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妊娠初期(1~4か月) に気をつけること|週数別にポイントを解説

妊娠初期(1~4か月) に気をつけること|週数別にポイントを解説

妊娠初期の妊婦さんのお腹とハートマーク
こちらの記事では、妊娠初期の体の変化や気を付けるポイントを解説しています。妊娠1~2か月目は妊娠の自覚がないかもしれませんが、すでに赤ちゃんは胎盤から栄養を受け取っています。もし、妊娠初期にタバコやアルコールを摂取してしまうと、先天性疾患流産の可能性もあるため、妊娠の心当たりがあれば、自己判断をせず、医師に相談したり、専門書で確認するなど、しっかりとした知識を身に着けてください。

妊娠初期(1~4か月) に気をつけること

妊娠初期の段階は「妊娠がわかり」「赤ちゃんが少しずつ、人間の形に成長していくのを実感し」「性別が分かるようになる」といった妊娠の喜びを、もっとも実感する時期といえるかもしれません。

ただ、一般的には、つわりが始まる時期ですので、ある意味では一番つらい時期といえるかもしれません。

また、妊娠初期(1~4か月)の段階は、安定期に入っていないため、過度な運動を避け、しっかりと栄養を取るといったことが重要になってきます。

以下の記事では、妊娠1週ごとの赤ちゃんの状態、その時期の注意点、といったことを紹介しています。

関連記事:妊娠超初期症状の症状|思い込みとの見分け方・体験談・7つの注意点

妊娠1週目

妊娠は最後の月経(生理)が始まった週を「0週目」としているため、妊娠0週~1週目はまだ妊娠は成立していません。妊娠1週目は月経が終わり、排卵に備えて卵子が成長する時期です。卵巣で卵子が入った卵胞(らんぽう)が10個程度成長を始め、その中でもっとも成熟したものが排卵の準備を始めます。まだ妊娠成立前のため特に症状が出ることありませんが、排卵日に向けて規則正しい生活を心がけましょう。

妊娠2週目

妊娠2週目は、一般的に排卵日が訪れる時期です。排卵日は月経を28日周期とした場合、最終月経が始まった日からおよそ14日~15日目にあたります。排卵された卵子の寿命はおよそ24時間とされており、この間にタイミングよく精子受精すれば、「受精卵」となります。

受精した直後は1つの細胞ですが、1日1回のペースで細胞分裂を行いながら卵管から子宮へと移動します。妊娠1週目と同じく2週目もまだ妊娠は成立していませんが、妊娠の準備として大切な時期です。

妊娠3週目

妊娠3週目は受精卵が子宮へ到達し、子宮に着床する時期です。受精卵がおよそ5日かけて細胞分裂を行いながら卵管を通って子宮まで移動し、子宮に着床したら「妊娠の成立」となります。妊娠成立といっても目立つ自覚症状が現れるわけではありませんが、人によっては胃のむかつきや熱っぽさを感じる方もいます。

妊娠0週目~3週目は新しい命が誕生する大切な時期ですので、妊活を行っている方は飲酒・喫煙や薬の服用などに要注意です。ストレスや生活習慣の乱れは心身の負担となり、月経周期が乱れたり受精卵へ悪影響を与えたりする恐れがあります。

妊娠4週目

妊娠2か月目となる4週目は、エコー(超音波検査)で赤ちゃんが育つ胎嚢(たいのう)が見えるようになります。まだとても小さく11mm程度の豆粒のようなサイズですが、受精卵が着床し赤ちゃんが育ち始めた証です。しかし、小さすぎてまだ胎嚢が確認できないケースもあるため、エコーに映っていなくても諦める必要はありません。

また、月経が28日周期の方は1週間ほど遅れが生じるため、妊娠の可能性を感じ始める時期でもあります。早い人では妊娠4週目ほどからつわりも始まりますので、月経の遅れや体調の変化を感じたら産婦人科を受診しましょう。

妊娠5週目

妊娠5週目からは赤ちゃんの心臓や血管、消化器官、脳、脊髄といった器官の原型が作られ始める時期です。そのため、飲酒や喫煙、自己判断での薬の服用など胎児に影響を与える行動は避けましょう。また、5週目をすぎるとエコーでも確認しやすくなりますので、4週目で胎嚢が確認できなかった方も改めて検査を受けることをおすすめします。

4週目よりもさらに月経の遅れが気になり、つわりの症状が現れる方もいますので、まだ産婦人科に受診していない場合は早めに訪れましょう。

妊娠6週目

妊娠6週目に入ると、手足や耳、目の原型が作られ始めます。まだ原型ができ始めるだけですので、しっかりと形を見ることはできません。さらに6週目すぎると、エコーで心臓の拍動が聞こえ始めます。とはいえ個人差や受診日によってはまだ確認できない場合もありますので、もし聞こえなくても心配しなくても大丈夫です。

拍動が聞こえ始めてから「妊娠している」と自覚し始める方も多くいますが、まだお腹の大きさが目立つような時期ではありませんので仕事や家事などで無理をしないように注意しましょう。

妊娠7週目

妊娠7週目頃には頭と胴の2頭身になり、手足の区別がつき始めます。

また、本格的なつわりの症状が現れる方も多く、体調不調で辛いと感じる方も少なくありません。しかし、つわりは個人差が大きく、症状がひどく食事が取れない方もいれば、全く症状を感じない方もいます。どちらであっても不安なことがあれば、かかりつけの産婦人科に相談しましょう。

妊娠8週目

妊娠3か月目に入る8週目からは、心臓や肺、肝臓など赤ちゃんの主な器官が形となる時期です。手足が徐々に伸び始め、2頭身から3頭身に育ち始めます。また、心臓の拍動がよりはっきり聞こえてくる時期で、超音波ドップラーと呼ばれる機器では「ドッドド・ドッドド」と聞こえます。これまであまり拍動が聞こえなかった方も8週目を過ぎたあたりからしっかりと聞こえてくるようになりますので、お腹の中に赤ちゃんがいることを改めて実感できるでしょう。

つわりの症状が辛い方は無理をせず、食べたいときに食べられるものを少しずつ口にしてください。あまりに症状がひどく飲みものも飲めない場合は、脱水症状の危険性が高まりますので我慢せず医師に相談しましょう。

妊娠9週目

妊娠9週目頃になると、手足の基本的な形ができ始めます。同時にエコーで骨が白く映り始め、少しずつ人間の形へと成長していきます。

9週目をすぎたあたりから、つわりのピークを迎える方も多くいます。繰り返しとなりますが、つわりは個人差が激しいため、他人と比べることは禁物です。つわりがあっても家事をしていた、仕事を続けていたと周囲に言われても、自分の状態をしっかりと見極めて行動しましょう。もし、つわりの症状がなくても激しい運動したり重たいものを持ったりすることは危険です。

妊娠10週目

妊娠10週目をすぎると、赤ちゃんは手足を動かせるようになります。手足の先の水かきのようなものが少しずつ指の形となり、タイミングが良ければ手足を動かしている姿も確認できるでしょう。拍動も1分間に180回とピークを迎え、元気な心音を聞くことができます。

妊娠10週目頃からは、自然流産の危険性が少しずつ下がり始めます。しかし、まだ流産の恐れが残っていますので、出血があった場合には速やかに産婦人科を受診しましょう。

妊娠11週目

妊娠11週目頃になると手足に続いて、耳たぶやまぶた、くちびる、鼻などが少しずつ形となり、人間らしい顔つきがわかるようになります。また、11週目の後半になると男女を区別する外性器ができます。

妊娠11週目をすぎる頃には、お母さんの子宮が大人の握りこぶしほどの大きさとなるため、なんとなくお腹が大きくなったと感じる方もいるでしょう。まだ見た目で判断することは難しいので、周囲の人は気がつきません。人混みでぶつかったり、転んだりしないように注意しましょう。

妊娠12週目

妊娠4か月目となる12週目では、エコーで脳を左脳と右脳に分けるミッドラインが見え始めます。少しずつつわりの症状が和らいでくる時期でもありますが、もちろん個人差がありますので症状がひどい方は無理をしてはいけません。

また、つわりが収まって食欲が湧いてくる方も多くいますが、食べ過ぎは禁物です。急激な体重増加は母子ともに負担がかかりますので、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。流産の危険性もだいぶ減ってきますが、やはり油断はできません。お腹の膨らみも少しずつ感じ始める時期ですので、仕事や家事などは無理をしない程度に行いましょう。

妊娠13週目

妊娠13週目頃からは、小腸が発達する時期です。同時に胎盤に厚みも出てきますので、お腹に触れると膨らみを感じられます。ただし、この膨らみの感じ方も個人差がありますので、全くお腹が大きくならないと思ってもエコーでしっかりと育っていることが確認できれば問題ありません。

妊娠12週目~21週目は「切迫後期流産」の危険性が出てくる時期でもあります。お腹(下腹部)の張り、痛み、出血、おりものの色が変わったなど、何か気になる症状があった場合はすぐに産婦人科を受診しましょう。

妊娠14週目

妊娠14週目頃には胎盤が完成期を迎え、赤ちゃんとお母さんがへその緒(臍帯:さいたい)で繋がります。へその緒を通じてお母さんから赤ちゃんへ酸素や栄養素が運ばれるようになるため、さらに赤ちゃんの成長スピードがアップします。

つわりが落ち着き食欲がさらに加速する方もいますが、バランスの良い食事を心がけながら、噛む回数を増やしてゆっくりと食べるようにしましょう。また、貧血(鉄欠乏性貧血)と診断されている場合、医師と相談しながら食事にも鉄分を含んだ食材を取り入れましょう。

妊娠15週目

妊娠15週目は器官の基本的な形が完成し始め、機能も少しずつ発達する時期です。外性器の形も完成する時期ですので、性別を聞くかどうか家族で話し合っておくと良いでしょう。

まだつわりの症状が続いている方もいますが、妊娠中期となる16週目をすぎた頃に緩和するケースも多くみられます。つわりの症状が長引いている方は医師に相談しつつ、妊娠中期まで様子を見てみましょう。体調が落ち着いている場合は、母親学級への参加、適度な運動などを無理のない範囲で行うことをおすすめします。

また、妊娠すると虫歯ができやすくなるため、歯科健診も大切です。自治体によっては無料の妊婦歯科健診を行っていますので、体調やタイミングを見て必ず受診しましょう。

まとめ

妊娠4週の胎児
妊娠初期の1~4か月は、受精卵の着床や赤ちゃんの基本的な器官の生成など、新しい命が生まれた瞬間を感じられる時期です。しかし自然流産の危険性やつわりの症状もあるため、無理をしてはいけません。

体の状態やつわりの症状、赤ちゃんの成長具合などには個人差があり、他人と比べてしまうと大きな負担となります。体調が優れない、下腹部に違和感や痛みがある場合は、すぐに産婦人科に相談しましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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