InstagramInstagram

妊娠9ヶ月(32〜35週)の胎児・赤ちゃんの大きさと内臓の発達|母体の変化・お腹の張り・体重増加・過ごし方

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

妊娠9ヶ月(32〜35週)の胎児・赤ちゃんの大きさと内臓の発達|母体の変化・お腹の張り・体重増加・過ごし方

妊娠9ヶ月(妊娠9か月)とは、妊娠32週0日から35週6日までの4週間のことです。赤ちゃんは皮下脂肪がついてふっくらし、体重はおよそ1,800gから2,300gへ増えていきます。お母さんの体は、大きくなった子宮に胃・膀胱・肺が押されて、胃もたれや頻尿、息切れが出やすくなります。そして、37週になる前に生まれると早産にあたるため、「規則的なお腹の張り」「出血」「破水」には気をつけたい時期でもあります。この記事では、日本人の最新の基準値をもとにした赤ちゃんの大きさ、母体の変化、体重増加の目安、過ごし方、すぐに連絡したいサインを、出典をつけて解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

📅 Q. 妊娠9ヶ月は何週から何週まで?

妊娠月数は4週を1か月として数えるので、妊娠9ヶ月は妊娠32週0日〜35週6日です。36週からが10か月(臨月)で、37週からが正期産です。妊婦健診は、この時期は2週間に1回が標準です。

👶 Q. 赤ちゃん(胎児)の大きさは?内臓はできている?

日本超音波医学会が2026年3月に公示した胎児超音波計測の基準値(JSUM2025)では、超音波で推定した体重の中央値は32週で約1,795g、35週で約2,282gでした。体のつくりはほぼできあがっていますが、肺や体温を保つ力などは成熟の途中で、37週未満の出生は早産として扱われます。

🤰 Q. お母さんの体はどう変わる?

大きくなった子宮が胃・膀胱・肺を押すため、胃もたれ、頻尿・尿もれ、動悸・息切れ、腰痛やむくみ、眠りにくさが出やすくなります。休むとおさまる張りは珍しくありませんが、規則的な張りや痛み、出血、破水はかかりつけの産婦人科にすぐ連絡します。

🛏️ Q. この時期の過ごし方で気をつけることは?

寝るときは横向きがすすめられています。妊娠28週以降に仰向けで寝ついた妊婦さんでは、後期の死産のリスクが高かったという研究があるためです。遠出や飛行機は主治医と相談し、入院の準備や産休の手続きを進めておきましょう。

🧬 Q. 妊娠9ヶ月でもNIPTは受けられる?

当院ではNIPTを受けられる時期の上限は設けておらず、妊娠36週で受けた方もいます。ただし、日本で人工妊娠中絶ができるのは「通常妊娠満22週未満」なので、9ヶ月では結果によって妊娠を続けるかどうかを選ぶことはできません。出産する施設の選び方や生まれたあとの準備にどう生かすかを、検査前の遺伝カウンセリングで考えます。

妊娠9ヶ月は何週? ― 32〜35週の位置づけ

妊娠9ヶ月は、妊娠32週0日から35週6日までです。妊娠の月数は、最終月経の始まった日を妊娠0週の始まりとし、4週を1か月として数えます。出産予定日は妊娠40週なので、9ヶ月はその1か月前から2か月前にあたります。

この時期は、医学的にはまだ「早産」の期間です。日本産科婦人科学会は、妊娠22週から36週までの出産を早産、37週から41週までの出産を正期産としています[4]。日本で早産になる割合は5.7%で、世界的に見ても少ない部類だと説明されています[4]。多くの赤ちゃんは正期産まで育ちますが、9ヶ月はその最後のひと月を、お腹の中でしっかり育ってもらう時期と考えるとわかりやすいでしょう。

📅 妊娠8〜10ヶ月の週数と呼び方

月数 週数 出産した場合の呼び方 妊婦健診の目安
8ヶ月 28週0日〜31週6日 早産 2週間に1回
9ヶ月 32週0日〜35週6日 早産 2週間に1回
10ヶ月(臨月) 36週0日〜39週6日 36週は早産、37週から正期産 1週間に1回

早産・正期産の区分は日本産科婦人科学会[4]、妊婦健診の間隔は厚生労働省が示す標準[5]によります。健診の間隔は、医師や助産師の指示があればそれに従います。

妊婦健診は、妊娠24週から35週までは2週間に1回、36週からは1週間に1回が標準です[5]。前後の時期については妊娠8か月の胎児と母体の特徴と妊娠10か月(臨月)の胎児と母体の特徴で、後期全体の流れは妊娠後期(28週〜40週)の症状と気をつけるポイントでまとめています。

妊娠9ヶ月の胎児(赤ちゃん)の大きさ・体重と内臓の発達

妊娠9ヶ月の赤ちゃんの推定体重は、32週で約1,800g、35週で約2,300g(中央値)です。1か月で500gほど増える計算で、この時期は体重がぐんと増えていきます。

週ごとの推定体重(日本人の最新の基準値)

下の表は、日本超音波医学会が2026年3月に公示した胎児超音波計測の基準値(JSUM2025)の週ごとの値です[1]。この基準値は、2023〜2024年に日本の7地域・54施設で単胎の妊婦さんを調べたデータから作られています[1]。日本で広く使われている篠塚の式で計算した推定体重のうち、中央値と、10〜90パーセンタイル(100人中、軽いほうから10番目〜90番目の範囲)を載せています。

👶 妊娠9ヶ月の赤ちゃんの推定体重(超音波・篠塚の式)

妊娠週数 中央値 10〜90パーセンタイル
32週 1,795g 1,551〜2,040g
33週 1,955g 1,688〜2,221g
34週 2,117g 1,828〜2,405g
35週 2,282g 1,971〜2,593g

週ごとの値(日本超音波医学会 胎児超音波計測の基準値 JSUM2025、2026年3月公示)[1]。篠塚の式による推定体重を計算できた2,939例のデータです。推定体重は超音波の計測値から計算する推定値で、実際の体重とは差が出ることがあります。

💡 用語解説:パーセンタイル

パーセンタイルは、同じ週数の赤ちゃん100人を軽い順に並べたとき、何番目にあたるかを表す数字です。50パーセンタイルが真ん中(中央値)です。10パーセンタイルを下回る・90パーセンタイルを上回るといった目安は、健診で発育を見るときの手がかりの1つで、それだけで病気かどうかが決まるものではありません。発育曲線の見方は胎児の成長曲線とは?で解説しています。

体つき・内臓はどこまで育っている?

9ヶ月の赤ちゃんは、皮下脂肪が増えて顔や体のしわが減り、ふっくらとした体つきになっていきます。体の主なつくりはほぼできあがっていて、お腹の中では羊水を飲んだり、呼吸のような動きをしたりしながら、生まれたあとに肺で呼吸し、腸で栄養を吸収するための準備を続けています。

ただし、肺の働きや体温を保つ力などは、まだ成熟の途中です。37週未満の出生が早産として扱われるのはそのためで[4]、9ヶ月で生まれた場合は、生まれた週数や赤ちゃんの状態に応じて新生児の医療が必要になることがあります。「もういつ生まれても大丈夫」と考えるより、正期産まであと少しお腹の中で育ててあげる時期と考えておくのがよいでしょう。

羊水の量はどのくらい?

羊水の量は、妊娠22週から39週までは大きくは変わらず、平均すると約777mLだったという報告があります[2]。ただし、この平均値だけで個々の妊婦さんの羊水量が正常かどうかを判断することはできません。羊水は、外からの衝撃をやわらげ、へその緒が圧迫されにくくし、赤ちゃんが手足を動かせる空間をつくっています。羊水が多い・少ないといわれたときは、その理由と今後の見通しを主治医に確かめてください。

胎動の感じ方

赤ちゃんが大きくなって子宮の中のすき間が減るため、9ヶ月になると、ぐるんと回るような大きな動きより、手足でぐっと押すような動きを感じることが多くなります。胎動は、赤ちゃんが元気かどうかを、お母さんが毎日自分で確かめられる大切なサインです。「いつもより明らかに少ない」「弱くなった」と感じたら、様子を見ずにかかりつけの産婦人科に連絡しましょう。毎日の数え方は胎動カウントってなに?はじめる時期とやり方を参考にしてください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「平均より小さい」と言われて不安なときに】

健診で「少し小さめですね」と言われると、心配になるのは自然なことです。けれども、推定体重は頭やお腹、太ももの骨の長さを測って計算した推定値で、測り方や赤ちゃんの姿勢でも変わります。また、正常な赤ちゃんでも、同じ週数で数百gの幅があることは、上の表の10〜90パーセンタイルの幅からもわかります。

臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、1回の数字ではなく、健診を重ねたときの「伸び方」で見ることです。数字の意味がよくわからないときは、遠慮せずに主治医に「この結果は、どのくらいの範囲に入っていますか」と聞いてみてください。それが、ご自身で状況を理解するための確かな材料になります。

妊娠9ヶ月の母体の変化とよくある症状

妊娠9ヶ月の体の変化の多くは、大きくなった子宮がまわりの臓器を押し上げることで起こります。どれも多くの妊婦さんが経験するものですが、中には受診が必要なサインもあるので、見分け方を知っておきましょう。

お腹の張り・お腹が痛い ― 前駆陣痛と切迫早産の見分け方

9ヶ月になると、お腹がかたくなる「張り」を感じる回数が増えます。横になって休むとおさまる、間隔がばらばらな張りは、この時期によくみられるものです。一方で、お腹の張りや痛みが規則的にくり返すときは、子宮の入り口が開き始めている「切迫早産」の可能性があります[4]。切迫早産と前後して、卵膜が破れて羊水が流れ出る「前期破水」が起こることもあります[4]。

張りが規則的、休んでもおさまらない、痛みが強くなる、出血や水っぽいおりものがある、といったときは、時間帯に関係なくかかりつけの産婦人科に電話で相談してください。仕事中によくお腹が張る場合は、主治医や職場の担当者に相談することもすすめられています[4]。詳しくは切迫早産とは?早産との違いや原因、症状、予防策と陣痛はいつくる?兆候や対応方法で解説しています。

頻尿・尿もれ

赤ちゃんの頭が下がってくると、子宮が膀胱を押して、トイレが近くなったり、くしゃみや咳で尿がもれたりしやすくなります。妊娠中のホルモンの影響や、骨盤の底で臓器を支えている筋肉(骨盤底筋)がゆるむことも関係します。トイレはがまんせず、心配なときは尿もれ用のパッドを使いましょう。骨盤底筋をゆっくり締めてゆるめる体操は、主治医や助産師に方法を確かめたうえで取り入れてください。排尿のときの痛みや発熱がある場合は、膀胱炎などの感染症のこともあるので受診してください。

動悸・息切れ・胃もたれ

妊娠中は体をめぐる血液の量が増え、心臓の負担が大きくなります。そこへ大きくなった子宮が横隔膜を押し上げるため、少し動いただけでも動悸や息切れを感じやすくなります。胃も押し上げられるので、1回に食べられる量が減ったり、胸やけや胃もたれが起きたりします。食事は少量を数回に分け、食べてすぐ横にならないようにすると楽になることがあります。安静にしていても息苦しい、胸が痛い、脈が速いままおさまらないときは、がまんせずに受診してください。

腰痛・恥骨の痛み・むくみ・眠れない

お腹が前にせり出すことで反り腰になり、腰や背中が痛くなりやすくなります。出産に向けて骨盤の関節がゆるむため、恥骨や足の付け根が痛むこともあります。夕方になると足がむくむ、夜中にトイレで目が覚める、お腹が重くて寝返りがつらい、といった理由で眠りが浅くなる人も少なくありません。抱き枕やクッションで体を支え、横向きで楽な姿勢を探してみてください(寝る向きについては後で説明します)。顔や手まで急にむくむ、頭痛や目のちかちかを伴うときは、妊娠高血圧症候群のサインのことがあるので、すぐに連絡してください。

妊娠9ヶ月の体重増加の目安 ― 何キロ増えていい?

妊娠中に増える体重の目安は、妊娠前の体格(BMI)によって変わります。日本産科婦人科学会が2021年3月に示し、厚生労働省の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」にも取り入れられた目安は、次のとおりです[6]。

⚖️ 妊娠中(出産まで)の体重増加の目安

妊娠前の体格 妊娠前のBMI 体重増加の目安
低体重(やせ) 18.5未満 12〜15kg
普通体重 18.5以上25.0未満 10〜13kg
肥満(1度) 25.0以上30.0未満 7〜10kg
肥満(2度以上) 30.0以上 個別対応(上限5kgまでが目安)

BMI=妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)。出典:日本産科婦人科学会「妊娠中の体重増加指導の目安」(2021年3月)、厚生労働省「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」(2021年3月)[6]。

この目安は「出産までに増える量」の合計です。9ヶ月の時点では、まだ増える余地を残していることになります。大切なのは、健診のたびに主治医から言われる増え方の目安に沿っているかです。9ヶ月はお腹が大きく動くのがおっくうになりやすい時期ですが、急に体重が増えたときは、食事の量だけでなくむくみ(体に水分がたまっている)が隠れていることもあります。逆に「増えないこと」を目標に食事を極端に減らすことも、赤ちゃんの発育のためにすすめられません。食事の選び方は妊娠中にOK/NGな食べ物で紹介しています。

妊娠9ヶ月の過ごし方と気をつけること

妊娠9ヶ月は、無理をせず体を休めながら、出産と産後の準備を進める時期です。ここでは、寝る姿勢、外出・旅行、性生活、仕事と入院の準備、健診で行う検査について説明します。

寝るときは横向きに ― 仰向けがすすめられない理由

妊娠後期は、左右どちらかの横向きで寝つくことがすすめられています。5つの研究(死産851例・対照2,257例)をまとめて分析した研究では、妊娠28週以降に仰向けで寝ついた妊婦さんは、左向きで寝ついた妊婦さんに比べて、後期の死産のオッズ(起こりやすさ)が約2.6倍でした[3]。右向きと左向きでは差がありませんでした[3]。

これは、仰向けになると大きな子宮が背骨のそばの太い血管を押し、子宮への血流が減ると考えられているためです。ただし、この研究は、死産が起きた方と起きなかった方の寝る姿勢を比べたもので、仰向けで寝たら死産になるという意味ではありません。夜中に目が覚めて仰向けになっていても、慌てずに横向きに戻せば大丈夫です。抱き枕を足のあいだにはさむと、横向きの姿勢が楽になります。

外出・旅行・飛行機はどこまで大丈夫?

9ヶ月の外出に「ここまでなら必ず安全」という決まった線はありません。近所の買い物や散歩など、すぐに帰れて、すぐに休める範囲の外出は、気分転換や運動不足の解消にもなります。一方で、早産の期間であることを考えると、長時間の移動や、分娩先からすぐに戻れない遠出は避けるのが無難です。出かけるときは、母子健康手帳、マイナ保険証または資格確認書、分娩先の連絡先を持っていきましょう(2026年11月時点)。

飛行機は、航空会社ごとに妊婦さんの搭乗条件が決まっています。たとえばANAの国内線では、出産予定日を含めて28日以内は医師の診断書が必要(搭乗日を含めて7日以内に発行されたもの)で、14日以内は医師の同伴も必要です[8]。出産予定日を妊娠40週とすると、この条件にかかるのは妊娠10ヶ月に入ってからです。往復する場合は、復路の日程にも注意してください。里帰り出産で飛行機を使う方は、主治医と航空会社に早めに確認してください。臨月の外出の範囲は妊娠10か月(臨月)のページで詳しく説明しています。

性生活はしてもいい?

妊娠の経過に問題がなく、主治医から止められていなければ、9ヶ月でも性生活をしてはいけないわけではありません。ただし、お腹を圧迫しない姿勢にし、強い刺激は避け、感染を防ぐためにコンドームを使いましょう。出血、破水、お腹の張りや痛みがあるとき、前置胎盤や切迫早産と言われているときは控えて、主治医に相談してください。体調や気持ちが乗らないときに無理をする必要はありません。

産休・里帰り・入院の準備

働いている方は、産休の時期を確かめておきましょう。労働基準法では、出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から、請求すれば産前休業を取れると決まっています(2026年11月時点)[7]。出産予定日が妊娠40週なら、34週から産前休業に入れる計算です。産前休業は本人が請求した場合に限られるため[7]、職場との手続きは早めに進めておくと安心です。

里帰り出産をする方は、帰省する時期を分娩先の病院とよく相談して決めてください。病院によって、妊娠何週までに一度受診してほしいかといった決まりが異なります。入院の準備(母子健康手帳・マイナ保険証または資格確認書・診察券・パジャマ・産褥ショーツ・赤ちゃんの退院着など)は、9ヶ月のうちにバッグにまとめておくと、急な入院にも慌てずにすみます。破水したときの対応は破水したかも?今すぐやることと見分け方にまとめています。

妊婦健診で行う検査

厚生労働省が示す標準的な妊婦健診では、妊娠24週から35週までの間に、血液検査(血算・血糖)、超音波検査、B群溶血性レンサ球菌(GBS)の検査をそれぞれ1回行うことになっています[5]。GBSは、お母さんの腟や腸に住んでいることがある細菌で、出産のときに赤ちゃんにうつらないよう、陽性の場合は分娩のときに対策をとります。実際の検査の時期や内容は、医療機関の方針や主治医の判断で異なります[5]。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【迷ったら「様子を見る」より「電話で聞く」】

9ヶ月は、張りや痛み、おりものの変化など、「これは連絡するほどのことだろうか」と迷う場面が増える時期です。夜中や休日だと、なおさら電話をためらう方もいるでしょう。けれども、早産の期間である9ヶ月では、受診が必要かどうかを電話で判断してもらうこと自体に大きな意味があると考えています。

連絡して「様子を見て大丈夫です」と言われたなら、それは安心という結果を得たことになります。迷ったときに相談できる先として、かかりつけの産婦人科の夜間・休日の連絡先を、今のうちにスマートフォンに登録しておくことをおすすめします。

妊娠9ヶ月ですぐに連絡したいサイン

次のような症状があるときは、次の健診まで待たずに、かかりつけの産婦人科(分娩先)にすぐ連絡してください。連絡するときは、妊娠週数、症状が始まった時刻、出血や破水の量・色を伝えると話が早く進みます。

🚨 すぐに連絡したい主なサイン

症状 考えられること
お腹の張りや痛みが規則的にくり返す 切迫早産・早産の始まり
水っぽいものが流れ出る・下着がぬれる 破水(前期破水)
性器からの出血 早産の兆候、胎盤のトラブルなど
お腹がかたく張ったままで強く痛む 常位胎盤早期剥離など
胎動が明らかに少ない・弱い 赤ちゃんの元気さの確認が必要
強い頭痛・目のちかちか・急なむくみ 妊娠高血圧症候群など

表は受診の目安を示したもので、診断ではありません。ここにない症状でも、いつもと違うと感じたら連絡してください。

とくに、お腹がかたく張ったまま強く痛む、出血を伴うときは、胎盤が赤ちゃんが生まれる前にはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」のことがあり、急いで対応が必要です。症状と原因は常位胎盤早期剥離とは?なりやすい人の特徴・予防法で解説しています。迷ったら電話で相談する、と決めておくことが、いちばんの備えです。

36週からは妊娠10ヶ月(臨月)です。次の月の赤ちゃんの様子と過ごし方は、妊娠10ヶ月(臨月・36〜39週)の赤ちゃんとお腹の変化でまとめています。

妊娠9ヶ月でもNIPTは受けられる?

当院では、NIPTを受けられる時期の上限は特に設けていません。これまでに妊娠36週で受けた方もいます。当院のNIPTは通常妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。東京・北青山の当院で受けられる検査の範囲と料金は、東京のNIPT(新型出生前診断)のページにまとめています。

ただし、上限がないことは、結果によって妊娠を続けるかどうかを選べるという意味ではありません。日本で人工妊娠中絶ができる時期は、厚生事務次官通知によって「通常妊娠満22週未満」とされています[9]。妊娠9ヶ月(32〜35週)は、すでにこの時期を過ぎています。この時期にNIPTを受けるかどうかは、結果を出産する施設の選び方や、生まれたあとの準備にどう生かすかも含めて、検査前の遺伝カウンセリングで考えていただくことになります。

妊娠の後期に、健診のエコーで気になることを言われたり、生まれる前に赤ちゃんの染色体のことを知って出産や生まれたあとの準備をしたいと考えたりする方もいます。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は確定検査で確かめることが前提です。当院でNIPTを受けた方は、陽性の場合も確定検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。受けられる時期の考え方はNIPTはいつからいつまで受けられる?で詳しく説明しています。

🏥 東京・北青山で受けるNIPT

当院のNIPTは受けられる時期の上限を設けていません。常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、陽性の場合も確定検査まで院内で受けられます。

まだ決めていない方は、調べられる範囲と費用を比べたページからご覧ください:NIPTの費用・料金

よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠9ヶ月は何週から何週までですか?

妊娠32週0日から35週6日までです。妊娠の月数は4週を1か月として数えます。36週からが妊娠10ヶ月(臨月)で、37週からが正期産です。

Q2. 妊娠9ヶ月の赤ちゃんの体重はどのくらいですか?

日本超音波医学会が2026年3月に公示した胎児超音波計測の基準値(JSUM2025)では、超音波で推定した体重(篠塚の式)の中央値は、32週で約1,795g、33週で約1,955g、34週で約2,117g、35週で約2,282gでした。同じ週数でも数百gの幅があり、健診では1回の数字より伸び方を見ます。

Q3. 妊娠9ヶ月で生まれても大丈夫ですか?

妊娠37週未満の出産は早産にあたり、9ヶ月(32〜35週)は早産の期間です。体の主なつくりはできていますが、肺の働きや体温を保つ力などは成熟の途中で、生まれた週数や赤ちゃんの状態によって新生児の医療が必要になることがあります。日本で早産になる割合は5.7%と報告されています。規則的な張りや痛み、出血、破水があれば、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡してください。

Q4. 妊娠9ヶ月でお腹がよく張るのは大丈夫ですか?

横になって休むとおさまる、間隔がばらばらな張りは、この時期によくみられます。お腹の張りや痛みが規則的にくり返す、休んでもおさまらない、出血や水っぽいおりものがあるときは、切迫早産や破水のことがあるので、時間帯に関係なくかかりつけの産婦人科に電話で相談してください。

Q5. 妊娠9ヶ月は仰向けで寝てもいいですか?

左右どちらかの横向きで寝つくことがすすめられています。5つの研究をまとめた分析では、妊娠28週以降に仰向けで寝ついた妊婦さんは、左向きで寝ついた妊婦さんに比べて後期の死産のオッズが約2.6倍で、右向きと左向きでは差がありませんでした。夜中に目が覚めて仰向けになっていても、横向きに戻せば大丈夫です。

Q6. 妊娠9ヶ月で旅行や飛行機に乗っても大丈夫ですか?

早産の期間なので、長時間の移動や分娩先からすぐに戻れない遠出は避けるのが無難です。飛行機は航空会社ごとに条件があり、たとえばANAの国内線では出産予定日を含めて28日以内は医師の診断書が、14日以内は医師の同伴も必要です。乗る前に主治医と航空会社に確認してください。

Q7. 妊娠中の体重は何キロ増えてもいいですか?

妊娠前のBMIで目安が変わります。出産までの増加の目安は、BMI18.5未満で12〜15kg、18.5以上25.0未満で10〜13kg、25.0以上30.0未満で7〜10kg、30.0以上は個別対応(上限5kgまでが目安)です。健診で主治医から言われる増え方に沿っているかを確かめましょう。

Q8. 妊娠9ヶ月でもNIPTは受けられますか?

当院では、NIPTを受けられる時期の上限は特に設けておらず、これまでに妊娠36週で受けた方もいます。当院のNIPTは通常妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。ただし、日本で人工妊娠中絶ができるのは厚生事務次官通知で「通常妊娠満22週未満」とされているため、9ヶ月では結果によって妊娠を続けるかどうかを選ぶことはできません。受けるかどうかは、結果を出産する施設の選び方や生まれたあとの準備にどう生かすかも含めて、検査前の遺伝カウンセリングで考えます。陽性の場合は確定検査で確かめることが前提で、当院でNIPTを受けた方は確定検査まで院内で受けられます。

関連記事

参考文献

  • [1] 日本超音波医学会 用語・診断基準委員会 胎児発育不全の診断に関する小委員会. 胎児超音波計測の新たな参照値の公表(JSUM 2025). 2026年3月27日公示. [日本超音波医学会](元になった研究:Nagasaki S, et al. Sci Rep. 2025;15:30560. [DOI 10.1038/s41598-025-14508-9])
  • [2] Brace RA, Wolf EJ. Normal amniotic fluid volume changes throughout pregnancy. Am J Obstet Gynecol. 1989;161(2):382-388. [DOI 10.1016/0002-9378(89)90527-9]
  • [3] Cronin RS, Li M, Thompson JMD, et al. An individual participant data meta-analysis of maternal going-to-sleep position, interactions with fetal vulnerability, and the risk of late stillbirth. EClinicalMedicine. 2019;10:49-57. [DOI 10.1016/j.eclinm.2019.03.014]
  • [4] 日本産科婦人科学会. 早産・切迫早産. [日本産科婦人科学会]
  • [5] 厚生労働省. 妊産婦健診|母性健康管理に関する用語辞典(働く女性の心とからだの応援サイト). [厚生労働省]
  • [6] 日本産科婦人科学会. 妊娠中の体重増加指導の目安(2021年3月8日). 厚生労働省. 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針〜妊娠前から、健康なからだづくりを〜(2021年3月).
  • [7] 厚生労働省. 労働基準法における母性保護規定|母性健康管理に関する用語辞典(働く女性の心とからだの応援サイト). [厚生労働省]
  • [8] ANA. 妊娠中のお客様(国内線)(2026年11月確認). [ANA]
  • [9] 日本医師会. 医の倫理の基礎知識 2018年版【生殖医療】D-5. 母体保護法とその問題点. [日本医師会]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断を示すものではありません。妊娠中の体調や受診の判断は、かかりつけの産婦人科にご相談ください。

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

記事の作り方と生成AIの使い方は、編集方針をご覧ください。