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【2025年最新】NIPT陰性だったのに20代で2回もダウン症出産

【2025年最新】NIPT陰性でもダウン症出産|20代女性の偽陰性事例と原因解説

この記事で分かること:

  • 20代女性が2回ともNIPT陰性だったのに2回連続でダウン症児を出産した極めて稀なケース
  • 偽陰性の主な原因:胎児DNA濃度不足検査技術の問題家族性要因
  • 偽陰性が起こる確率は10,000人に1人程度(最新技術ではさらに低下)
  • 妊娠10週未満での早期検査は精度低下のリスクあり
  • 認証施設と適切な医療機関選びの重要性
  • 実際の問題事例:胎児DNA濃度2.5%での結果報告・濃度記載なしの検査結果

この記事の信頼性:
本記事は臨床遺伝専門医による監修のもと、NIPTコンソーシアムの公式データと最新の医学文献に基づいて作成されています。実際の検査結果事例を用いて、NIPT検査の限界と適切な医療機関選びについて詳しく解説します。

はじめに

新型出生前診断(NIPT)は、妊婦さんの血液中に含まれる胎児由来のDNA断片を解析し、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体異常の可能性を調べる検査です。従来の検査と比べて流産リスクがなく、妊娠10週という早期から受検できることから、多くの妊婦さんに選ばれています。

NIPTは99%以上の高い感度を誇り、多くの妊婦さんが安心を得るために受検している検査です。しかし、非常にまれですが「陰性」と判定されたにも関わらず、実際にはダウン症のお子さんが生まれるという「偽陰性」のケースが報告されています。

今回は、20代の女性が2回の妊娠でいずれもNIPTで陰性判定を受けながら、2回ともダウン症のお子さんを出産されたケースを通じて、偽陰性が起こる原因と、特に非認証施設での早期検査のリスクについて詳しく解説いたします。

実際のケース:20代女性の体験(※他院での症例)

ケースの概要

  • 年齢:20代女性
  • 妊娠歴:2回妊娠、2回出産
  • NIPT受検歴:両妊娠でNIPT受検、いずれも陰性判定
  • 出産結果:2回ともダウン症のお子さんを出産

※このケースは他の医療機関での症例であり、ミネルバクリニックでの検査ではありません。偽陰性の原因を理解していただくための参考事例として紹介いたします。

このケースは医学的に非常にまれな事例です。NIPTコンソーシアムの報告によると、6年間に検査を行った72,525件中58,893件について分娩後の経過を含めた赤ちゃんの様子を集計した結果、ダウン症と18トリソミーにそれぞれ3件の「偽陰性(間違いの陰性)」を認めました。偽陰性が起こる確率は10,000人に1人程度とされているため、1人の女性が2回連続で偽陰性を経験するのは極めて稀な事象といえます。

NIPT技術の進歩と精度向上

なお、上記の統計データはNIPTが日本に導入された初期の頃のものです。その後の技術革新により、現在の最新のNIPT検査では検査精度がさらに向上しており、偽陰性率は当時よりもさらに低くなっています。

  • 解析アルゴリズムの改良:より高精度な統計的解析手法の導入
  • シークエンサー技術の進歩:読み取り精度と深度の向上
  • 品質管理基準の厳格化:胎児DNA濃度管理の徹底
  • 新しい検査手法の開発:SNP(一塩基多型)解析など、より精度の高い技術の実用化

ミネルバクリニックでは、常に最新の技術動向を把握し、より高精度な検査の提供に努めています。ただし、技術が進歩しても偽陰性のリスクを完全にゼロにすることはできないため、検査の限界について十分にご理解いただいた上で受検していただくことが重要です。

NIPTの偽陰性とは

偽陰性の定義

偽陰性とは、病気を持っているのに検査結果が「陰性」となることを指します。NIPTにおいては、実際には胎児がダウン症や18トリソミー、13トリソミーなどの染色体異常を持っているにも関わらず、検査結果では「陰性」と判定されてしまう状況を意味します。

偽陰性の発生頻度

NIPTの陰性的中率は99.98%と非常に高く、偽陰性が起こる確率は0.1%以下と非常に低いとされています。NIPTで陰性とされた場合、その病気が実際にない確率は、どの年齢層においても、ダウン症、18トリソミー、13トリソミーいずれにおいても、99.99%以上あります。ただし、1万人に1人以下の割合で、陰性だったのに実際には病気があった「偽陰性」があります

偽陰性が起こる主な原因

1. 胎児DNA濃度(Fetal Fraction)の不足

偽陰性の原因の多くは、妊娠週数が早すぎて検出対象となる赤ちゃんのDNAが少ないことです。

NIPTの検査原理と胎児DNA濃度の重要性

NIPTは妊婦さんの血液中に含まれる胎児由来のDNA断片を解析する検査です。妊婦の血液中には、母体由来のDNA(約90%)と胎盤由来のDNA(約10%)が混在しています。この胎盤由来のDNAは胎児と遺伝学的に同一であるため、「胎児DNA」として扱われます。

正確なトリソミーのスクリーニングのためには、一般的には最低必要な胎児分画(胎児ゲノム率)は4%と推定されています。ただし、検査会社によっては独自の臨床試験により、この閾値を2%や3%に下げている場合があります。

なぜ胎児DNA濃度が低いと偽陰性が増えるのか

1. 統計学的検出力の低下

  • 染色体異常の検出は、特定の染色体(例:21番染色体)の相対的な増加を検出することで行われます
  • ダウン症の場合、21番染色体が通常の1.5倍になるため、全DNA中の21番染色体の割合がわずかに増加します
  • しかし、胎児DNA濃度が低い場合、この微細な変化が母体DNAの「ノイズ」に埋もれてしまい、統計学的に有意な差として検出できなくなります

2. シグナル対ノイズ比の悪化

  • 胎児DNA濃度が4%の場合:トリソミーによる染色体増加のシグナルが比較的明確
  • 胎児DNA濃度が2%以下の場合:同じトリソミーでも、シグナルが弱すぎて検出困難
  • 母体DNAが圧倒的多数を占めるため、胎児の染色体異常による変化が検出限界以下になってしまいます

妊娠週数との関係

  • 妊娠9週以前:胎児DNA濃度が通常2-3%程度で不安定
  • 妊娠10週以降:胎児DNA濃度が4%以上に安定し、検査精度が向上
  • 妊娠週数が進むにつれて胎盤組織が成熟し、より多くの胎児DNAが母体血中に放出されます

胎児DNA濃度が不十分な場合、染色体異常を正確に検出することが困難になり、偽陰性のリスクが大幅に増加します。これが、多くの認証施設で妊娠10週以降での検査実施が推奨される科学的根拠となっています。

2. 妊娠週数の影響

妊婦さんから採取した血液の中に含まれている胎児のDNAが少なかった場合、DNAが足りなかった場合、妊娠週数が経過してから再検査できるケースもあります。

胎児cfDNAの割合(fetal fraction)は妊娠週数に伴って増加が認められます。そのため、妊娠週数が早い段階での検査では、胎児由来のDNA濃度が不十分で偽陰性のリスクが高まる可能性があります。

3. 胎盤限局性モザイク(CPM)

胎盤限局性モザイク(CPM)とは「胎盤には染色体異常が見られるが、胎児は正常核型」という状態のため、検査結果に不一致が生じてしまいます。つまり、NIPTは胎児そのものではなく、胎盤の一部を検査しているに過ぎないのです。

逆に、胎児に染色体異常があっても胎盤が正常な場合(胎児真性モザイク)では、偽陰性となる可能性があります。

非認証施設での早期検査のリスク

早期検査の問題点

認証施設では通常、妊娠10週以降でのNIPT実施が推奨されていますが、一部の非認証施設では妊娠6週や9週といった早期からの検査を行っています。

10週未満の検査は10週以降で受検した場合と比較して、感度・特異度の低下が想定されます。Early NIPT検査で10週未満時に陽性となった場合、陽性的中率・陽性スコアの報告はありません。

胎児DNA濃度と検査精度の関係

低い胎児分画(胎児ゲノム率)であっても、正規化された染色体値と高い染色体値の組み合わせに基づく統計的手法を組み合わせたプロトコルとシークエンサーのリード(読み取り回数、深度、depth)を多くすることで高い精度で検査を遂行達成することができますとされていますが、これには高度な技術と適切な解析システムが必要です。

非認証施設のリスク

非認証施設では以下のようなリスクが考えられます:

  1. 技術的な制約:適切な解析深度や統計的手法が用いられていない可能性
  2. カウンセリング体制の不備:検査結果の解釈や限界についての十分な説明がない
  3. フォローアップ体制の欠如:偽陰性や判定保留時の適切な対応ができない
  4. 追跡調査の不実施:最も重要な問題として、ミネルバクリニック以外の多くの非認証施設では、検査後の追跡調査を行っていません

追跡調査不実施の深刻な問題

認証施設では、NIPTコンソーシアムによる大規模な追跡調査により、陽性的中率や偽陰性率などの正確な統計データが蓄積されています。しかし、非認証施設の多くは以下の問題を抱えています:

  • 出生後の追跡なし:検査結果と実際の出生児の状態を照合していない
  • 統計データの欠如:自施設での陽性的中率、偽陰性率が不明
  • 検査精度の検証不能:実際の検査性能を把握できていない
  • 継続的改善の困難:データに基づく検査手法の改善ができない

ミネルバクリニックの責任ある取り組み

ミネルバクリニックでは臨床遺伝専門医が責任をもってNIPTを提供しており、NIPTを扱い始めた当初からきちんと追跡調査を行っています。これにより:

  • 検査精度の継続的な検証:実際の出産結果との照合による精度管理
  • 偽陰性・偽陽性率の把握:自院での正確な統計データの蓄積
  • 品質改善への反映:追跡結果に基づく検査手法の継続的改善
  • 患者への適切なフィードバック:実績に基づく正確な情報提供

このような責任ある医療提供により、患者さんに真に信頼できる検査サービスを提供しています。

年齢と陽性的中率の関係

20代女性の特殊性

その正確さは年齢によって変わり、妊婦さんが若いと下がる傾向があります。これは主に陽性的中率に関することですが、若年妊婦では染色体異常の頻度自体が低いため、検査前確率が低くなります。

20代の妊婦さんでは、21トリソミーの陽性的中率が約50%程度とされています。これは染色体異常の有病率が低いためです。

なぜ若年妊婦で陽性的中率が低くなるのか

この現象は統計学の「ベイズの定理」で説明できます:

1. 事前確率(有病率)の影響

  • 20代女性:ダウン症の出生率は約1/1,000-1/1,500
  • 40代女性:ダウン症の出生率は約1/100
  • 検査前の染色体異常の確率(事前確率)が大きく異なります

陽性的中率の計算メカニズム

陽性的中率 = 真陽性 ÷ (真陽性 + 偽陽性)

年齢別の陽性的中率の比較
年齢 ダウン症出生率 計算例 陽性的中率
20代 約1/1,000-1/1,500 1,000人中1人が実際にダウン症
偽陽性約1人
約50%
40代 約1/100 100人中1人が実際にダウン症
偽陽性約0.1人
約91%

今回のケースの特異性

今回のケースでは、20代という若年にも関わらず2回ともダウン症のお子さんを出産されており、これは統計的に非常にまれな事象です。このような場合、以下の要因が考えられます:

1. 家族性のリスク要因

転座型ダウン症の可能性

  • 通常のダウン症(標準型21トリソミー)は偶発的に起こりますが、約3-4%は家族性の染色体構造異常(ロバートソン転座)によるものです
  • 親のどちらかが「平衡転座」を持っている場合、子どもにダウン症が生まれる確率は10-15%程度まで上昇します
  • 母体年齢に関係なく一定のリスクを持つため、若年妊婦でも繰り返し発症する可能性があります

2. 母体側のモザイク

生殖細胞系列モザイク

  • 母体の卵巣細胞の一部に21番染色体の異常を持つ細胞集団が存在
  • 体細胞では正常でも、生殖細胞(卵子)の一定割合で染色体異常を持つ状態
  • この場合、複数回の妊娠で同様の染色体異常が起こる確率が通常より高くなります

3. 検査の技術的な問題

結果解釈の問題

  • 境界域の結果に対する判定基準の甘さ:適切な検査機関では境界域の結果は「判定保留」として報告すべきところを、安易に「陰性」と判定してしまう
  • 胎児DNA濃度を考慮しない結果報告:胎児DNA濃度が4%未満の場合、検査の信頼性は大幅に低下するが、一部の検査機関では濃度が低くても結果を報告してしまう
  • 統計的信頼性の十分な検証なしでの陰性判定:統計的有意性の検証不足により、本来であれば「要注意」とすべき結果も「陰性」として処理されてしまう

実際の問題事例:検査精度管理の課題

下記は実際にあるクリニックで発行された検査結果報告書の事例です(個人情報は削除済み):

胎児分画2.5で検査結果を出している問題事例

  • Fetal fraction(胎児DNA濃度)が2.5%:推奨される4%を大幅に下回る
  • 検査所見で「Fetal fraction低値のため、性染色体に関する判定は不能でした」と明記されているにも関わらず
  • 「陰性:異常は検出されませんでした」として結果を報告
  • 本来であれば胎児DNA濃度不足により「判定保留」または「再検査推奨」とすべき状況

特に問題となる矛盾した対応

この検査結果で最も深刻な問題は、胎児DNA濃度が不十分で性染色体の判定ができないと認めているにも関わらず、常染色体(21、18、13番)については「陰性」と断定している点です。

なぜこれが問題なのか:

  • 科学的整合性の欠如:胎児DNA濃度は全ての染色体検査の基礎となる指標
  • 選択的な結果報告:都合の良い部分だけ「陰性」、困難な部分は「判定不能」
  • 統計的根拠の不備:2.5%の胎児DNA濃度では、常染色体検査も信頼性が大幅に低下
  • 患者への誤解誘導:「陰性」という表現で偽の安心感を与える

適切な検査機関であれば、胎児DNA濃度2.5%の場合、全ての染色体について「判定保留」または「再検査推奨」とするべきです。性染色体だけでなく、常染色体の検査精度も同様に低下しているためです。

検査技術の根本的な違いと課題

さらに深刻な問題として、一部の医療機関では検査技術そのものが異なっている場合があります。正規の検査では、DNAメチル化の母子間の違いを利用したエンリッチメント(濃縮)工程が含まれており、これにより胎児由来DNAを効率的に検出することができます。この技術により、胎児DNA濃度3.0%以上での検査精度が臨床試験で検証されています。

しかし、一部の施設ではシークエンシング試薬のみを購入して独自に検査を行っている場合があり、この場合は以下の重要な問題が生じます:

  • 検査手法の根本的な違い:エンリッチメント工程を省略した場合、検査の原理そのものが変わってしまいます
  • 臨床試験データの適用不可:元の検査で実施された臨床試験の結果は、異なる手法には適用できません
  • 検査精度の未検証:独自手法での検査精度について、適切な臨床試験が実施されていない可能性があります
  • 品質管理基準の不明確:胎児DNA濃度3%での精度保証も、実際には根拠がない状態となります

このような状況では、患者さんは「同じ検査技術」と説明を受けていても、実際には全く異なる検査を受けている可能性があります。検査を受ける際は、使用している検査技術の詳細な内容と、その手法で実施された臨床試験データの有無について確認することが重要です。

患者さんへの注意点: 検査技術の名称が同じでも、実際の検査手法や品質管理体制が異なる場合があります。検査を受ける前に、以下の点を確認することをお勧めします:

  • 使用している検査の完全な手法(エンリッチメント工程の有無など)
  • その手法での臨床試験実施の有無とデータ
  • 品質管理基準と結果報告の閾値
  • 検査後の追跡調査体制

さらなる問題事例:胎児DNA濃度の記載すらない検査報告書

別の医療機関では、さらに深刻な問題が確認されています。検査結果報告書に胎児DNA濃度(Fetal Fraction)の記載が一切ないケースです。

FFなしの検査結果

胎児DNA濃度記載なしの問題点:

  • 検査精度の判断不可能:患者さんも医師も検査の信頼性を評価できません
  • 国際基準からの大幅な逸脱:胎児DNA濃度の測定・報告は国際的な標準要件です
  • 検査の透明性の欠如:検査がどの程度信頼できるかの情報が全く提供されていません
  • 品質管理の放棄:胎児DNA濃度を測定・管理していない可能性を示唆します

適切なNIPT検査では、胎児DNA濃度は必須の測定項目であり、結果報告書に明記することが国際的な標準となっています。この情報がない検査結果は、検査の信頼性について患者さんが適切な判断を行うことを妨げています。

これらの事例は、一部の医療機関において患者さんの知識不足につけ込んで、検査の質や透明性を犠牲にしても「早く結果が出る」「安価である」といった表面的な利便性を優先している実態を示しています。このような状況は医療の質的向上を阻害し、患者さんの安全性を脅かす可能性があります。

偽陰性を防ぐための対策

1. 適切な妊娠週数での検査

母体血液中の胎児DNAの濃度が低い場合や母体の病気(母体の染色体異常、子宮筋腫や悪性腫瘍)によって判定保留がでることがあり、この場合に再度NIPTを再検査するか、確定診断の羊水検査をするか、NIPTでの検査をあきらめるかを選択します。

2. 認証施設での受検

当運営委員会では、NIPTの実施施設について認証をおこなっています。認証施設では、NIPT説明書を使用しながら検査についてご相談に乗ります。

ミネルバクリニックの包括的な診療体制

ミネルバクリニックは非認証施設ですが、臨床遺伝専門医による充実したカウンセリング体制を整備しています:

  • 事前カウンセリング:検査の意義、限界、リスクについて詳細な説明
  • 陽性後のフォローアップ:結果に応じた適切な遺伝カウンセリングの継続
  • 産婦人科併設(2025年6月より):絨毛検査・羊水検査を自院で実施可能
  • 一貫したケア:スクリーニングから確定診断まで一つの医療機関で完結

このような包括的な診療体制により、患者さんに安心して検査を受けていただける環境を提供しています。特に確定診断まで院内で対応できることで、陽性結果が出た場合でも迅速かつ継続的なサポートが可能となります。

3. 総合的な出生前診断の検討

NIPTでは、トリソミー以外の形態異常についてわかりません。トリソミー以外のことも知りたい場合には、形態評価する胎児ドックを受けることをおすすめします。

遺伝カウンセリングの重要性

検査前のカウンセリング

NIPTは非確定的検査であり、偽陰性の可能性について十分に理解した上で受検することが重要です。特に家族歴がある場合や、過去に染色体異常のあるお子さんを出産された経験がある場合は、詳細な遺伝カウンセリングが必要です。

検査後のフォローアップ

偽陰性が起こりやすいケースとして、妊娠週数が10週未満の場合や、母体に特定の健康状態がある場合が挙げられます。このようなリスク要因がある場合は、追加の検査や定期的なフォローアップが推奨されます。

ミネルバクリニックでの取り組み

ミネルバクリニックでは、以下の取り組みにより偽陰性のリスクを最小限に抑えています:

1. 適切な検査時期の設定

胎児DNA濃度が適切なレベルにない場合は検査結果を出さず、再検査を行うことで検査精度を保証しています。

2. 高度な解析技術

最新の解析技術と十分な解析深度により、低い胎児DNA濃度でも正確な結果を提供します。
検査を実際に行うのは、世界トップクラスの大手遺伝子検査会社です。
日本では自由診療の検査の場合の精度管理などが法律で定められていないのが問題だと思っているので、体制がしっかりしていて、信頼性も高い欧州やアメリカの技術力がしっかりした検査会社を採用しています。

3. 包括的な遺伝カウンセリング

臨床遺伝専門医による詳細なカウンセリングにより、検査の限界やリスクについて十分に説明いたします。

4. 総合的な出生前診断

NIPTだけでなく、超音波検査や他の出生前診断も組み合わせた総合的なアプローチを提供しています。

5. 継続的な品質管理と追跡調査

認証施設として適切な追跡調査を実施し、検査精度の継続的な向上に努めています。

確定検査の院内実施について(2025年6月開始)

2025年6月より産婦人科を併設し、NIPTで陽性となった場合の確定検査(羊水検査・絨毛検査)を自院で実施できるようになりました。これにより:

  • シームレスな検査体制:遺伝カウンセリングから確定検査まで一貫した対応
  • 迅速な対応:他院紹介の時間的ロスを削減
  • 継続的なフォローアップ:検査結果から出産まで一貫したサポート
  • データの一元管理:NIPT結果と確定検査結果の照合による精度向上

よくある質問(FAQ)

NIPT陰性だったのにダウン症が生まれることはありますか?

はい、非常にまれですが偽陰性は起こります。確率は10,000人に1人程度ですが、胎児DNA濃度が不足している場合(4%未満)や早期検査(妊娠10週未満)ではリスクが高まります。最新のNIPT技術では精度がさらに向上していますが、完全にゼロにはできません。

なぜ偽陰性が起こるのですか?主な原因を教えてください

偽陰性の主な原因は以下の通りです:

  • ①胎児DNA濃度の不足:4%未満では統計的検出力が低下
  • ②妊娠週数が早すぎること:10週未満では胎児DNAが不安定
  • ③胎盤限局性モザイク:胎盤と胎児で染色体構成が異なる場合
  • ④家族性要因:転座型ダウン症や母体モザイクの可能性
  • ⑤検査技術の問題:不適切な解析手法や品質管理の不備

どこでNIPT検査を受けるべきですか?医療機関選びのポイントは?

以下のポイントを満たす医療機関での受検を推奨します:

  • 臨床遺伝専門医による事前・事後カウンセリング
  • 胎児DNA濃度の適切な管理(3-4%未満では結果非報告)
  • 完全な検査手法の採用(エンリッチメント工程の有無確認)
  • 陽性時の確定診断体制(羊水検査・絨毛検査の実施可能)
  • 検査後の追跡調査実施

東京では港区北青山のミネルバクリニック(外苑前駅徒歩1分)など、これらの条件を満たす医療機関を選択することが重要です。

20代でも染色体異常のリスクはありますか?若年妊婦の注意点は?

20代では統計的リスクは低いですが、以下の場合は年齢に関係なくリスクが高まります:

  • 家族歴がある場合:転座型ダウン症(親の平衡転座)
  • 母体モザイク:生殖細胞系列や体細胞モザイクの存在
  • 過去の妊娠歴:染色体異常児の出産経験

若年妊婦では陽性的中率が約50%と低いため、陽性時の確定診断がより重要になります。

早期NIPT(妊娠9週以前)は安全ですか?精度に問題はありませんか?

一般的には妊娠10週以降が推奨されます。早期検査では以下のリスクがあります:

  • 胎児DNA濃度の不安定性:9週以前は2-3%程度で変動が大きい
  • 感度・特異度の低下:偽陰性・偽陽性のリスク増加
  • 品質管理の困難:適切な閾値設定が困難

ただし、ミネルバクリニックでは胎児DNA濃度2-3%でも正確性を保証する独自の技術により、適切な管理下での早期検査に対応しています。

胎児DNA濃度が記載されていない検査結果は信頼できますか?

胎児DNA濃度の記載がない検査結果は推奨できません。以下の理由があります:

  • 検査精度の判断不可能:信頼性を評価する重要指標の欠如
  • 国際基準からの逸脱:胎児DNA濃度報告は世界標準
  • 品質管理の疑義:適切な測定・管理が行われていない可能性
  • インフォームドコンセントの不備:患者の知る権利の侵害

信頼できる検査では必ず胎児DNA濃度が明記され、不十分な場合は再検査が推奨されます。

まとめ

NIPTは非常に精度の高い検査ですが、完璧ではありません。特に以下の点に注意が必要です:

  1. 偽陰性は稀ですが存在します:10,000人に1人程度の確率で発生
  2. 早期検査にはリスクがあります:妊娠10週未満での検査は感度・特異度が低下する可能性がありますが、ミネルバクリニック採用のNIPTでは臨床試験を行った結果、胎児DNA濃度2~3%でも正確性が保証されており、独自の臨床試験により早期検査の安全性を確認しています
  3. 適切な施設選びが重要です:認証施設での受検を推奨
  4. 総合的な判断が必要です:NIPTの結果だけでなく、他の検査結果も含めた総合的な評価

今回ご紹介したケースは非常にまれな事例ですが、このような可能性があることを理解し、適切な検査施設での受検と十分なカウンセリングを受けることが重要です。

妊娠や出生前診断についてご不安やご質問がございましたら、ミネルバクリニックまでお気軽にご相談ください。臨床遺伝専門医が、お一人お一人の状況に応じた最適なアドバイスを提供いたします。オンライン診療にも対応しており、遺伝カウンセリングはクリニックで、採血は全国の連携医療機関で受けることができるため、遠方の方でも安心してご利用いただけます。

参考文献

  • 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPTを受けた10万人の妊婦さんの追跡調査」
  • 日本産科婦人科学会「NIPT実施指針」
  • 日本医学会「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査指針」
  • ミネルバクリニック「NIPTにおける胎児分画について」
  • J Obstet Gynaecol Res. 2021 47:3437-3446.

※本記事は医学的情報の提供を目的としており、個別の診断や治療に代わるものではありません。具体的な医療判断については、必ず医療機関にご相談ください。







プロフィール

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。


仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

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