセッツ総合病院からの報告では、自己免疫性卵巣炎が疑われた3名の女性で、複数の卵胞が育っているのにエストラジオールはごく低いか検出できないという現象が観察されました[7]。エストラジオールの材料であるアンドロステンジオンとエストロンも低値でした。一方、顆粒膜細胞が出すインヒビンBは、卵胞が複数育っている状況に見合ってむしろ高値を示し、その結果としてLHが閉経後の域まで上がるのに対しFSHは閉経前女性の上限にとどまるという、通常のPOIとは異なる並び方になっていました[7]。この3名は全員、副腎皮質抗体・21水酸化酵素抗体・P450側鎖切断酵素抗体が陽性でした[7]

図2:ホルモンの「ちぐはぐパターン」が生まれる流れ

STEP 1 内卵胞膜細胞が壊れる → アンドロステンジオン・エストロンが作れない

STEP 2 材料が届かず、顆粒膜細胞は無事でもエストラジオールを作れない

STEP 3 顆粒膜細胞は元気なのでインヒビンは高値 → FSHがLHほど上がらない

STEP 4 超音波では卵胞がたくさん見え、多嚢胞性卵巣症候群と紛らわしい像になる

この「卵胞は見えるのにエストロゲンが出ていない」という像は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と見た目が似てしまうことがあり、診断を難しくする一因になります。またAMHが測定可能なレベルで残っていることも、この病態を疑うきっかけになりえます。卵巣低反応(POR)POSEIDON基準で層別化される患者さんのなかにも、こうした背景が隠れている可能性があります。

3. 21水酸化酵素抗体(21OH抗体):副腎の酵素の抗体で、なぜ卵巣がわかるのか

21水酸化酵素は、副腎皮質でコルチゾールやアルドステロンを合成する際に働く酵素です。ここで多くの方が疑問に思われるのが、「なぜ副腎の酵素に対する抗体で、卵巣の病気がわかるのか」という点でしょう。答えは、副腎皮質と卵巣が、発生の起源とホルモン合成の仕組みを共有していることにあります[9]。どちらもコレステロールを出発点としてステロイドホルモンをつくる細胞であり、そこで働く酵素にはよく似たものが並んでいます。免疫がこの酵素群を敵とみなすと、副腎と卵巣の両方が同時に標的になりうるのです。

💡 用語解説:ステロイド産生細胞抗体(SCA)とその仲間

ステロイドホルモンをつくる細胞を狙う自己抗体のグループです。標的となる酵素の名前をとって、21水酸化酵素抗体(21OH抗体)、17α水酸化酵素抗体(17OH抗体)、P450側鎖切断酵素抗体(SCC抗体)、3β水酸化ステロイド脱水素酵素抗体などに分けられます[8]。かつては蛍光抗体法で「副腎の組織に反応するかどうか」を見ていましたが、現在はどの酵素に対する抗体かを特定できる感度の高い測定法が使われるようになっています[9]

ここで名前が似ていて紛らわしいのが、21-水酸化酵素欠損症です。これはCYP21A2遺伝子の変化によって酵素そのものが生まれつき足りない病気で、先天性副腎過形成(CAH)のもっとも多い型として知られています。一方、この記事で扱う21OH抗体は酵素は正常に作られているのに、免疫がそれを攻撃してしまう状態を示すものです。「酵素が作れない病気」と「酵素を攻撃してしまう病気」——名前は同じ21水酸化酵素でも、まったく別の話ですので混同しないようにしてください。CAHの遺伝学的な精査には先天性副腎過形成NGSパネル検査が用いられます。

「抗卵巣抗体」はなぜ使ってはいけないのか

かつては卵巣そのものに反応する抗体、いわゆる抗卵巣抗体(AOA)が広く測定されていた時期がありました。しかし国際ガイドラインは、自己免疫性POIの診断に抗卵巣抗体スクリーニングを用いるべきではないと強い推奨で明記しています[1]。理由は、健康な方でも陽性になることが多く、結果が治療方針の決定に結びつかないためです。同じ理由で、卵巣生検も日常的な診断の手順としては行われません[9]。侵襲のある検査を避け、血液中の自己抗体を代わりの目印として使うのが現在の考え方です。

4. アジソン病と自己免疫性多内分泌腺症候群(APS):AIRE遺伝子という接点

21OH抗体が陽性であることの臨床的な重みは、卵巣の話だけにとどまりません。この抗体は、自己免疫によって副腎皮質が壊れるアジソン病(自己免疫性副腎不全)の目印でもあるからです。ノルウェーの全国登録を用いた研究では、自己免疫性アジソン病の女性461人のうち47人(10.2%)がPOIを合併しており、そのうち約3分の1は30歳より前に発症していました[9]。さらに、POIがアジソン病の診断より先か同時だった方が57%を占めた一方で、アジソン病の診断から何年も経ってからPOIが現れる方も32%いました[9]。つまりどちらが先かは決まっておらず、長期にわたる経過観察が必要ということになります。

💡 用語解説:副腎クリーゼ(ふくじんクリーゼ)

副腎皮質ホルモンが足りない方が、感染症・けが・手術・強いストレスなどをきっかけに、急激な血圧低下・意識障害・低血糖などを起こす生命に関わる急性の状態です。だからこそ、21OH抗体が陽性と判明した場合には、症状が出る前の段階で副腎の予備能を評価しておくことに意味があります。ガイドラインでも、21OH抗体が陽性のPOIの方は副腎機能の検査のために内分泌の専門医へ紹介することが強い推奨とされています[1]

AIRE遺伝子と、胸腺で行われる「自己の教育」

アジソン病とPOIが重なる背景として、遺伝医療の立場からとくに重要なのが自己免疫性多内分泌腺症候群1型(APS-1/APECED)です。これはAIRE遺伝子の両方のコピーに病的な変化があることで起こる、常染色体潜性(劣性)遺伝の病気です。AIREは胸腺の細胞で働き、全身のさまざまな臓器のタンパク質をあえて胸腺内で提示することで、自分自身を攻撃してしまうT細胞を選び出して除去する役割を担っています。この免疫寛容の教育がうまくいかないと、自己反応性のT細胞が胸腺を出てしまい、複数の内分泌臓器が次々と攻撃を受けることになります[11]

項目 APS-1(APECED)の特徴 補足
原因と遺伝形式 AIRE遺伝子/常染色体潜性(劣性)遺伝 両親がともに保因者の場合、きょうだいの再発率は25%
古典的な三徴 慢性皮膚粘膜カンジダ症・副甲状腺機能低下症(約80%)・アジソン病(約70%) 3つのうち2つがそろえば臨床診断となります[10]
性腺への影響 女性の卵巣機能不全は約60%[10]/男性の精巣機能不全は約15%[10]、報告により最大25%[11] 性腺の免疫感受性には明らかな性差があります
発症年齢 40人の追跡で28人(70%)がPOIを発症、診断年齢の中央値は16.0歳[12] その71%は成人身長に達する前でした[12]
診断の目印 I型インターフェロン(IFN-ω/IFN-α)に対する自己抗体が高い頻度・高い特異性で検出されます[11] 確定にはAIRE遺伝子の解析が行われます

なお、APS-1に関連する自己抗体としてNALP5(MATER)抗体が知られていますが、この抗体が検出されるのは副甲状腺機能低下症を合併したAPECEDの患者さんの49%とされており、副甲状腺機能低下症のないAPECEDや、APECED以外の副甲状腺機能低下症では検出されないという特徴があります[11]。実際、ノルウェーのアジソン病コホートではNALP5抗体は誰にも検出されませんでした[9]。数字を引用するときは「誰を対象に測ったのか」まで含めて読む必要がある、よい例だと思います。

また、APECEDの女性19人を対象とした婦人科的評価では、16人(84%)にPOIが認められ、診断年齢の中央値は16.5歳でした[13]。卵巣と副腎の両方の機能が低下することで、半数以上の方でアンドロゲンが測定限界を下回っていたことも報告されています[13]。思春期の発来や二次性徴に影響しうるため、小児期からの内分泌フォローが重要になります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「原因不明」で止まらないでほしい理由】

早発卵巣不全と告げられた方の多くが、「原因はわかりません」という言葉とともに診察室を出ていかれます。けれども原因を探すことには、妊娠の可能性を考えるためだけではない意味があります。21OH抗体が陽性とわかれば、まだ症状が出ていない副腎の問題に先回りできます。染色体を調べればターナー症候群のモザイクが見つかることがあり、FMR1を調べればご家族に関わる情報が得られることもあります。

原因検索は「妊娠できるかどうか」の答えを出すためだけの作業ではなく、その方のこれから数十年の健康と、血縁のご家族の見通しを整えるための作業でもあります。私は遺伝カウンセリングの場で、そこをいちばん丁寧にお話しするようにしています。

5. どんな病気が併存しやすいのか:数字の正しい読み方

米国ユタ州の住民データベースを用いて、POIの女性610人とその血縁者を追跡した研究があります[14]。この研究では、POIの女性の25%が少なくとも1つの自己免疫疾患を持っていました。一般人口と比べたリスクは下の表のとおりです。

併存する自己免疫疾患 オッズ比[95%信頼区間] 臨床的な意味
自己免疫性甲状腺機能低下症 6.88[5.71-8.22] 自己免疫疾患を持つPOIの方のなかで最も多い併存疾患です
尋常性白斑 15.33[6.16-31.58] 数値は大きいものの、信頼区間の幅も広く、慎重な解釈が必要です
セリアック病 7.58[3.47-14.39] HLA領域の遺伝的感受性を共有すると考えられています
関節リウマチ 5.66[3.10-9.50] 内分泌以外の自己免疫疾患もリスクが上がっていました
副腎不全 4.72[1.73-10.28] 該当した方は全員、APSの診断基準を満たしていました
全身性エリテマトーデス 4.43[1.63-9.64] 因果関係の検証でも関連が示唆されている疾患です
1型糖尿病 4.13[2.14-7.22] 卵巣予備能の低下との関連は自己免疫以外の機序も議論されています
乾癬 3.90[2.01-6.81] 全身性の慢性炎症を伴う皮膚疾患です

💡 用語解説:オッズ比と信頼区間の読み方

オッズ比は「その集団で、ある病気がどれくらい起こりやすいか」を一般人口と比べた比率です。ただしオッズ比15倍は「15人に1人が発症する」という意味ではありません。もとの発症率がとても低ければ、15倍でも実際の人数はごくわずかです。また角括弧の中の95%信頼区間が「6.16-31.58」のように幅広い場合、その推定はまだ不確かだということを示しています。数字の大きさだけでなく、幅の広さもセットで見るのが正しい読み方です。

この研究でもうひとつ注目すべき所見は、POIの方の一親等・二親等・三親等の血縁者では、自己免疫疾患のリスク上昇が認められなかったことです[14]。ただし論文の著者らは、この結果は「POIにおける自己免疫に遺伝的素因が関与しない」ことを意味するものではない、と明確に述べています[14]。血縁者にリスクが波及しない理由はまだわかっておらず、断定を避けるべき部分です。

遺伝情報を使った因果の検証と、その限界

「自己免疫疾患があるからPOIになるのか、それとも単に一緒に起こりやすいだけなのか」を検証する方法として、メンデルランダム化という解析があります。GWAS(ゲノムワイド関連解析)で得られた遺伝的な情報を使い、生まれつき決まっている要因から因果の向きを推定する手法です。20種類の自己免疫疾患を対象とした解析では、セリアック病(オッズ比1.124)、尋常性白斑(1.092)、全身性エリテマトーデス(1.122)がPOIのリスクをわずかに上げる方向に、選択的IgA欠損症(0.866)は下げる方向に関連していました[15]。アジソン病についても関連が示されましたが、これは基準をゆるめた条件での示唆的な所見という位置づけです[15]

ここで大切なのは、これらのオッズ比が1.1前後という小さな値であること、そして研究によって結果が一致していないことです。10種類の自己免疫疾患を扱った別のメンデルランダム化解析では、アジソン病のオッズ比が1.26、全身性エリテマトーデスが1.12と報告されており、対象とした疾患も数値も先ほどの研究と異なっています[16]。ひとつの解析結果だけを取り出して「因果関係が証明された」と読むのは適切ではありません。コホート研究メタアナリシスと合わせて、疫学全体の文脈で理解する姿勢が求められます。

6. 診断の進め方:2024年の国際ガイドラインに沿った検査の順番

2024年に欧州生殖医学会(ESHRE)・米国生殖医学会(ASRM)などが合同で改訂したガイドラインは、145の推奨から構成されています[1]。以前の版からの大きな変更点として、FSHが25 IU/Lを超える高値の確認は1回でよい(結果に不確かさがある場合に4〜6週後に再検する)となったことが挙げられます[1]。AMHは一次的な診断検査としては用いませんが、FSHの結果が判断に迷うときの確認には役立つとされています[1]

図3:医原性でないPOIと診断された後に行う検査

STEP 1 染色体検査(核型分析)

医原性でないPOIの全員に推奨(強い推奨)。ターナー症候群やそのモザイク、Y染色体成分の有無を確認します。

STEP 2 FMR1プレミューテーション検査

こちらも全員に推奨(強い推奨)。多遺伝子パネルや次世代シークエンサーでは検出できないため、専用の検査として実施します。

STEP 3 21水酸化酵素抗体(21OH抗体)

原因不明のPOIに対して実施(強い推奨)。抗卵巣抗体は使いません。陽性なら内分泌の専門医へ紹介します。

STEP 4 甲状腺機能(TSH)

診断時に測定し、その後は5年ごと、または症状が出たときに再検します。TPO抗体のルーチン測定は推奨されていません。

STEP 5 追加の遺伝学的検査(条件付き推奨)

遺伝カウンセリングを行ったうえで、次世代シークエンサーによる解析を選択肢として提示できます。

出典:2024年ESHRE/ASRM/CRE-WHiRL/IMS 合同ガイドライン[1]

ここで、遺伝医療の立場から強調しておきたいことがあります。自己免疫が疑われるからといって、染色体検査やFMR1検査を省略してよいわけではありません。自己免疫と遺伝的要因は互いに排他的ではなく、ターナー症候群のように、それ自体が自己免疫疾患を合併しやすい病態も存在します。実際、上記の21OH抗体スクリーニングは「原因不明のPOI」に対する推奨であり、遺伝学的な検索とセットで組み立てられています[1]。染色体の検査はGバンド分染法による染色体検査が基本で、必要に応じてマイクロアレイ染色体検査(CMA)が追加されます。

FMR1遺伝子のプレミューテーションは、FXPOI(脆弱X関連原発性卵巣不全)の原因になるだけでなく、次の世代で脆弱X症候群を発症する可能性に関わるため、遺伝形式を含めた説明が欠かせません。ガイドラインでも、FMR1プレミューテーションやその他の遺伝学的原因が判明した場合には、血縁者にも遺伝カウンセリングと検査の機会を提供することが推奨されています[1]。あわせて、POIの姉妹や娘はPOIのリスクが高いことを伝えるべきとも明記されています[1]

単一遺伝子レベルの検索としては、女性不妊症NGS遺伝子パネル検査クリニカルエクソーム検査全エクソーム検査(WES)といった選択肢があります。POIに関連する遺伝子としてはBMP15GDF9FSHRNR5A1ESR2MCM8MCM9STAG3SYCE1TP63などが知られています。興味深いことに、アジソン病の女性を対象とした遺伝解析では、統計的に確定はしなかったもののFOXL2領域の変化がPOI群で多い傾向が観察されており[9]、FOXL2はBPESの原因遺伝子としても、また卵巣分化のシグナルの中心因子としても重要な遺伝子です。詳しくは低AMH・早発性卵巣不全における遺伝子検査の記事もあわせてご覧ください。

7. 治療と管理:ホルモン補充療法と、免疫療法研究の現在地

POIの管理の土台になるのは、妊娠を希望するかどうかにかかわらず、通常の閉経年齢に達するまでホルモン療法を続けることです[1]。これは症状をやわらげるためだけではなく、心血管疾患による死亡リスクの上昇や、骨密度の低下、認知機能への影響を減らすための一次予防として位置づけられています[1]。骨を守る目的では、経口エストラジオール2 mg以上または経皮エストラジオール100 μg以上に相当する量が目安として示されており、子宮が残っている方には子宮体がん予防のためにプロゲストーゲンを併用します[1]。骨密度はDXA(デュアルエナジーX線吸収測定法)で診断時に測定することが推奨されています[1]

💡 見落とされやすいポイント:ホルモン補充療法は避妊にはなりません

POIと診断された後でも、卵巣のはたらきが断続的に戻ることがあり、自然に妊娠する可能性が残っています[1]。ガイドラインは、ホルモン補充療法には避妊効果がないことを患者さんに伝えるべきだと明記しています[1]。妊娠を望まない場合には別に避妊の方法を用意する必要があります。逆に妊娠を望む場合は、周期的な投与方法が選択されます[1]

妊娠を希望される場合の現時点での確立した選択肢は卵子提供です[1]妊孕性温存卵子凍結など)については、ガイドラインは「POIと診断された多くの方では卵胞のプールがすでに枯れており、温存の機会がない」と率直に述べています[1]。ただし自己免疫性卵巣炎では原始卵胞が残っている可能性があり、この一般論がそのまま当てはまるかは個別の評価が必要です。体外受精を用いる場合、体外成熟培養(IVM)DuoStimといった採卵戦略が議論されることもあります。

B細胞を減らす免疫療法:2026年に報告された概念実証研究

まず前提として押さえておきたいのは、2024年のガイドラインが「卵巣の活動性や自然妊娠率を確実に高めることが示された介入は存在しない」と強い推奨で述べていることです[1]。ステロイドをはじめとする免疫抑制療法を日常診療で行うことも、この推奨に含まれます。そのうえで、研究段階の動きとして注目されているのが、スウェーデンのカロリンスカ研究所から2026年6月に報告されたモノクローナル抗体製剤リツキシマブの概念実証研究です[17]

図4:カロリンスカ研究所の概念実証研究の流れ

登録

12人

18〜35歳・自己免疫性POI

治療を受けた

10人

2人が開始前に辞退

投与前の反応

0人

卵胞の発育なし

↓ リツキシマブ 1 g を2週間隔で2回投与 → 4〜6か月後に再度の卵巣刺激 ↓

卵胞が発育

6人

成熟卵子を回収

5人

胚移植し出産

3人

自発月経の再開

8人

出典:NEJM Evidence 2026[17]およびカロリンスカ研究所の公表資料[18]

この研究の対象は、21水酸化酵素抗体や側鎖切断酵素抗体などが陽性で、体格指数19〜30の18〜35歳の女性と定められていました[19]。リツキシマブはB細胞の表面にあるCD20を標的とし、自己抗体を作るB細胞を一時的に減らす薬です。投与前は全員が卵巣刺激にまったく反応しませんでしたが、投与から4〜6か月後には10人中6人で卵胞が育ち、そのうち5人で成熟卵子の凍結または受精が可能となり、胚移植を受けた3人全員が健康なお子さんを出産しました[18]。8人では自発的な月経も再開しています[18]

⚠️ 読むときの注意点 研究チーム自身が、これは対照群のない小規模な概念実証研究であり、ランダム化比較試験による検証が必要だと述べています[17]。研究機関の発表でも「一時的に(temporarily)」妊孕性を回復させる可能性、という表現が使われています[18]。実際、この結果を検証するためのプラセボ対照試験が新たに登録されており、現在も検証の途上にあります[20]

日本において、リツキシマブは早発卵巣不全に対する承認を受けていません。したがって現時点でこの治療を一般診療として受けられる状況にはなく、この記事も特定の治療を推奨するものではありません。それでも、原始卵胞が残っているという組織学的な事実と、免疫の活動を抑えると卵巣が刺激に反応しうるという観察が一本の線でつながったことは、この分野の考え方を確実に前へ動かしています。

8. よくある誤解

誤解①「21OH抗体が陽性=副腎の病気がある」

21OH抗体は将来アジソン病を発症する可能性を示す目印であって、陽性であれば直ちに副腎不全があるという意味ではありません。だからこそガイドラインは、陽性の方に対して内分泌の専門医のもとで副腎機能を評価することを推奨しています[1]

誤解②「自己免疫が原因なら遺伝子検査は不要」

自己免疫と遺伝的要因は互いに排他的ではありません。ガイドラインは、医原性でないPOIの全員に対して染色体検査とFMR1プレミューテーション検査を推奨しています[1]。自己免疫が疑われる場合でも、この2つは省略しません。

誤解③「抗卵巣抗体を測れば自己免疫かどうかわかる」

抗卵巣抗体(AOA)は、自己免疫性POIの診断に用いるべきではないと強い推奨で明記されています[1]。健康な方でも陽性になることが多く、結果が治療方針に結びつかないためです。診断の入口は21OH抗体になります。

誤解④「免疫の薬を使えば妊娠できるようになった」

2026年に報告された研究は、対照群のない10人規模の概念実証研究です[17]。ランダム化比較試験による検証が進行中の段階であり[20]、日本でPOIへの承認はありません。確立した治療として語れる段階ではありません。

9. 臨床遺伝専門医からのメッセージ

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「残っている」という事実が持つ意味】

自己免疫性卵巣炎について私がいちばん心を惹かれるのは、20年前の顕微鏡所見と、2026年の臨床研究が、同じことを言っているという点です。「原始卵胞は残っている」という組織学の観察と、「免疫を抑えると卵巣が刺激に反応した」という観察は、まったく別の時代・別の手法から出てきたのに、きれいに符合しています。基礎的な観察を丁寧に積み上げることの意味を、あらためて感じさせられます。

同時に、期待が先走ることの危うさも申し上げておきたいと思います。10人の研究は10人の研究であって、それ以上でも以下でもありません。いま確実にできることは、原因を丁寧に探し、副腎や甲状腺の合併に先回りし、骨と血管と脳を守るためにホルモン療法を続けることです。地味に見えるかもしれませんが、これがその方の30年後をいちばん大きく変えます。診断がついた方も、これから調べる方も、どうかひとりで抱え込まずご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 早発卵巣不全と言われました。21OH抗体は必ず測るものですか?

国際ガイドラインでは、原因がわかっていないPOIの方に対して21水酸化酵素抗体のスクリーニングを行うことが強い推奨とされています[1]。手術や抗がん剤治療など原因が明らかな医原性のPOIでは、必要性の判断が変わります。まずは主治医に、ご自身のPOIがどの分類にあたるのかを確認してみてください。

Q2. 21OH抗体が陰性でした。あとで測り直す必要はありますか?

ガイドラインは、21OH抗体が陰性だったPOIの方について、副腎不全を疑わせる症状や所見が現れない限り、後から再検査する必要はないと強い推奨で述べています[1]。ただし強い倦怠感・体重減少・低血圧・色素沈着といった症状が出た場合は、早めに受診してください。

Q3. 甲状腺の抗体(TPO抗体)も一緒に測ってもらうべきですか?

2024年のガイドラインは、TPO抗体をルーチンで測定することは推奨していません。一般の方でも陽性率が高いためです[1]。代わりに、診断時に甲状腺機能(TSH)を測定し、その後は5年ごと、または症状が出たときに再検するという方針が示されています[1]。TSHが異常であれば、その時点で評価と治療を行います。

Q4. 卵巣の組織を採って調べれば、はっきりわかるのではないですか?

確かに組織診断は確実ですが、卵巣生検は日常の診断手順としては行われません[9]。手術という侵襲を伴ううえ、結果によって治療方針が大きく変わるわけではないためです。そこで、血液中の自己抗体を代わりの目印として使う方法が標準になっています。研究のなかで生検が行われた例では、副腎皮質抗体が陽性の方に自己免疫性卵巣炎が確認されています[5]

Q5. 21水酸化酵素抗体と21-水酸化酵素欠損症は同じ病気ですか?

別のものです。21-水酸化酵素欠損症は遺伝子の変化で酵素そのものが生まれつき不足する病気で、先天性副腎過形成の代表的な型です。一方、21水酸化酵素抗体は酵素は作られているのに免疫が攻撃してしまうことを示す指標です。名前が似ているだけで、成り立ちも治療もまったく異なります。

Q6. 姉妹や娘にも同じことが起こる可能性はありますか?

ガイドラインは、医原性でないPOIの方の姉妹や娘について、本人もPOIを発症するリスクが高いことを伝えるべきと強い推奨で述べています[1]。一方、併存する自己免疫疾患そのもののリスクについては、血縁者で上昇は認められなかったという報告があります[14]。FMR1プレミューテーションなど遺伝学的な原因が判明した場合は、血縁者にも遺伝カウンセリングと検査の機会を提供することが推奨されています[1]

Q7. 自己免疫性卵巣炎なら、ステロイドで卵巣機能が戻りますか?

2024年のガイドラインは、卵巣の活動性や自然妊娠率を確実に高めることが示された介入は存在しないと強い推奨で述べています[1]。ステロイドなどの免疫抑制療法を日常診療で行うことは、現時点では推奨されていません。B細胞を標的とする免疫療法についても、対照群のない小規模研究の段階です[17]

Q8. ミネルバクリニックではどこまで対応してもらえますか?

当院は臨床遺伝専門医が、POIの遺伝学的な原因検索と遺伝カウンセリングを担当します。染色体検査FMR1リピート伸長検査女性不妊症NGS遺伝子パネル検査などをご案内できます。21OH抗体が陽性であった場合の副腎機能の精査や、不妊治療そのものは、それぞれの専門診療科と連携して進めることになります。

🏥 早発卵巣不全の原因検索・遺伝カウンセリングのご相談

早発卵巣不全(POI)・低AMHの原因検索、
染色体検査やFMR1検査、遺伝子パネル検査に関するご相談は
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにお気軽にお問い合わせください。

参考文献

  • [1] Evidence-based guideline: premature ovarian insufficiency. Human Reproduction Open 2024;2024(4):hoae065. [Human Reproduction Open]
  • [2] Changing Etiological Spectrum of Premature Ovarian Insufficiency over the Past Decades: A Comparative Analysis of Two Cohorts from a Single Center. Diagnostics 2025;15(13):1724. [MDPI Diagnostics]
  • [3] Autoimmune Diseases in Patients with Premature Ovarian Insufficiency—Our Current State of Knowledge. International Journal of Molecular Sciences 2021;22(5):2594. [MDPI IJMS]
  • [4] Autoimmune Disease and Gonadal Failure. StatPearls. [NCBI Bookshelf NBK615138]
  • [5] Autoimmune oophoritis as a mechanism of follicular dysfunction in women with 46,XX spontaneous premature ovarian failure. Fertility and Sterility 2005;84(4):958-965. [Fertility and Sterility]
  • [6] Autoimmune oophoritis: A rarely encountered ovarian lesion. Indian Journal of Pathology and Microbiology 2015;58(2). [IJPM]
  • [7] Selective Theca Cell Dysfunction in Autoimmune Oophoritis Results in Multifollicular Development, Decreased Estradiol, and Elevated Inhibin B Levels. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2005;90(5):3069-3076. [JCEM]
  • [8] Diagnostic Value of Autoantibodies against Steroidogenic Enzymes and Hormones in Infertile Women with Premature Ovarian Insufficiency. [PMC11203845]
  • [9] Primary Ovarian Insufficiency in Women With Addison’s Disease. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2021;106(7):e2656-e2663. [JCEM]
  • [10] Autoimmune Polyglandular Syndromes. Endotext. [NCBI Bookshelf NBK279152]
  • [11] Human APECED; a Sick Thymus Syndrome? Frontiers in Immunology 2013;4:313. [Frontiers in Immunology]
  • [12] Pubertal development and premature ovarian insufficiency in patients with APECED. [PubMed 33107435]
  • [13] Endocrine Disorders and Genital Infections Impair Gynecological Health in APECED (APS-1). [PMC8669951]
  • [14] Autoimmune Disease is Increased in Women With Primary Ovarian Insufficiency. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism 2025;110(8):e2614. [JCEM]
  • [15] Primary ovarian insufficiency consequence of autoimmune diseases: a bidirectional two-sample Mendelian randomization study. [PMC11663653]
  • [16] Assessment of bidirectional relationships between autoimmune diseases and primary ovarian insufficiency: insights from a bidirectional two-sample Mendelian randomization analysis. Archives of Gynecology and Obstetrics 2024. [Springer]
  • [17] Immunotherapy for Fertility in Autoimmune Premature Ovarian Insufficiency. NEJM Evidence 2026;5(7). [NEJM Evidence]
  • [18] Immunotherapy may temporarily restore fertility in patients of premature menopause. Karolinska Institutet. [Karolinska Institutet]
  • [19] Immunomodulatory Therapy in Women With Autoimmune Premature Ovarian Insufficiency (NCT05586737). [ClinicalTrials.gov]
  • [20] Immunomodulatory Therapy to Restore Ovarian Function and Improve Fertility in Women With Autoimmune Premature Ovarian Insufficiency (NCT07509840). [ClinicalTrials.gov]

関連記事

用語解説早発卵巣不全(POI)40歳未満で卵巣機能が低下する病態の定義・診断・管理を解説します。疾患自己免疫性多内分泌腺症候群1型(APS-1)AIRE遺伝子変異による多臓器の自己免疫。卵巣機能不全との関係を解説。遺伝子AIRE遺伝子胸腺での免疫寛容の教育を担う遺伝子と自己免疫疾患の関わりを詳説。疾患21-水酸化酵素欠損症酵素そのものが生まれつき不足する病気。21OH抗体との違いを整理します。検査低AMH・早発性卵巣不全における遺伝子検査POIの遺伝学的原因と検査の選び方を分子メカニズムから解説します。検査女性不妊症NGS遺伝子パネル検査女性不妊に関連する遺伝子を網羅的に解析するNGSパネル検査です。

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

お電話での受付可能
診療時間
午前 10:00~14:00
(最終受付13:30)
午後 16:00~20:00
(最終受付19:30)
休診 火曜・水曜

休診日・不定休について

クレジットカードのご利用について

publicブログバナー
 
medicalブログバナー
 
NIPTトップページへ遷移