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貴重児のNIPT、不安に専門医が答えます
早発閉経・不妊治療を経て妊娠された方へ
📍 クイックナビゲーション
Q. 早発閉経や不妊治療を経て妊娠しました。不安が消えません。
A. その不安は、とても自然なものです。
長い治療や喪失を経験された方ほど、「また失うのでは」という恐怖を抱えがちです。NIPTは、不安を減らすための医療でもあります。
- ➤ 貴重児とは:不妊治療・早発閉経・流産を経て授かった、かけがえのない妊娠
- ➤ よくある葛藤:「調べることで、もし悪い結果だったら耐えられない」
- ➤ NIPTの役割:未来を決める検査ではなく、心の準備をするための検査
- ➤ ミネルバの特徴:臨床遺伝専門医が最初から最後まで伴走
1. 貴重児を授かったあとに生まれる不安
【結論】 喜びと同時に強い不安を感じるのは、これまで必死に頑張ってきた証です。
早発閉経、不妊治療、流産…。そのどれもが心に深い傷を残します。「今回は大丈夫だろうか」と夜中に検索を繰り返してしまう方も少なくありません。
2. 貴重児だからこそ、NIPTを迷う理由
【結論】 「知ることが怖い」という感情は、とても人間的です。
「せっかく授かったのに、検査なんてしていいの?」そう思われる方もいます。しかし実際には、また同じ悲しみを繰り返したくないからこそ、知りたいというお気持ちなのです。
3. NIPTで何がわかり、何がわからないのか
【結論】 NIPTでわかるのは「重度の染色体異常や一部遺伝子疾患の可能性」です。
将来どこまで成長できるか、社会的に自立できるか、そこまでを予測できる検査は存在しません。ただし、医学的に重い影響が予想される疾患を知ることは可能です。
4. 補足|早発閉経はなぜ起こるのか
【結論】 早発閉経(早発卵巣不全)の多くは、原因を1つに特定できない「特発性」です。
英語の医学文献(New England Journal of Medicine、ASRM、European Society of Endocrinologyなど)では、早発閉経の約60〜70%は明確な原因が特定できないと報告されています。これは、生活習慣や努力不足の結果ではないということを意味します。
- ➤ 自己免疫:卵巣に対する自己抗体が関与するケース(甲状腺疾患や副腎疾患との合併)
- ➤ 遺伝的要因:X染色体関連異常やFMR1プレミューテーションなど
- ➤ 医原性要因:抗がん剤や放射線治療など
- ➤ 特発性:上記いずれにも当てはまらないケースが最多
つまり、早発閉経と診断されても、排卵や妊娠の可能性が完全にゼロになるわけではありません。実際に妊娠された方がいらっしゃることは、医学的にも説明可能な現象です。
5. ミネルバクリニックが大切にしていること
【結論】 正確性と、結果後の心のケアを最優先しています。
結果が出るスピードよりも、その結果をどう受け止め、どう支えるか。それが臨床遺伝専門医としての責任だと考えています。

