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STAG3遺伝子とは?減数分裂特異的コヒーシンと早発卵巣不全(POI)・男性不妊を遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

卵子と精子をつくるときだけに使われる、特別な「留め具」があります。染色体をひとつに束ねておく輪の部品で、その名をSTAG3といいます。ふだんの細胞では固く眠らされていて、生殖細胞のなかでだけ目を覚まします。この部品が両方の遺伝子でこわれていると、卵子は思春期を迎える前に尽き、精子は途中で作られなくなります。女性には原発性無月経と早発卵巣不全、男性には非閉塞性無精子症という、一見まったく別に見える二つの姿で現れます。本記事では、STAG3という遺伝子が何をしていて、こわれると体のなかで何が起きるのかを、遺伝専門医がやさしく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約18分
🧬 減数分裂コヒーシン・POI・無精子症
臨床遺伝専門医監修

Q. STAG3遺伝子とは何をする遺伝子ですか?まず結論だけ知りたいです

A. STAG3は、卵子と精子をつくる「減数分裂」のときだけ使われるコヒーシン(染色体を束ねる輪)の部品をつくる遺伝子です。両親から受け継いだ2本の遺伝子の両方に病的な変化があると、染色体を正しく対にできず、卵子も精子も途中で作られなくなります。女性では原発性無月経と早発卵巣不全(POF8)、男性では非閉塞性無精子症(SPGF61)を起こします。片方だけの変化を持つ保因者の方は、症状が出ません。

  • 分子での役割 → 減数分裂型コヒーシンのすべての種類に共通して組み込まれる、唯一のSTAGタンパク質
  • 女性での症状 → 二次性徴が進まず初経が来ない。高ゴナドトロピン血症と索状性腺を示す
  • 男性での症状 → 精母細胞の段階で減数分裂が止まる非閉塞性無精子症。同じ家系内で姉妹と兄弟に同時に起こりうる
  • 遺伝形式 → 常染色体潜性(劣性)。ご両親はどちらも健康な保因者で、次のお子さんの再発率は25%
  • 妊孕性温存の限界 → 卵子は思春期前に尽きてしまうため、卵子凍結が間に合わないことが多い

🧬 STAG3遺伝子の基本情報

項目 内容
遺伝子名 STAG3(stromal antigen 3)/別名 SPGF61
タンパク質 STAG3(1,225アミノ酸)/減数分裂特異的コヒーシンのSTAGサブユニット
染色体上の位置 7番染色体長腕 7q22.1(全32エクソン)
OMIM番号 遺伝子 608489/表現型 615723(POF8)・619672(SPGF61)
主なはたらき 減数分裂期に姉妹染色分体をつなぎ止め、染色体の軸をつくる。減数分裂型コヒーシンすべてに共通して組み込まれる唯一のSTAG
主な発現部位 精巣・卵巣の生殖細胞(体細胞組織では転写因子E2F6により抑制されています)
生殖細胞系列変異と関連疾患 両アレル性の機能喪失変異 → 早発卵巣不全8型(POF8)精子形成不全61型(SPGF61)。常染色体潜性(劣性)
体細胞変異 メラノーマでのSTAG3発現低下がBRAF阻害薬への耐性に関与するなど、がんでの報告があります。生殖細胞系列の病気とは別の現象です
検査上の注意 近傍に配列のよく似た相同領域があり、解析手法によっては変異が見落とされることが指摘されています

各項目の根拠と詳しい解説は、本文の該当セクションをご覧ください。

1. STAG3遺伝子とは ─ 生殖細胞のなかでだけ目を覚ます遺伝子

STAG3は stromal antigen 3(ストロマル・アンチゲン3)の頭文字をとった遺伝子名で、7番染色体の長腕、7q22.1という場所にあります[1]。全部で32個のエクソンからなり、そこから作られるタンパク質は1,225個のアミノ酸が連なった、かなり大きな分子です[2]。この大きなタンパク質がひとつの部品として組み込まれる先が、染色体を束ねる輪、すなわちコヒーシンです。

STAG3のいちばんの特徴は、働く場所が生殖細胞にほぼ限られていることです。私たちの体をつくる普通の細胞(体細胞)でもSTAG3の遺伝子そのものは存在していますが、そこでは読み取られないように厳重にスイッチが切られています。このスイッチを切る役目を担っている代表的な分子が、転写因子E2Fファミリーの一員であるE2F6です。E2F6を欠損させたマウスの細胞を調べた研究では、本来なら沈黙しているはずの減数分裂専用の遺伝子SMC1βとSTAG3が体細胞で読み取られてしまうことが示され、E2F6がこれらの遺伝子のプロモーターに結合してヒストンH3のメチル化を含む複数の仕組みで抑え込んでいることが明らかにされました[3]

💡 用語解説:減数分裂とコヒーシン

減数分裂は、46本ある染色体を23本に半分に減らして卵子や精子をつくるための、特別な細胞分裂です。ふつうの分裂(体細胞分裂)と決定的に違うのは、父由来と母由来の染色体をペアにして並べ、部分的に交換してから分けるという工程が入る点です。この作業のあいだ、複製されて2本になった染色体(姉妹染色分体)がばらばらにならないよう束ねておくリング状のタンパク質複合体がコヒーシンです。コヒーシンは接着だけでなく、染色体の「背骨」にあたる軸をつくる足場としても働きます。

ただし「体細胞ではまったく働かない」と言い切るのは、現在では少し行き過ぎかもしれません。2025年には、精子のもとになる精原幹細胞のなかで、減数分裂に入る前の分裂期にもSTAG3を含むコヒーシン複合体が働き、ゲノムの折りたたまれ方(3次元構造)を独特のかたちに変えているという報告が出ています[4]。「減数分裂専用」という理解は大枠として正しいものの、生殖細胞の系譜のなかではもう少し広い出番があるらしい、というのが最新の見取り図です。

臨床的には、STAG3の両方のコピーが機能を失うと2つの病名がつきます。女性では早発卵巣不全8型(POF8、OMIM 615723)[5]、男性では精子形成不全61型(SPGF61、OMIM 619672)[6]です。名前は違いますが、起きていることは「減数分裂が最初の段階で止まる」というひとつの現象で、男女で見え方が変わっているだけです。

2. コヒーシンという輪の仕組み ─ STAG3はなぜ「かなめ」なのか

コヒーシンは、4種類のタンパク質が集まってできた輪です。まずSMC1SMC3という細長い2本の腕が肩の部分でつながり、V字型をつくります。そのV字の両手を橋渡しして輪を閉じるのが、αクライシンと呼ばれる部品(RAD21、REC8、RAD21Lのいずれか)です。そして、その橋のわきに寄り添って輪全体を安定させるのが、STAG1・STAG2・STAG3のいずれか1つ、というのが基本設計です[7]

減数分裂の細胞では、この部品の組み合わせが体細胞とは変わります。SMC1は減数分裂専用のSMC1βに、αクライシンはREC8やRAD21Lに入れ替わり、複数種類のコヒーシンが染色体の上に共存する状態になります。そこでSTAG3が重要になるのは、STAG3が、これら減数分裂型コヒーシンのすべてに共通して組み込まれる唯一のSTAGタンパク質だからです[7]。何種類もの輪があるのに、留め具の部分だけは全部同じ、というイメージです。だからこそSTAG3が失われると、複数の輪がまとめて不安定になります。

この輪が染色体をどうつかまえているのかも、少し具体的に見ておきましょう。コヒーシンは接着剤のように貼りつくのではなく、複製されて2本になったDNAを、輪のなかに物理的に閉じ込めると考えられています。輪のなかを2本のDNAが通っている状態なので、輪が壊れない限り2本は離れられません。逆にいえば、輪を閉じる橋の部分が外れれば一瞬で自由になります。細胞が「くっつける」「離す」を正確なタイミングで切り替えられるのは、この構造のおかげです。STAG3は輪そのものの一部でありながら、輪を染色体の上に安定して載せ続ける係でもあります。

この「載せ続ける」役割は、STAG3タンパク質の特定の部分が担っています。実際に、アミノ酸がたった1つ入れ替わっただけのミスセンス変異であっても、RCC1ドメインと呼ばれる立体構造の中心部で起きた場合には早発卵巣不全を発症することが報告されています[8]。1,225アミノ酸のうちのわずか1文字の違いが、タンパク質の折りたたまれ方を崩し、輪全体を機能しなくしてしまうわけです。「大きく削れているかどうか」ではなく「どこが変わったか」が結果を左右するという点は、遺伝子検査の結果を読むときに大切な視点になります。

減数分裂コヒーシンの組み立て

SMC1β+SMC3
輪の腕
REC8 または RAD21L
輪を閉じる橋
STAG3
全種類に共通の留め具
染色体軸の形成
対合の土台

橋の部品は何種類かありますが、留め具はSTAG3だけです。ここが抜けると、種類の違う輪がまとめて崩れます。

では、複数種類のコヒーシンは何のために使い分けられているのでしょうか。マウスで複数の遺伝子を同時に欠損させた遺伝学的解析からは、明確な分業が見えてきました。STAG3とREC8を含むコヒーシンは、セントロメアでの接着を保つ主力であり、一方でRAD21Lを含むコヒーシンは、セントロメア周辺のヘテロクロマチンが正常に集まることに必要でした[7]。染色体を「つなぎ止める仕事」と「まとめて配置する仕事」が、部品の組み合わせによって分けられているわけです。

同じコヒーシンの仲間でも、担当する場面が違えば関わる病気も変わります。体細胞型のSTAG1・STAG2やRAD21の変化は、コルネリア・デ・ランゲ症候群に代表されるコヒーシン病という発達の病気につながります。これに対してSTAG3の変化では、体のつくりや発達には影響が出ず、生殖能力だけが選択的に失われます。減数分裂でしか使われない部品だからこそ、症状も生殖に限られるのです。

3. STAG3が失われた染色体で起きること ─ 3つの破綻

STAG3を働かなくしたマウスの解析からは、何がどの順番で壊れるのかが詳しく分かっています。生殖細胞は減数分裂の第一段階(前期I)のごく初期で、そろって止まってしまいます。停止した段階は報告によって「細糸期様」または「合糸期様」と表現され、用いられたマウス系統によって重症度に幅があります[7]。この停止の背景には、大きく3つの破綻があります。

破綻①:仲間の部品がまとめて不安定になる

STAG3を欠く生殖細胞では、ほかの減数分裂特異的なコヒーシン部品(SMC1β・RAD21L・REC8)のタンパク質量そのものが減り、染色体の軸への集まり方も乱れます[9]。留め具がないと、輪全体が組み上がる前に分解されてしまうのです。興味深いことに、体細胞型のコヒーシンは染色体の軸にしっかり残り続けます。つまり「コヒーシンが何もない」のではなく、「減数分裂専用のコヒーシンだけが失われている」状態であり、体細胞型では代わりが務まらないことがここから分かります。

破綻②:染色体の背骨が組み上がらず、ペアになれない

減数分裂では、父由来と母由来の染色体が並んで、はしごのような構造で全長にわたって結合します。この構造をシナプトネマ複合体と呼び、はしごの両側のレールにあたるのが軸状要素です。STAG3を欠くマウスでは、レールの主成分であるSYCP3が線状に伸びずに点状の塊にとどまり、対合していない染色体の目印であるHORMAD1がクロマチン全体に散らばり、はしごの横木をつくるSYCP1はほとんど検出されなくなります[10]。レールが敷けないので、横木も渡せない。結果として相同染色体は最後までペアになれません。

💡 用語解説:シナプシス(対合)とは

シナプシスとは、同じ番号の染色体どうし(相同染色体)が全長にわたってぴったり並び、シナプトネマ複合体で結ばれる過程です。この結合ができて初めて、遺伝子の組み換えが正しく完了し、染色体を2つの娘細胞へ間違いなく分配できます。逆に言えば、シナプシスができない細胞は「不良品」として排除される仕組みが備わっています。STAG3の異常で不妊が起きるのは、細胞が壊れるからではなく、この品質管理が正しく作動して細胞が取り除かれるからです。

破綻③:DNAの切断が修復されずに残り続ける

減数分裂では、組み換えを起こすために細胞がわざとDNAを二本鎖切断(DSB)します。この切断は本来、相手の染色体を鋳型にした相同組換えで修復されます。ところがSTAG3を欠く細胞では、相手が並んでくれないため修復が完了せず、切断が持続します[9]。同時に、セントロメア周辺のヘテロクロマチンが正しく集まらないという異常も加わります。染色体の軸も、対合も、修復も、配置も、いっぺんに崩れる。これがSTAG3欠損の細胞像です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「壊れた」のではなく「守られた」結果です】

STAG3の説明をすると、「卵子が壊れてしまったということですか」とお尋ねになる方がいらっしゃいます。私はそのたびに、少し違うのですとお伝えしています。染色体を正しくペアにできなかった細胞を、体はあえて残しません。染色体の数が狂った卵子や精子が受精に使われることを防ぐために、あらかじめ取り除いてしまうのです。

つまりここで起きているのは、事故ではなく安全装置の作動です。もちろん、それでご本人の妊娠が難しくなる事実は変わりませんし、その重さを軽く見るつもりもありません。ただ「自分の体がおかしい」と受け止めるのと、「自分の体は次の世代を守る仕組みを働かせた」と理解するのとでは、その後の時間の過ごし方がずいぶん変わってくると感じています。

4. 卵子の品質管理 ─ なぜ生まれた直後に卵胞が尽きるのか

女性の卵子のもとになる細胞は、胎児期にすべて用意されます。その数は生まれた時点で決まっており、あとは減っていく一方です。STAG3を欠損させた雌マウスでは、胎児期の卵母細胞が前期Iの早い段階で停止し、その結果生後1週の時点で卵子が枯渇します[11]。ヒトに置き換えれば、生まれた時点ですでに卵巣にほとんど卵胞が残っていない、という状況にあたります。思春期になっても卵胞が育たず、初経が来ないのはこのためです。

この一斉排除を実行しているのが、卵子に固有の品質管理システムです。原始卵胞のなかで眠っている卵子には、TP63遺伝子がつくるTAp63αというタンパク質が大量に待機しています。ふだんは自分自身で折りたたまれた不活性な二量体の状態にあり、いわば安全ピンがかかったままの状態です。ところがDNAの切断が残っているとDNA損傷応答が働き、CHK2というキナーゼがTAp63αのS582という部位にリン酸をつけて安全ピンを外します。続いてCK1というキナーゼがS585・S588・S591・T594という並んだ部位を次々にリン酸化し、TAp63αは開いた四量体へと変化して活性化します[12]

活性化したTAp63αは、細胞死を実行する遺伝子であるPUMAとNOXAの読み取りを一気に増やし、卵子はアポトーシスによって静かに取り除かれます[12]。この仕組みは本来、抗がん剤や放射線でDNAが傷ついた卵子を排除するための安全装置です。STAG3の異常では、外からの傷ではなく自分自身が減数分裂の過程で入れた切断を修復できないために、卵巣のなかのほぼすべての卵子で同じ引き金が同時に引かれます。だからこそ、少しずつ減るのではなく、生後ごく早期にまとめて失われるのです。

この仕組みが分かってくると、「では、この安全装置を一時的に止めれば卵子を救えるのではないか」という発想が出てきます。抗がん剤治療による卵巣機能低下を防ぐ研究では、実際にそうした方向性が検討されています。ただしSTAG3のように染色体の構造そのものが組み上がらない状態では、話が違ってきます。ここで安全装置を止めれば、残るのは染色体を正しく分配できない卵子だからです。品質管理は、数を守るためではなく質を守るために働いています。この区別は、将来こうした治療が現実味を帯びてきたときに、適応をどう線引きするかという問題に直結します。

5. ヒトのSTAG3変異と早発卵巣不全(POF8)

ヒトでSTAG3が原因遺伝子として確立したのは2014年です。近親婚のあるパレスチナ人の大家系で、6人姉妹のうち4人が原発性無月経を伴う早発卵巣不全を示し、全エクソーム解析によってSTAG3のエクソン7に1塩基欠失(c.968delC)が両アレル性に見つかりました[11][1]。この変化はフレームシフト変異と呼ばれるもので、読み枠がずれて途中で切れた短いタンパク質しかできなくなります。同じ論文でSTAG3欠損マウスの解析も行われ、ヒトの所見とマウスの表現型が一致したことが決め手になりました。

2016年には、いとこ婚のレバノン人家系の姉妹2人で、エクソン19に2塩基の重複(c.1947_1948dupCT)が両アレル性に見つかり、STAG3がPOIの原因遺伝子であることが独立に確認されました[2]。この家系の記録は、STAG3による早発卵巣不全がどのような臨床像をとるのかをよく示しています。発端者は11歳の時点で二次性徴がなく、検査ではゴナドトロピンのFSHが136 IU/l、LHが31 IU/lと著しく高い一方、エストロゲン(エストラジオール)とインヒビンBはいずれも検出限界以下でした。核型は46,XXで、超音波では子宮は正常でしたが、両側の卵巣は19mmの索状性腺でした。13歳からエストロゲン補充を開始し、15歳で初経を得ています[2]

💡 用語解説:高ゴナドトロピン血症と索状性腺

脳の下垂体は、卵巣に「働きなさい」と指示するホルモン(FSH・LH)を出しています。卵巣が反応できないと、脳は指示を強めようとしてこれらを出し続けるため、血液中のFSH・LHが高く、逆にエストロゲンは低いという組み合わせになります。これが高ゴナドトロピン性性腺機能低下症です。また、卵胞がほとんど残っていない卵巣は超音波で細長い筋のように見え、これを索状性腺(ストリークゴナド)と呼びます。どちらも、卵巣そのものに原因があることを示す所見です。

その後、報告される変異のかたちは広がりました。読み枠がずれるフレームシフトや、途中で終止コドンができるナンセンス変異だけでなく、mRNAの切り貼りに関わるスプライス部位変異や、アミノ酸が1つ入れ替わるだけのミスセンス変異まで、いずれも同じPOF8を起こすことが分かってきています。

報告された家系・症例 変異とアレル状態 主な所見
パレスチナ人近親婚家系(姉妹4人) c.968delC(フレームシフト)/ホモ接合 原発性無月経。STAG3をPOIの原因遺伝子として確立した初報告[11]
レバノン人いとこ婚家系(姉妹2人) c.1947_1948dupCT(フレームシフト)/ホモ接合 FSH 136・130 IU/l、索状性腺。ご両親と非罹患の姉妹の分離も確認[2]
漢民族近親婚家系(姉妹2人) c.1573+5G>A(スプライス供与部位)/ホモ接合 異常スプライシングによりp.Leu490Thrfs*10の異常転写産物が生じる[13]
漢民族5世代家系(姉妹2人) c.877_885del+c.891_893dupTGA(インフレーム)/ホモ接合 変異STAG3もREC8も核内に入れず、SMC1Aとの結合も失われる[14]
原発性無月経の21歳女性 c.1336G>T(p.Glu446Ter)+遺伝子全体欠失/複合ヘテロ接合 24遺伝子のPOIパネルで判明。片方はナンセンス、もう片方は欠失[15]
インド人の15歳女児 c.926T>C(p.Phe309Ser、ミスセンス)/ホモ接合 初経遅延と性腺異形成像、46,XX。RCC1ドメイン内の置換[8]
長大なホモ接合領域を伴う症例 c.3381_3384delAGAA(4塩基欠失)/ホモ接合 7q21.13-q22.1の長いホモ接合領域から原因にたどり着いた症例[16]

検査でSTAG3に2つの変化が見つかったとき、実はもうひとつ確認すべきことがあります。それは2つの変化が別々のアレルに乗っているかどうかです。父由来と母由来にそれぞれ1つずつ乗っていれば、正常なタンパク質をつくる予備がなくなるため発症します。ところが2つとも同じ側のアレルに並んでいる場合は、もう片方が無傷なので症状は出ません。検査報告書の文面だけでは区別がつかないことが多く、ご両親の検体を調べて由来を確かめる作業が必要になります。また、報告のない新しい変化については、その変化がタンパク質の働きを本当に損なうのかを、変化の種類・位置・集団での頻度・家系内での分離などから総合的に判断します。判定が固まらないものは意義不明変異(VUS)として扱われ、見つかったこと自体は原因の確定を意味しません

表を眺めていただくと、報告のかなりの部分が近親婚のある家系から出ていることに気づかれると思います。これは、両方のアレルに同じ変化がそろう確率が血縁のある両親の間で高くなるためで、STAG3に限らず常染色体潜性の病気に共通する事情です。一方で、複合ヘテロ接合の症例のように、血縁のないご両親からそれぞれ別の変化を受け継いだかたちも報告されています[15]。近親婚がなければ否定できる、という話ではありません。

6. 男性の非閉塞性無精子症(SPGF61)─ 同じ家系のなかで

減数分裂は男女どちらの生殖細胞でも起こりますから、STAG3が働かなければ精子形成も止まります。男性側の病名が精子形成不全61型(SPGF61)で、症状は非閉塞性無精子症(NOA)です。精巣の組織を調べると、精母細胞の段階で減数分裂が完全に停止しており、DNA切断の目印であるγH2AXの点が消えずに残り、性染色体がまとめられるXYボディという構造もつくられません[6]。卵巣で起きていることと、まったく同じ現象です。

この男女の対称性がはっきり見えるのが、同じ家系のなかにPOIの女性とNOAの男性が同時にいらっしゃるケースです。実際に、原発性無月経の女性とそのご兄弟の無精子症が、同一のホモ接合ミスセンス変異で説明できた家系が報告されています[17]。臨床の現場では、女性は婦人科、男性は泌尿器科と診療科が分かれてしまうため、同じ原因が別々の病気として扱われがちです。ごきょうだいに不妊の方がいらっしゃるかどうかを一度おうかがいすることには、それだけの意味があります。

同じ遺伝子の同じ変化なのに、男女で症状の見え方がここまで違うのはなぜでしょうか。理由は、減数分裂を始める時期と回数の違いにあります。女性では胎児期に一度きり、すべての卵母細胞がいっせいに減数分裂に入り、そこで止まったものは補充されません。ですから障害の結果は「卵子がない」という一回限りの結末として現れ、思春期に無月経というかたちで表面化します。これに対して男性の精子形成は思春期以降ずっと繰り返される営みで、精原幹細胞は保たれたまま、そこから先の減数分裂の段階で止まります。卵巣では「空になる」、精巣では「途中で詰まる」という違いが生まれるのは、この時間軸の差によるものです。同じ分子の異常でも、生物学的な文脈が違えば臨床像は変わります。

なお、STAG3が男性不妊全般の主要な原因かというと、そうではありません。無精子症などの精子形成障害がある韓国人男性120例と対照245例を対象にSTAG3の全コード領域を調べた研究では、無精子症を直接引き起こすような病的変異は同定されませんでした[18]。この研究で差が出たのは3’非翻訳領域の一般的な多型2か所のみで、それも発症を決めるものではありません。STAG3による無精子症は、あくまで両アレル性の機能喪失変異を持つ限られた方に起こる病態であり、STAG3の変化が見つかったからといって直ちに原因と結論できるわけではない、ということです。

7. 遺伝形式・保因者・再発率 ─ ご家族に説明するときの要点

STAG3による病気は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)という遺伝形式をとります。私たちは同じ遺伝子を父と母から1本ずつ受け継いでいますから、STAG3も2本あります。片方が働かなくても、もう片方が正常であれば減数分裂は問題なく進みます。したがってご両親はどちらも症状のない保因者で、ご自身が保因者であることに気づかないまま過ごしておられるのがふつうです。

保因者どうしのご夫婦から生まれるお子さんの確率

25%
変異なし(保因者でもない)
50%
保因者(症状なし)
25%
両アレルに変異(発症)

この25%は妊娠ごとに同じで、「1人生まれたから次は大丈夫」ということはありません。また発症するお子さんが女児なら早発卵巣不全、男児なら無精子症というかたちで現れます。

ご家族への説明で強調しておきたいのは、保因者であることは病気ではないという点です。保因者のご両親やごきょうだいの妊孕性が下がるという確立した報告はありません。また、この病気は知的発達や身体の成長には影響しませんので、生殖以外の健康について過度にご心配される必要もありません。一方で、ご本人の妊娠・出産の可能性に直結する情報であることも事実ですから、いつ、誰に、どこまでお伝えするかは、ご家族の状況に合わせて時間をかけて整理していく必要があります。こうした話し合いの場が遺伝カウンセリングであり、当院では臨床遺伝専門医が担当しています。

ご家族のどなたを、いつ調べるのかも、しばしば話題になります。まず優先されるのは、症状のあるご本人の診断を確定させることと、ご両親の検体で2つの変化の由来を確かめることです。ごきょうだいについては、成人されていてご自身の妊娠・不妊についてお考えがある場合には、保因者かどうかを知る意味が出てきます。一方で、症状のない未成年のごきょうだいを先回りして調べることは、一般に慎重に考えます。今すぐ健康管理が変わるわけではない情報を、ご本人が自分で選ぶ前に確定させてしまうことになるからです。検査を受ける・受けないはどちらも尊重される選択で、当院が方針を指示することはありません。

次のお子さんについて具体的にお考えの場合、両アレルの変異が確定していれば、体外受精で得られた胚を調べる着床前遺伝学的検査(PGT-M)が選択肢として話題にのぼることがあります。ただし日本では実施に学会の審査が必要で、対象の考え方も定まった手続きがあります。実施できるかどうかは個別の判断になりますので、まず情報を整理するところから始めていただくのがよいと思います。

8. 検査の進め方と鑑別診断 ─ そして妊孕性温存の限界

原発性無月経や思春期発来不全で受診された場合、いきなりSTAG3だけを調べることはありません。早発卵巣不全のうち遺伝学的な原因が特定できるのは、およそ10〜15%と見積もられています[11]。頻度の高いものから順に評価していくのが基本で、実際の流れは次のようになります。

段階 調べること 意味
ホルモン評価 FSH・LH・エストラジオール・AMH、超音波 卵巣そのものに原因があるのか、脳の側の問題なのかを分ける
染色体検査 核型分析 ターナー症候群など、頻度の高い染色体の要因を確認する
FMR1 リピート伸長検査 FXPOIは確立した原因。次世代シークエンスでは検出できない
遺伝子解析 パネル検査・エクソーム解析 STAG3を含むPOI関連遺伝子をまとめて調べる段階

STAG3の解析で技術的に注意が必要なのは、この遺伝子の近くに配列がよく似た領域が並んでいる点です。実際、同一の変異が解析の手順によっては判定があいまいになったり見落とされたりしうることが報告されています[17]。臨床像から強く疑われるのに検出されない場合、「変異がない」と結論する前に手法の限界を考える必要があります。当院の不妊症遺伝子検査では、女性不妊症に関連する遺伝子群のスクリーニング項目にSTAG3が含まれています。

鑑別として並ぶのは、同じように減数分裂や卵胞形成に関わる遺伝子群です。卵母細胞が出すシグナル因子であるBMP15GDF9、FSHの受け皿であるFSHR卵巣形成不全1型の原因)、DNA修復に関わるMCM8MCM9、シナプトネマ複合体の部品であるSYCE1SYCP2などが、いずれも同様の臨床像をとりえます。POI全体の遺伝的背景については、低AMH・早発卵巣不全の遺伝子検査のページで整理しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「早く分かれば卵子を凍結できた」とは限りません】

早発卵巣不全の記事を読むと、「若いうちに分かっていれば卵子凍結ができたのに」と感じられる方が多いと思います。実際、多くの原因ではその考え方が当てはまります。けれどもSTAG3のように減数分裂そのものが成立しないタイプでは、事情が異なります。卵子は思春期を待たずに、生まれた直後の段階でほとんど失われているからです。採るべき卵子が、そもそも残っていません。

この違いを最初にお伝えしないまま検査を進めると、結果が出たときに「もっと早く受けていれば」という後悔を上乗せしてしまいます。私は、検査で分かることと分かっても変えられないことを、できるだけ先に線引きしてお話しするようにしています。それは希望を折るためではなく、卵子提供を含めた別の選択肢や、骨や血管の健康を守る長期的な管理へ、早く目を向けていただくためです。

診断後の管理として重要になるのが、エストロゲンが早い時期から不足することへの対応です。エストロゲンは骨の量を保ち、血管や脂質の状態にも関わっていますから、思春期以降の年月を低エストロゲンのまま過ごすと、骨密度の低下などが問題になります。実際、報告されている症例でも思春期誘導としてのエストロゲン補充が行われ、二次性徴と月経の発来が得られています[2]妊孕性温存卵子凍結の考え方は、原因によって現実的な意味が大きく変わります。

もうひとつ、STAG3の文脈で触れておきたいのが性腺腫瘍のことです。最初に報告されたパレスチナ人家系では、罹患者のおひとりが19歳の時点で右卵巣に性腺芽腫(ゴナドブラストーマ)、左卵巣に複合腫瘍を生じたことが記録されています[2]。ただし、これは1家系の観察であり、STAG3変異を持つ方全体で腫瘍リスクがどの程度上がるのかは、現時点では明確なデータが示されていません。原著自身も、腫瘍リスクと遺伝カウンセリング上の意味づけは今後明らかにすべき課題としています。過度に心配される必要はありませんが、婦人科的な経過観察を継続する理由にはなります。

9. 体細胞でのSTAG3 ─ がん研究から見えてきたもうひとつの顔

ここまでは生殖細胞の話でしたが、がんの研究領域ではSTAG3の名前が別の文脈で登場します。この節の内容は、遺伝する病気とは切り離して読んでいただく必要があります。ここで扱うのは、生まれつきの変化ではなく、がん細胞のなかで起きた発現の変化や後天的な変異だからです。

代表的なのがメラノーマ(悪性黒色腫)の薬剤耐性です。BRAF遺伝子に変異のあるメラノーマではBRAF阻害薬が用いられますが、多くの患者さんでいずれ効かなくなります。この耐性が生じた腫瘍や細胞株でSTAG2やSTAG3のタンパク質量が低下していること、そして実験的にこれらを減らすと薬剤への感受性が下がることが報告されました[19]。仕組みとしては、コヒーシンの相方であるCTCFがDUSP6という遺伝子の読み取りを支えており、STAG2/STAG3が減るとDUSP6が減り、その結果ERKという増殖シグナルが再び活性化する、という経路が示されています。

がん種によってSTAG3の振る舞う向きは逆にもなります。肝細胞がんでは、STAG3の発現を高めるとSmad3-CDK4/CDK6-サイクリンD1経路とCXCR4/RhoA経路を介して増殖や移動が抑えられ、腫瘍を抑える側に働くと報告されています[20]。一方、大腸がんではSTAG3の高発現が予後不良と関連し、m6Aというメッセンジャーの修飾を介した制御が関わることが示されています[21]。「STAG3はがんを抑える遺伝子です」とも「がんを促す遺伝子です」とも言えず、染色体不安定性という共通の土台の上で、組織ごとに現れ方が変わると理解するのが妥当です。

卵巣がんとの関連についても触れておきます。9つの候補遺伝子を対象にした大規模な関連解析では、第2段階の検証でSTAG3のリスク多型は有意になりませんでした。一方で286例の卵巣腫瘍を用いた解析では、STAG3内のrs1637001について、情報量のある腫瘍の94%で共通アレルが失われるという偏った消失が観察され、これは希少アレル側の増幅によるものと解釈されています[22]。つまりこの報告が示すのは「発症しやすさ」ではなく「腫瘍ができていく過程での関与」であり、遺伝子検査で発症リスクを予測できるという話ではありません。

10. よくある誤解

誤解①「STAG3に変化があれば不妊になる」

症状が出るのは2本とも機能を失った場合だけです。片方だけの保因者の方は月経も妊娠も通常どおりで、生涯気づかないことがほとんどです。検査でSTAG3に変化が1つ見つかっただけで、不妊の原因と結論することはできません。

誤解②「早く見つければ卵子凍結が間に合う」

STAG3による早発卵巣不全では、卵子は生後ごく早期にほとんど失われています。他の原因による卵巣機能低下とは前提が違い、若い時期に診断できたとしても採卵できるとは限りません。この点は最初に共有しておく必要があります。

誤解③「女性だけの遺伝子だ」

STAG3は男女どちらの減数分裂にも必要です。男性では精母細胞の段階で分裂が止まり、非閉塞性無精子症になります。同じご家系のなかで、姉妹の無月経と兄弟の無精子症が同じ原因ということが起こりえます。

誤解④「がんの遺伝子でもあるから、がんが遺伝する」

がん研究で語られるSTAG3は、腫瘍のなかで起きた発現の変化や後天的な変異の話です。生殖細胞系列の変異によるPOF8・SPGF61とは別の現象で、STAG3の保因者だからがんになりやすい、という意味ではありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. STAG3遺伝子はどこにあって、何をつくる遺伝子ですか?

STAG3は7番染色体の長腕7q22.1にある遺伝子で、32個のエクソンから1,225アミノ酸のタンパク質をつくります。このタンパク質は、卵子と精子をつくる減数分裂のときだけに使われるコヒーシンという輪の部品です。減数分裂型のコヒーシンには何種類かの組み合わせがありますが、STAG3はそのすべてに共通して組み込まれる唯一のSTAGタンパク質で、輪を安定させて染色体の軸をつくる役割を担っています。

Q2. 片方の遺伝子にだけ変化がありました。将来、早発閉経になりますか?

STAG3による早発卵巣不全は常染色体潜性(劣性)遺伝で、2本の遺伝子の両方が機能を失ったときに起こります。片方だけに変化がある保因者の方は、もう片方が正常に働くため減数分裂は問題なく進みます。保因者の方の妊孕性が低下するという確立した報告はありません。ただし変化の種類によっては病的かどうかの判定が難しい場合もありますので、結果の解釈は臨床遺伝専門医とご相談ください。

Q3. 娘がSTAG3の両アレル変異と診断されました。次の子どもにも起こりますか?

お子さんが両アレル性の変異をお持ちの場合、ご両親はどちらも保因者と考えられます。この場合、次のお子さんが同じように両アレルに変異を受け継ぐ確率は25%、保因者になる確率は50%、どちらの変異も受け継がない確率は25%です。この確率は妊娠ごとに同じで、順番によって変わることはありません。発症した場合、女児では早発卵巣不全、男児では無精子症というかたちで現れます。

Q4. 早く診断されれば、卵子を凍結して将来に備えられますか?

STAG3による早発卵巣不全では、多くの場合それが難しいと考えられます。動物モデルでは、卵母細胞が胎児期に減数分裂の早い段階で停止し、生後1週の時点で卵子が枯渇することが示されています。ヒトでも思春期の時点ですでに卵巣が索状性腺になっている報告が多く、採卵の対象となる卵胞が残っていないことが少なくありません。診断の意味は、妊孕性温存よりも、原因の確定とホルモン補充による長期的な健康管理、そしてご家族の情報整理にあります。

Q5. 無精子症でSTAG3の変異が見つかりました。精子を回収できる可能性はありますか?

STAG3の両アレル性変異による無精子症では、精巣の組織で精母細胞の段階の減数分裂停止が確認されており、成熟した精子がつくられていない状態です。この病型では精子の回収は一般に困難と考えられます。ただし個々の精巣の状態は組織学的な評価によって異なりますので、実際の方針は泌尿器科での評価をふまえて判断していただく必要があります。

Q6. 原発性無月経です。最初からSTAG3を調べたほうがよいですか?

通常はそうしません。まずホルモン評価と超音波で卵巣そのものに原因があるかを確認し、続いて染色体検査でターナー症候群などを、FMR1のリピート伸長検査で脆弱X関連の原因を確認します。これらで説明がつかない場合に、STAG3を含む複数の遺伝子をまとめて調べる段階に進みます。FMR1のリピート伸長は次世代シークエンスでは検出できないため、パネル検査とは別に評価する必要がある点にもご注意ください。

Q7. STAG3はコヒーシン病(コルネリア・デ・ランゲ症候群など)の仲間ですか?

同じコヒーシンの部品をつくる遺伝子ですが、臨床像はかなり異なります。コルネリア・デ・ランゲ症候群などのコヒーシン病は、体細胞で働くコヒーシンや、その制御に関わる遺伝子の変化によって、成長や発達、顔つき、手足の形成などに影響が及びます。これに対してSTAG3は減数分裂の場面でしか使われないため、体のつくりや発達には影響せず、生殖能力だけが選択的に失われます。同じ複合体でも、いつどこで使われるかによって症状が変わる好例です。

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参考文献

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  • [2] STAG3 truncating variant as the cause of primary ovarian insufficiency. European Journal of Human Genetics. 2016. [Eur J Hum Genet 24:135-138]
  • [3] Silencing of the meiotic genes SMC1beta and STAG3 in somatic cells by E2F6. J Biol Chem. 2005. [PubMed 16236716]
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  • [5] Entry – #615723 – PREMATURE OVARIAN FAILURE 8; POF8. OMIM. [OMIM 615723]
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  • [10] Meiotic cohesin STAG3 is required for chromosome axis formation and sister chromatid cohesion. The EMBO Journal. 2014. [EMBO J]
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  • [20] The upregulation of stromal antigen 3 expression suppresses the phenotypic hallmarks of hepatocellular carcinoma through the Smad3-CDK4/CDK6-cyclin D1 and CXCR4/RhoA pathways. BMC Gastroenterology. 2022. [PMC9361574]
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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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