この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

血液検査でIgG(免疫グロブリン)が低いと言われた、大人になっても肺炎や副鼻腔炎をくり返す──その原因が生まれつきの「原発性抗体欠損症」かどうかを、37の遺伝子を一度に調べて確かめるのがこの検査です。低ガンマグロブリン血症の原因は、薬や血液の病気によるもの(二次性)のほうが多く、生まれつきのものは見落とされやすいため、原因がわからないまま病院を回る方も少なくありません。原因の遺伝子がわかれば、治療の選び方、気をつけたい合併症、ご家族への影響まで、次の一手が具体的になります。このページでは、分類不能型免疫不全症(CVID)・高IgM症候群・無ガンマグロブリン血症などの違い、遺伝のしかた、この遺伝子検査でわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
低ガンマグロブリン血症の原因が、生まれつきの遺伝子の変化(原発性抗体欠損症)かどうかを調べます。分類不能型免疫不全症(CVID)・高IgM症候群・無ガンマグロブリン血症などに関わる37遺伝子をまとめて調べ、病気の型と遺伝のしかたを確かめます。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
IgGなどの免疫グロブリンが低い状態が続く方、子どもでも大人でも細菌の感染をくり返す方、自己免疫の病気を合併している方、ご家族に低ガンマグロブリン血症・免疫不全の方がいる方です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は330,000円(税込)、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜などで、唾液・粘膜ならオンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、治療の選び方・見張る合併症・ご家族の検査を具体的に考えられます。原因が見つからない場合や、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。
1. 低ガンマグロブリン血症とは|生まれつき(原発性)か、薬・病気による二次性か
低ガンマグロブリン血症とは、血液中の抗体(免疫グロブリン、とくにIgG)が少なくなっている状態です。原因には、生まれつきの体質による「原発性」と、薬やほかの病気による「二次性(続発性)」があり、この遺伝子検査が役立つのは主に原発性が疑われる場合です。抗体は、細菌やウイルスに目印をつけて体から追い出す働きをするたんぱく質で、血液検査では「γ(ガンマ)グロブリン」の分画に含まれるため、この名前があります。
抗体を作るのは、骨髄で生まれるB細胞が成熟した形質細胞です。B細胞が育たない、育っても抗体を作る細胞に変われない、抗体の種類を切り替えられない(クラススイッチができない)など、どこでつまずくかによって病気の型が分かれます。
二次性(続発性)の主な原因
低ガンマグロブリン血症は、実際には二次性のほうがずっと多く、原発性の抗体欠損症の約30倍という報告があります[6]。主な原因は次のとおりです[1][6]。
- ●薬:リツキシマブなどB細胞を減らす薬、長期のステロイド、一部の抗てんかん薬
- ●血液のがん:慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫
- ●たんぱく質が体の外に漏れる病気:ネフローゼ症候群、腸からたんぱく質が漏れる病気(たんぱく漏出性胃腸症)など
- ●胸腺腫(Good症候群):胸腺の腫瘍に低ガンマグロブリン血症を伴う、大人になってから起こる免疫不全です。162人をまとめた報告では、診断時の年齢の中央値は58歳でした[24]
こうした原因がはっきりしている場合、この遺伝子検査を受ける必要はふつうありません。反対に、二次性の原因が見当たらないのに低い状態が続く場合や、子どものころから感染をくり返している場合、ご家族にも同じような方がいる場合は、原発性を考えます。
原発性抗体欠損症(PAD)とは
原発性抗体欠損症(Primary Antibody Deficiency:PAD)は、抗体を作るしくみに生まれつきの問題があり、抗体が足りなくなる病気のグループです。原発性免疫不全症の中で最も大きなグループで、チェコの全国登録(1,443人)では、抗体の病気が54.6%を占めていました[23]。
国際免疫学会連合(IUIS)の2024年の分類では、生まれつきの免疫の病気(先天性免疫異常症・IEI)は559種類、原因の遺伝子は508個にのぼり、10の表に分けられています。抗体の病気はその3つ目の表「主に抗体が欠乏する病気」にまとめられています[5]。日本では、これらを原発性免疫不全症(原発性免疫不全症候群)と呼ぶのが一般的です。
IgGが低いと言われたら:数値の目安と、何科で調べるか
「IgGがいくつ以下なら病気」という1つの数字はありません。病気の型ごとに目安が違い、年齢によって基準値も変わります。日本の指定難病(原発性免疫不全症候群)の診断基準では、次のように示されています(2026年10月時点で確認)。
📋 指定難病の診断基準にある、抗体の値の目安(抜粋)
※難病情報センター「原発性免疫不全症候群(指定難病65)」と厚生労働省の診断基準による。
欧州免疫不全学会(ESID)の登録用の基準では、分類不能型免疫不全症を「IgGとIgAが年齢の基準値より大きく低い(2回以上測定)」「ワクチンへの反応が弱い、または一部のB細胞(クラススイッチしたメモリーB細胞)が少ない」「二次性の原因が除かれている」「4歳以降に診断」「重いT細胞の異常がない」の組み合わせで判断します[4]。
IgGが低いと言われたら、まず検査をした医師に、二次性の原因がないかを確かめてもらいます。生まれつきの病気が疑われるときは、原発性免疫不全症を診療する小児科・内科の専門医への紹介を受けます。原因の遺伝子を調べたい場合に、このページの検査が役立ちます。なお、乳児期のIgGの低下には、自然に良くなる「乳児一過性低ガンマグロブリン血症」もあり、多くは4歳ごろまでに改善するとされています[22]。
2. 原発性抗体欠損症の主な病気と症状|CVID・高IgM症候群・無ガンマグロブリン血症・IgA欠損症
原発性抗体欠損症の代表は、分類不能型免疫不全症(CVID)、高IgM症候群、無ガンマグロブリン血症、選択的IgA欠損症です。どの抗体が下がるか、B細胞がいるかどうか、何歳ごろ気づかれやすいかが病気ごとに違い、調べるべき遺伝子も変わります。
病気ごとの違い(表)
🧬 原発性抗体欠損症の主な病気の違い
※遺伝子と病気の対応はOMIMの表(ヒト表現型オントロジー〔HPO〕2026年9月版で照合)、病気の特徴は文献[1][4][5][7]による。
分類不能型免疫不全症(CVID):大人になってから診断されることも多い
分類不能型免疫不全症は、大人になってから診断される抗体の病気のなかで最も多い病気です[1]。以前は「分類不能型低ガンマグロブリン血症」とも呼ばれました。頻度ははっきりしておらず、国際合意文書(ICON)は人口1万人に1人から10万人に1人と幅をもって推定しています[1]。
症状の出はじめは、米国の248人の研究で10歳未満と20〜30代の2つの山があり、34%は10歳になる前に症状が出ていました[1]。子どものころからくり返す感染があっても、診断は大人になってからというケースもあります。原因がわからないまま病院を回る期間は、希少疾患全体で平均4.7年という欧州の患者調査(6,507人)もあります[17]。
分類不能型免疫不全症は、感染以外の合併症が多い病気です。米国ニューヨークの約40年間にわたる診療で集積された473人の研究では、68%に感染以外の合併症があり、自己免疫(血液や臓器)28.6%、慢性の肺の病気28.5%、気管支拡張症11.2%、腸の炎症15.4%、肉芽腫9.7%、肝臓の病気9.1%、リンパ腫8.2%でした。経過中に19.6%の方が亡くなり、同じ年齢・性別の人より生存期間が短く、リンパ腫・肝炎・肺の障害・腸の病気が死亡と関係していました[3]。病気の型を知り、合併症を見張ることに意味があるのはこのためです。
高IgM症候群:X連鎖型(CD40LG)と潜性型(AICDA・CD40・UNG)
高IgM症候群は、IgMは作れるのに、IgG・IgA・IgEへの切り替え(クラススイッチ)ができない病気です。最も多いのはCD40LG遺伝子によるX連鎖高IgM症候群で、主に男の子に起こります。
X連鎖高IgM症候群の176人を調べた国際研究では、ニューモシスチス肺炎が最初の症状になることが多く、クリプトスポリジウム(腸の寄生虫)の感染が7%、肝臓の病気が20%にみられ、肝臓の病気は見通しを悪くする大きな要因でした。診断からの生存期間の中央値は25年で、造血細胞移植は早い年齢で受けたほうが生存がよい結果でした[11]。
AICDAによる型では、B細胞の中で抗体の遺伝子を変化させるしくみ(体細胞超変異とクラススイッチ)が障害されます。UNGによる型では、クラススイッチが強く障害され、体細胞超変異では変化の起こり方に偏りが生じます。CD40による型はX連鎖型とよく似た症状になります。
無ガンマグロブリン血症:B細胞がほとんどいない型
無ガンマグロブリン血症は、B細胞が骨髄でほとんど育たず、すべての抗体が大きく下がる病気です。最も多いのはBTK遺伝子によるX連鎖型(X連鎖無ガンマグロブリン血症)で、男の子に起こります。このパネルにはBTKのほか、潜性型のBLNK・CD79A・CD79B・IGLL1なども入っています。
血液検査でB細胞がほとんどいないとわかっている場合は、無ガンマグロブリン血症の遺伝子をまとめて調べる無ガンマグロブリン血症パネルも選べます(選び方は第4章)。
選択的IgA欠損症・特異抗体産生不全症
選択的IgA欠損症は最も多い原発性免疫不全症とされ、85〜90%の方は症状がありません[7]。4歳以上でIgAが7mg/dL未満で、ほかの抗体が正常なときに診断します。頻度は地域で大きく違い、日本では1万4,840人〜1万8,500人に1人と報告されています[7]。遺伝的な原因はまだほとんどわかっていないため[7]、この検査で原因が見つかることは多くありません。TNFRSF13B(TACI)の変化はIgA欠損症2型と関係するとされています。
特異抗体産生不全症は、抗体の量は正常でも、肺炎球菌などのワクチンに反応して抗体を作る力が弱い状態です。IgGサブクラス欠損症とともに、日本の指定難病・小児慢性特定疾病の液性免疫不全に含まれています。
感染以外の症状:自己免疫・腸・肉芽腫・リンパ腫・気管支拡張症
抗体の病気の症状は、くり返す感染だけではありません。中耳炎・副鼻腔炎・気管支炎・肺炎などの細菌感染に加えて、型によって次のような症状が起こります[1][3]。
- ●自己免疫:血小板や赤血球が壊れる(自己免疫性血小板減少症・溶血性貧血)など。LRBA・NFKB2・PIK3CDなどの型で起こりやすい
- ●腸の症状:慢性の下痢、吸収不良、炎症性腸疾患に似た炎症
- ●肉芽腫・リンパ節の腫れ:肺・リンパ節・肝臓などに炎症のかたまりができる
- ●リンパ腫:分類不能型免疫不全症で8.2%という報告があります[3]
- ●気管支拡張症:感染をくり返すうちに、気管支が広がったまま戻らなくなる状態
気管支拡張症そのものの原因(線毛の病気など)を調べたい場合は、気管支拡張症の遺伝子検査(NGSパネル)もあります。
3. 低ガンマグロブリン血症は遺伝する?遺伝のしかたと家族への影響
生まれつきの低ガンマグロブリン血症には遺伝するものがあり、遺伝のしかたは原因の遺伝子によって、X連鎖・常染色体潜性(劣性)・常染色体顕性(優性)の3つに分かれます。同じ「低ガンマグロブリン血症」でも、ご家族への影響がまったく違うため、原因の遺伝子を知ることが大切です。遺伝のしかたの基本は遺伝形式の解説もご覧ください。
X連鎖:男の子に起こりやすく、お母さんが保因者のことがある
このパネルでは、BTK(X連鎖無ガンマグロブリン血症)、CD40LG(X連鎖高IgM症候群)、IKBKG、SH2D1A、XIAP、IL2RGがX染色体にあります。X連鎖遺伝では、X染色体を1本しかもたない男の子が発症しやすく、お母さんが症状のない保因者であることがあります。保因者のお母さんのお子さんでは、男の子の2分の1が発症し、女の子の2分の1が保因者になる可能性があります。
常染色体潜性(劣性):両親とも保因者のとき、お子さんの4分の1
AICDA・CD40・UNG・BLNK・CD79A・CD79B・IGLL1・ICOS・CD19・CD81・CR2・MS4A1・TNFRSF13C・LRBA・PRKCDなど、このパネルの多くの遺伝子は常染色体潜性(劣性)遺伝です。ご両親がともに同じ遺伝子の保因者(症状はない)のとき、お子さん1人ごとに4分の1の確率で発症し、2分の1の確率で保因者になります。きょうだいが同じ病気である確率も4分の1です。保因者のしくみは劣性遺伝(潜性遺伝)とはで詳しく解説しています。
常染色体顕性(優性):お子さんへは2分の1
NFKB2・NFKBIA・LRRC8A・PLCG2と、PIK3CD・PIK3R1による活性化PI3Kδ症候群は常染色体顕性(優性)遺伝です。原因の変化をもつ親から、お子さん1人ごとに2分の1の確率で伝わります。TNFRSF13B(TACI)による分類不能型免疫不全症2型は、顕性と潜性の両方の遺伝のしかたが登録されています。
⚠️ TACI(TNFRSF13B)の変化は「なりやすさ」の目安
TNFRSF13Bの変化は、分類不能型免疫不全症の方の約5〜8%にみられますが、健康な人の約1%にもみられます[1]。低ガンマグロブリン血症の564人を調べた研究では、代表的な2つの変化が患者さんの6.9%、健康な人の2%にあり、片方の遺伝子だけの変化は病気になる確率を高める要因と考えられています[8]。この変化が見つかっても、ご家族で同じ変化をもつ方が必ず発症するわけではありません。結果の意味は、遺伝カウンセリングで具体的にご説明します。
4. どんな人がこの検査を受けるとよいか
二次性の原因が見当たらないのに低ガンマグロブリン血症が続く方、感染をくり返す方、ご家族に抗体の病気の方がいる方に向く検査です。病名がわかると、受けるべき検査、使える治療、気をつけたい合併症、使える制度が決まります。先天異常・発達遅滞・知的障害のある小児を対象とした、米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)のエクソーム・ゲノム検査の系統的レビューでは、検査結果が診療方針や家族の生殖に関する意思決定に役立った報告がまとめられています[19]。ただし、原発性抗体欠損症のこのパネル検査を評価した研究ではありません。
- ●IgG・IgA・IgMなどの免疫グロブリンの低下が、くり返し確かめられている方
- ●中耳炎・副鼻腔炎・気管支炎・肺炎などの細菌感染をくり返す方、抗菌薬が効きにくい方(子どもでも大人でも)
- ●分類不能型免疫不全症・高IgM症候群・無ガンマグロブリン血症と診断され、原因の遺伝子を知りたい方
- ●自己免疫の病気(血小板減少・溶血性貧血など)、肉芽腫、原因のわからないリンパ節の腫れを合併している方
- ●ご家族に低ガンマグロブリン血症・原発性免疫不全症の方がいる方、ご家族で原因の遺伝子がわかっている方
- ●結婚や妊娠を考えていて、ご家族の抗体の病気が気になる方
「念のため受けて、思いがけない結果がわかった」ということは、遺伝子検査では珍しくありません。見た目や家族歴、症状だけでは判断できないことがあるため、当院では、迷った段階でも遺伝カウンセリングで状況をお聞きし、検査を受けるかどうかを一緒に考えます。
この検査が向かない場合・別の検査が向く場合
- ●二次性の原因がはっきりしている:薬・血液のがん・たんぱく質の漏れなどが原因なら、ふつう遺伝子検査は必要ありません
- ●乳幼児期の一時的な低下が疑われる:乳児一過性低ガンマグロブリン血症は多くが4歳ごろまでに改善するため[22]、経過を見ることがあります
- ●選択的IgA欠損症だけ:原因の遺伝子がほとんどわかっていないため、この検査で原因が見つかることは多くありません[7]
- ●免疫以外の症状も多く、病気が絞れない:全エクソーム検査(WES)のほうが向くことがあります
免疫の遺伝子検査の選び分け
🔍 リンパ球や症状に合わせた検査の選び方
※どの検査が合うかは、免疫グロブリン・リンパ球の検査結果、症状、ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めます。
5. 調べる37遺伝子と、それぞれでわかる病気
この検査では、原発性抗体欠損症に関わる37の遺伝子をまとめて調べます。表の病名と遺伝のしかたは、遺伝子と病気の対応を集めたデータベース(OMIM)の登録にもとづきます。AD=常染色体顕性(優性)、AR=常染色体潜性(劣性)、XLR=X連鎖潜性、XLD=X連鎖顕性です。
🧬 原発性抗体欠損症パネルの37遺伝子と関係する病気
※病名と遺伝のしかたは、OMIMの登録をヒト表現型オントロジー(HPO)の2026年9月版のデータで照合しました。表の遺伝子の並びは当院の検査の対象遺伝子のとおりです。
抗体の病気以外の遺伝子も入っている理由
このパネルには、抗体の病気だけでなく、抗体の低下を伴うことがある別の免疫の病気の遺伝子も入っています。低ガンマグロブリン血症で受診した方の中に、こうした病気が隠れていることがあるためです。
- ●重症複合免疫不全症(SCID)の遺伝子:ADA・RAG1・RAG2・DCLRE1C・PTPRC・IL2RG。RAG1・RAG2は抗体やT細胞の受容体の遺伝子を組み替える酵素(V(D)J再構成)の遺伝子で、症状の軽い型では大人になってから見つかることもあります。SCIDのしくみは重症複合免疫不全症(SCID)総論で解説しています
- ●DNAの修復に関わる遺伝子:ATM・NBN・MRE11。放射線に弱く、がんになりやすい体質を伴います。似た病気をまとめて調べる染色体不安定症候群の遺伝子検査もあります
- ●X連鎖リンパ増殖症候群の遺伝子:SH2D1A・XIAP。EBウイルスの感染をきっかけに、免疫が暴走する血球貪食性リンパ組織球症(HLH)を起こすことがあります
- ●PI3Kの働きが強すぎる病気の遺伝子:PIK3CD・PIK3R1。細胞の増殖を進める信号(PI3K-AKT-mTOR経路)が強く働きすぎる病気で、専用の薬があります(第7章)
このパネルに入っていない主な遺伝子
このパネルは37遺伝子に絞った検査で、抗体の病気の原因の遺伝子をすべて含むわけではありません。たとえば、欧州の大規模な全ゲノム解析で分類不能型免疫不全症の約4%の原因とされたNFKB1[21]、自己免疫を伴う型の原因として知られるCTLA4、無ガンマグロブリン血症の原因になるTCF3(TCF3変異による無ガンマグロブリン血症)やIKZF1は、この検査の対象遺伝子に入っていません。こうした遺伝子も調べたい場合は、包括的原発性免疫不全症パネルや全エクソーム検査を検討します(対象遺伝子は各ページでご確認ください)。
6. この検査でわかること・わからないこと(検査の限界)
この検査でわかるのは、37遺伝子の小さな変化(1文字の置き換わりや、小さな挿入・欠失)と、遺伝子のまとまった欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があり、とくに分類不能型免疫不全症では、原因が見つからない方のほうが多いことを知っておいてください。
分類不能型免疫不全症では、原因の遺伝子が見つからない方のほうが多い
分類不能型免疫不全症で原因の遺伝子が見つかる割合は、調べ方と集団によって大きく違います。2016年の国際合意文書は、病気の原因となる変化が見つかるのは約2%と、ごく一部にとどまるとしていました[1]。その後、68の既知の遺伝子をエクソーム解析で調べた2020年の研究では、変化が見つかった割合が米国31%、スウェーデン36%、イラン54%でした[2](イランの集団は血縁婚が多く、潜性の病気が見つかりやすい集団です)。
これらの数字は、調べ方や対象集団によって原因の遺伝子が見つかる割合が異なり、見つからない方もいることを示しています。なお、日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)では、エクソーム解析を終えた5,136家系のうち診断に至ったのは43.8%でしたが、これは分類不能型免疫不全症に限定した数字ではありません[18]。原因が見つからなくても、分類不能型免疫不全症ではないということにはなりません。診断と治療は、免疫グロブリンの値・ワクチンへの反応・B細胞の検査などをもとに続けます。
この検査で調べられない変化
- ●染色体の入れ替わり(転座・逆位)、繰り返し配列の伸び(リピート伸長)は調べられません。CD40LG遺伝子の3塩基の繰り返しの伸びも対象外です
- ●遺伝子の働きを調節する領域や、エクソンから20塩基より離れたイントロンの奥の変化は、ほとんど調べられません
- ●体の一部の細胞だけにある変化(モザイク)や、がんなどで後から起きた変化を見つけるための検査ではありません。腫瘍の組織は検体にできません
- ●1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、日常的には検出されません
- ●似た配列(偽遺伝子など)がある場所では、変化の検出が難しいことがあります
- ●37遺伝子以外の原因は調べていません(第5章)
検査の技術的な詳しい情報(クリックで開く)
この検査は次世代シーケンサー(NGS)で、遺伝子のたんぱく質を作る部分(コード領域)と、その境目(スプライス部位)を読みます。対象の領域の99%以上を、それぞれ20回以上読むことを目標にしています(カバレッジ20x以上)。同じ場所を何度も読むほど、読み間違いと本当の変化を見分けやすくなります。
読み取りの質が十分でない場所は、別の方法(サンガー法)で確かめます。欠失・重複は、遺伝子全体の欠失・重複(頬の粘膜・血液の検体)と、2つ以上続くエクソンの欠失・重複(血液の検体のみ)を見つけられます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
意義がまだわからない変化(VUS)
病気の原因かどうか、まだ判断できない変化(VUS)が見つかることがあります。VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。この検査では、VUSを報告に含めない選択(VUS除外・無料)もできます。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。
7. 病的変異が見つかったら、次にできること
原因の遺伝子がわかると、病名が決まるだけでなく、治療の選び方、見張る合併症、ご家族の検査、次のお子さんの計画まで、具体的な次の一手が決まります。治療は原発性免疫不全症を診療する専門の医療機関で行われます。当院は遺伝子検査と遺伝カウンセリングを担当し、結果をどう生かすかを一緒に考えます。
① ご本人(症状がある方):治療の選び方と、見張る合併症
免疫グロブリン補充療法:無ガンマグロブリン血症や分類不能型免疫不全症では、感染を防ぐために、抗菌薬の予防投与や免疫グロブリン(IgG)の補充、またはその両方を行うのが基本です[16]。日本でも、無又は低ガンマグロブリン血症に対して、点滴の製剤に加え、自宅で使える皮下注射の製剤が承認されています(2026年10月時点で添付文書を確認)。
💊 原因の遺伝子によって変わる治療・見張り(主なもの)
※薬の承認状況は2026年10月時点で、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の情報と製造販売会社の発表で確認。治療を受けられるかは主治医とご相談ください。
生ワクチン:米国CDCの予防接種の指針では、無ガンマグロブリン血症や分類不能型免疫不全症のような重い抗体の病気の方には、BCG・麻しん/おたふくかぜ/風しんの3種混合(MMR)・水痘を含むMMRV・黄熱などの生ワクチンは接種しないとされています。免疫グロブリン製剤は麻しんワクチン(と、おそらく水痘ワクチン)の効果を弱めます。一方、選択的IgA欠損症やIgGサブクラス欠損症のような軽い抗体の病気では、BCG・黄熱などを除く生ワクチンは安全と考えられています(2023年8月時点の指針、2026年10月に確認)。米国感染症学会(IDSA)の2013年の指針も、重い抗体の病気の方には、経口ポリオ以外の生ワクチンも接種しないよう勧めています[15]。原因の型がわかると、どのワクチンを避けるべきかを主治医と具体的に相談できます。
② 症状のないご家族・保因者の方
X連鎖の病気(BTK・CD40LGなど)で、お母さんや姉妹が保因者とわかった場合は、ご自身の妊娠の計画に生かせます。ATMの保因者の女性は、50歳未満で乳がんのなりやすさが高まるとされています[13]。顕性の病気(NFKB2・PIK3CDなど)で、症状がないのに同じ変化をもっているとわかった場合は、主治医と相談して免疫グロブリンの値などを確かめます。
潜性の病気では、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかで、お子さんへの確率が決まります。当院の拡大版保因者スクリーニングでは、このパネルの遺伝子のうちADA・ATM・BTK・CD40LG・DCLRE1C・IL2RG・MRE11・NBN・PTPRC・RAG1・RAG2の11遺伝子が対象に含まれています(2026年10月時点の遺伝子一覧で確認)。
③ お子さんを考えるときに選べること
ご家族の原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。羊水検査・絨毛検査は院内で行っています(2025年6月から産婦人科を併設)。出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。
妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子)もあります。対象の遺伝子は一覧でご確認ください。もちろん、検査をせずに妊娠・出産を迎えることも、そのまま選べる選択肢です。どの選択も尊重します。
④ ご家族のピンポイント検査
ご家族の中で原因の遺伝子の変化がわかると、ご両親・きょうだい・お子さんは、その1か所だけを調べて、同じ変化をもっているかを確かめられます。きょうだいの検査は、造血細胞移植のドナーを考えるときにも大切な情報になります。症状のない方の検査は、ご本人の同意のもとで行います。BRCA1/2の遺伝子検査を受けた120人を追った研究では、遺伝カウンセリングのあと、ご家族など自分以外の人のために検査を受けたいという気持ちが有意に強まっていました[20]。あなたの1回の検査が、ご家族が自分のことを考える手がかりになります。
⑤ 当院でのその後
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明し、次に何をするか(主治医への情報提供、ご家族の検査、妊娠の計画など)を一緒に考えます。結果のあとの遺伝カウンセリングにも、30分22,000円(税込)の料金がかかります。
8. 陰性だったとき・VUSだったとき
原因の遺伝子が見つからなかった(陰性)ときも、原発性抗体欠損症ではないとは言えません。とくに分類不能型免疫不全症では、原因の遺伝子が見つからない方のほうが多いためです(第6章)。治療は、免疫グロブリンの値やワクチンへの反応などにもとづいて、そのまま続けます。
次の選択肢としては、より多くの遺伝子を含む包括的原発性免疫不全症パネルや、全エクソーム検査(WES)・全ゲノムシークエンスがあります。研究が進めば、同じデータを解析し直して新しくわかることもあります。
VUSが見つかったときは、それだけで診断や家族の検査には使いません。ご家族の結果や、のちの研究で意味がはっきりすることもあるため、結果の受け止め方を遺伝カウンセリングでご説明します。
9. 日本の制度(2026年10月時点)
原発性抗体欠損症の多くは、指定難病65「原発性免疫不全症候群」と、小児慢性特定疾病(免疫疾患)の対象です。難病情報センターの「液性免疫不全を主とする疾患」には、X連鎖無ガンマグロブリン血症、分類不能型免疫不全症、高IgM症候群、IgGサブクラス欠損症、選択的IgA欠損症、特異抗体産生不全症、乳児一過性低ガンマグロブリン血症が挙げられています。小児慢性特定疾病情報センターの対象疾病にも、同じ7つと「そのほかの液性免疫不全を主とする疾患」が載っています(2026年10月時点で確認)。
医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
新生児スクリーニングとの関係
こども家庭庁は、重症複合免疫不全症(SCID)と脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象とする新生児マススクリーニングの実証事業を、令和5年度補正予算で始め、令和6年度から都道府県・指定都市でモデル的に行っています。国の事業の対象はSCIDとSMAで、抗体の病気は含まれていません。一部の地域では、B細胞がいない病気(X連鎖無ガンマグロブリン血症など)も対象に含めて調べています(例:長野県立こども病院の案内)。スクリーニングで再検査・精密検査と言われた場合は、まず精密検査を行う医療機関の説明を受け、原因を確かめる段階で遺伝子検査が役立ちます。
10. 検査の概要と流れ(料金・結果までの日数・検体)
検査費用は330,000円(税込)、結果までは2〜3週間です。唾液・口の内側の粘膜・血液のいずれでも、オンライン診療で受けられます。
ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取唾液・粘膜・血液
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
💴 費用・日数・検体
※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に必要な品質を保つため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。ご来院の場合はクリニックへのアクセスをご覧ください。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたをご覧ください。
検査の前の遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。遺伝カウンセリングについては遺伝カウンセリングとはもご覧ください。
11. 院長コラム
🩺 院長コラム【「大人だから生まれつきではない」とは言えない】
低ガンマグロブリン血症は、大人になってから見つかることの多い状態です。薬や血液の病気が原因のこともあれば、生まれつきの体質が隠れていることもあります。「大人になってから見つかったのだから、生まれつきではないだろう」とも、「家族に同じ人はいないから、遺伝ではないだろう」とも、決めつけることはできません。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、きょうだいのお子さんの病気をきっかけに念のため検査を受けた方に、まったく別の遺伝子の病的な変化が、体の一部の細胞だけにある状態(モザイク)で見つかったことがあります。ご本人は発症していませんでしたが、卵子や精子のもとになる細胞にもその変化があれば、お子さんが発症することがある病気でした。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。
わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因の遺伝子が見つかれば治療や見張りの手がかりになり、見つからなくても「今わかっていること・わかっていないこと」がはっきりします。結婚や妊娠を考える方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 分類不能型低ガンマグロブリン血症(分類不能型免疫不全症・CVID)とは何ですか?
抗体(免疫グロブリン)を作る力が生まれつき弱く、血液のIgGが大きく下がり、IgAやIgMも下がる病気です。以前は分類不能型低ガンマグロブリン血症とも呼ばれました。国際的な合意文書では、大人になってから診断される抗体の病気のなかで最も多いとされています。くり返す気道の感染に加えて、自己免疫の病気や腸の炎症、リンパ腫などを合併することがあります。
Q2. 低ガンマグロブリン血症の症状は?
主な症状は、中耳炎・副鼻腔炎・気管支炎・肺炎などの細菌による感染をくり返すことです。病気の種類によっては、慢性の下痢、自己免疫の病気(血小板や赤血球が壊れるなど)、肉芽腫、リンパ節の腫れ、リンパ腫などが起こることもあります。感染をくり返すうちに、気管支が広がったまま戻らなくなる気管支拡張症になることがあります。
Q3. 低ガンマグロブリン血症の原因は?
生まれつきの原因(原発性)と、ほかの病気や薬による原因(二次性・続発性)があります。二次性の原因には、リツキシマブなどの薬、長期のステロイド、慢性リンパ性白血病・多発性骨髄腫・リンパ腫などの血液のがん、ネフローゼ症候群や腸からたんぱく質が漏れる病気、胸腺腫(Good症候群)などがあり、原発性より多いと報告されています。遺伝子検査が役に立つのは、主に原発性が疑われる場合です。
Q4. 低ガンマグロブリン血症の診断基準・数値の目安は?
日本の指定難病の診断基準では、X連鎖無ガンマグロブリン血症はIgGが200mg/dL未満でIgAとIgMが測れないほど低いこと、分類不能型免疫不全症はIgGの著明な低下にIgAとIgMの低下を伴い、予防接種への反応が弱く、ほかの免疫不全症がないことが目安です。分類不能型免疫不全症には決まったIgGの数値はなく、欧州の基準では年齢ごとの基準値より大きく低い値(2回以上の測定)で判断し、4歳以降に診断します。
Q5. IgGが低いと言われたら何科を受診すればよいですか?
まずは検査をしたかかりつけの医師に相談し、薬や血液の病気など二次性の原因がないかを確かめてもらいます。生まれつきの病気が疑われる場合は、原発性免疫不全症を診療する小児科・内科の専門医への紹介を受けます。原因の遺伝子を調べたい場合は、当院で臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングと遺伝子検査を受けられます。
Q6. 低ガンマグロブリン血症は治りますか?寿命は短くなりますか?
原発性の場合は、免疫グロブリンを補う治療(点滴または皮下注射)で感染を防ぐのが基本です。病気の型によっては、造血細胞移植や、原因に合わせた薬が使われます。見通しは病気の型と合併症で大きく違います。米国の約40年間にわたる診療で集積された473人の研究では、分類不能型免疫不全症の方は同じ年齢・性別の人より生存期間が短く、リンパ腫・肝炎・肺の障害・腸の病気が見通しに関わっていました。
Q7. 低ガンマグロブリン血症は遺伝しますか?子どもに伝わる確率は?
生まれつきの低ガンマグロブリン血症には遺伝するものがあり、確率は原因の遺伝子と遺伝のしかたで決まります。常染色体顕性(優性)遺伝ならお子さん1人あたり2分の1、常染色体潜性(劣性)遺伝なら両親とも保因者のとき4分の1、X連鎖ではお母さんが保因者のとき男の子の2分の1が発症する可能性があります。分類不能型免疫不全症では原因の遺伝子が見つからない方も多く、その場合は確率を決められません。
Q8. 家族に免疫不全の人がいると、結婚に差し支えますか?
遺伝の確率は病気と家族ごとに違い、検査で具体的にわかることがあります。ご自身が同じ遺伝子の変化を持っているか、パートナーが同じ遺伝子の保因者か、お子さんへの確率はどれくらいかを、知ったうえで考えることができます。知ってから、出生前診断を含めた選択肢を考えることもできます。当院では、結婚や妊娠を考える段階から、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご相談をお受けしています。
🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。低ガンマグロブリン血症の原因の遺伝子がわかれば、治療の選び方や見張る合併症だけでなく、お母さん・きょうだい・お子さんの検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
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