InstagramInstagram

NIPTで陽性になったら?その後のフローを解説

NIPTで陽性だった場合、多くの方は不安な気持ちでいっぱいになってしまいます。しかし、NIPTの判定結果が陽性だったからといって、染色体異常が確定したわけではありません。

本記事では、NIPTで陽性になったときにどうすれば良いのかを解説します。当院のアフターサポートについてもご紹介していますので、参考にしてみてください。

NIPTの陽性は、何を意味しているのか

NIPTの陽性は、陽性と指定された疾患のリスクが高いことを示しています。しかし、結果は確定的なものではありません。患者さんは羊水検査絨毛検査などの確定検査を受ける必要があります。

また、NIPTの陽性は胎児に影響があることを示す場合もありますが、影響のない妊娠、限局性胎盤モザイク症、胎盤および胎児モザイク症、バニシングツイン、母体の未認識の状態、またはその他の未知の生物学的発生の場合には、偽陽性*1 を示すこともあります。

*1 偽陽性:NIPTの検査結果が陽性となり、染色体異常のリスクがあると示唆されたにも関わらず、確定検査の結果胎児に染色体異常が存在しない場合

NIPTで陽性になったときに行う確定検査とは

では、確定検査とは具体的にどのような内容なのでしょうか。羊水検査と絨毛検査のそれぞれを確認していきましょう。

羊水検査とは

羊水検査は母体のお腹に「穿刺針(せんししん)」という針を刺し、羊水を採取して赤ちゃんの染色体を調べる検査のことです。赤ちゃんの皮膚の細胞が剥がれ落ちて含まれている羊水を直接検査できるため、胎児の染色体や遺伝子を調べることができます。

ダウン症候群エドワーズ症候群18トリソミー)、パトー症候群13トリソミー)、ターナー症候群モノソミーX)、トリプルエックス症候群トリソミーX)、クラインフェルター症候群などの染色体異常を検査できます。

確定検査として多くの医療機関で実施されている羊水検査ですが、誰でも受けられるわけではありません。羊水を採取する過程で、わずかですが流産や破水のリスクがあるためです。
羊水検査を受けられるのは、以下の条件に当てはまる方に限定されます。前置胎盤等があると、針をさせる場所がなくて羊水検査できないという場合もあります。

  • NIPT(出生前診断)の結果が「陽性」である
  • 近親者に染色体異常の人がいる
  • 染色体異常児を出産した経験がある
  • 高齢出産である

しかし、羊水検査は任意の検査です。上記の条件に該当した場合でも、実際に検査を受けるかどうかは個人の判断に委ねられます。
羊水検査が受けられる期間は、羊水の量が増えて安全に羊水を摂取できるようになる妊娠16〜18週頃までが一般的です。18週までとされているのは、羊水検査の結果がでるまでに少なくとも2〜3週間を要するためです。
万が一陽性だったとき、「今後のことを考えられるように」と、18週頃までの検査が推奨されています。しかし、中絶可能な週数を過ぎていても、赤ちゃんの状態を知るために羊水検査が行われる場合もあります。

なお、羊水検査はNIPTと同様の自費診療です。検査費用は医療機関によって異なりますが、15万円前後で設定しているところが多い傾向です。羊水検査は、ごくわずかですが流産のリスクがある検査です。パートナーや医師とよく相談したうえで、検査を行うか検討しましょう。

羊水検査については、こちらの記事で詳しく解説しています。

絨毛検査とは

絨毛検査は、胎盤から絨毛の細胞を採取して赤ちゃんの染色体異常を調べる確定検査です。絨毛検査の方法は、経腹法(けいふくほう)と・経腟法(けいちつほう)の2つに分類されます。
絨毛検査でわかる染色体異常は羊水検査と同様、ダウン症候群、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)、ターナー症候群(モノソミーX)、トリプルエックス症候群(トリソミーX)、クラインフェルター症候群となります。
絨毛検査も、受けられる妊婦さんに条件がありますが、羊水検査と同じと考えてよいでしょう。

  • NIPT(出生前診断)の結果が「陽性」である
  • 近親者に染色体異常の人がいる
  • 染色体異常児を出産した経験がある
  • 高齢出産である

絨毛検査は妊娠第11週〜第14週まで検査可能で、検査後2~3週間ほどで検査結果がわかります。早いところではその日のうちに大まかな検査結果が出せるクリニックもあります。流産のリスクが羊水検査の0.3%に対し、1%と高くなってしまうのがデメリットです。
絨毛検査の費用は、12万円から27万円とかなり幅があり、リスクが高まるため、羊水検査ほど実施している医療機関は多くありません。絨毛検査を受けたい方は、どの医療機関で実施しているかをきちんとリサーチする必要があります。

絨毛検査については、こちらの記事で詳しく解説しています。

羊水検査と絨毛検査はどちらがいいのか?

どちらも確定検査ですが、より精度の高い検査を行いたい方には羊水検査が適しているでしょう。羊水には赤ちゃん自身の細胞が浮遊しており、より赤ちゃんの染色体や遺伝子異常を確実に診断できるためです。絨毛検査でモザイク(染色体異常と正常の細胞が混在している)という結果が出た場合、羊水検査をしないと赤ちゃんの状態は分りません。

できるだけ早く結果を知れることにメリットを感じる方には、絨毛検査がおすすめです。絨毛検査は、妊娠第11週から第14週の間に行われ、妊娠15週〜18週頃に検査が実施される羊水検査よりも早く受検することができます。早期に受検できることで、パートナーやご家族、医師と今後のことについて慎重に話し合ったり、赤ちゃんを迎え入れる準備ができたりするでしょう。

確定診断については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

陽性の場合を考えて余裕を持ったスケジュール管理を

NIPTを受けるタイミングは、陽性だった場合を想定してできる限り早い方が良いでしょう。具体的には、妊娠9〜10週がおすすめです。NIPTで陽性の結果が出た場合に、確定検査を受検するかどうか検討期間を確保することができます。
ここでは、理想的なスケジュールをご紹介します。

<妊娠8週にNIPT予約をする場合のスケジュール>

妊娠8週 4月1日(8週0日) NIPT予約
妊娠9週 4月8日(9週0日) NIPT実施
妊娠9~10週 4月17日(10週2日) NIPT検査結果受け取り(陽性の場合は確定検査の受検の検討・予約)
妊娠15週 5月20日(15週0日) NIPT陽性の場合は確定検査実施
妊娠18週 6月10日(18週0日) 確定検査結果受け取り

NIPTの受検が遅れると、確定検査の結果を受け取るのも遅くなります。
たとえば、NIPT実施が妊娠11週の4月22日だった場合、確定検査結果を受け取れるのは、妊娠20週の6月24日です。
人工妊娠中絶の判断をする場合は、21週6日までに手術を行う必要があります。自身や赤ちゃんのことを考え、後悔のない判断をするために、余裕をもったスケジュール管理でNIPTを受検することがおすすめです。

ミネルバクリニックで受けたNIPTの結果が陽性だった場合

NIPTで陽性結果がでたとき、多くの医療機関では確定検査を受けるよう勧められるでしょう。
しかし当院では、必ずしも羊水検査と絨毛検査を受けるだけが最良の答えであると認識していません。羊水検査を希望しない女性に対して専門家がその強い立場を利用して『強要』することは、出産に関する女性の自己決定権という大事な人権を侵害することだと考えているからです。
羊水検査や絨毛検査を受検後に、NIPTと同様の結果が出て中絶を選んだ場合、処置は初期中絶と違って肉体的な負担が大きくなります。さらに12週以降の中期中絶では、赤ちゃんの法的な死亡手続きをとる必要があります。
そのため、当院では精神的なケアを第一に考え、アフターフォローに力を入れています。よき相談相手になれるようにと考え、当院で検査を受けて陽性が出た場合は臨床認定遺伝専門医がその後の相談をずっと受け付けます。一人で悩まず、一緒に患者様にとって最良の答えを見つけていきましょう。

アフターサポートについて

ミネルバクリニックでは、少しでも患者様の精神的負担を減らしたいという思いから、アフターサポートにも力を入れています。
実施しているアフターサポートは、以下のとおりです。

  • 羊水検査の費用を15万円まで負担
  • 羊水検査を受ける病院を紹介
  • 24時間つながる電話相談窓口やLINE相談を開設
  • マイページのメッセージ欄からいつでもご相談

NIPTで陽性になったとき、きっと誰しもが大きなショックを受けることでしょう。それなのに、すぐに確定検査を行う病院を選ばなければならないと促されたら患者様の負担はどうでしょうか。
「少しでも患者様の金銭面や体力面でのお手伝いができないか」と考えたうえで、上記のようなアフターサポートを導入しています。また、24時間つながる電話相談窓口では、院長に直接電話相談ができる仕組みになっています。不安を感じたタイミングでいつでも相談してください。一人で思い悩まず、当院のアフターケアを最大限に活用してくだされば幸いです。

アフターサポートについて

ミネルバクリニックでは、少しでも患者様の精神的負担を減らしたいという思いから、アフターサポートにも力を入れています。
実施しているアフターサポートは、以下のとおりです。

臨床遺伝専門医による安心の遺伝カウンセリング

遺伝カウンセリングとは、専門家が遺伝子疾患などについて科学的根拠に基づき医学的情報を提供し、その情報をもとに患者さまが遺伝子疾患の悩みや疑問を自ら問題を解決できるように社会的・心理的サポートすることです。
遺伝カウンセリングの対象は、遺伝子疾患を抱えた人や妊婦さんで、胎児の遺伝子疾患が見つかった人のみでなく、その家族や健康な人も含まれます。

ミネルバクリニックの遺伝カウンセリングは、内科専門医・がん薬物療法専門医臨床遺伝専門医の3つの資格を持つ日本で唯一の医師・院長仲田が担当させていただきます。
遺伝カウンセリングを行う院長自身も3児の母であるため、ご来院いただく方の気持ちに寄り添ったカウンセリングを行います。

NIPT検査を正しく理解せずに検査を受けてしまうと、陽性となった時に混乱してしまうことがあります。そのようなことを防ぐためにも、遺伝カウンセリングが検査の前に必要とされる状況です。検査結果が陽性となった場合のカウンセリングは、追加費用一切なしで一例一例皆様をサポートいたします。

また、ミネルバクリニックでは、オンラインでもカウンセリングが受けられます。地方在住で検査をあきらめている方や、子どもが小さくて子どもをつれての外出が難しい方などは、近くの提携施設で採血を実施することで、検査を受けられます。気になる方は一度ご相談ください。

羊水検査の費用を15万円まで負担

検査にて陽性が出た方には、通常10万円~20万円かかる羊水検査の費用を最大15万円まで負担いたします。
ミネルバクリニックは、患者さまの羊水検査費用軽減のために「互助会(カトレア会)」を運営しています。万が一、羊水検査が必要とされた場合、経済的に検査を受けられない患者さまもいるため、全ての患者さまが満足できる選択をしていただくためのご支援として互助会をご案内しております。
互助会はミネルバクリニックでNIPTを受ける際に必ず入会していただく形となり、NIPT1回につき2,000円のご負担が必要となります。
また、希望される方には羊水検査を行う医院の紹介も行っております。頭が真っ白になり、冷静な判断が難しくなる方も多くいらっしゃいますが、当院がしっかりサポートいたします。

羊水検査を受ける病院を紹介 

認証施設でNIPTを受けて陽性反応が出てしまった場合、その施設の産婦人科と連携が取りやすいという利点が活かされ、確定的検査までの流れがスムーズになります。
一方、非認証施設陽性判定後の場合、羊水検査を受ける病院を紹介してもらえなかったり、自分で探す必要があったりするケースもありますが、こちらに関してもミネルバクリニックではご心配には及びません。
ミネルバクリニックでは、まずは結果を踏まえた遺伝カウンセリングを受けていただき、検査をきちんと受けられる状態を確保できた上で、信頼できる病院へ紹介する形をとっています。

24時間つながる電話相談窓口やLINE相談を開設

 

ミネルバクリニックの患者様専用マイページでは、予約状況の確認、検査進捗状況、検査結果の確認などを行えます。
また、それだけではなく、24時間つながる電話相談窓口では、院長に直接電話相談ができる仕組みになっています。不安を感じたタイミングでいつでもご相談してください。一人で思い悩まず、当院のアフターケアを最大限に活用してくだされば幸いです。

まとめ

NIPTの結果が陽性だったときは、羊水検査や絨毛検査などの確定検査の受検を検討する必要があります。NIPTが陽性だからといって、赤ちゃんに染色体異常があると決まったわけではないからです。
もし、確定検査で「陽性になるのが不安だから」と足踏みしている方がいたら、ぜひ当院にお気軽にご相談ください。どのような結果でも一人ひとりに寄り添い、後悔のない答えを導きだすお手伝いをさせていただきます。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事