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NIPTを受ける前に夫婦で話し合うべき7つのポイント

はじめに

新型出生前診断(NIPT)は、赤ちゃんの染色体異常の可能性を非侵襲的に調べる検査です。この検査は、妊娠中の不安を軽減する一方で、結果によっては夫婦の間で大きな決断を迫られることもあります。そのため、NIPTを受けるかどうかは慎重に検討し、夫婦でしっかりと話し合うことが大切です。

NIPT(新型出生前診断)とは?

NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、母体の血液を採取し、胎児のDNAを分析することで染色体異常のリスクを評価する検査です。従来の羊水検査や絨毛検査と異なり、流産のリスクがなく安全に受けられるのが特徴です。特にダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーのリスクを高い精度で検出できます。

なぜ夫婦で話し合いが必要なのか

NIPTの結果は、家族の将来に大きく影響を与える可能性があります。検査を受けるかどうか、陽性結果が出た場合の対応など、事前に夫婦で価値観をすり合わせておくことが重要です。また、精神的な負担を軽減するためにも、サポートし合える関係を築くことが求められます。検査のメリット・デメリットを理解し、納得のいく選択をするために、十分な話し合いを行いましょう。

本記事の目的(後悔しない選択をするために)

NIPTを受けるかどうかは、各家庭の事情や価値観によって異なります。本記事では、NIPTの基礎知識、夫婦で話し合うべきポイント、検査後の選択肢について解説し、後悔しない決断をするための手助けをします。大切なのは、情報を正しく理解し、夫婦で納得のいく選択をすることです。この記事が、皆さんの大切な決断の一助となれば幸いです。

NIPTの基本情報

NIPT(新型出生前診断)は、妊娠中に赤ちゃんの染色体異常の可能性を調べる検査です。従来の出生前診断と比べて母体への負担が少なく、高い精度で結果を得られるため、多くの妊婦さんが検討しています。しかし、NIPTには限界もあり、検査結果の解釈には注意が必要です。ここでは、NIPTでわかること・わからないことや、検査の流れ、費用、受けられる医療機関について解説します。

NIPTでわかること・わからないこと

NIPTでは、主に以下の染色体異常のリスクを調べることができます。

  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パトウ症候群)

一部の検査機関では、性染色体異常や微細欠失症候群についても調べることができます。ただし、NIPTはあくまで「可能性を評価する検査」であり、確定診断ではありません。また、以下のようなことはほとんどの医療機関ではわかりません。

  • 単一遺伝子疾患(遺伝的な疾患)【ミネルバクリニックでは積算リスク1/600という一部の単一遺伝子疾患を検査可能です】
  • 自閉症や発達障害などの疾患【ミネルバクリニックでは自閉症や発達障害の原因となる病態を一部検査可能です】
  • 全ての先天性疾患

検査の流れ(対象時期・方法・結果が出るまで)

NIPTの一般的な検査の流れは以下の通りです。

  1. 対象時期: 妊娠10週目以降に受けることができます。【ミネルバクリニックでは妊娠6週から臨床試験としてお受けいただけます】
  2. 検査方法: 母体の血液を採取し、胎児のDNAを解析します。
  3. 結果が出るまでの期間: 通常、検査から約1~2週間で結果が通知されます。

結果は「陰性(異常の可能性が低い)」または「陽性(異常の可能性が高い)」として示されますが、陽性の場合でも確定診断には羊水検査などが必要になります。

費用や受けられる医療機関について

NIPTの費用は医療機関によって異なりますが、一般的には約10万~25万円程度かかります。公的な補助は基本的にないため、自費診療となります。

NIPTを受けられる医療機関には、「認可施設」と「無認可施設」があります。

  • 認可施設: 日本医学会が認可した施設で、遺伝カウンセリングが義務付けられています。
  • 無認可施設: 独自にNIPTを提供する施設で、遺伝カウンセリングがない場合もあります。【ミネルバクリニックでは臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います】

信頼できる医療機関を選び、検査の内容やリスクを十分に理解した上で受けることが大切です。

夫婦で話し合うべき7つのポイント

NIPT(新型出生前診断)を受けるかどうかは、夫婦にとって大きな決断です。検査を受ける目的や結果に対する対応を事前に話し合っておくことで、後悔のない選択ができます。ここでは、夫婦で考えておくべき7つのポイントを解説します。

① NIPTを受ける目的を明確にする

まず、「なぜNIPTを受けたいのか」を夫婦で話し合いましょう。

  • 赤ちゃんの健康状態を事前に知り、心の準備をしたい
  • 検査結果によって今後の計画を立てたい
  • 不安を軽減し、安心して妊娠生活を送りたい

また、「検査を受けない」という選択肢についても考えることが重要です。受けない場合のメリット・デメリットを話し合い、お互いが納得できる結論を出しましょう。

② 検査結果をどう受け止めるか

NIPTの結果は、「陰性(異常の可能性が低い)」または「陽性(異常の可能性が高い)」として示されます。

  • 陽性だった場合、どのような対応を取るのか?
  • 追加の検査(羊水検査など)を受けるかどうか?
  • 結果を知ったときに、夫婦でどのように支え合うか?

事前にシミュレーションしておくことで、実際に結果を受け取った際の混乱を防ぐことができます。

③ 費用やスケジュールの確認

NIPTは自費診療のため、10万~25万円の費用がかかります。夫婦で以下の点を確認しておきましょう。

  • 費用はどのくらいかかるのか?
  • どの医療機関で受けるか?
  • 妊娠何週目に検査を受けるか?

スケジュールを早めに決めておくと、余裕を持って準備ができます。

④ 検査結果を誰に伝えるか

NIPTの結果を、家族や職場にどこまで共有するかも事前に話し合いましょう。

  • 親や親戚に伝えるか?
  • 職場に報告する必要があるか?
  • 友人には話すか?

プライバシーを守るためにも、夫婦で方針を決めておくことが大切です。

⑤ 心理的な負担への対策

NIPTの結果が出るまでの期間は、不安を感じる方も多いです。心理的な負担を軽減するために、以下のような対策を検討しましょう。

  • 夫婦でこまめに気持ちを共有する
  • 必要に応じてカウンセリングを利用する
  • リラックスできる時間を意識的に作る

精神的なサポートをし合うことが、冷静な判断につながります。

⑥ 万が一、陽性だった場合の選択肢

NIPTで陽性判定が出た場合、確定診断のために羊水検査を受けるかどうかを検討する必要があります。また、今後の選択についても夫婦で話し合っておきましょう。

  • 遺伝カウンセリングを受けるか?
  • 追加の検査を受けるか?
  • その後の選択肢について、どのように考えるか?

突然の結果に戸惑わないよう、あらかじめ対応策を考えておくことが重要です。

⑦ お互いの意見を尊重する姿勢

NIPTに対する考え方は、人それぞれ異なります。夫婦で意見が食い違うこともあるため、以下の点を意識しましょう。

  • お互いの価値観を尊重する
  • 一方的な決断にならないよう配慮する
  • 冷静に話し合い、納得できる結論を出す

どんな選択をするにしても、夫婦でしっかり向き合い、後悔のない決断をすることが大切です。

4. NIPTを受けた夫婦の体験談

実際に話し合って決めたこと

NIPT(新型出生前診断)を受けるかどうか、多くの夫婦が慎重に話し合います。ある夫婦は、まず医師の説明を受けた上で、お互いの価値観や将来の計画を考慮しながら決断しました。「結果を知ることで心の準備ができる」と考える一方で、「もしリスクが高いと判明したらどうするのか」という不安もあったそうです。最終的には、「検査結果がどうであれ、二人で支え合う」という結論に至り、検査を受けることを決めました。

受けた後の感想(安心感・不安)

実際にNIPTを受けた後、夫婦は「結果を知ることで安心感が得られた」と話しています。特に陰性だった場合は、妊娠期間をよりリラックスして過ごせるようになったとのこと。しかし、陽性の結果が出た場合は、新たな悩みや選択に直面することになります。一部の夫婦は「事前に知ることで適切な準備ができた」と前向きに捉えていますが、不安を強く感じるケースもあります。そのため、結果を受けた後の精神的サポートも重要だといえるでしょう。

5. 専門家の意見とサポートの紹介

遺伝専門医・産婦人科医のアドバイス

NIPT(新型出生前診断)を受ける際には、遺伝専門医や産婦人科医のアドバイスを参考にすることが重要です。専門医は、検査の意義や限界、結果の解釈について詳しく説明し、夫婦が納得した上で判断できるようサポートしてくれます。また、検査結果が陽性だった場合の対応についても、適切なカウンセリングを提供し、必要に応じて追加検査や治療の選択肢を提案します。医師と十分に相談することで、精神的な負担を軽減しながら冷静に判断することができます。

6. まとめ

夫婦で話し合うことの重要性

NIPT(新型出生前診断)を受けるかどうかは、夫婦にとって大きな決断の一つです。そのため、互いの考えをしっかり話し合い、納得のいく結論を出すことが重要です。検査のメリットやデメリットを理解し、不安や期待を共有することで、後悔のない選択につながります。また、専門家の意見を参考にすることで、より冷静かつ客観的な判断ができるでしょう。

NIPTはあくまで選択肢の一つ

NIPTは妊娠中の検査の一つであり、必ず受けなければならないものではありません。検査結果が出たとしても、それをどう受け止めるかは夫婦それぞれの価値観によります。NIPTを受けるかどうかは個人の自由であり、他人の意見に流されるのではなく、自分たちにとって最善の選択をすることが大切です。

2人で納得できる決断をすることが大切

最も重要なのは、夫婦が納得できる決断をすることです。NIPTの結果がどのようであれ、互いに支え合いながら前向きに進んでいくことが求められます。不安がある場合は、医師やカウンセラー、支援団体などの専門家に相談し、冷静に判断できる環境を整えることも大切です。最終的には、「どの選択が自分たちにとってベストなのか」を見極め、2人でしっかりと決めることが、後悔のない妊娠期間を過ごすための鍵となるでしょう。

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ミネルバクリニックでは、「健やかなお子さまを迎えてほしい」という想いを持つ臨床遺伝専門医の院長のもと、東京都港区青山にてNIPT検査を提供しています。少子化が進む現代において、より健康なお子さまを望むのは自然なことです。そのため、当院では世界最先端の特許技術を活用し、高精度かつ多様な疾患の検査を提供できる信頼性の高い検査会社を、遺伝専門医が厳選しています。さらに、全国どこからでもオンライン診療に対応し、採血はお近くの提携医療機関で受けることも可能です。
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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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