目次
胎児にダウン症候群などがないかを調べる羊水検査は、出生後の育児環境を事前に整えるために必要な検査として知られています。
妊娠から出産にかけて受ける検査は羊水検査以外にも胎児超音波検査などがありますが、複数の検査を受けるとなるととても大きな負担になってしまいます。
羊水検査やその他の出生前診断を受ける際に、いくらぐらいの費用・検査料が必要になるかを皆さんはご存知でしたか?
この記事では、羊水検査の費用・検査料の相場と5つの出生前診断との比較を詳しくご紹介していきます。
羊水検査を受けることを視野に入れている方は、是非参考にしてみてください。
羊水検査とは?
羊水検査は妊娠中期から行われる出生前診断です。まずは、具体的な検査内容や検査項目について理解しておきましょう。
具体的な検査内容
出生前診断は母体・胎児を傷つけるリスクのない「非確定的検査」、流産・早産などのリスクを伴う「確定的検査」に分けられます。
羊水検査は後者であり、母体に穿刺針を挿入する検査内容から流産に至る可能性が1/1,000程度あるといわれています。
リスクはあるものの、ほぼ100%の確率で染色体異常性の有無を検査することができます。
検査の流れを簡単にご説明すると以下のようになります。
- 超音波機器を用いて胎児をモニターに写し出し、羊水穿刺を行える場所を探す。
- 局所麻酔を使用した後、穿刺針を子宮まで挿入して羊水を適量採取する。
- 羊水に含まれる細胞を培養し、染色体の数や形態を分析する
- 患者に結果が言い渡される
検査結果は早くて2週間後に伝えられ、遅い場合は4週間ほどかかることもあります。
検査項目
出生前診断は染色体異常が原因で発生する複数の症候群を検査することが可能です
羊水検査ではダウン症候群・エドワーズ症候群・パトウ症候群という3つの疾患の有無をほぼ確定させる他、遺伝子疾患、開放性神経管奇形も検査項目に含まれています。
検査精度は出生前診断で最も高くなっています。
- 感度99.4%(検査で陽性だった場合、実際にも疾患を持っている確率)
- 特異度99.5%(検査で陰性だった場合、実際にも疾患を持っていない確率)
羊水検査は確定的検査ですが、ごく僅かな確率で検査結果に沿わない可能性があることを理解しておきましょう。
羊水検査にかかる費用・検査料
羊水検査は妊娠14週目〜27週目6日目まで産婦人科医院などで実施されています。
妊娠中は妊娠健診など複数回にわたって病院にお世話になるため、医療費などの費用が気になる方も多いと思います。
ここからは、羊水検査にかかる費用・検査料に関する情報をご紹介していきます。
羊水検査の費用相場(検査料)
医療施設によって検査にかかる費用は異なりますが、羊水検査の費用相場は大体10万円〜20万円くらいだといわれています。
出産が近づくにつれ、ベビー用品を買い揃えるなどの目的で出費がかさんで大変かと思いますが、羊水検査を受けることを考えている場合は早めから費用の工面を始めるようにしましょう。
羊水検査の費用に保険は適用されるのか?
羊水検査の検査料は保険適用外のため全額自己負担となります。
また、羊水検査はあくまで染色体異常を検査する項目という考え方により、診療や治療を目的とした医療行為ではないことから医療費控除の対象外とされています。
妊婦さんの体調によっては入院が必要になることもあります。その場合の入院費は保険・医療費控除の対象となるためしっかり申請を行いましょう。
羊水検査の費用を軽減する方法
医療施設によっては、羊水検査などの大きな医療費を軽減できるサービスが提供されていることもあります。
ミネルバクリニックは、NIPTを受けてから羊水検査を受ける際に費用の全額を負担する「互助会(カトレア会)」を運営しています。
互助会はミネルバクリニックでNIPTを受ける際に必ず入会していただく形になり、NIPT1回につき8,000円のご負担が必要となります。
万が一、羊水検査が必要とされた場合、患者様によっては経済的に検査を受けられないこともあります。そのため、全ての患者様が満足できる選択をしていただくためのご支援として互助会をご案内しております。
5つの出生前診断の費用と比較
出生前診断には羊水検査以外にも、絨毛検査・胎児超音波検査・母体血清マーカー検査・コンバインド検査・NIPTという5つの検査があります。
これら5つの検査にかかる費用を羊水検査と比較しながらご紹介していきます。
絨毛検査にかかる費用
羊水検査と同じ確定的検査に分類される絨毛検査は、子宮内にある胎盤に付着した絨毛という組織を調べる検査です。
子宮に穿刺針を挿入する侵襲的な検査のため、胎児が死亡に至るリスクは羊水検査よりも高い1/100とされています。
その検査にかかる費用相場は10万円〜20万円くらいで、保険・医療費控除の適用外となります。
絨毛検査はほぼ確実に染色体異常の有無を調べられる検査のため、羊水検査を受けられない妊娠初期に染色体異常の有無を知りたい方が受けるのが一般的です。
胎児超音波検査にかかる費用
エコー検査として馴染みのある胎児超音波検査は、胎児の首の裏側のむくみに超音波機器を当てて、赤ちゃんの発育状態を調べる検査です。
費用相場は2万円〜3万円くらいで、ダウン症候群などを検査することも可能です。
ただし、検査精度はNIPTや母体血清マーカー検査よりもだいぶ低くなるため、陽性反応が出た場合は別の検査を受けて疾患の有無を確かめる流れとなります。
母体血清マーカー検査にかかる費用
母体血清マーカー検査は母体採血で染色体異常を調べる検査ですが、羊水検査や絨毛検査のような侵襲的なものではなく、安心して検査を受けることができます。
母体血清マーカー検査の中でも検査精度が高いのがクアトロテストです。クアトロテストは4種類の成分を分析してダウン症候群などの有無を検査するもので、その検査精度は80%前後となります。
費用相場は2万円〜3万円くらいで、妊娠16週〜18週頃に受検することが可能です。
現在においては、母体血清マーカーよりも検査項目が多くより精度の高いNIPTを受検する妊婦さんが増えています。
コンバインド検査にかかる費用
先述の胎児超音波検査、そして母体血清マーカーのどちらも実施してその結果をかけ合わせる検査がコンバインド検査です。
費用相場は3万円〜5万円くらいで、検査精度はクアトロテストよりも高い83%前後とされています。
検査時期は妊娠11週〜13週頃とされており、NIPT誕生前のスクリーニング検査の中では、最も高い感度・特異度を誇る検査であったため受検する妊婦さんは多くいました。
NIPTにかかる費用
新型出生前診断と呼ばれるNIPTは、母体血清マーカー検査のように母体採血を行って染色体異常を調べる検査です。
母体血清マーカー検査と異なる点は、母体血漿中にある胎児由来のDNA断片の分析を行うという点です。特定の染色体の数が本来持っている数よりも多かった場合、トリソミーという染色体異常を非常に高い確率で持っていることが示唆されます。
感度・特異度ともに99%を誇る検査であり、スクリーニング検査の中ではダントツの精度となっています。
そのため、費用相場は他のスクリーニング検査よりも割高となる15万円〜21万円くらいとされています。
大きな負担に感じてしまうかもしれませんが、非常に高い検査精度を誇り母体と胎児に無害な検査であることがその価値を示しています。
まとめ
羊水検査の具体的な検査内容や検査項目、そして費用・検査料を5つの出生前診断と比較してご紹介しました。
出生前診断は保険が適用されず全額自己負担となります。また、染色体異常を医療する目的ではなくあくまで検査するという目的から、医療費控除の対象外となり検査によって費用はとても大きくなります。
医療施設によっては費用を軽減できる特別な支援サービスが用意されていることもあるため、事前に確認を取っておくことをおすすめします。
東京の「ミネルバクリニック」では、NIPTを受検して陽性反応が出てしまった妊婦さんに、羊水検査費用を全額負担するサービスを提供しております。
国内屈指のNIPT技術と医療環境を取り揃えた遺伝子専門のクリニックであり、染色体・遺伝子に精通する臨床遺伝専門医によるNIPTを受けていただくことができます。
NIPTを安心して受けられる医療施設をお探しの際は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までご相談ください。