出生前診断とは
出生前診断とは、赤ちゃんが生まれてくる前に先天性の疾患などがないかを診断する検査のことをいいます。
妊娠、出産はとても喜ばしいことです。しかし、なかには不安が大きくなって素直に喜べないというご夫婦もいらっしゃるでしょう。
年々、晩婚化が進んでいることはご存じかと思います。結婚の形はそれぞれのご夫婦で違って問題ありません。
しかし、一点、気にしておきたいことは、お子さんについてです。
よく女性は、「出産するなら35歳まで」のように言われることがあるかと思います。
これは、35歳以降に妊娠すると、赤ちゃんが健康上の問題を抱えて生まれてくる可能性が少しずつ高くなってしまうからです。
また、女性同様、男性の加齢が原因の先天性の疾患もあるということがわかっています。
こういった状況もあり、生まれてくる赤ちゃんに、もし何か異常があるなら知っておきたいと出生前診断を検討するご夫婦も少なくありません。
出生前診断にはいくつかの種類がある
また、知っておいていただきたいのは、出生前診断にはいくつかの種類があるということです。
大きく分けると、検査には非確定的なものと確定的なものがあります。
非確定的な検査は、100%正しい結果が得られるわけではありません。
陽性になったとしても、赤ちゃんに必ず先天性疾患があるとは限りませんし、その逆もあり得ます。
では、なぜ非確定的な検査をするのかというと、これらの検査は非侵襲的であるという理由があります。
出生前診断のそれぞれの種類について確認していきましょう。
確定的な出生前診断は2つあります
まずは、確定的な出生前診断についてです。確定的な出生前診断は主に「羊水検査」と「絨毛検査」の2つがあります。この2つの検査は確定的な結果が得られる一方、0.3~1%の流産のリスクがあります。
羊水検査
羊水検査ができるのは妊娠15~16週目で、お腹に針を刺して羊水を直接採取して検査します。
羊水は赤ちゃんから脱落した細胞を含んでいるため、赤ちゃんのDNAをきちんと調べることができるのです。
染色体異常全般でダウン症の検出感度はほぼ100%といわれていますが、染色体検査は細胞分裂像が得られないと出来ない為、結果が出ないということもまれにあります。
絨毛検査
絨毛検査は妊娠11~14週目で可能です。こちらは羊水ではなく胎盤の細胞を採取して検査します。同じく、ダウン症の検出感度はほぼ100%です。
非確定的な出生前診断は3つあります
非確定的な出生前診断は3つです。
コンバインド検査
妊娠11~13週目でできるコンバインド検査は、ダウン症候群とトリソミー18が対象です。ダウン症検出感度は83%となっています。
母体血清マーカー
妊娠15~17週目でできる母体血清マーカーは、ダウン症候群とトリソミー18に加えて開放性神経管障害の可能性を知ることができます。ダウン症の検出感度は80%です。
新型出生前診断
もう一つ、新型出生前診断ともいわれる「NIPT」があります。NIPTは妊娠9週から可能な検査で、ダウン症候群やトリソミー18、トリソミー13、微細欠失症候群やそのほかの遺伝子異常による疾患を検出することができます。ただし、検査内容は検査をおこなう施設によって異なり、検知できない疾患もあります。ダウン症の検出感度は99%以上ですが、こちらも施設や検査方法によって違いがあるため注意しておかなければいけません。