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妊娠8か月の胎児と母体の特徴と準備すべき産後に必要なもの

妊娠8か月の胎児と母体の特徴と準備すべき産後に必要なもの

妊婦さんのおなかいよいよ妊娠後期に差し掛かる妊娠28週、妊娠29週、妊娠30週、妊娠31週である妊娠8か月は、頻繁にお腹が張るようになり、母体はお産に向けた準備を始めます。

赤ちゃんも、外の世界に出る準備が完了する頃で、万が一この時期に産まれてしまっても、自力で呼吸をできるくらいまで成長しています。

この時期にまだ入院の準備や産後の準備をしていないという方は、最終チェックも兼ねて入院、産後の準備を行いましょう。

この記事では、妊娠8か月の胎児と母体の特徴と、準備すべき産後に必要なものをご紹介します。

妊娠8か月の状態を知りたい方、出産準備の最終確認をしたい方は是非参考にしてみて下さい。

妊娠8か月の胎児

胎児のイメージ画像
妊娠8か月の胎児は頭殿長が39~43cm、体重は1,000~1,900gにまで成長しています。脳の神経回路は新生児と同じくらいまで進み、この頃の胎内の記憶があるという赤ちゃんもいるので、ママはたくさん赤ちゃんに話しかけて、誕生を心待ちにしているという時期でもあります。

まずは、妊娠8か月の胎児の特徴をご紹介します。

臓器の形が整う

妊娠8か月頃には、赤ちゃんの心臓や肺、肝臓といった内臓器官が完成に近づき、それらは細かい部分までしっかり形を作り、超音波検査では心臓の右心房、右心室、左心房、左心室をはっきり確認することができます。

脳の神経回路は産まれたばかりの新生児と同じくらいまで進化し、外の世界で呼吸をする準備や、腸の消化機能、体温調節などもできるように赤ちゃんのさまざまな器官が発達してきています。

頭が下の状態で落ち着く

妊娠7か月の頃は、赤ちゃんは羊水の中でくるくる回転しているので、検診のときに逆子状態になっていることがあったり、外から触ったときに頭が上にあるのでは?と不安になったりすることもあります。

しかし、妊娠8か月頃にはほとんどの赤ちゃんが頭を下にした状態で落ち着きます。体の中で一番大きな頭を骨盤内におさめることで、赤ちゃんも出産の準備に入るのです。

ただし、原因は明らかになっていませんが、前置胎盤や多胎妊娠、胎児の発達遅延などが起きていると、逆子のリスクは高くなると言われています。この時期にまだ赤ちゃんが逆子である場合は、医師と相談しながら逆子体操を実施することもあります。逆子体操は母体への負担も大きいとされているので、自分の判断で行うのではなく、必ず医師の指示によって行うようにしましょう。

妊娠8か月の母体

妊婦さんのおなか
妊娠8か月になると、立ちっぱなしなどで忙しく動いている妊婦さんはお腹が張りやすくなります。また、お腹が大きいことで座っていても寝ていても苦しいような状態になることもあり、辛い時期を過ごす方もいますが、赤ちゃんに会えるまでもう少しの辛抱です。

ここからは、妊娠8か月の母体の特徴についてご紹介します。

甘いものが欲しくなる

妊娠後期のお腹の中の赤ちゃんはたくさんの栄養を必要としています。赤ちゃんはブドウ糖をエネルギー源としていて、胎盤を通じて赤ちゃんに栄養が送られると、母体は足りなくなった糖分を補うために甘いものを欲します。

しかし、ここで甘いものを食べ過ぎてしまって体重を増やさないよう、引き続き体重管理には十分注意が必要です。

甘いものが食べたくなったときには、チョコレートやケーキなど砂糖が多く含まれているものは避け、血糖値や体重が上昇しにくい果物や、ブドウ糖のみを摂取できる飴などを舐めて対処するようにしましょう。

妊娠高血圧症候群に注意

妊娠高血圧症候群「妊娠20週以降、分娩後12週まで高血圧がみられる場合、または高血圧に蛋白尿を伴う場合のいずれか」とされていて、妊娠後期にかけて発症する可能性のある疾患です。

血圧が高くなることに加えて、目がかすむ、頭痛がするなどの症状が起こり、以下のような合併症を起こす可能性があります。

  • 胎児発育不全
  • 胎盤早期剥離
  • 脳出血
  • 子癇発作

高年齢や肥満、内科的合併症を持っている妊婦さんなどは妊娠高血圧症候群を発症しやすいとも言われていますが、妊娠高血圧症候群は早期発見することによって、上記のような合併症を防ぎ、早期に対応できる可能性が高まります。

妊娠後期になっても、母体に起こるちょっとした変化や血圧の変化には日々気を配り、少しでも異変を感じたら医師に相談するようにしましょう。

準備すべき産後に必要なもの

妊婦さんと胎児のエコー写真
妊娠8か月になると、いよいよ入院の準備や赤ちゃんを迎える準備を滞りなく進めておく必要があります。出産してからでは準備が間に合わなかったり、赤ちゃんと一緒に買い物をするのは困難なので、この時期までには必要なものを揃えるようにしましょう。

ここからは、準備すべき産後に必要なものをご紹介します。

入院の準備

入院の準備は、一つのバッグに荷物を詰めておき、いつ出産となってもそのバッグを持っていけば良いように準備しておきましょう。

ほとんどの病院で入院の際に必要な物をリストとして渡してもらえるので、リストに沿って漏れの無いよう必要なものを揃えましょう。

準備リストの中には、産褥ショーツや母乳パッドなど、初産婦さんには聞きなれないものも多くありますが、これらは入院中に必ず必要なものとなります。

パジャマは前開きのものが入院先での検診を受ける際や、授乳をする際には便利です。授乳用のブラジャーも入院前から揃えておくと、退院後も引き続き使うことができるので準備しておきましょう。

授乳用品

「絶対に母乳で育てるからミルクはいらない!」と考えているママも、赤ちゃんに必要な量の母乳が出ない可能性も否定できません。最低でも1つは哺乳瓶を用意しておきましょう。

また、哺乳瓶を洗う用のスポンジや、消毒セットなども必要です。消毒は電子レンジを使って行うもの、薬剤に浸けるものとさまざまなタイプがあります。

反対に、母乳が出すぎてしまい困るというママもいます。必ず用意が必要なものではありませんが、そのような場合は退院後に搾乳機の購入が必要になる場合もあります。

おむつ

おむつには布おむつと紙おむつがあり、ママの好みや赤ちゃんの肌の状態によって使い分けます。

新生児用のおむつは産まれた赤ちゃんの大きさによって、すぐ使わなくなってしまう場合もあるので、あまり大量に準備しないようにしましょう。

おむつを捨てる蓋付きのバケツもあると便利です。意外とたくさん使うのはおしりふきで、おしりふきにはサイズはないので長く使うことを考えると、箱で購入するのもおすすめです。

ベビーウェア

赤ちゃんが着る衣類は短肌着と長肌着で、前で紐を使って止めるような肌着が一般的です。

季節によって着用する枚数も変わってきますが、夏でも冷房対策として肌着を着せてからツーウェイオールなどを着せるのが一般的です。

また、新生児のうちは赤ちゃんが自分の手で顔や目を引っ掻いて傷だらけになってしまうこともあります。爪をいくら短く切っても防ぎきれないことがあるので、その場合は赤ちゃんの手にミトンをはめてあげると安心です。

ベビーカーや抱っこ紐

赤ちゃんと初めてのお出かけは、おそらく退院後の1か月検診です。そのときまでに、ベビーカーや抱っこ紐、チャイルドシートなど赤ちゃんを外に連れていくために必要なグッズを揃えておきましょう。

ベビーカーはA型とB型があり、新生児から使えるタイプと腰がすわってから使えるタイプに分かれているのですが、物によってはたたむのが大変、場所をとるなど買ってから後悔することにもなり兼ねないので、しっかりリサーチのうえ購入するのがおすすめです。

抱っこ紐は、肩や腰に負担がかからないタイプを1つ持っておくと非常に便利です。新生児から使えてママやパパが楽に赤ちゃんを抱っこできるアイテムを選びましょう。

まとめ

妊娠8か月の胎児と母体の特徴と、準備すべき産後に必要なものをご紹介しましたが、参考になりましたか?

妊娠8か月は妊娠後期に入り、超音波検査以外でもお腹に手を当てると赤ちゃんをしっかり感じることができます。母体は大きなお腹で過ごすことが大変な時期でもありますが、楽な体勢を見つけつつ、無理のないように入院の準備やベビー用品の準備を始めてみましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら