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妊娠中期(5~7か月) に気をつけること|週数別のからだの変化と過ごし方

妊娠中期(5~7か月) に気をつけること|週数別のからだの変化と過ごし方

妊娠中のアクティブな女性妊娠中期は、安定期に入り、一般的にはつわりも落ち着くため、出産に向けての小休止といったニュアンスがありますが、だからといって何も気にせず生活してもいいというわけではありません。

急激な体重増加は妊娠糖尿病のリスクを上げてしまい、赤ちゃんの発育に大きく影響を与えてしまいます。

妊娠中期の体の変化、生活の注意点を1週ごとに解説いたします。

妊娠中期(5~7か月) に気をつけること

妊娠16週目からは妊娠中期にあたります。つわりは落ち着き、体調が安定してくると同時に、胎盤が完成して赤ちゃんがへその緒からどんどん酸素と栄養を吸収し、成長していく時期です。

妊娠16週目

いよいよ妊娠中期のスタートです。妊娠16週目あたりからつわりも落ち着き、食欲の増進を感じる方が多いようです。
胎盤が完成し、赤ちゃんもへその緒を通じて栄養を吸収します。
急激な体重増加を避けるため、無理のない程度に運動するのも良いでしょう。

この週あたりから赤ちゃんの動きも活発になり始めます。骨が丈夫になり筋肉がついてきますので、ときどき上体をそらしたり、首を振ったり、手を握るしぐさをしたりします。その動きを胎動として感じると、新しい命が自分の中に宿っていることを感じられるでしょう。ただし胎動の感じ方には個人差がありますので、あまり感じられなくても心配しないでください。

妊娠17週目

妊娠17週目の赤ちゃんは平均体重140グラム・平均身長13センチほどで、洋ナシくらいの大きさになっています。お母さんの乳房やおしりもさらに膨らみ、からだつきの変化がみられます。人によってはバストが妊娠前より2カップもボリュームアップすることがありますので、ゆったりしたマタニティブラを身に着けましょう。

また、皮膚がのびるため、妊娠線ができたり、敏感肌の方はかゆみを感じたりすることが増えるかもしれません。十分な水分摂取とクリームなどでの保湿ケアを忘れないようにしてください。

また赤ちゃんが生まれてきたあと、相談に乗ってくれる小児科の先生を探し始めるのにも良い時期です。体調が良いときに情報収集をしてみましょう。

妊娠18週目

18週目には赤ちゃんのからだにさまざまな変化が生じます。例えば、指に指紋が形成され始めたり、耳が突き出てきたりします。また、栄養を消化するための胆汁を出す胆のうが機能し始めるのもこの週です。

この週あたりから足のこむら返りに悩まされる方も多いようです。特に寝ているときに症状が出ることがありますので、就寝前に家族にマッサージをしてもらうと良いかもしれません。

また妊娠中に大切な栄養素、オメガ3脂肪酸の摂取も心がけましょう。オメガ3脂肪酸は、赤ちゃんの神経組織の発達を助けたり、お母さんの免疫力を高め、うつ症状を予防したりする効果があります。オメガ3脂肪酸であるEPAとDHAはサケ、マグロなど脂の多い魚や、貝類などに多く含まれています。そのほかクルミにも豊富に含まれていますので、おやつに食べるのもおすすめです。

妊娠19週目

赤ちゃんが男の子か女の子かで成長の仕方は大きく変わってきます。男の子なら精巣が形成され、外性器が発達、女の子なら膣や子宮、卵管が形成されます。また、早産で生まれる赤ちゃんには胎脂がついていることがありますが、羊水から赤ちゃんの肌を守る機能をもつクリーム状の胎脂が作られ始めるのもこの週あたりです。

妊娠19週目は妊娠期間全体の折り返し地点ともいえますが、この前後に背中の痛みを経験する方も多くいます。その原因はおもに子宮が大きくなり、背中の筋肉が引っ張られることや、ホルモンバランスの変化です。赤ちゃんのことを考えると、できるだけ安静していたい気持ちもあるかもしれませんが、ウォーキングやヨガ、水泳など適度な運動は赤ちゃんにとっても、お母さんにもとっても大きなメリットがあります。積極的に取り入れましょう。

妊娠20週目

赤ちゃんのからだにますます変化が生じます。鼻が形成され、顔つきがだんだんとはっきりしてくるのもこの週あたりです。耳で周りの音も聞いています。

妊娠20週目のエコー検査では、赤ちゃんの成長を目で見て確認することができます。写真をもらったら、記念として保存しておきましょう。もし、性別がわかるようでしたら、どんな名前にするのかパートナーと考え始めても良いかもしれません。

この時期にはホルモンバランスの変化や、お腹が腸を圧迫することで便秘になることがあります。水分や食物繊維が多く含まれている海藻・キノコ類の摂取を心がけてください。

妊娠21週目

赤ちゃんの手と足がしっかりと形成され、指をしゃぶり始めるのがこの時期です。心臓も一生懸命働き、心拍数は1分間あたり120~160回。これは成人の約2倍ものスピードです。

胸やけを感じることが増えるお母さんもいますが、原因はホルモンの影響で食道と胃の間の筋肉弁が弱くなり、胃酸が逆流して食道が炎症を起こすためです。脂肪や香辛料が多く含まれている食事をできるだけ避けたり、食後すぐに横にならないようにしたり、工夫して対処してください。

妊娠22週目

この頃の赤ちゃんの平均体重は450グラム・平均身長は19センチほどです。赤ちゃんはおしゃぶりするなど触覚を刺激しながら、急速に脳を成長させています。

この時期になると、お母さんの心臓は赤ちゃんに酸素や栄養を供給するために妊娠前と比較して30~50%ほど多くの血液を送り出しています。心臓に負担をかけているため、動悸や息切れを感じることも少なくありません。心配しすぎる必要はありませんが、気になるようでしたら主治医に相談しましょう。

妊娠23週目

妊娠23週目は妊娠6か月の最後の週です。この頃には赤ちゃんの動きも活発で、ほとんどのお母さんが胎動を感じられ、赤ちゃんが元気に成長していることを実感できるでしょう。胎動を数えてみるのも良いかもしれません。もし、胎動があまりに少ないようなら、主治医に相談する必要があります。

妊娠20週目以降には妊娠高血圧症候群がみられることがあります。目のかすみ、頭痛、呼吸不全、手足のむくみなどの症状が現れたらすぐに診察を受けましょう。そのまま放置すると、赤ちゃんに送られる血液量が減少したり、お母さんのからだに悪影響を与えたりする場合があります。

妊娠24週目

24週目になるとお腹の中の赤ちゃんの活動はますます活発に。お母さんはこれまで以上に強い胎動を感じるはずです。胎動を感じないときは赤ちゃんが眠っているときと考えて良いでしょう。主治医の指示で胎動をカウントするときは10回の胎動を感じる時間を毎日計測し、赤ちゃんの動きが少ないなど心配なことがあったらすぐに主治医に相談しましょう。

この頃のお母さんによくみられる症状として、円靭帯(腹部やお尻部分)の痛みが挙げられます。これは子宮を支える靭帯が引っ張られることが原因です。ストレッチで解消する方も多いようですので、試してみてください。

妊娠25週目

赤ちゃんはますます大きくなり、まるまると成長していきます。耳もしっかりと聞こえていますので、名前を呼んであげたり、音楽を聴かせてあげたりすると音に反応して赤ちゃんがお腹の中で動くのがわかるでしょう。また、マタニティクラスを探し、申し込みを済ませるなど出産に向けての準備を進めておくのも良いかもしれません。

妊娠25週目以降、人によっては坐骨神経痛がひどくなります。これは子宮が大きくなることで坐骨神経を圧迫していることが原因です。薬で痛みは和らぎますが、赤ちゃんに与える影響が不安なときは主治医に相談してください。

妊娠26週目

この頃、赤ちゃんの肺は肺サーファクタントと呼ばれる界面活性剤を作り出し、出生後最初の呼吸の準備をしています。大きさもすでに平均体重900グラム、平均身長23センチほどです。

この時期には前駆陣痛と呼ばれる子宮の収縮により、痛みや圧迫感を感じるお母さんもいます。水分をしっかり摂ることで症状を和らげることができるようです。

出産方法や分娩時に病院側にどう対応してほしいかを前もって考えることをバースプラン(出産計画)といいます。この頃までに考え始めると良いでしょう。バースプランを考えたら、パートナーや主治医、医療スタッフとも共有しておきます。プラン通りにいかなくなることもありますが、希望を共有しておくことで不安は減るでしょう。

妊娠27週目

妊娠27週には4か月以上ずっと閉じていたまぶたが開き始め、お腹の中でも光を感じることができるようになります。妊娠期間も終わりに近づくこの時期は、痛みに悩まされることも多いためストレスや不安を抱えることも多いでしょう。対処法としては水泳などの適度な有酸素運動がおすすめです。

27週目以降にけいれんの症状が現れた場合は、早期陣痛の可能性がありますのですぐに主治医に相談しましょう。

まとめ

妊娠中の幸せそうな女性
妊娠中期には赤ちゃんは毎日急速に成長しています。特に胎動が始まって以降、お母さんは新しい命が自分の中に宿り成長していることを実感できるでしょう。ただし、それだけお母さんのからだにも多くの負荷がかかっているともいえます。元気な赤ちゃんを産むためにも、気になることがあればすぐに主治医に相談しましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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