目次
このページでは、妊娠中期のうち妊娠16週から27週(妊娠5〜7か月)を1週ずつ区切り、日本超音波医学会の基準値による赤ちゃんの推定体重と、お母さんの体の変化をまとめます。赤ちゃんの推定体重は、16週ごろの約140gから27週ごろの約1,060gまで、7倍以上に増えます。あわせて、流産と早産の境目になる「22週の壁」、中期によくある症状と受診の目安、過ごし方も解説します。出血、規則的にくり返すお腹の張りや痛み、水のようなおりものは、様子を見ずにかかりつけの産婦人科に連絡してください。妊娠全体の週ごとの記事は妊娠カレンダーから読めます。
⏱️ 30秒でわかる要約
🤰 Q. 妊娠16週〜27週は何か月ですか?
4週を1か月として数えると、16〜19週が妊娠5か月、20〜23週が6か月、24〜27週が7か月です。このページでは、この16週から27週を1週ずつ解説します。28週0日からは妊娠後期です。
🤰 Q. 妊娠中期の赤ちゃんの体重はどのくらいですか?
日本超音波医学会の基準値(中央値)では、16週で約140g、22週で約470g、27週で約1,060gです。超音波で推定した体重には誤差があるので、健診ごとに成長曲線に沿って増えているかを見ます。
🤰 Q. 「妊娠22週の壁」とは何ですか?
日本では、妊娠22週より前に妊娠が終わることを流産、22週から36週までの出産を早産と呼びます。22週は、早く生まれた赤ちゃんが医療を受けて育つ可能性が出てくる区切りで、その後も1週ごとに見通しがよくなります。
🤰 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
大丈夫とは言い切れません。まれな遺伝性の症候群のお子さんのご家族を調べた研究では、親のストレスを最も一貫して左右していたのは子どもの感情や行動の問題でした。行動の問題を伴いやすい微小欠失症候群は三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこうした病気まで調べられ、妊娠中期からでも受けられます。
\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? 妊娠中期からでも受けられるNIPT /
当院のNIPTは、ダウン症候群だけでなく微小欠失症候群まで調べられ、陽性の場合も確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。
まだ決めていない方は:NIPTはいつからいつまで受けられる? | NIPTの費用・料金
- ➤週数と月数 → 16〜19週=5か月、20〜23週=6か月、24〜27週=7か月
- ➤赤ちゃんの体重 → 16週で約140g、22週で約470g、27週で約1,060g(日本超音波医学会の中央値)
- ➤22週の壁 → 22週から早産の扱いになり、早く生まれた場合の見通しが週ごとによくなる
- ➤すぐ連絡 → 出血、規則的な張りや痛み、水のようなおりもの、激しい頭痛

1. 妊娠中期の週数と月数|16週〜27週は5〜7か月
妊娠中期は、医学的な区分では妊娠14週0日から27週6日までで[1]、4週を1か月とする月数では妊娠5か月から7か月(16〜27週)にあたります。区切り方の違いや、中期に多い症状とやっておきたいことは、妊娠中期はいつからいつまで?で詳しく解説しています。
このページでは、月数の区切りに合わせて16週から27週を1週ずつ扱います。14週・15週は妊娠14週の赤ちゃんの大きさと過ごし方と妊娠15週の各ページで扱います。中期の前にあたる妊娠初期の区切りは、妊娠初期はいつまで?(13週6日と1〜4か月の違い)で整理しています。
妊娠22週は何か月?週数と月数の早見表
妊娠週数は最終月経の初日を「0週0日」として数え、4週ごとに1か月とします。妊娠22週は6か月、妊娠25週は7か月にあたります。
📅 妊娠中期の週数と月数
| 月数 | 週数 | この時期の主なできごと |
|---|---|---|
| 妊娠5か月 | 16週0日〜19週6日 | 胎動を感じはじめる人が出てくる |
| 妊娠6か月 | 20週0日〜23週6日 | 22週0日から、出産は流産ではなく早産として扱われる |
| 妊娠7か月 | 24週0日〜27週6日 | 妊婦健診がおおむね2週間に1回になり、血糖の検査が行われる |
※4週を1か月とした数え方です。早産・流産の区切りは日本産科婦人科学会[2][3]、健診の間隔と検査は国の基準[7]によります。
月ごとの様子は妊娠5ヶ月(16〜19週)、妊娠6ヶ月(20〜23週)、妊娠7ヶ月(24〜27週)の各ページでも扱っています。
「安定期」と妊娠中期の関係
妊娠中期は「安定期」と呼ばれることがありますが、安定期は医学の正式な区分ではなく、中期に入っても流産や早産、妊娠高血圧症候群などが起こる可能性はなくなりません。安定期の過ごし方は安定期はいつからいつまで?にまとめています。
2. 妊娠22週の壁とは?流産と早産の境目と赤ちゃんの見通し
「22週の壁」は医学用語ではありません。日本では妊娠22週より前に妊娠が終わることを流産、22週から36週までの出産を早産と呼ぶため、その境目を表した言い方です。日本産科婦人科学会は、妊娠22週より前に終結した妊娠を流産、妊娠22週から36週までの出産を早産、37週から41週までの出産を正期産としています[2][3]。
22週は、早く生まれた赤ちゃんが新生児集中治療を受けて育つ可能性が出てくる区切りでもあります。日本の新生児臨床研究ネットワーク(NRNJ)が2003〜2012年に生まれた出生体重1,500g未満の赤ちゃんを集計したデータでは、生存率は在胎22週で41.0%でしたが、24週で81.1%、27週で93.7%と、週を追うごとに高くなっていました[4]。
👶 在胎週数別の生存率(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)
| 在胎週数 | 生存率 |
|---|---|
| 22週 | 41.0% |
| 23週 | 69.0% |
| 24週 | 81.1% |
| 25週 | 87.8% |
| 26週 | 91.6% |
| 27週 | 93.7% |
※新生児臨床研究ネットワーク「極低出生体重児NRNJデータベース VLBW(2003-2012)から得られたエビデンス」による[4]。施設や年代によって数字は変わります。
この数字は、出生体重1,500g未満で生まれた赤ちゃんの集団のデータです。一人ひとりの赤ちゃんの見通しは、週数のほかに体重や生まれた理由、生まれた施設によって変わります。22週を過ぎたから安心という意味でも、22週前だから望みがないという意味でもありません。中期に早産のサインがあれば、早い段階でかかりつけの産婦人科に連絡することが、赤ちゃんの見通しを守ることにつながります。早産の定義や原因は早産とはいつからで、妊娠中期の流産については妊娠中期の流産で解説しています。28週以降の「28週の壁」は妊娠後期(28週〜40週)のページで扱っています。
🩺 院長コラム【「22週」という数字の読み方】
22週という区切りは、法律や統計の上で「流産」と「早産」を分ける線です。けれども、赤ちゃんの体の中で22週0日に急に何かが変わるわけではありません。21週と22週、22週と23週の間にも、少しずつ育っていく連続した時間が流れています。
生存率の表は、たくさんの赤ちゃんをまとめた平均の姿です。一人ひとりの見通しを決めるものではないと考えています。数字に一喜一憂するよりも、張りや出血などのサインに早く気づき、かかりつけの産婦人科とつながっておくことのほうが大切だと考えています。
3. 【週数別】妊娠16週〜27週の赤ちゃんとお母さんの変化
妊娠中期の赤ちゃんは、16週の約140gから27週の約1,060gまで大きくなります。以下は、日本超音波医学会が2026年3月に公表した参照値(JSUM 2025)による、週ごとの推定体重の目安です[5]。
胎児の推定体重の目安(16週〜27週の一覧表)
⚖️ 妊娠週数別の推定胎児体重(単位:g)
| 週数 | 中央値(50パーセンタイル) | 10〜90パーセンタイル |
|---|---|---|
| 16週 | 139 | 102〜176 |
| 17週 | 147 | 111〜183 |
| 18週 | 178 | 141〜216 |
| 19週 | 228 | 187〜269 |
| 20週 | 294 | 247〜341 |
| 21週 | 374 | 318〜430 |
| 22週 | 466 | 400〜532 |
| 23週 | 568 | 490〜646 |
| 24週 | 679 | 587〜771 |
| 25週 | 799 | 691〜906 |
| 26週 | 925 | 801〜1,049 |
| 27週 | 1,058 | 916〜1,200 |
※日本超音波医学会「胎児超音波計測の新たな参照値の公表(JSUM 2025)」の推定胎児体重(篠塚の式)による[5]。超音波で推定した体重には誤差があり、10〜90パーセンタイルの外にいても、すぐに異常という意味ではありません。
推定体重は、頭の横幅(児頭大横径)、お腹の周囲(腹部周囲長)、太ももの骨の長さ(大腿骨長)を超音波で測り、計算式で求めます[5]。1回の数字より、健診ごとに成長曲線に沿って増えているかが大切です。成長曲線の見方は胎児の成長曲線とはで、小さめと言われたときの考え方は胎児発育不全(FGR)とはで解説しています。
妊娠16週目
推定体重は約140gです。妊娠5か月に入り、月数で数える妊娠中期が始まります。妊婦健診は23週まではおおむね4週間に1回です[7]。つわりが落ち着いて食欲が戻る人が多い時期ですが、つわりが長引く人もいます。中期になっても吐き気が続くときの考え方は妊娠中期につわりがぶり返す原因で解説しています。
妊娠17週目
推定体重は約150gです。16週から17週にかけては体重の中央値の差が小さく、この時期は1週ごとの数字より、次の健診までの増え方を見るほうが大切です[5]。お母さんはお腹のふくらみが目立ちはじめ、服がきつく感じられるようになります。体を締めつけない服や下着に替えていくと楽に過ごせます。
妊娠18週目
推定体重は約180gです。胎動は、妊娠16週から24週の間に感じはじめるのが一般的です。初めての妊娠では、20週を過ぎるまで感じないこともあります[6]。最初はお腹の中で泡がはじけるような、軽い動きとして感じることが多く、まだ感じなくても心配はいりません。胎動の感じ方は胎動ってどんな感じ?で紹介しています。
妊娠19週目
推定体重は約230gです。妊娠5か月の最後の週で、ここから体重の増え方が少しずつ大きくなっていきます[5]。大きくなった子宮を支えるために腰や背中に負担がかかり、腰痛を感じる人が増えます。長時間同じ姿勢を続けない、低めの靴を選ぶといった工夫で負担を減らせます。
妊娠20週目
推定体重は約290gで、妊娠6か月に入ります。妊娠高血圧症候群の病型の一つである妊娠高血圧症は、妊娠20週以降に初めて高血圧が出るものとされています[9]。健診で毎回血圧を測るのはこのためです。むくみや頭痛、目が見えにくいといった症状があれば、次の健診を待たずに伝えてください。
妊娠21週目
推定体重は約370gです。胎動をはっきり感じる人が増えてくる時期ですが、感じはじめる時期には個人差があります[6]。胎動がそれまでより明らかに減ったと感じたら、時間帯にかかわらずかかりつけの産婦人科に連絡してください[6]。
妊娠22週目
推定体重は約470gです[5]。22週0日から、出産は流産ではなく早産として扱われます[2][3]。お腹が大きくなって重心が前に移るため、つまずきや転倒に気をつけたい時期です。体重の増え方が気になる人も多い時期ですが、国の目安は1週ごとではなく妊娠全体の増加量で示されています(第6章で説明します)。
妊娠23週目
推定体重は約570gです。妊娠6か月の最後の週です。大きくなった子宮が腸を押すことやホルモンの影響で、便秘になりやすくなります。水分と食物繊維をとり、体を動かす習慣をつけると改善しやすくなります。腹痛が周期的に強くなる場合や、出血を伴う場合は、便秘と決めつけずに連絡してください。
妊娠24週目
推定体重は約680gで、妊娠7か月に入ります。妊婦健診は、24週から35週まではおおむね2週間に1回になります[7]。国の基準では、この期間に血糖の検査、血液の検査(血算)、超音波検査をそれぞれ1回行うこととされています[7]。
妊娠25週目
推定体重は約800gです。妊娠糖尿病は、妊娠中に初めて見つかる糖の代謝の異常で、妊婦さんの7〜9%が診断されています[8]。妊娠初期の検査で見つからなかった人のために、妊娠中期(24〜28週)にもう一度検査が行われます[8]。病気の詳細は妊娠糖尿病とはで解説しています。
妊娠26週目
推定体重は約930gです[5]。お腹がせり出し、仰向けで横になると息苦しさやだるさを感じる人がいます。眠るときは楽な横向きの姿勢をとり、クッションなどで体を支えると休みやすくなります。立ちくらみや動悸が続く場合は、貧血がないかを健診で確かめてもらってください。動悸の原因と対処は妊娠中期の動悸で解説しています。
妊娠27週目
推定体重は約1,060gで、妊娠中期の最後の週です[5]。28週0日からは妊娠後期に入ります[1]。後期になると体が重くなって動きにくくなるので、入院の準備や産後の手続きの確認は、体調のよい中期のうちに少しずつ進めておくと安心です。28週以降の週ごとの変化は妊娠後期の週数別ガイドで続けて読めます。28〜31週の1か月の様子は、妊娠8ヶ月(28〜31週)の様子のページで詳しく説明しています。
4. 妊娠中期によくある症状と対処法
妊娠中期の不調の多くは、大きくなっていく子宮とホルモンの変化で起こります。多くは休むと軽くなりますが、中には受診が必要な病気のサインが隠れていることもあります。症状ごとに、対処と注意したい点を整理します。
お腹の張り・腹痛|休めば治まるか、規則的か
お腹の張りは、子宮の筋肉が一時的に収縮して硬くなる状態です。歩きすぎたあとや疲れたときに張りやすく、横になって休むと治まる張りは多くの場合心配ありません。
注意したいのは、休んでも治まらない張り、規則的にくり返す張り、痛みや出血を伴う張りです。日本産科婦人科学会は、お腹の張りや痛みが規則的にあり、子宮の出口が開き始めるなど早産の危険が迫っている状態を切迫早産と説明しています[2]。こうした張りがあれば、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡してください。張りの仕組みと対処は妊娠中期のお腹の張りで、腹痛の受診の目安は妊娠中期の腹痛で解説しています。
おりものの変化|破水との違い
妊娠中はおりものが増える人が多くいます。白っぽく、においやかゆみがなければ様子を見てかまいません。一方、水のようなものが止まらずに流れ出る、色やにおいがいつもと違う、かゆみが強いといった場合は、破水や感染症のことがあるので連絡してください。日本産科婦人科学会は、切迫早産と同じ頃に前期破水が起こることがあると説明しています[2]。見分け方は妊娠中期のおりものと妊娠中期の前期破水で解説しています。
便秘・胸やけ・吐き気
妊娠中はホルモンの作用で腸の動きがゆるやかになり、便秘が起こりやすくなります。食物繊維と水分を意識してとり、散歩などで体を動かすことが基本です。胃の入り口がゆるんで胃酸が上がってくると、胸やけやむかつきが出ます。少量ずつ回数を分けて食べる、食後すぐに横にならない、といった工夫で和らぐことが多くあります。食べられない状態が続く、水分もとれない場合は受診してください。
腰痛・足のつり(こむら返り)
お腹が前にせり出すと、体を支えるために腰が反りやすくなり、腰や背中が痛みます。重い物を持つときは膝を曲げて腰を落とす、長く立ち続けない、といった工夫が役に立ちます。夜中のこむら返りは、つま先を手前に引いてふくらはぎをゆっくり伸ばすと治まります。片足だけが腫れて痛む場合は、こむら返りではなく血栓のこともあるので早めに受診してください。
眠気・だるさ・動悸
中期に入っても、日中の眠気やだるさが続く人がいます。妊娠中は血液の量が増えて心臓の負担が大きくなるため、階段で息が上がったり、動悸を感じたりすることもあります。休めば治まるものは心配のないことが多いですが、安静にしていても息苦しい、胸が痛い、脈が乱れる場合は受診してください。眠気については妊娠中期に眠いのはなぜ?で、だるさについては妊娠中期のだるさで解説しています。
🩺 院長コラム【「よくある症状」と「受診すべき症状」の境目】
妊娠中期の不調の多くは、子宮が大きくなることで説明できます。ただ、同じ「お腹の張り」「おりもの」「頭痛」でも、切迫早産や前期破水、妊娠高血圧症候群の始まりのことがあります。迷ったときの判断の軸は、休めば治まるか、だんだん強くなっていないか、ほかの症状を伴っていないかの3つだと考えています。
内科の視点では、むくみや頭痛を感じたときに血圧を一緒に見ることが大切だと考えています。家庭用の血圧計があれば、朝晩に測って記録しておくと、健診での判断の材料になります。
5. 妊娠中期にすぐ受診すべきサイン
妊娠中期に、出血、治まらない腹痛や規則的な張り、水のようなおりもの、胎動の明らかな減少、激しい頭痛のどれかがあれば、夜間や休日でも様子を見ずにかかりつけの産婦人科に連絡してください。電話では、妊娠週数、症状が始まった時刻、出血の量、張りの間隔を伝えると話が早く進みます。
🚨 すぐ連絡・受診する症状と考えられる主な原因
| 症状 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| 出血、治まらない腹痛 | 流産・早産の兆候、胎盤のトラブル |
| 規則的にくり返す張りや痛み | 切迫早産 |
| 水のようなものが流れ出る | 前期破水 |
| 胎動がそれまでより明らかに減った | 赤ちゃんの状態の変化 |
| これまでにない頭痛、目が見えにくい、ふだんと違う胃の痛み | 妊娠高血圧症候群 |
※症状の出方には個人差があり、すべてがそろうとは限りません。迷ったら連絡してください。切迫早産は日本産科婦人科学会[2]、妊娠高血圧症候群の症状は同学会[9]、胎動の減少はNHS[6]による。
出血・腹痛があるとき
妊娠中期の出血は、量が少なくても自己判断せずに連絡してください。22週より前なら流産、22週以降なら早産の兆候のことがあります[2][3]。出血がなくても、生理痛のような痛みが続く、だんだん強くなるといった場合も同じです。早産が迫っている状態については切迫早産とはで解説しています。
頭痛・むくみの急な悪化|妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は、妊娠中に収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上になる状態です[9]。日本産科婦人科学会は、特徴的な症状はないものの、むくみ、頭痛、めまい、目が見えにくいといった症状に注意し、これまで経験したことのない頭痛、ろれつが回りにくい、手足が動きにくい、ふだんと違う胃の痛みや吐き気があればすぐに産婦人科へ連絡するよう呼びかけています[9]。家庭で測った血圧が160/110mmHgを超える場合も、直ちに連絡が必要とされています[9]。病型や治療は妊娠高血圧症候群とはで解説しています。
胎動が減ったと感じたとき
胎動を感じるようになったあとで、動きがそれまでより減った、感じない、動き方のパターンが変わったと感じたら、翌日まで待たずに連絡することが勧められています[6]。中期はまだ胎動を感じはじめたばかりの人も多く、日によって感じ方が変わることもあります。それでも「いつもと違う」と感じた感覚は大切な情報です。受診の目安は胎動が少ない日が心配な方へにまとめています。
6. 妊娠中期の過ごし方|体重・食事・健診・分娩先の準備
妊娠中期は体調が整いやすく、体重と血圧の管理、健診の受診、出産に向けた準備を進めやすい時期です。後期に入ると体が重くなるので、やっておきたいことはこの時期に始めておくと無理がありません。
体重増加の目安
妊娠中の体重増加の目安は、妊娠前の体格(BMI)によって変わります。「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」では、妊娠全期間を通しての目安を次のように示しています[10]。
📊 妊娠中の体重増加の目安(妊娠前の体格別)
| 妊娠前の体格(BMI) | 妊娠全期間の増加量の目安 |
|---|---|
| 低体重(18.5未満) | 12〜15kg |
| 普通体重(18.5以上25.0未満) | 10〜13kg |
| 肥満1度(25.0以上30.0未満) | 7〜10kg |
| 肥満2度以上(30.0以上) | 個別対応(上限5kgまでが目安) |
※国立健康・栄養研究所「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」の体重増加量指導の目安(出典:産婦人科診療ガイドライン産科編2020)による[10]。増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないとされ、個人差を考慮したゆるやかな指導を心がけることとされています。
この目安は「1週間に何kgまで」という形では示されていません。食欲が戻る中期は体重が増えやすい時期ですが、気をつけたいのは短期間での急な増加です。むくみによる増加は妊娠高血圧症候群のサインのことがあるため、健診で指摘されたら血圧とあわせて確認してください。体重が増えないときの考え方は妊娠中に体重が増えないで解説しています。
食事とカフェイン・アルコール
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、妊娠初期・中期・後期に分けて、エネルギーや栄養素を妊娠前より多めにとる量(付加量)を示しています[1]。量を一気に増やすより、主食・主菜・副菜をそろえ、鉄を含む赤身の肉や魚、大豆製品、青菜を組み合わせることが基本です。健診で貧血を指摘されたら、指示に従って鉄剤を使います。食べ物の注意点は妊娠中にOK/NGな食べ物にまとめています。
カフェインについて、厚生労働省は海外の目安を紹介しています。世界保健機関(WHO)は妊婦のコーヒーを1日3〜4杯まで、英国食品基準庁は1日200mgまでとしており、日本では1日の上限は設定されていません[11]。アルコールは控えるのが原則で、胎児への影響は胎児性アルコール症候群で解説しています。
妊婦健診の頻度と中期の検査
国の基準では、妊婦健診は23週まではおおむね4週間に1回、24週から35週まではおおむね2週間に1回、36週から出産まではおおむね1週間に1回、出産までに14回程度行うとされています[7]。中期の健診では、血圧、尿、体重、むくみ、赤ちゃんの心拍や推定体重を確認します。24週から35週の間には、血糖の検査、血液の検査、超音波検査がそれぞれ1回行われます[7]。妊娠糖尿病を見つけるための2回目の検査は、妊娠24〜28週に行われます[8]。
運動・仕事・分娩先の準備
経過に問題がなければ、散歩などの軽い運動は気分転換にもなります。始める前に、運動してよい状態かを健診で確かめてください(妊娠中期の運動)。仕事を続けている人は、体調に合わせて働き方を見直す時期でもあります(妊娠中期に仕事を休む理由と伝え方)。
出産する施設や、里帰りをするかどうかは、かかりつけの産婦人科や分娩先と相談して早めに決めておきます。東京都内で分娩先を探している方は、出産費用や無痛分娩、NICUの有無などを比べられる東京都産院なびを参考にしてください。妊娠線が気になる方は、急な体重増加を避けて保湿を続けるのが基本です(妊娠線の原因と予防)。
7. 妊娠中期からでも受けられる出生前検査|ダウン症候群だけで大丈夫?
東京・北青山の当院では、NIPTを受けられる時期の上限を特に設けておらず、妊娠中期からでも受けられます(これまでに妊娠36週で受けた方もいます)。赤ちゃんの染色体を確かめる羊水検査は妊娠15週から受けられ、当院でNIPTを受けた方は、陽性の場合も確定検査まで院内で受けられます。
調べる範囲を考えるときに知っておきたいのは、まれな遺伝性の症候群のお子さんのご家族を調べた研究で、親のストレスを最も一貫して左右していたのが子どもの感情や行動の問題だったことです[12]。自傷や攻撃的な行動が多いと報告されているスミス・マゲニス症候群[13]は、三大トリソミーだけの検査では調べられませんが、当院のNIPTではスタンダードプランから調べられます。検査の範囲と料金は東京のNIPT(新型出生前診断)のページに、中期に受けるときのスケジュールは妊娠16週以降のNIPTにまとめています。
\ 妊娠中期からでも、調べる範囲を選んで受けられます /
90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。
東京のNIPTプランを見る | 羊水検査・絨毛検査について
よくある質問(FAQ)
Q1. 妊娠16週〜27週は何か月ですか?
4週を1か月として数えると、16〜19週が妊娠5か月、20〜23週が6か月、24〜27週が7か月です。医学的な区分では妊娠中期は14週0日から27週6日までで、28週0日からは妊娠後期です。
Q2. 妊娠22週は何か月ですか?
4週を1か月とする数え方で、妊娠6か月(20週〜23週)にあたります。日本では22週0日からの出産は流産ではなく早産として扱われます。
Q3. 妊娠22週の壁とはどういう意味ですか?
医学用語ではなく、妊娠22週を境に、それより前に妊娠が終わると流産、22週以降の出産は早産と呼ばれることを表した言い方です。日本の出生体重1,500g未満の赤ちゃんのデータ(2003〜2012年出生)では、生存率は22週で41.0%、24週で81.1%、27週で93.7%と、週を追うごとに高くなっていました。
Q4. 妊娠中期の赤ちゃんの体重はどのくらいですか?
日本超音波医学会の参照値(JSUM 2025)では、推定体重の中央値は16週で139g、20週で294g、24週で679g、27週で1,058gです。超音波による推定には誤差があるため、健診ごとに成長曲線に沿って増えているかを確認します。
Q5. 胎動はいつから感じますか?
妊娠16週から24週の間に感じはじめるのが一般的で、初めての妊娠では20週を過ぎるまで感じないこともあります。胎動を感じるようになったあとで、動きがそれまでより明らかに減ったと感じたら、翌日まで待たずにかかりつけの産婦人科に連絡してください。
Q6. 妊娠中期のお腹の張りで、すぐ連絡したほうがよいのはどんなときですか?
休んでも治まらない張り、規則的にくり返す張り、痛みや出血を伴う張りのときです。お腹の張りや痛みが規則的にあり、子宮の出口が開き始めている状態は切迫早産と呼ばれます。迷ったら、かかりつけの産婦人科に連絡してください。
Q7. 妊娠中期の体重は何kgまで増えてよいですか?
国の指針は1週間ごとや中期だけの上限ではなく、妊娠前の体格別に妊娠全期間の増加量の目安(普通体重なら10〜13kgなど)を示しています。短期間で急に増えた場合はむくみや妊娠高血圧症候群のサインのことがあるため、健診で血圧とあわせて確認してください。
まとめ
妊娠中期は、医学的な区分では妊娠14週0日から27週6日まで、月数では妊娠5か月から7か月(16〜27週)にあたります[1]。赤ちゃんの推定体重は16週の約140gから27週の約1,060gまで増え[5]、22週からは出産が早産として扱われます[2]。早く生まれた場合の見通しも、週を追うごとによくなっていきます[4]。
胎動を感じはじめ、体調も整いやすい時期ですが、出血、治まらない腹痛や規則的な張り、水のようなおりもの、胎動の減少、激しい頭痛は、様子を見ずにかかりつけの産婦人科に連絡してください。体重は短期間の急な増加に注意し、健診を受けながら、分娩先や産後の準備を進めていきましょう。出生前検査を考えている方には、妊娠中期からでも受けられるNIPT(新型出生前診断)があります。前後の週は妊娠15週と妊娠後期(28週〜40週)のページで読めます。
🧬 妊娠中期からのNIPTを考えている方へ
ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が常駐し、NIPT(新型出生前診断)と遺伝子検査、遺伝カウンセリングを行うクリニックです。NIPTは通常妊娠9週から受けられ(6〜8週は臨床研究として)、受けられる時期の上限は設けていません。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)も利用できます。まだどのプランにするか決めていない方は、調べられる範囲と費用を比べたNIPTの費用・料金のページからご覧ください。妊娠経過の症状や妊婦健診については、かかりつけの産婦人科にご相談ください。
参考文献
- [1] 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 対象特性「妊婦・授乳婦」. 厚生労働省. 2024. [厚生労働省]
- [2] 早産・切迫早産. 公益社団法人日本産科婦人科学会. [日本産科婦人科学会]
- [3] 流産・切迫流産. 公益社団法人日本産科婦人科学会. [日本産科婦人科学会]
- [4] Fujimura M, Kusuda S, Kono Y, et al. 極低出生体重児NRNJデータベース VLBW(2003-2012)から得られたエビデンス Vol 1(2021改訂版). 新生児臨床研究ネットワーク. [NRNJ]
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