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聖路加国際病院のNIPT(出生前診断)の費用・条件は?性別判定や口コミも解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。2025年国際誌『Global Woman Leader』表紙抜擢など、世界基準の出生前診断と遺伝カウンセリングを提供。

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聖路加国際病院でNIPT(出生前診断)を検討している妊婦さんへ。「費用は総額でいくらかかる?」「性別は教えてもらえる?」「年齢制限などの条件はある?」といった切実な疑問に対し、臨床遺伝専門医の視点からわかりやすく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🧫 NIPT・出生前診断・施設選び
臨床遺伝専門医監修

Q. 聖路加国際病院のNIPTで赤ちゃんの性別はわかりますか?

A. わかりません。
聖路加国際病院は日本医学会の「認定施設」であり、学会の指針に基づきNIPTでの性別開示は原則行っていません。性別判定をご希望の場合は、開示に対応している他施設(認可外施設など)をご検討いただく必要があります。

  • 条件 → 年齢制限は撤廃されましたが、事前の遺伝カウンセリング受診が必須です。
  • 費用 → 全額自己負担の自由診療となり、総額の目安を事前に把握することが大切です。
  • 性別判定 → 認定施設のルールにより、性別の開示は行われません。
  • 口コミ → 充実した医療体制への安心感の一方で、予約の取り方や待ち時間に工夫が必要です。
  • 別の選択肢 → 性別を知りたい、より詳しく調べたい場合は専門医がいる他施設も視野に入ります。

1. 聖路加国際病院でのNIPT、受けられる条件と基本の仕組み

「自分はNIPTを受けられるのだろうか?」これは、妊娠が判明した妊婦さんが最初に直面する不安の一つです。聖路加国際病院のような日本医学会の「認定施設」では、検査を受けるための一定のルールが設けられています。

年齢制限の撤廃と、受検のために必要なステップ

以前は「35歳以上」という明確な年齢制限がありましたが、現在ではガイドラインの改定に伴い、年齢に関わらず検査の意義を正しく理解された方であれば受検が可能となっています。ただし、制限がなくなったからといって「誰でもすぐ採血できる」わけではありません。

認定施設では、検査のメリットだけでなく限界や陽性時の対応について深く理解いただくため、事前の遺伝カウンセリングの受診が必須条件となります。パートナー(ご主人)との同席が強く推奨されるケースも多く、スケジュール調整が必要です。

分娩予約は必須?他院で出産予定の方への対応

多くの総合病院では「自院で分娩予定の妊婦さんのみ」にNIPTを限定していることがあります。聖路加国際病院の最新の受け入れ状況(他院分娩予定者の受診可否)については、時期や体制によって変動することがあるため、事前に必ず公式ホームページや予約窓口で確認することが重要です。条件を満たさずに予約日を待ってしまうと、検査に最適な週数(10週〜15週頃)を逃してしまう恐れがあります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【条件の壁に悩むお母様たちへ】

「認定施設で受けたいけれど、夫婦揃って平日に休むのが難しくて…」「他院で産む予定だから断られてしまった」。そんなご相談を日々受けています。制度の変更や病院のルールに戸惑い、孤独を感じてしまう妊婦さんは少なくありません。

私は30年にわたり、のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきました。検査を受ける前の「壁」にぶつかって不安になるのは、あなたが赤ちゃんのために真剣に考えているからです。ご自身のライフスタイルや求める情報に合わせて、医療機関を選ぶ権利があなたにはあります。焦らず、一番安心できる場所を探してくださいね。

2. 気になる費用の総額と、知っておくべきお金のリアル

NIPTは公的医療保険が適用されない自由診療であるため、全額自己負担となります。費用面での見通しを立てておくことは、余計なストレスを減らすために非常に重要です。

検査費用の内訳と、見落としがちな追加費用

聖路加国際病院をはじめとする多くの認定施設では、NIPTにかかる総額はおおよそ20万円前後になることが一般的です。これは単純な「採血の費用」だけではありません。

💡 費用の内訳(目安)

・初診料 / 再診料
・遺伝カウンセリング料(数千円〜数万円、時間に応じて加算されることも)
・NIPT検査そのものの費用
※施設によっては、結果説明の際にも再診料やカウンセリング料が別途かかる場合があります。

陽性時の羊水検査費用はどうなる?

最も注意すべきは、万が一NIPTの結果が「陽性」であった場合です。NIPTは「非確定検査」であるため、結果を確定させるには羊水検査などの「確定検査」が必要になります。羊水検査には別途10万円〜20万円程度の費用がかかりますが、施設によってはこの費用が自己負担となる場合があります。事前に「陽性時の確定検査費用の補助や制度があるか」を必ず確認しておきましょう。

3. NIPTで赤ちゃんの性別はわかる?判定の有無と注意点

「NIPTを受ければ、男の子か女の子か早くわかるんでしょう?」と期待される妊婦さんは非常に多いです。技術的には、お母さんの血液中に含まれる胎児のDNA断片からY染色体の有無を調べることで、非常に高い精度で性別を判定することが可能です。しかし、日本の医療体制においては少し事情が異なります。

聖路加国際病院(認定施設)で性別開示が行われない理由

聖路加国際病院は日本医学会が認定する施設です。認定施設の統一ルールとして、「性別の判定や開示は行わない」という方針が定められています。これは、NIPTがあくまで特定の染色体疾患(13、18、21トリソミーなど)を見つけるための医療目的の検査であり、性別という病気ではない個人的な特徴で命の選択が行われることを防ぐという重い倫理的な背景があるためです。

性別を知りたい場合、どのような選択肢があるのか

もしご家族の希望として「どうしても早く性別を知って準備を整えたい」という場合は、性別の開示に対応している他施設(いわゆる非認証施設や独自の倫理基準を持つ専門クリニック)を選ぶ必要があります。施設を選ぶ際は、単に性別を教えてくれるかだけでなく、遺伝専門医がしっかりカウンセリングを行ってくれるかどうかが最も重要な判断基準となります。

4. 予約から結果報告、遺伝カウンセリングまでの具体的な流れ

初めてのNIPT。当日はどのようなことをするのか、具体的にイメージしておくことで、漠然とした恐怖や不安を和らげることができます。

予約の手順と、当日の持ち物・所要時間

通常、かかりつけの産科医からの紹介状(診療情報提供書)が必要になるケースが多いです。予約日に来院し、まずは遺伝カウンセリングを受けます。NIPT自体の身体的な負担は「採血(約10〜20ml)」のみで、お腹に針を刺すようなことはありません。結果が出るまでにはおおよそ1〜2週間程度かかります。

遺伝カウンセリングでは何を話すの?(専門医からのアドバイス)

「カウンセリング」と聞くと、難しい医学の講義を受けるようなイメージを持たれるかもしれませんが、そうではありません。ご夫婦が赤ちゃんを迎えるにあたり、どのような不安を抱えているか、もし病気が見つかったらどうしたいと考えているかを引き出し、整理する時間です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【カウンセリングは「検査」ではなく「対話」です】

「よくわからないまま同意書にサインしてしまった」。他院で検査を受けた後に当院へ相談に来られる方から、よく聞く言葉です。カウンセリングは単なる説明義務を果たす時間ではありません。

臨床遺伝専門医である私にとって、カウンセリングとはご夫婦の絆を深め、心を整理するための大切な時間です。「もし陽性だったらどうする?」という重いテーマを、ご夫婦だけで話し合うのは本当につらいはずです。だからこそ、私たちが間に立って対話をサポートします。結果が出るまでの不安な期間も、私たちは決してあなたを一人にはしません。

5. 実際の受診体験や口コミから見えてくる「施設選びのポイント」

大きな病院で検査を受ける最大のメリットは、何と言っても「高度な医療体制」という安心感です。

医師やスタッフの対応への安心感

聖路加国際病院のような歴史ある総合病院では、産科医、小児科医、遺伝専門職が連携したチーム医療が確立されています。「万が一のことがあっても、ここで産めば高度な治療が受けられる」という事実は、妊婦さんにとって計り知れない安心材料になります。実際の口コミでも「先生の物腰が柔らかく、不安を受け止めてくれた」といった評価が多く見られます。

待ち時間や予約の取りやすさの実際

一方で、大病院ならではの課題もあります。「予約がいっぱいで希望の週数で取れなかった」「当日の待ち時間が長く、つわりでつらかった」という声も存在します。施設選びにおいては、表面的な口コミに流されず、「自分にとって一番譲れない条件(予約の融通、カウンセリングの深さ、通いやすさなど)は何か」を見極めることが重要です。

6. 検査後の不安を一人で抱えないために。充実したアフターサポートの重要性

ここからは、認定施設の枠組みを超えて「もっと詳しく調べたい」「結果が出た後の手厚いサポートを重視したい」という方へ向けた、もう一つの選択肢について専門医の立場からお話しします。

精度の高いターゲット法を選ぶべき理由(偽陽性の不安を減らすために)

近年、NIPTの技術は飛躍的に進歩し、基本の3疾患(13、18、21トリソミー)だけでなく、微細な染色体の変化や、父親の高齢化に伴う単一遺伝子変異まで調べることが可能になりました。

(父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)

当院(ミネルバクリニック)のダイヤモンドプランでは、微小欠失(12領域)に加え、精子の新生突然変異(de novo)に由来する56遺伝子(30以上の疾患に関連)まで幅広く検査が可能です。この中には、行動や知的発達に重い影響を及ぼす「症候性(重症)自閉症」の原因となり、重度の合併症を伴う疾患も多数含まれています[cite: 1]。

専門医からの警告:ワイドゲノム法の落とし穴

幅広く調べられると謳う「ワイドゲノム法」を採用している施設もありますが、私はお勧めしていません。浅く広く読むため胎盤モザイクの影響を受けやすく、7番染色体などに偽陽性(本当は異常がないのに陽性と出てしまうこと)が多く発生します。当院が採用するCOATE法(ターゲット法とSNP法の融合)は、微細欠失の陽性的中率(PPV:陽性と出た場合に本当に陽性である確率)が >99.9%という、極めて稀有で高精度な検査です。

万が一のとき、あなたの意思決定に最後まで伴走する医療

当院は非認証施設ではありますが、臨床遺伝専門医である私が、事前のカウンセリングから判定、陽性後のケアまで一貫して行います。「2日などの短期間で結果を出すこと」よりも「生涯に関わる検査だからこその正確性と、トラウマを防ぐ心理的・医学的ケア」を最優先としています。

また、ご不安な方のために、当院でNIPTを受検される方には互助会(8,000円)への加入を必須とさせていただいております。互助会制度により、万が一陽性となった場合の羊水検査費用が上限なしで全額補助されます。さらに、2025年6月からは当院内で羊水検査・絨毛検査(出生前の確定診断)の実施が可能となり、他院へ転院する心理的・時間的負担を最小化できる体制を整えています。(※Gバンド法では検出困難な微小欠失も、当院の確定診断ならカバーできます。学会指針では原則超音波での構造異常がある場合等が対象となります。)

「結果を聞いて頭が真っ白になり、どうしていいかわからない」。そんな時に備えて、遺伝カウンセリング料金は初期費用(33,000円)に内包されており、陽性時や妊娠中のご不安に対して「何度でも」追加費用なしでご相談いただけます。お金を気にせず、安心して過ごせる配慮です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 聖路加国際病院のNIPTは、年齢制限などの条件はありますか?

以前は35歳以上という年齢制限が設けられていましたが、現在は年齢に関わらず、検査の意義や限界を正しく理解された妊婦さんであれば受検が可能です。ただし、指定の遺伝カウンセリングをご夫婦で受診するなどの基本条件を満たす必要があります。

Q2. NIPTの検査結果で、赤ちゃんの性別はわかりますか?

日本医学会の認定施設である聖路加国際病院では、基本方針としてNIPTによる赤ちゃんの性別判定および開示は行っておりません。性別判定をご希望の場合は、開示を行っている別の施設を検討する必要があります。

Q3. 聖路加国際病院でのNIPTにかかる費用総額はどれくらいですか?

NIPTは自由診療のため全額自己負担となります。検査費用そのものに加え、事前の遺伝カウンセリング料や初診料などが別途かかるため、総額で約20万円前後の費用を見込んでおく必要があります。陽性時の羊水検査費用の自己負担についても事前確認が推奨されます。

Q4. NIPTの検査結果が「陰性」であれば、絶対に安心と言えますか?

NIPTは非常に精度の高い検査ですが、「非確定検査(スクリーニング)」であるため、結果が陰性であっても対象疾患の可能性が完全にゼロ(100%安心)になるわけではありません。また、検査対象外の疾患についてはわかりません。

Q5. もし結果が「陽性」だった場合、どのようなフォローがありますか?

認定施設では、陽性判定後に羊水検査などの「確定検査」へ進むためのサポート体制が整っています。専門のカウンセラーや医師が、ご家族が納得のいく意思決定ができるよう深くサポートします。当院(ミネルバクリニック)のように、何度でも追加費用なしで相談に乗る体制を敷いている施設もあります。

Q6. ワイドゲノム法など、より幅広い染色体を調べる検査を受けるべきでしょうか?

私は、過度な検査範囲の拡大(ワイドゲノム法など)は、偽陽性が増え妊婦さんを不要な不安に陥れるリスクが高いためお勧めしていません。大切なのは、精度が極めて高い検査手法(当院のCOATE法など)を用いて、必要な疾患をピンポイントで正確に調べることです。

🏥 ネットの情報に疲れてしまったら

NIPTは、あなたと赤ちゃんの未来に関わる大切な選択です。
当院では、お一人1.5時間の十分な枠を確保し、本気で向き合うご家族へ責任ある医療を提供しています。
一人で抱え込まず、どうか安心して専門医にご相談ください。

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参考文献

  • [1] Jeste SS, Geschwind DH. Disentangling the heterogeneity of autism spectrum disorder through genetic findings. Nat Rev Neurol. 2014;10(2):74-81. [PubMed]
  • [2] ACMG. Noninvasive prenatal screening for fetal aneuploidy, 2016 update. [ACMG]
  • [3] 日本産科婦人科学会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針(改訂)」 [PDF]

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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