絨毛・羊水検査の精度とは|侵襲的でも100%じゃない検査精度
羊水検査・絨毛検査の精度とは?
羊水検査・絨毛検査の精度(感度・特異度のことをさします)は一体どれくらいなのでしょうか?
感度(陽性を陽性と 正しく検出した率) | 特異度(陰性を陰性と 正しく検出した率) | 胎児死亡率 | |
---|---|---|---|
絨毛検査 | 99.25% | 98.65% | 1.1% |
羊水検査 | 99.4% | 99.5% | 0.4% |
上の表は,侵襲的な出生前診断である絨毛検査と羊水検査の検査精度についてまとめたもので、精度とは感度と特異度のことをさします。
第1三半期(妊娠0周0日~妊娠13週6日)では絨毛検査が,第2三半期(妊娠14週0日~妊娠27週6日)では羊水検査が行われます.
どちらも感度・特異度ともに高い検査で,赤ちゃんの異常(異常の有無や診断名)を決める確定診断となる検査です.
見ての通り、羊水検査のほうが絨毛検査より精度は優れていますが、これは、絨毛は胎盤で、モザイク現象があるため実際の赤ちゃんの染色体の核型と異なる場合があることと、絨毛は羊水という液体ではなく、針で組織を採ってくるものですので、取れた場所が陰性でもほかの部分が異常がないということがわからないからです。
侵襲的検査なのでどちらも流産の危険があります.
NIPT(新型出生前診断)では、精度は侵襲的検査に劣らず、流産の危険がないのが最も大きなメリットでしょう。最近では、愛育病院などはNIPTを行って陽性の例にのみ羊水検査をしているようです。羊水検査をしないといけない人を探し出すためのスクリーニング検査というのがNIPTの正しい位置づけでしょう。
*表の参考文献*
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