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染色体不安定症候群の遺伝子検査|毛細血管拡張性運動失調症・ウェルナー症候群など7遺伝子を調べるパネル

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

染色体不安定症候群の遺伝子検査

染色体不安定症候群は、DNAについた傷を見つけて直すしくみにかかわる遺伝子が、生まれつき働かないことで起こる病気のグループです。このパネル検査では、毛細血管拡張性運動失調症・ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群・ウェルナー症候群・コケイン症候群などの原因となる7つの遺伝子を、まとめて調べます。どの病気かがわかると、X線やCTをどう使うか、抗がん剤の量をどうするか、がんや合併症の見張りをいつ始めるかが変わります。生まれ持った遺伝子は一生変わらないので、一度の検査でわかったことは、ご本人の健康管理だけでなく、ご家族の検査や次のお子さんの計画にもずっと役立ちます。このページでは、調べる病気・わかると変わること・遺伝のしかた・検査の中身を、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

ATM・BLM・ERCC6・ERCC8・MRE11・NBN・WRNの7遺伝子を調べ、毛細血管拡張性運動失調症・ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群・ウェルナー症候群・コケイン症候群などの原因となる変化がないかを確かめます。ファンコニ貧血の遺伝子は含まれていません。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

歩き始めのころからふらつく、生まれつき小柄で日光で頬が赤くなる、小頭症があって感染をくり返す、思春期に背が伸びず若いうちに白内障になった、などの方と、ご家族にこれらの病気の方がいる方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は330,000円(税込)、結果までは3〜5週間です。検体は血液・口の内側の粘膜(口腔スワブ)・唾液・抽出済みのDNAのいずれかです。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。7遺伝子の病気はどれも常染色体潜性遺伝で、ご両親とも保因者なら次のお子さんが発症する確率は4分の1です。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの見張りと計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 病名が決まっている方は、個別の検査との選び方へ | どの検査がよいか迷う方へ

1. 染色体不安定症候群とは:DNAの傷を直すしくみの病気

染色体不安定症候群は、DNAについた傷を見つけて直すしくみ(DNA修復)にかかわる遺伝子が生まれつき働かず、染色体やDNAが壊れやすくなる病気のグループです。病気ごとに、放射線への弱さ、免疫の弱さ、がんのなりやすさ、体の成長や老化のあらわれ方が違います。

私たちの細胞では、紫外線や放射線、細胞が分裂するときのコピーの誤りなどで、毎日のようにDNAに傷がつきます。細胞には、傷を見つけて分裂をいったん止め、修理するDNA損傷応答という働きがあります。DNAの2本の鎖がどちらも切れたときの直し方には、非相同末端結合や相同組換えなどがあります。この働きにかかわる遺伝子の両方のコピーに変化があると、傷が残りやすくなり、病気としてあらわれます。

なお、がん細胞の性質として使われる「染色体不安定性(CIN)」は、がんの中で起きる変化を指す言葉です。このページで扱うのは、生まれつきの遺伝子の変化による病気で、調べるのは体の細胞すべてに共通する遺伝子(生殖細胞系列の遺伝子)です。

このパネルで調べる5つの病気

このパネルで調べるのは、毛細血管拡張性運動失調症・ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群・ウェルナー症候群・コケイン症候群の5つと、毛細血管拡張性運動失調症によく似た病気(ATLD)です。どれも「DNAの傷を直すしくみの病気」ですが、症状も、注意したいことも違います。

🧬 このパネルで調べる病気と特徴

病気(原因遺伝子) 主な特徴 放射線・がんについて
毛細血管拡張性運動失調症(A-T)
(ATM)
座る・歩くようになるころから目立つ小脳のふらつき。白目などの細い血管が浮き出る毛細血管拡張は、ふつう6歳までに目立ってくる(発症時にはない)。血液のAFP(αフェトプロテイン)が高い[1] X線・γ線などの電離放射線に非常に弱い。古典型では25%にがん(リンパ腫・白血病など)[1]
毛細血管拡張性運動失調症様疾患(ATLD)
(MRE11)
A-Tに似たふらつき。報告された家系では、毛細血管拡張がなく、症状の始まりが遅く進み方もゆっくりで、AFPは基準値内だった[6] 放射線への弱さはA-Tに似ると報告されている。がんのなりやすさは、患者さんが少なくまだわかっていない[6]
ナイミーヘン染色体不安定症候群(NBS)
(NBN)
小頭症(99%を超える方にみられ、年齢とともに目立ってくる)。免疫不全(99%以上)で、気道の感染をくり返しやすい[2] 細胞はA-Tと同じくらい放射線に弱い。これまでの報告では、40%が20歳までにがん(主にリンパ腫)を発症[2]
ブルーム症候群
(BLM)
生まれる前からの強い発育不全(体のつり合いはふつう)。日光にあたると鼻と頬が赤くなる発疹。免疫グロブリン(IgM・IgAなど)が低いことが多い[3] がんがいちばん多い合併症で、いちばん多い死因。白血病・リンパ腫・消化管・大腸・乳房など多くの種類のがんが、若いうちから起こりうる[3]
ウェルナー症候群
(WRN)
思春期に背がぐんと伸びる時期がない(低身長は95%)。白内障(発症年齢の中央値は約31歳)、皮膚が硬くなる変化、2型糖尿病(71%)など、大人になってから老化に似た症状が進む[4] 肉腫・メラノーマ・甲状腺がんなどが起こりやすい[4]
コケイン症候群
(ERCC6・ERCC8)
発育不全・小頭症・発達の遅れ・日光過敏・視力や聴力の低下・歯の異常[5] がんのなりやすさは上がらないとみられている。日光過敏はあるが、皮膚がんになりやすくはない[5]

※特徴と数字はGeneReviews[1]〜[5]とATLDの家系報告[6]による。病気の詳しい解説は、各病名のリンク先の疾患ページをご覧ください。

同じ「DNAの傷を直す病気」でも、しくみは少しずつ違います。ブルーム症候群のBLMとウェルナー症候群のWRNは、DNAの二重らせんをほどく酵素(RecQヘリカーゼ)の仲間の遺伝子です[3][4]。ブルーム症候群の細胞では、姉妹染色分体のあいだでDNAが入れかわる「姉妹染色分体交換」が、1つの細胞あたり平均40〜100回と、ふつう(10回未満)よりずっと多く起きます[3]。ただし、ほかの病気でも増えることがあるため、この検査だけでは診断せず、遺伝子の結果をおぎなう検査として使われます[3]。

コケイン症候群のERCC6・ERCC8は、遺伝子が読まれている最中のDNAから紫外線などによる傷を取り除くしくみ(転写と共役したヌクレオチド除去修復)にかかわります[5]。コケイン症候群は、ほかの4つの病気と違って、がんのなりやすさは上がらないとみられています[5]。コケイン症候群だけが疑われる場合は、コケイン症候群の遺伝子パネル検査も選べます(第4章)。

2. 遺伝子がわかると何が変わるか

原因の遺伝子がわかると、病名が決まり、放射線を使う検査や治療をどう扱うか、抗がん剤の量をどうするか、がんや合併症の見張りを何から始めるかが決まります。同じ「染色体不安定症候群」でも、病気によって注意点が大きく違うため、どの遺伝子が原因かを知ることに意味があります。

X線・CTや一部の抗がん剤を控える判断ができる

毛細血管拡張性運動失調症では、細胞が放射線にとても弱いため、遺伝性疾患の解説書GeneReviewsは、X線・γ線などの電離放射線は禁忌(使ってはいけない)とし、放射線治療はとても重い合併症につながりうるとしています。抗がん剤は量を調整したやり方で始め、耐えられれば量を増やす、という考え方が示されています[1]。

ナイミーヘン染色体不安定症候群の細胞も、毛細血管拡張性運動失調症と同じくらい放射線に弱く、ふつうの放射線治療の量で命にかかわることがあるとされています。必要のないX線撮影やCTは避け、画像検査が必要なときはMRIや超音波を選ぶことが勧められています。生ワクチンは打たないこととされています[2]。

ブルーム症候群でも、必要のないX線撮影やCTは避け、できるだけMRIや超音波を使うことが勧められています。抗がん剤は、標準の量の50%以下でたいてい耐えられ、それで治療の結果が悪くなるという根拠はないとされています[3]。

⚠️ 必要な検査を自己判断でやめないでください

ここでいう注意は「必要のない放射線を避ける」「別の方法で代えられるならそちらを選ぶ」という意味です。診断がついた方でも、必要な画像検査や治療を自己判断でやめないでください。病名がわかっていれば、主治医が最初からMRIや超音波を選んだり、抗がん剤の量を調整したりできます。かかる病院が変わるときは、病名と遺伝子の結果を伝えておくことが、ご本人を守ることにつながります。

白血病・リンパ腫などの見張りを始められる

がんのなりやすさは病気ごとに違うので、何を・いつから見張るかは病名によって変わります。毛細血管拡張性運動失調症(古典型)では25%にがんが起こり、診断されたときの年齢の中央値は12.5歳で、子どものうちはリンパ腫や白血病が多いとされています[1]。ナイミーヘン染色体不安定症候群では、これまでに報告された患者さんの40%が20歳までにがんを発症し、主にリンパ腫でした[2]。

ブルーム症候群では、GeneReviewsが年齢ごとの見張りの目安を示しています[3]。

  • ●8歳までは3か月ごとに腹部の超音波検査(ウィルムス腫瘍という子どもの腎臓のがん。診断の年齢の中央値は3歳)
  • ●10歳から毎年、脂質・血糖・HbA1c・甲状腺ホルモン(TSH)の血液検査
  • ●10〜12歳から、毎年の大腸内視鏡と6か月ごとの便の検査(便潜血)
  • ●12〜13歳から、1〜2年ごとに全身のMRI(リンパ腫の見張り)
  • ●女性は18歳から、毎年の乳房MRI

こうした見張りは、病名がわかって初めて計画できます。見張りの具体的な方法は、年齢や体の状態に合わせて主治医と決めていきます。なお、血液のがんの治療として造血細胞移植を考える場面もありますが、毛細血管拡張性運動失調症では、前処置(移植の前の治療)を調整しないと重い有害事象が起こるおそれが指摘されています[1]。こうした判断にも、病名がわかっていることが欠かせません。

大人になってからの合併症に備える(ウェルナー症候群)

ウェルナー症候群は、子どものころはあまり目立たず、思春期から大人にかけて症状が出てくる病気です。GeneReviewsによると、最初の兆しは10代前半に背がぐんと伸びる時期がないことで、皮膚が硬くなる変化は思春期のあとの10年ほどのあいだに顔や手足から始まります。白内障は両目に起こり、発症年齢の中央値は約31歳です。2型糖尿病は71%にみられます[4]。

早く病名がわかっていれば、次のような見張りを毎年続けることで、合併症に早めに気づけます。GeneReviewsは、目の検査(白内障)、骨密度の検査、性腺の働きの確認、血糖の検査(2型糖尿病)、がんを意識した診察、皮膚の診察(潰瘍と手足のメラノーマ)、動脈硬化のリスクの評価・脂質・血圧の確認を、年に1回行うことを挙げています[4]。日本人の患者さんでは、軟部組織の肉腫・骨肉腫・メラノーマ・髄膜腫・血液のがん・甲状腺がんが多いと報告されています[4]。

コケイン症候群で気をつけたい薬と日光

コケイン症候群では、感染症などに使われるメトロニダゾールという薬を、どんな場合も避けるべきとされています(重い肝炎のおそれ)。また、痛み止めのオピオイドや鎮静薬は効きすぎることがあるので注意が必要とされ、成長ホルモンの治療は安全性と効果が確かめられていないため勧められていません。日光は、日焼け止めや、目を守るサングラスを使って避けることが勧められています[5]。病名がわかっていれば、かかる医療機関にこうした注意を前もって伝えられます。

日本の指定難病の扱い(2026年10月時点)

ウェルナー症候群は指定難病191、コケイン症候群は指定難病192です。毛細血管拡張性運動失調症・ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群は、指定難病65「原発性免疫不全症候群」の中の「免疫不全を伴う特徴的な症候群」として診断基準に含まれています(難病情報センター・厚生労働省の資料で確認)。毛細血管拡張性運動失調症は、小児慢性特定疾病の対象疾病として、小児慢性特定疾病情報センターにも掲載されています(2026年10月時点で確認)。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。毛細血管拡張性運動失調症・ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群の診断基準では、確定診断に原因遺伝子の変化を見つけることが含まれており、遺伝子検査の結果は制度を使うときの手がかりにもなります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

3. どんな人がこの検査を受けるとよいか

症状からこのグループの病気が疑われる方、ご家族にこれらの病気の方がいる方に向く検査です。5つの病気は症状が重なるところもあり、見た目や症状だけでどれかを決めるのは難しいことがあります。まとめて調べられるのが、このパネルのよいところです。

お子さんの症状から

  • ●座る・歩くようになったころからふらつきが目立ち、成長とともに白目などに細い血管が浮き出てきた
  • ●生まれる前から体が小さく、日光にあたると鼻や頬が赤くなる
  • ●頭が小さく(小頭症)、気道の感染をくり返す
  • ●体の成長がゆっくりで、日光に過敏、見え方や聞こえ方の低下がある
  • ●若いうちにリンパ腫や白血病などのがんと診断され、その背景にある体質を知りたい

お子さんがこうした病気かもしれないとき、検査を考えるのはご両親です。原因がわかれば、病名・見通し・合併症への備え・使える制度が決まり、次のお子さんで同じ病気が起こる確率と、次の妊娠でどう備えられるかも具体的に考えられるようになります。7遺伝子の病気はどれも常染色体潜性遺伝なので、原因がわかることは、ご両親のどちらかのせいではないことを確かめることにもなります(第6章)。

大人の症状から

思春期に背がほとんど伸びなかった、20〜30代で両目の白内障になった、手足の皮膚が硬くなってきた、30代ごろから糖尿病がある、といった症状が重なる方では、ウェルナー症候群を考えることがあります[4]。ウェルナー症候群は日本人に多い病気です(第5章)。病名がわかれば、目・骨・血糖・皮膚・がんの見張りを計画的に始められ、これからの仕事や暮らしの計画も立てやすくなります。

ご家族に同じ病気の方がいる

きょうだいやお子さんがこれらの病気と診断されている方は、ご家族の中で原因の遺伝子の変化がわかっていると、ほかのご家族はその変化を持っているかどうかを確かめられます。とくに、ATMやNBNの変化を1つだけ持つ保因者は、がんのなりやすさとの関係が指摘されています(第6章)。

見た目や家族歴だけでは判断できないことがあります。遺伝子検査は、やってみないとわからないことが多い検査です。迷ったら、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。

\ あなたの1回の検査が、ご家族を守る手がかりになります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

お子さんの原因がわかれば、ATMなどの保因者とわかったご両親が、ご自身のがんの見張りを考える手がかりにもなります。結果は臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

4. 個別の検査か、このパネルか:選び方

病名がすでに絞れているなら個別の検査、まだ絞れないならこのパネル、というのが選び方の基本です。また、ファンコニ貧血の遺伝子は、このパネルには含まれていません。ファンコニ貧血を疑うときは、ファンコニ貧血のパネル検査を選びます。

🔍 症状・状況に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
このグループの病気が疑われるが、どれかは絞れない このページの検査(7遺伝子)
ブルーム症候群と絞れている ブルーム症候群のBLM遺伝子検査(BLM 1遺伝子)
コケイン症候群と絞れている コケイン症候群の遺伝子パネル検査
ファンコニ貧血が疑われる ファンコニ貧血遺伝子検査パネル
血球が減っていて、骨髄の働きの病気が疑われる 骨髄不全症候群パネル(先天性角化不全症などの個別の検査もあります)
感染をくり返すなど、免疫の弱さが中心 包括的原発性免疫不全症パネル
小頭症が中心 小頭症の遺伝子パネル検査(NBNも含まれます)
ご自身やご家族にがんが多く、遺伝性のがんが気になる 遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)(ATM・NBN・BLM・MRE11・WRNも含まれます)
症状が多くの臓器にわたり、病気を絞れない 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、症状・診察所見・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

すでにご家族の中で原因の遺伝子の変化がわかっている場合は、ほかのご家族は、その変化だけを確かめる方法を考えることもあります。どの方法がよいかは、遺伝カウンセリングでご説明します。

5. ウェルナー症候群はなぜ日本人に多いのか

ウェルナー症候群が日本人に多いのは、日本人に共通する「創始者変異」と呼ばれる遺伝子の変化があるためです。GeneReviewsによると、日本ではWRN遺伝子のc.3139-1G>Cという変化の保因者が167人に1人いて、この変化が日本人の患者さんの病的な変化の約60%を占めています。保因者の頻度から推定すると、日本人でのウェルナー症候群の頻度は約2万〜4万人に1人です[4]。

ある集団のはじまりにいた人が持っていた遺伝子の変化が、その集団の中で多く受け継がれていく現象を創始者効果といいます。保因者(変化を1つだけ持つ人)は症状がなく、ウェルナー症候群を発症するリスクも上がらないとされています[4]。けれども、保因者どうしのご夫婦では、お子さんが4分の1の確率でウェルナー症候群になります(第6章)。日本人にとって、保因者であること自体は珍しくない、と知っておくことが大切です。

💡 用語解説:早老症とプロジェリア

年齢より早く老化に似た変化があらわれる病気をまとめて「早老症」と呼ぶことがあります。ウェルナー症候群は、主に大人になってから症状が進むタイプです。子どものうちから急速に老化に似た変化があらわれるハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群は、原因遺伝子が違う別の病気で、このパネルの7遺伝子には含まれていません。

ウェルナー症候群の病気そのものについては、ウェルナー症候群の疾患ページで詳しく解説しています。

6. 遺伝のしかたとご家族への影響

このパネルで調べる病気は、すべて常染色体潜性(劣性)遺伝です。ご両親がそれぞれ1つずつ変化を持つ保因者で、お子さんが両方の変化を受け継いだときに発症します[1][2][3][4][5][6]。

7遺伝子とも常染色体潜性遺伝:次のお子さんで4分の1

常染色体潜性遺伝では、ご両親とも保因者の場合、お子さん1人ごとに、4分の1(25%)の確率で発症し、2分の1(50%)の確率で保因者になり、4分の1(25%)の確率でどちらでもない、とされています[2][3][4]。上のお子さんが発症したかどうかで、次のお子さんの確率は変わりません。

保因者は誰にでもありうることで、誰のせいでもありません。原因の遺伝子がわかれば、ご両親それぞれがどの変化を持っているかを確かめられ、次の妊娠でどう備えるかを具体的に考えられます。発症していないきょうだいが、将来、結婚や出産を考えるときに保因者かどうかを知る手がかりにもなります。

保因者のご両親のがんのなりやすさ

保因者は病気そのものは発症しませんが、遺伝子によってはがんのなりやすさとの関係が指摘されています。ここは遺伝子ごとに、わかっている程度が違います。

  • ●ATM:保因者のがんのなりやすさは一般の人より高く、とくに50歳未満の女性で乳がんのなりやすさが上がるとされています。保因者とわかったご家族は、年齢に合わせて乳がんの見張りを強めることが勧められています[1]。
  • ●NBN:保因者では、女性の乳がん、男性の前立腺がんとの関係が指摘されています。ただし、保因者の見張りの方法について、決まった合意はまだありません[2]。
  • ●BLM:保因者全体でのがんのなりやすさは、まだはっきりしていないとされています[3]。
  • ●WRN:保因者は症状がなく、病気を発症するリスクも上がらないとされています[4]。

お子さんの検査で原因がわかったことが、ご両親が自分の健康管理を考えるきっかけになることもあります。ATM遺伝子についてはATM遺伝子のページで、遺伝性の乳がんについては遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)総論で解説しています。ご自身のがんの体質を幅広く調べたい場合は、遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)も選べます。

保因者検査で調べられます

このパネルの7遺伝子(ATM・BLM・ERCC6・ERCC8・MRE11・NBN・WRN)は、当院の拡大版保因者スクリーニングの対象遺伝子に含まれています。女性版787遺伝子・男性版714遺伝子、女性版1009遺伝子・男性版911遺伝子の、どの一覧にも入っていることを確かめています(2026年10月時点)。

ご家族にこれらの病気の方がいないご夫婦でも、妊娠の前に保因者かどうかを知っておけば、出生前診断まで計画できます。詳しくは拡大版保因者スクリーニング(1009遺伝子版もあります)をご覧ください。すでに妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血して、ご夫婦で保因者を調べる「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子)があります。NIPTを受ける方が一緒に申し込む保因者検査で、単独では受けられません。

7. 検査の概要(料金・日数・検体)

検査費用は330,000円(税込)、結果までは3〜5週間です。検査の前に遺伝カウンセリングを行い、検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・口腔スワブ・唾液など
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結果のご説明3〜5週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 ATM・BLM・ERCC6・ERCC8・MRE11・NBN・WRN(7遺伝子)
検査費用 330,000円(税込)
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 3〜5週間
検体 血液(4ml EDTA採血管〔ラベンダー色のふた〕2本)、抽出済みのDNA(3μg)、口腔スワブ、唾液のいずれか

※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

造血細胞移植を受けたことがある方は、検体の種類によって結果に影響が出ることがあるため、検体の種類を事前にご相談ください。

対象遺伝子(7遺伝子)

🧪 調べる遺伝子と関係する病気

遺伝子 関係する病気(OMIM番号) 遺伝のしかた
ATM 毛細血管拡張性運動失調症(208900) 常染色体潜性
BLM ブルーム症候群(210900) 常染色体潜性
ERCC6 コケイン症候群B型(133540) 常染色体潜性
ERCC8 コケイン症候群A型(216400) 常染色体潜性
MRE11 毛細血管拡張性運動失調症様疾患(ATLD) 常染色体潜性
NBN ナイミーヘン染色体不安定症候群(251260) 常染色体潜性
WRN ウェルナー症候群(277700) 常染色体潜性

※病名・遺伝のしかた・OMIM番号はGeneReviews[1]〜[5]、MedlinePlus Genetics、ATLDの家系報告[6]による。コケイン症候群はERCC6が約65%、ERCC8が約35%を占める[5]。

この検査でわからないこと

この検査は、7遺伝子のたんぱく質の設計図にあたる部分(エクソン)と、その境目を読んで、小さな変化を探します。調べる範囲の96%を、それぞれ20回以上読み取れる精度で解析しています。同じ場所を何度も読むほど、見落としが減ります。読み取りの質が低かった変化は、別の方法(サンガー法)で確かめてから報告します。

遺伝子のまとまった部分がなくなったり増えたりする変化(欠失・重複)も調べます。血液や口腔スワブの検体では、1つの遺伝子全体を含む変化を見つけられ、血液の検体では、2つ以上続けてエクソンにまたがる変化も見つけられます。1つのエクソンだけの欠失・重複は、通常はこの検査では見つかりません。欠失・重複が見つかったときは、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。

一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●見つけられない変化:染色体の一部が入れかわる変化(転座・逆位)、同じ配列のくり返しが長くなる変化(リピート伸長)、遺伝子のスイッチにあたる部分(プロモーター)の多く、エクソンから20塩基以上離れた部分(深部イントロン)の変化は調べられません。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけある変化や、生まれたあとに体の細胞で起きた変化を見つけることは、この検査の目的に入っていません。
  • ●よく似た配列:よく似た配列がほかの場所にあると、まれに正しく読み取れず、変化を見つけられないことがあります。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、この検査で見つけられない変化が残っている可能性や、このパネルに含まれない遺伝子が原因の可能性があります。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご本人とご家族のこれからに /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご夫婦とも保因者だった場合、妊娠したときの出生前診断(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。

お問い合わせはこちら | 妊娠前の保因者検査を知りたい方へ

8. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。

結果の受け取り方

陽性(原因の変化が見つかった)のとき:病名が確定し、第2章でお伝えしたような、放射線や薬への注意、がんや合併症の見張りの計画が立てられます。ご両親・きょうだいも同じ変化を持っている可能性があるので、ご家族が同じ場所を調べて、保因者かどうかを確かめられます。

陰性(原因の変化が見つからなかった)のとき:このパネルの病気である可能性は低くなりますが、ゼロにはなりません(第7章の限界)。症状に合わせて、ほかのパネル検査や全エクソーム検査を考えます。

VUSが見つかったとき:VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の見方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

次のお子さんを考えるとき

ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。あらかじめご両親それぞれの変化を確かめておくことが、出生前診断を計画するための出発点になります。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針(2026年9月改定)にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。

9. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【放射線に弱い体質は、知っていて初めて守れる】

私はがん薬物療法専門医でもあります。抗がん剤や放射線治療は、ふつうの体質の方に合わせて量が決められています。けれども、染色体不安定症候群の方では、その「ふつうの量」がご本人にとっては強すぎることがあります。このことは、病名がわかっていなければ、治療を始める前に気づくことができません。

だからこそ、この病気のグループでは、遺伝子で病名を確かめることそのものが、ご本人を守る手段になると考えています。必要のないX線を減らす、画像検査をMRIや超音波に置きかえる、抗がん剤の量を最初から調整する、がんの見張りを早めに始める。どれも、知っているからこそ選べることです。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。潜性遺伝の病気では、ご両親とも症状のない保因者であることがほとんどで、それは誰のせいでもありません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。次のお子さんを考えるご家族には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 染色体不安定症候群とは何ですか?

DNAについた傷を見つけて直すしくみにかかわる遺伝子が生まれつき働かず、染色体やDNAが壊れやすくなる病気のグループです。このページの検査では、毛細血管拡張性運動失調症・ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群・ウェルナー症候群・コケイン症候群などの原因となる7遺伝子を調べます。病気ごとに、放射線への弱さ、免疫の弱さ、がんのなりやすさが違います。

Q2. 毛細血管拡張性運動失調症の原因遺伝子と遺伝のしかたは?

原因遺伝子はATMです。常染色体潜性遺伝で、ご両親とも保因者の場合、お子さん1人ごとに4分の1の確率で発症します。座る・歩くようになるころから目立つふらつき、ふつう6歳までに目立ってくる白目などの毛細血管拡張、血液のAFPが高いことなどが特徴です。

Q3. ウェルナー症候群はなぜ日本人に多いのですか?

日本人に共通する創始者変異(WRN遺伝子のc.3139-1G>C)があるためです。日本ではこの変化の保因者が167人に1人いて、日本人の患者さんの病的な変化の約60%を占めます。日本人でのウェルナー症候群の頻度は約2万〜4万人に1人と推定されています。

Q4. ウェルナー症候群は何歳ごろからわかりますか?

最初の兆しは、10代前半に背がぐんと伸びる時期がないことです。皮膚が硬くなる変化は思春期のあとの10年ほどのあいだに始まり、白内障の発症年齢の中央値は約31歳です。遺伝子検査で病名を確かめると、目・骨・血糖・皮膚・がんの見張りを計画的に始められます。

Q5. ファンコニ貧血もこの検査で調べられますか?

調べられません。このパネルの7遺伝子には、ファンコニ貧血の遺伝子は含まれていません。ファンコニ貧血が疑われるときは、ファンコニ貧血遺伝子検査パネルを選びます。血球が減っていて病気を絞れないときは、骨髄不全症候群パネルも選べます。

Q6. 保因者でも体に影響はありますか?

保因者は病気そのものは発症しません。ただし、ATMの保因者はがんのなりやすさが一般の人より高く、とくに50歳未満の女性で乳がんのなりやすさが上がるとされ、年齢に合わせて乳がんの見張りを強めることが勧められています。NBNの保因者でも乳がん・前立腺がんとの関係が指摘されていますが、BLMの保因者のがんのなりやすさはまだはっきりしていません。

Q7. 診断がついたら、X線やCTは受けられないのですか?

毛細血管拡張性運動失調症では電離放射線は禁忌とされ、ナイミーヘン染色体不安定症候群・ブルーム症候群では、必要のないX線やCTを避け、MRIや超音波を選ぶことが勧められています。どの検査をどう代えるかは、自己判断せず、病名を伝えたうえで主治医と相談してください。

Q8. 費用と結果が出るまでの日数は?

検査費用は330,000円(税込)で、結果までは3〜5週間です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が検査費用とは別にかかります。検体は血液・口腔スワブ・唾液・抽出済みのDNAのいずれかです。

🧬 一度の検査で、ご本人を守る注意と、ご家族の計画を

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。染色体不安定症候群の原因がわかれば、放射線や抗がん剤への注意、がんや合併症の見張りを前もって計画でき、ご家族の検査や次のお子さんの計画を考える手がかりにもなります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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