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羊水検査のリスク|穿刺のリスク・確率・時期・検査後についても解説

羊水検査の検査時期

羊水は妊娠初期から子宮に存在しています。ただし、妊娠中ならばいつでも羊水検査が受けられるわけではありません。妊娠15週目から18週目、つまり妊娠4か月くらいの頃に受けるのがいいとされています。

その理由は、15週目よりも前だと子宮内にある羊水の量が少なくて検査に必要な量が採取できないからです。18週目までとしているのは検査結果が出るのに2週間前後かかるためです。もし結果を知って中絶を選んだ場合、19週目に検査をしたら人工妊娠中絶手術が受けられる妊娠22週目未満に間に合わなくなります。ただ、検査希望の妊婦さんの多くは早めに検査を受けているのでそうしたケースはあまりありません。

羊水検査の流産リスク

羊水検査後の流産リスクは、一般的に0.2~0.3%前後と言われています。おおよそ200人から300人に一人のペースです。手技に関連した胎児喪失率は0.1~0.3%と言われています。

流産する理由としては、破水による羊水の漏れ、子宮内感染、羊水穿刺挿入とおされた毛膜羊膜分離、まれに敗血症性ショックなどが挙げられます。

他にも胎児に針が刺さってしまったことによる損傷が以前は原因としてありました。しかし現在は超音波エコーの性能が向上し、胎児の位置がくっきりと見えるためそうした事故はほぼありません。

その他のリスクについて

もう一つ注意してほしいことが、産科的合併症の可能性です。胎児死亡、流産、早産の他にも破水、出血、感染などが挙げられます。

ただし、幸いなことに母体の出血、感染、敗血症などの合併症はきわめてまれです。子宮内感染が0.1%生じたという報告がありますけど、母体に対して重大な障害をもたらした例は皆無です。また、妊娠関連高血圧、低出生体重または超低出生体重も認められていません。

羊水検査でわからないこと

羊水検査はすべての先天性の疾患を検査できるわけではありません。

微小欠失といった小さな構造異常は判別できない場合があります。また遺伝子レベルの違いについての検出は不可能です。

染色体異常を持っている場合でも、合併症などには個人差があり、症状の重さについては不明です。合併症についてもあるかないかもわかりません。

また、染色体異常による先天性疾患は赤ちゃんが持って生まれてくる病気の4分の1程度です。そちらを事前に知った上で検査を受けるようにしてください。

35歳以上の妊婦さんが羊水検査を勧められる理由

近年35歳以上の出産も珍しくないせいか、産婦人科の医師から羊水検査を受けるように勧められた妊婦さんもたくさんいるかもしれません。ただ、産婦人科医もやみくもに言っているのではなく、35歳を過ぎると染色体異常による先天性疾患を持つ子どもが生まれてくる確率が高くなるので勧めているのです。

女性は35歳を過ぎると卵子の質と量が著しく低下をします。つまり妊娠しにくくなり、先天性の疾患を持つ子どもが生まれやすくなるということです。このリスクは年齢が上がるごとに確率が高くなりますので、お知りおきください。

羊水検査で染色体異常が出た場合

もし出産をするのであれば、医師に相談をして合併症などの知識を得ておくといいでしょう。生まれてこないと症状の重さがわからないからこそ事前に知っておくことで少しでも落ち着いた状態で判断ができます。

また、出生前に必要なケアを考えられるのが大きなメリットです。ダウン症は行政や支援団体によるサポートがあるのでどんな支援があるのかなどを調べておきましょう。

中絶を選んだ場合は、まずご自分を責めないでください。周りの方も妊婦さんの心のケアをしてほしいと思います。なぜならどんな理由であれ、子どもを中絶するのは女性にとって精神的な苦痛を負います。トラウマになってしまうことも珍しくありません。だからこそ女性は自分を責めたりしないでほしいですし、周りの方も支えてあげられる環境を作ってください。

ご家族で染色体異常による先天性疾患があるとわかったらどうするかを事前に決めてから検査を受けるのがいいかもしれません。もし決めた後に気持ちが変わったらそのことを隠さずに話してみてください。最も大切なのはご自分の気持ちを正直に話すことです。ご家族の方も妊婦さんの気持ちを受け止めた上でご自分の考えを話すようにしてください。

まとめ

医師に検査を受けるかどうか相談をしている女性

羊水検査のリスクについて詳しく解説をしました。確率が低いとはいえリスクがあるので、事前に知った上で検査を受けるのかどうかを決めておくのがいいでしょう。

羊水検査は、検査結果が確定診断を呼ばれるほど精度が高い検査です。検査を受けるかどうが悩んでいる方の中には、超音波エコーや母体血清マーカー(クワトロテスト)、トリプルマーカー、コンバインド検査あるいはNIPT(新型出生前診断)を受けて陽性と判定されたので勧められたかもしれません。

ただ、どんな理由であってもご家族同士で自分の意見を率直に話し合ってから受ける受けないの結論を出してください。検査の前には遺伝カウンセリングを受けて専門家から話を聞いておくのも必須です。

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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