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羊水検査の費用・検査料について|5つの出生前診断と比較

この記事のポイント
  • 羊水検査にかかる費用相場(10〜25万円)と内訳を詳しく解説
  • 羊水検査は保険適用外・医療費控除対象外の理由と例外ケース
  • 羊水検査の費用負担を軽減する5つの方法
  • NIPT・絨毛検査など5つの出生前診断との詳細な費用比較
  • ミネルバクリニックの「互助会(カトレア会)」による羊水検査費用全額補助

妊娠中に胎児の染色体異常の有無を調べる「羊水検査」。ダウン症候群などの染色体疾患をほぼ100%の精度で診断できる確定的検査として知られていますが、費用が高額なことや保険が適用されないことが悩みの種となっています。

この記事では、羊水検査の費用相場や内訳、保険適用の有無、医療費控除について詳しく解説します。さらに、NIPT(新型出生前診断)など他の出生前診断と費用を比較し、負担を軽減する方法もご紹介。経済的な不安を解消して、安心して検査を受けるための情報をまとめました。

羊水検査の費用相場と内訳

羊水検査は妊娠14〜27週頃に受けることができる出生前診断です。ほぼ100%の精度で染色体異常を診断できますが、その分費用も高額になります。まずは具体的な費用相場と何にお金がかかるのかを見ていきましょう。

羊水検査にかかる総費用の相場

羊水検査の総費用相場:10万円〜25万円
医療機関や検査内容によって大きく異なりますが、一般的な羊水検査では10万円〜20万円程度の費用がかかります。都市部の医療機関や専門クリニックでは20万円〜25万円と高額になるケースも少なくありません。さらに微小欠失検査などのオプションを追加すると、30万円近くまで費用が上がることもあります。

費用の内訳

費用項目 金額目安 備考
初診料・診察料 3,000円〜5,000円 初めて受診する場合は初診料が必要
穿刺料 3万円〜5万円 羊水を採取する手技料
染色体検査(G-band法) 5万円〜12万円 ダウン症などの主な染色体異常を調べる基本検査(都市部では高額傾向)
追加検査(微小欠失など) 5万円〜10万円 より詳細な染色体検査(オプション)
マイクロアレイ検査 7万円〜15万円 微細な染色体異常やモザイクの検出(高度な専門施設で実施)
入院費 1万円〜3万円 入院が必要な場合のみ(多くの施設では日帰り検査が可能)
遺伝カウンセリング 5,000円〜1万5,000円 検査前後のカウンセリング(東京・大阪などの専門施設では高額傾向)

地域別の費用差

東京の医療機関

  • 総費用相場:15万円〜25万円
  • 専門クリニックの高度な検査で高額になる傾向
  • 一部医療機関では検査費用補助制度あり

大阪の医療機関

  • 総費用相場:12万円〜22万円
  • 専門クリニックでは最大20万円の補助制度も
  • NIPT実施施設と連携した費用負担軽減プログラムあり

地方の医療機関

  • 総費用相場:10万円〜18万円程度
  • 基本的な染色体検査(G-band法)が中心
  • 高度な微細染色体検査は大都市の専門施設を紹介されることも
  • 地域によっては限られた施設でしか検査を受けられない場合も
注意点

羊水検査の費用は医療機関によって大きく異なることがあります。以下の点に注意しましょう:

  • 検査内容によって費用は変動します(基本検査かオプション検査を含むか)
  • 明確な費用内訳の提示がある医療機関を選びましょう
  • 検査後に追加費用が発生する可能性もあるため、事前に確認しておくことが重要です
  • 遺伝カウンセリングが別料金の場合は、その費用も考慮に入れましょう

羊水検査は保険適用される?医療費控除は?

羊水検査は高額な費用がかかるため、保険適用の有無や医療費控除が気になるところです。ここでは、これらの制度と羊水検査の関係について詳しく解説します。

健康保険は適用されない

羊水検査が保険適用外の理由

  • 「治療」ではなく「検査」という位置づけのため
  • 自由診療(保険診療外)として扱われる
  • 検査費用は全額自己負担となる

例外:入院費用について

  • 検査後の入院が必要になった場合
  • 検査に伴う合併症の治療
  • これらの費用は保険適用される場合がある

羊水検査と医療費控除

医療費控除とは?

医療費控除は、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合に、確定申告することで所得税の一部が還付される制度です。

国税庁の基本的見解

国税庁のQ&Aによると、出生前診断(母体血を用いたNIPTや羊水検査など)は、染色体異常が陽性と判明しても直接的な「治療」につながらない診断行為と位置づけられるため、医療費控除の対象外となることがあります。

医療費控除の適用可能性

ただし、医師の判断による検査であれば「医師等による診療または治療の対価」に該当する可能性があります。PCR検査と同様に、医師が判断して行う検査として控除対象になるケースもあるでしょう。

個々のケースによって判断が異なりますので、検査の領収書は保管しておくことをおすすめします。

専門家からのアドバイス

医療費控除に関する国税庁の見解は、ケースバイケースで判断が分かれる可能性があります。しかし、一般的に次の点が参考になります:

1) 検査を受けるための通院費用(公共交通機関の運賃など)は、「診療等を受けるための通院費用」として医療費控除の対象になります。

2) 羊水検査が医師の判断で行われる場合は、「医師等による診療の対価」として控除対象となる可能性があります。

3) 検査結果を受けての確定診断後に行う治療(手術・入院・投薬など)は「診療または治療の対価」に該当し、その費用は医療費控除の対象となります。最終的な判断や申告時の手続きについては、領収書や医師の指示書を保管のうえ、税務署または税理士にご相談ください。

羊水検査の補助金・助成金はある?

高額な羊水検査の費用を軽減するための公的な補助金や助成金はあるのでしょうか?残念ながら、現状では国や自治体からの直接的な支援はほとんどありません。

×
公的補助制度

2025年現在、羊水検査に対する国や自治体からの公的な助成金制度はありません

×
高額療養費制度

自由診療であるため、高額療養費制度も適用されません

医療機関独自の支援制度

一部の医療機関では独自の費用補助制度を設けています

医療機関独自の補助制度

公的な助成金制度はありませんが、一部の医療機関では独自の補助制度を設けています。特にNIPT(新型出生前診断)を実施している施設では、NIPT検査で陽性結果が出た場合に、確定検査である羊水検査の費用を補助するサービスを提供していることがあります。

ミネルバクリニックの互助会(カトレア会)

ミネルバクリニックでは、NIPTを受けてから羊水検査を受ける際に費用の全額を負担する「互助会(カトレア会)」を運営しています。

制度の概要: NIPTを受ける際に互助会に加入(NIPT1回につき8,000円)することで、陽性結果が出た場合の羊水検査費用を全額負担

メリット: 高額な羊水検査費用(10〜20万円)の心配なく、安心してNIPTを受けることができる

その他の医療機関の補助制度例

各医療機関: 検査費用の一部補助、支払い方法の柔軟な対応(分割払いなど)を行っている施設もあります

重要ポイント

医療機関の費用補助制度を利用する場合は、以下の点を必ず確認しましょう:

  • 補助対象となる検査の範囲(基本検査のみか、オプション検査も含むか)
  • 入院費や診察料などが補助対象に含まれるかどうか
  • 他院で羊水検査を受ける場合の対応(一部の医療機関では自院での検査のみ補助対象)
  • 補助を受けるための手続き方法と必要書類

羊水検査の費用負担を軽減する5つの方法

公的な助成制度がなくても、羊水検査の費用負担を少しでも軽減するための方法はあります。以下に5つのポイントをご紹介します。

1

医療機関の比較検討

複数の医療機関の費用を比較し、自分に合った施設を選びましょう。費用が安いだけでなく、医師の経験や設備なども考慮することが重要です。特に年間実施件数が多い施設は技術が安定している傾向があります。

2

補助制度のある医療機関を選ぶ

先述のように、NIPTを提供している医療機関の中には、陽性結果が出た場合の羊水検査費用を補助するところがあります。NIPT検査を検討している段階で、こうした補助制度の有無を確認しておくと安心です。

3

クレジットカード分割払いの活用

クレジットカードでの支払いに対応している医療機関なら、一括払いではなく分割払いを利用することで月々の負担を軽減できます。事前に支払い方法について確認しておきましょう。

4

検査内容の精査

羊水検査では、基本的な染色体検査以外にもオプション検査があります。自分が本当に必要とする検査は何かを医師とよく相談し、必要最低限の検査に絞ることで費用を抑えることができます。

5

医療保険の検討

一部の民間医療保険では、特定の条件下で出生前診断の費用を補償するものもあります。妊娠前に加入している場合は、ご自身の保険の保障内容を確認してみましょう。

ミネルバクリニックからのアドバイス

羊水検査を検討する際は、費用だけでなく検査のリスクや精度、医師の経験、アフターケアなども総合的に考慮することが大切です。

ミネルバクリニックでは、NIPTを受けられる方全員に「互助会(カトレア会)」にご加入いただき、万が一陽性結果が出た場合の羊水検査費用を全額負担しています。このサービスにより、経済的な不安なく検査を受けていただくことが可能です。

よくある質問(FAQ)

羊水検査は医療費控除の対象になりますか?

羊水検査は、医療費控除の対象外となります。これは羊水検査が「疾患の治療」ではなく「健康状態の検査」に分類されるためです。ただし、例外として検査結果が陽性で、その後確定検査や治療に進んだ場合は、これらの費用が医療費控除の対象となる可能性があります。詳しくは税務署や税理士にご相談ください。

羊水検査の費用を抑える方法はありますか?

羊水検査の費用を抑える方法としては、1) NIPTを提供する医療機関の羊水検査補助制度を利用する、2) クレジットカードの分割払いを活用する、3) 複数の医療機関を比較して適切な施設を選ぶ、4) 必要最低限の検査項目に絞る、などがあります。特にミネルバクリニックの「互助会(カトレア会)」のような補助制度を利用すると、陽性結果が出た場合の羊水検査費用が全額負担されることもあります。

羊水検査と他の出生前診断の違いは何ですか?

羊水検査は穿刺針を用いて直接羊水を採取する「確定的検査」であり、ほぼ100%の精度で染色体異常を診断できます。一方、NIPT(新型出生前診断)や母体血清マーカー検査などは母体の血液から間接的に検査する「非確定的検査」で、陽性が出た場合は羊水検査などの確定検査が必要です。絨毛検査も確定的検査ですが、羊水検査より早い時期(妊娠11週〜)に検査できる一方、流産リスクは約1%と羊水検査より高くなります。

羊水検査はいつ受けることができますか?

羊水検査は一般的に妊娠15〜16週以降、妊娠27週6日までの間に受けることができます。この時期は、羊水量が十分で安全に検査を行える時期です。なお、万が一羊水検査で染色体異常が確認され、妊娠中絶を選択する場合には、妊娠21週6日までという期限があります。そのため、結果が出るまでの時間(約2週間)を考慮すると、遅くとも妊娠19週頃までに検査を受けることが推奨されています。

5つの出生前診断と羊水検査の費用比較

羊水検査以外にも出生前診断にはいくつかの選択肢があります。それぞれの検査の特徴と費用を比較してみましょう。

検査名 検査時期 費用相場 特徴
羊水検査 妊娠15週〜 10万〜25万円 ・確定診断可能
・精度はほぼ100%
・流産リスク約0.3%
・都市部では高額な傾向
絨毛検査 妊娠11〜14週 15万円前後 ・確定診断可能
・精度はほぼ100%
・流産リスク約1%
・羊水検査より早期に結果が判明
NIPT(新型出生前診断) 妊娠10週〜 15万〜20万円 ・非侵襲的(母体血採取のみ)
・精度は約99%
・陽性の場合は確定検査が必要
・流産リスクなし
母体血清マーカー検査 妊娠16〜18週 2万〜3万円 ・非侵襲的(母体血採取のみ)
・精度は約60〜80%
・偽陽性率が比較的高い
・流産リスクなし
胎児超音波スクリーニング 妊娠中期 2万〜5万円 ・非侵襲的(超音波のみ)
・形態異常も観察可能
・精度は検査者の技術に依存
・流産リスクなし

出生前診断のご相談はミネルバクリニックへ

ミネルバクリニックでは、NIPT(新型出生前診断)や羊水検査について専門的な知識を持つ医師が丁寧に対応いたします。検査の内容や費用、リスクについて詳しくご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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