目次
- 1 NIPTの世代別比較(第1~3世代)と最新COATE法の違い【医師解説】
- 1.1 1. NIPTの基本原理|なぜ母体血液で胎児の染色体がわかるのか
- 1.2 2. 第1世代NIPT(WGS法/カウント法)|すべての始まり
- 1.3 3. 第2世代NIPT(SNP法)|遺伝子の「質」を見る
- 1.4 4. 第3世代NIPT(メチル化法/スーパーNIPT)|胎児DNAを選択的に解析
- 1.5 5. COATE法(次世代NIPT)|SNP法とターゲット法のハイブリッド
- 1.6 6. 世代別比較一覧表|どの技術を選ぶべきか
- 1.7 7. NIPTはどこで受けるべき?|施設選びの3つのポイント
- 1.8 8. ミネルバクリニックが採用する検査技術
- 1.9 9. NIPTと医療費控除について
- 1.10 10. 重い障害と将来の自立について|検査でわかること・わからないこと
- 1.11 よくある質問(FAQ)
- 1.12 参考文献
NIPTの世代別比較(第1~3世代)と
最新COATE法の違い【医師解説】
Q. NIPTの精度は施設によって違うのですか?
A. はい、採用している検査技術の「世代」によって大きく異なります。
NIPTは第1世代(WGS法)から第3世代(スーパーNIPT)へと進化を遂げ、さらに最新の「COATE法」では微細欠失症候群の陽性的中率が臨床試験において99.9%以上に達しています。どの施設でどの世代の検査を受けるかで、結果の信頼性が大きく変わるのです。
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第1世代(WGS法) → 全ゲノムを低深度でシーケンス。染色体の「量」を数えるシンプルな方法。💡 WGS法とは?
Whole Genome Sequencing(全ゲノムシーケンス)の略。ゲノム全体をまんべんなく読み取り、各染色体由来のDNA断片の「数」を数えて異常を検出します。シンプルで実績豊富ですが、母体と胎児のDNAを区別できません。 -
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第2世代(SNP法) → 遺伝子の「質」の違いを解析。三倍体やバニシングツインも検出可能に。💡 SNP法とは?
SNP(一塩基多型)は人によって異なるDNA配列の「個人差」のこと。母親と赤ちゃん(父親由来)ではSNPパターンが違うため、母体DNAと胎児DNAを遺伝学的に区別できます。これにより三倍体やバニシングツインの検出も可能になりました。 -
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第3世代(メチル化法) → 胎児DNAを選択的に解析。低い胎児分画でも高精度を維持。💡 メチル化法とは?
DNAメチル化とは、遺伝子の働きを調整する化学修飾のこと。胎盤由来のDNAと母体血液由来のDNAではメチル化パターンが異なるため、この違いを利用して胎児DNAだけを「濃縮」して解析できます。胎児分画が低くても高精度を維持できる革新的技術です。 -
💡 COATE法とは?
COordinative Allele-aware Target Enrichment(協調的アレル配慮型ターゲット濃縮)の略。SNP法の「母体・胎児DNA区別能力」とターゲット法の「高深度解析」を融合した最新技術です。微細欠失症候群の陽性的中率が臨床試験において従来の約70%→99.9%以上に劇的向上。さらに遺伝子のデノボ変異(新生突然変異)も検出可能になりました。 -
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ミネルバの選択 → 当院はスーパーNIPT(第3世代)とCOATE法を採用。最新技術による高精度な検査を提供しています。
1. NIPTの基本原理|なぜ母体血液で胎児の染色体がわかるのか
【結論】 NIPTは母体血液中に漂う「胎児由来のDNA断片」を分析することで、採血だけで染色体異常の可能性を調べられる検査です。検査精度を左右する最重要因子は「胎児分画(胎児DNAの割合)」であり、これを正確に扱える技術かどうかが世代間の差となります。
「血液検査だけで赤ちゃんの染色体異常がわかる」と聞くと、不思議に思われる方も多いのではないでしょうか。まずはNIPT(新型出生前診断)がなぜ可能なのか、その基本原理からご説明しますね。
妊娠中のお母さんの血液中には、「セルフリーDNA(cfDNA)」と呼ばれる細胞外に漂う小さなDNA断片が存在しています。このcfDNAの中には、胎盤から放出された胎児由来のDNA断片も含まれているのです。
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①
妊婦さんから約10mlの血液を採取します
-
②
血漿(けっしょう)から、母体と胎児が混ざったcfDNAを抽出します
-
③
次世代シーケンサーでDNA断片を大量に読み取ります
-
④
各染色体由来のDNA量を解析し、異常の有無を判定します
胎児分画(Fetal Fraction)とは?
NIPTの精度を左右する最重要な要素が「胎児分画(Fetal Fraction:FF)」です。これは、母体血漿中のcfDNA全体のうち、胎児由来のDNAが占める割合のことを指します。
一般的に、胎児分画は妊娠週数が進むにつれて上昇し、妊娠10週頃で約10%前後になります。しかし、胎児分画が4%未満になると、多くの検査で「判定保留(No-call)」となってしまいます。
⚠️ 胎児分画が低くなりやすい方
- •
BMI(体格指数)が高い方
- •
妊娠初期(10週未満)の方
- •
体外受精(IVF)で妊娠された方(一部報告あり)
こうした方でも高精度な結果を出せるかどうかが、検査技術の「世代」の差として現れます。
2. 第1世代NIPT(WGS法/カウント法)|すべての始まり
【結論】 第1世代NIPTは主要トリソミー(21・18・13)の検出に優れ、実績も豊富です。ただし、低い胎児分画での精度低下、微細欠失検出の限界、三倍体・バニシングツインの検出不可という弱点があります。
2011年に臨床応用が始まった初期のNIPTは、「全ゲノムショットガンシーケンス(MPSS:Massively Parallel Shotgun Sequencing)」または「WGS法」と呼ばれる技術を使用していました。
第1世代の原理:染色体の「量」を数える
第1世代NIPTの基本的な考え方は非常にシンプルです。母体血漿中のcfDNAをランダムにシーケンス(配列解読)し、各染色体に由来するDNA断片の数を数えます。
たとえば、21トリソミー(ダウン症候群)の場合、胎児は21番染色体を3本持っています。すると、母体血漿中には21番染色体由来のDNA断片が通常より多く含まれることになり、この「量の偏り」を統計的に検出するのです。
第1世代のメリット
- •
主要トリソミー(21・18・13)の検出率が高い(99%以上)
- •
解析アルゴリズムが比較的シンプル
- •
多くの実績があり、信頼性が確立されている
第1世代の限界
- •
低い胎児分画では精度が低下する
- •
微細欠失症候群の検出精度が低い
- •
双胎やバニシングツインでは偽陽性が生じやすい
- •
三倍体の検出ができない
3. 第2世代NIPT(SNP法)|遺伝子の「質」を見る
【結論】 第2世代NIPTは母体と胎児のDNAを遺伝学的に区別できるようになり、三倍体やバニシングツインの検出が可能になりました。ただし、近親婚や骨髄移植後の方には適用できない制限があります。
第1世代の限界を克服するために開発されたのが、「SNP法(一塩基多型解析法)」を用いた第2世代NIPTです。代表的な検査として、Natera社のPanorama検査があります。
第2世代の原理:母体と胎児のDNAを「区別」する
SNP法は、染色体の「量」ではなく「質」の違いに着目します。SNP(一塩基多型)とは、人によって異なるDNA配列の個人差のことです。母親と胎児(父親由来)では、このSNPパターンが異なります。
SNP法では、特定のSNP座位を多数解析し、母体由来のDNAと胎児由来のDNAを遺伝学的に区別することで、より正確な染色体異常の判定が可能になりました。
| 特徴 | 第1世代(WGS法) | 第2世代(SNP法) |
|---|---|---|
| 解析対象 | 全ゲノムのDNA断片数 | 特定のSNP座位のアレル頻度 |
| 三倍体の検出 | 不可 | 可能 |
| バニシングツイン検出 | 困難(偽陽性の原因に) | 識別可能 |
| 胎児分画の推定 | Y染色体依存(男児のみ正確) | SNPから正確に算出可能 |
| 制限事項 | 特になし | 近親婚・骨髄移植後は不可 |
💡 バニシングツインとは?
双胎(ふたご)妊娠の一方が妊娠初期に自然消失する現象です。消失した胎児が染色体異常を持っていた場合、そのDNAが一時的に母体血中に残存し、NIPTで偽陽性を引き起こすことがあります。第2世代のSNP法では、「追加のハプロタイプ」として検出できるため、この問題を回避できます。
4. 第3世代NIPT(メチル化法/スーパーNIPT)|胎児DNAを選択的に解析
【結論】 第3世代NIPTはDNAメチル化を利用して胎児DNAを選択的に濃縮する革新的技術です。これにより低い胎児分画でも高精度を維持でき、再検査率(No-call率)が大幅に低下しました。ただし、「第3世代」と称していても技術的に異なる検査があるため注意が必要です。
第3世代NIPTの革新的なポイントは、「DNAメチル化」というエピジェネティクス(後天的な遺伝子修飾)の違いを利用して、胎児由来のDNAを選択的に解析できるようになったことです。
メチル化とは?わかりやすく解説
DNAメチル化とは、DNAの特定の場所に「メチル基」という化学物質が付くことで、遺伝子のはたらきを調整する仕組みです。重要なのは、このメチル化パターンが組織によって異なるという点です。
胎児由来のcfDNAは主に胎盤から放出されるため、母体の血液細胞由来のcfDNAとはメチル化パターンが異なります。この違いを利用すれば、母体のDNAに埋もれている胎児のDNAを「浮き上がらせる」ことができるのです。
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①
胎盤特異的メチル化領域(DMRs)を特定
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②
メチル化感受性制限酵素で母体DNAを選択的に分解
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③
胎児由来DNAを濃縮して高深度シーケンス
-
④
胎児分画を正確に測定し、低FFでも高精度を維持
「Medicover」と称していても、技術的には異なる検査があります
第3世代NIPTの技術的な定義は、メチル化の違いを利用した胎児DNA濃縮(エンリッチメント)工程を含むことです。
しかし、日本国内の一部の施設で提供されているMedicover Genetics社からの技術移転による検査は、このメチル化によるDNAエンリッチメント工程を経ていません。そのため、「Medicover」と称していても、技術的には第3世代NIPTの定義を満たしていない点にご注意ください。
※検査をお受けになる際は、採用されている技術の詳細を施設にご確認されることをお勧めします。
スーパーNIPTの優位性
スーパーNIPTは、NIPD Genetics社(キプロス)が開発した第3世代NIPTの代表格です。独自のターゲットキャプチャシーケンス(TACS)技術とメチル化解析を組み合わせることで、以下のような優れた性能を実現しています。
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•
0.5Mb(50万塩基対)という微細な欠失・重複も検出可能 -
•
胎児分画が低い検体でも高い精度を維持 -
•
再検査率(No-call率)が大幅に低下 -
•
偽陰性(見逃し)リスクを極限まで低減
5. COATE法(次世代NIPT)|SNP法とターゲット法のハイブリッド
【結論】 COATE法はSNP法とターゲット法を融合した最新技術で、微細欠失症候群の陽性的中率を臨床試験において従来の約70%から99.9%以上へ劇的に向上させました。さらに、デノボ変異(新生突然変異)の検出も可能になり、父親の年齢に関連したリスク評価ができます。
NIPTの最新技術として注目されているのが「COATE法(Coordinative Allele-Aware Target Enrichment Sequencing)」です。これは、SNP法の長所とターゲット法の長所を融合させた「ハイブリッド技術」であり、特に微細欠失症候群やデノボ変異(新生突然変異)の検出において画期的な成果を上げています。
COATE法の革新的なアプローチ
COATE法の最大の特徴は、「多次元ゲノム解析」を行う点です。単一の指標ではなく、以下の3つの次元を統合して解析することで、母体血漿中の混合DNAから胎児ゲノム情報を数学的に分離(デコンボリューション)します。
| 解析次元 | 内容 | 役割 |
|---|---|---|
| リード深度(Read Depth) | ゲノム領域ごとのリード数 | コピー数変化(CNV)や異数性の検出 |
| アレル頻度(Allelic Fraction) | ヘテロ接合性SNPにおける変異アレルの比率 | 胎児のトリソミーによるアレルバランスの崩れを検出 |
| 連鎖SNP(Linked SNPs) | 物理的に近接し共に遺伝するSNP群 | 母親・胎児由来のハプロタイプを区別 |
なぜCOATE法で微細欠失の精度が飛躍的に向上したのか?
従来のNIPTでは、微細欠失症候群(ディジョージ症候群など)の陽性的中率は70%程度にとどまっていました。これは、微細な染色体欠失から生じるシグナルが弱く、母体由来のノイズに埋もれやすかったためです。
COATE法では、アレル非依存性を持たせたプローブ設計により「アレルバイアス」を抑制し、微量な胎児変異を正確な比率で回収できるようになりました。その結果、微細欠失の陽性的中率は臨床試験において99.9%以上へと劇的に向上しています。
従来法の微細欠失検出
陽性的中率:約70%
→ 陽性判定のうち30%は「偽陽性」の可能性
COATE法の微細欠失検出
陽性的中率:臨床試験で99.9%以上
→ 確定診断に近い精度(※スクリーニング検査です)
⚠️ 重要なお知らせ:COATE法を含むすべてのNIPTはスクリーニング検査(非確定検査)です。上記の数値は臨床試験における結果であり、陽性の場合は必ず羊水検査などの確定検査を受けていただく必要があります。
デノボ変異(新生突然変異)の検出
COATE法のもう一つの画期的な点は、「デノボ変異(新生突然変異)」を検出できることです。
デノボ変異とは、両親からの遺伝ではなく、精子や卵子の形成過程で新たに生じる遺伝子変異のことです。特に父親の年齢が高いほど、精子に蓄積する変異が増えることが知られています。
💡 デノボ変異で生じうる疾患の例
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タナトフォリック骨異形成症(FGFR3遺伝子)
- •
ヌーナン症候群(PTPN11遺伝子など)
- •
結節性硬化症(TSC1/2遺伝子)
- •
症候性自閉症の原因となる多くの遺伝子変異
6. 世代別比較一覧表|どの技術を選ぶべきか
【結論】 主要トリソミーだけ調べたい場合は第1世代でも十分ですが、微細欠失症候群やデノボ変異まで含めた包括的な検査を希望する場合は、COATE法を採用した検査を選択することを推奨します。
ここまでご説明してきたNIPTの各世代と最新COATE法の特徴を、一覧表で比較してみましょう。
| 特徴 | 第1世代 (WGS法) |
第2世代 (SNP法) |
第3世代 (メチル化法) |
COATE法 (次世代) |
|---|---|---|---|---|
| 基盤技術 | 全ゲノムショットガンシーケンス | ターゲットPCR+アレル比解析 | ターゲットキャプチャ+メチル化解析 | アレル配慮型キャプチャ+多次元解析 |
| 主要トリソミー感度 | 99%以上 | 99%以上 | 99.9%以上 | 99.9%以上 |
| 微細欠失陽性的中率 | 限定的 | 約70% | 向上(要検証) | 99.9%以上※ |
| 三倍体検出 | 不可 | 可能 | 限定的 | 可能 |
| バニシングツイン識別 | 不可 | 可能 | 限定的 | 可能 |
| デノボ変異検出 | 不可 | 不可 | 不可 | 可能 |
| 低胎児分画での精度 | 低下しやすい | やや低下 | 高精度維持 | 3%〜で高精度 |
※臨床試験における数値
7. NIPTはどこで受けるべき?|施設選びの3つのポイント
【結論】 NIPT施設を選ぶ際は、①検査技術の世代と精度、②臨床遺伝専門医の有無、③陽性時のサポート体制の3点を必ず確認してください。価格や立地だけで選ぶと、重要な情報を見逃すリスクがあります。
「NIPT どこで受けるべき?」「施設によって何が違うの?」という疑問をお持ちの方に、施設選びのポイントをお伝えします。
① 検査技術の世代と精度
「感度99%」という数字は多くの施設で見られますが、検査できる項目の範囲や微細欠失の精度は技術によって大きく異なります。主要トリソミー以外も調べたい場合は、採用技術の確認が必須です。
② 臨床遺伝専門医の有無
臨床遺伝専門医は遺伝医学の専門家です。検査結果の解釈や、陽性時の意思決定サポートには、専門的な知識と経験が不可欠です。
③ 陽性時のサポート体制
陽性の場合は確定検査(羊水検査など)が必要です。確定検査の費用補助や心理的サポートがあるか確認しましょう。
8. ミネルバクリニックが採用する検査技術
ミネルバクリニックでは、患者様に高精度な検査をお届けするため、第3世代のスーパーNIPTと最新のCOATE法を採用しています。
🔬 スーパーNIPT(第3世代)
NIPD Genetics社のメチル化技術を採用。胎児分画の正確な測定と、低FFでも安定した高精度を実現。当院実績において基本検査での偽陰性は報告されていません(※スクリーニング検査のため100%を保証するものではありません)。
🧬 COATE法(次世代NIPT)
米国の遺伝子検査会社による最新技術。臨床試験において微細欠失の陽性的中率99.9%以上、デノボ変異56遺伝子の検出が可能です。
💰 互助会で確定検査も安心
互助会(カトレア会)にご入会いただくと、万が一の陽性時も確定検査(羊水検査)費用を全額負担。上限なしで安心です。
9. NIPTと医療費控除について
【結論】 NIPTは基本的に「検診」扱いのため医療費控除の対象外ですが、陽性→確定検査→治療という流れになった場合は、遡ってNIPT費用も医療費控除の対象になります。
「NIPTの費用は医療費控除の対象になりますか?」というご質問をよくいただきます。NIPTは決して安い検査ではありませんので、税金の控除が受けられるかどうかは気になるところですよね。
Q. NIPTの費用は医療費控除の対象になりますか?
A. 基本的には「予防・検診」扱いのため、医療費控除の対象外となります。
NIPTは「治療」ではなく「スクリーニング検査(検診)」に分類されるため、通常は医療費控除の対象にはなりません。これは人間ドックや健康診断と同じ扱いです。
ただし、NIPTで「陽性」となり、その後の確定検査(羊水検査など)や中絶手術へと進んだ場合は、一連の流れが「治療」とみなされます。
この場合、最初のNIPT費用も含めて遡って医療費控除の申請が可能になります。
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•
NIPT費用
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確定検査(羊水検査・絨毛検査)費用
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中絶手術費用、入院費用など
※詳細は税務署または税理士にご確認ください。
10. 重い障害と将来の自立について|検査でわかること・わからないこと
【結論】 「将来自立できるかどうか」を判定できる検査は存在しません。NIPTでわかるのは染色体や一部の遺伝子変化に起因する疾患の「可能性」であり、同じ疾患でも症状の重さには個人差があります。
「将来、自立できないほど重い障害があるかどうか心配です。検査でわかりますか?」というご質問も多くいただきます。この不安はとても自然なものですし、お気持ちは十分に理解できます。
Q. 将来自立できないほど重い障害が心配です。検査でわかりますか?
A. 「将来社会的に自立できるかどうか」までを判定できる検査は、残念ながら存在しません。
NIPTでわかるのは、あくまで染色体や一部の遺伝子の変化に起因する病気の「可能性」です。同じ染色体異常を持っていても、症状の重さや将来の発達には個人差があり、生まれてみないとわからない部分も多いのが現実です。
ただし、NIPTで検出される染色体異常や遺伝子変異の中には、重い発達障害や知的障害を伴うことが多い疾患が含まれていることも事実です。
💡 出生前診断の対象疾患について
医学的・倫理的な観点から、出生前診断の対象となる疾患は、基本的には「社会的に自立して生活することに支障が出るレベルの重篤な疾患」に限定されています。
これは、出生前診断が「障害のある人を排除する」ためのものではなく、「重篤な疾患について事前に知り、準備する機会を提供する」ためのものであるという考え方に基づいています。
検査で何がわかり、何がわからないのか。その結果をどう受け止め、どう判断するのか。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを通じて、一緒に考えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
🏥 最新技術を用いた高精度なNIPTをご提供
「どの検査を選べばいいかわからない」「技術的なことをもっと詳しく知りたい」
そんな方は、ぜひ臨床遺伝専門医にご相談ください。
参考文献
- [1] Xu Y, et al. Genetic deconvolution of fetal and maternal cell-free DNA in maternal plasma enables next-generation non-invasive prenatal screening. Cell Discovery. 2022. [Nature]
- [2] Kim S, et al. Development and performance evaluation of an artificial intelligence algorithm using cell-free DNA fragment distance for non-invasive prenatal testing (aiD-NIPT). Front Genet. 2022. [Frontiers]
- [3] Cuckle H, et al. Detection of triploid, molar, and vanishing twin pregnancies by a single-nucleotide polymorphism-based noninvasive prenatal test. Am J Obstet Gynecol. 2016. [PubMed]
- [4] Koumbaris G, et al. Targeted capture enrichment assay for non-invasive prenatal testing of large and small size sub-chromosomal deletions and duplications. PLoS One. 2017. [PLoS One]
- [5] Zhang H, et al. Sequencing of short cfDNA fragments in NIPT improves fetal fraction with higher maternal BMI and early gestational age. Am J Obstet Gynecol MFM. 2019. [PubMed]
- [6] Papageorgiou EA, et al. MeDIP combined with in-solution targeted enrichment followed by NGS: Inter-individual methylation variability of fetal-specific biomarkers and their implementation in a proof of concept study for NIPT. PLoS One. 2018. [PLoS One]
- [7] Gil MM, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for fetal aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017. [PubMed]
- [8] 厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書」[公式サイト]

