NIPTは医療費控除の対象?初検査で知っておきたい5つのポイント

NIPT医療費控除の対象となるのでしょうか?検査で知っておきたい5つのポイントをご紹介いたします。
妊娠・出産は女性にとって重大なライフイベントです。
子供と一緒に暮らす新たな人生に対する期待感が大きい一方「我が子を健康体で授かることができるのか?」「出産費用は足りるのか?」という不安に駆られることもよくあります。
妊娠後に胎児の染色体異常や遺伝子異常を調べられる出生前診断がありますが、現在は「NIPT」というとても優れた診断方法があり、妊婦さんが抱える不安を緩和させる方法として普及してきています。
この記事では、胎児の先天異常を早期発見に導くNIPTの特徴や医療費控除の対象になるのかをご説明した後、初めてNIPTを受ける方に知っていただきたい3つのポイントをご紹介していきます。

NIPTとは?

NIPTは、母体から採血した血液から胎児に先天異常があるかどうかを高精度で調べることができる出生前診断です。

一般的に妊娠10週0日目から(ミネルバクリニックではメニューにより9週、10週、11週からとなります)受けることができ、母体の血液を通して染色体異常を調べ、従来の血液を用いた診断よりも高精度でダウン症候群などのリスクがあるか検査することができます。

新型出生前診断や非侵襲的出生前スクリーニングとも呼ばれることがあり、胎児が特定の遺伝子異常を持っているかどうかを突き止めることができます。

NIPTで検査できる赤ちゃんの異常

NIPTでは主に以下のような胎児の染色体障害のリスクとなる染色体の余分なコピーと欠失コピーを探索することができます。

  1. ダウン症候群のリスク:トリソミー21、21番染色体の余分なコピー
  2. トリソミー18のリスク:18番染色体の余分なコピー
  3. トリソミー13のリスク:13番染色体の余分なコピー

これらに加えてX・Y染色体(性染色体)の余分なコピーと欠失コピーの探索が可能です。

採血だけで検査が済むため、胎児を傷つけない非侵襲的な検査という点は妊婦さんにとって大きな安心を与えることでしょう。

NIPTは医療費控除の対象になるのか?

初めての妊娠は、出産までにどのくらいの費用がかかるのが不安になってしまうものです。

出産費用が国の補助によって軽減されることをご存知の方は多いと思いますが、NIPTは医療費控除の対象になるのかを詳しくご説明します。

医療費控除とは

国が医療費の一部を控除するという医療費控除は、1年間で一定以上の医療費を支払った際に、確定申告を通して所得税の一部が還付金として戻ってくるという仕組みになっています。

妊娠、出産にかかった医療費は健康保険の対象外となりますが、医療費控除によってその負担を軽減することができます。
ただし、自動的に負担が軽減させるわけではなく、必ず医療費を支払った翌年の確定申告で正しい申告をする必要があるので注意しましょう。

妊娠や出産における医療費控除

一般的に、正常分娩では50万円ほどの出産費用が必要とされ、その金額は病院によっても異なってきます。
経済的に余裕がないご家庭では出産費用が大きな悩みの種にもなりかねませんが、国からの支援となる医療費控除でその費用を最小限に抑えることができます。

所得が200万円以上の妊婦さんを例とした具体的

分かりやすく、所得が200万円以上の妊婦さんを例とした具体的な医療費控除額についてご説明します。
医療費控除額は「1年間で支払った医療費」+「補助金」-「10万円」で算出することができます。
1年間で支払った医療費が出産費用55万円・歯科1万円・内科2万円・出産育児一時金(補助金)が40万円だった場合、
55万円+1万円+2万円-40万円-10万円=8万円
このような計算となり、8万円の医療費控除を受けることができます。かなり大きな減額となるので、忘れずに確定申告を行うようにしましょう。

NIPTは医療費控除対象外

妊娠中にNIPTを受けた場合、医療費控除になるのか気になる方は多いと思いますが、実はNIPT医療費控除対象外となります。

国税庁の見解では、人間ドックや健康診断のような疾病の治療を伴わないものは、医療費控除の対象にならないとしています。

NIPTは胎児の染色体異常を検査するものであり、あくまで診断の一種とされています。

万が一染色体異常が発見されたとしても、そこから治療に繋がらないことが医療費控除の対象外の理由となっています。
また、羊水検査も治療に繋がらないという同じ理由で医療費控除の対象外になっているので覚えておきましょう。

初検査で知っておきたい3つのポイント

ここからは、妊婦さんの出産に対する不安を緩和させるNIPTを、初めて検査される方に向けた知っておきたい3つのポイントをご紹介していきます。

胎児を傷つけない検査の秘密

NIPTの大きなメリットは母体の中の胎児を傷つけるリスクが全くなく、安全に遺伝子異常を調べられるというものです。

妊娠中の母体を流れる血液には母体の細胞、そして胎児の細胞にあるセルフリーDNA(cfDNA)と呼ばれるDNAの小さい断片が浮遊しています。

母体と胎児を繋いでいる胎盤の細胞DNAは通常、胎児のDNAと同じですが、胎盤のcfDNAを分析すれば胎児を一切傷つけることなく特定の遺伝子異常を発見することができます。

NIPTが誕生する前は、染色体疾患や遺伝子疾患などの診断に、羊水穿刺や絨毛採取を用いたリスクが伴う細胞の直接採取検査がされていました。

羊水穿刺では約0.3%、絨毛採取では約1%で流産を引き起こす可能性あり、母体の腸管の損傷や感染などの合併症のリスクも伴います。

そのため、非侵襲的な検査の研究が進められ、安全な非侵襲的出生前スクリーニング・NIPTが重宝される時代となりました。

NIPTで診断できること

生まれてくる赤ちゃんの約3%に先天異常があるとされています。そのうちの80%は原因不明ですが、15%は染色体異常、4%は遺伝子異常があり、NIPTで染色体異常による疾患や遺伝子異常による疾患を早期発見することが可能です。

染色体異常の中でも大半を占めるダウン症候群(21トリソミー)、次に多いエドワーズ症候群(18トリソミー)やパトウ症候群(13トリソミー) といった染色体異常の発見に繋がるため、お腹の中の赤ちゃんが健やかに生まれてくれるか心配で眠れない妊婦さんはNIPTを受けてみる価値があります。

また、現在は常染色体劣性遺伝性疾患、X連鎖性疾患を持つ赤ちゃんの一部に起こる新生突然変異も分かるようになっています。

全ての先天性疾患が分かるわけではありませんが、技術の進歩とともに発見できる疾患の幅も広がってきているのが現状です。

年齢制限など診断を受けられる条件

安全かつ高精度な出生前診断ができるNIPTは、日本医学会の認定施設と認定外施設では診断を受けられる条件が異なります。

条件認定施設認定外施設
年齢制限35歳以上制限なし
時期10週0日目~※10週0日目~

認可施設でNIPTを受ける場合、35歳以上の妊婦で妊娠10週目0日からという条件をクリアしていなければなりません。

また、認可施設の場合「胎児超音波検査や母体血清マーカー検査で染色体異常の可能性が示唆された」「過去に染色体異常を持つ児を妊娠した経験がある」などの条件も加わるため、誰でも簡単にNIPTを受けというわけではありません。

一方、認定外施設では年齢制限を設けておらず、一般的に妊娠10週0日という条件をクリアしていればNIPTを受けることができます。

ミネルバクリニックの場合はさらに診断のハードルが下がり、妊娠9週0日目からNIPTを受けることができます。ミネルバクリニックでは、過去に28歳の妊婦さんの18トリソミーを発見した実績もあります。

認定施設と認定外施設を比較すると認可外の方が診断条件は緩いですが、NIPTはとてもデリケートな診断になります。

遺伝子に関する専門知識を持つドクター、そして豊富な実績を持つ医療機関を選ぶことをおすすめします。

まとめ

NIPTは、従来の羊水穿刺や絨毛採取などに伴う流産などのリスクを回避できる画期的な出生前診断で、妊婦さんやその家族の不安を取り除くために重宝されています。

NIPTはあくまで診断の一種とされ、医療費控除の対象にはなりませんが、染色体の余分なコピーと欠失コピーから染色体異常を発見するその検査はとても精度が高く、現在もその技術は進歩し続けています。

これから初めてNIPTを受けることを考えていらっしゃる方は、大学病院レベルの遺伝専門医(院長)が認定施設外で提供する唯一のクリニック「神宮外苑ミネルバクリニック」があります。

ミネルバクリニックは世界的にも最新鋭の検査が提供可能で、オンライン診療で全国展開しています。出産が怖いと不安を抱いている方に心に寄り添うような手厚いサポートができますので、いつでもお気軽にご相談ください。

臨床遺伝専門医によるNIPT

NIPT・新型出生前診断(新型出生前検査)関連記事|NIPTとその費用

NIPTは医療費控除の対象?初検査で知っておきたい5つのポイント

NIPTの費用は医療費控除できるのか?

NIPT・新型出生前診断(新型出生前検査)関連記事|NIPTとライフプラン(人生計画)

出生前診断の費用とファイナンシャルプランニング

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

仲田洋美(医師)

プロフィール

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

さらに詳しいプロフィールはこちら