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NIPTは妊娠16週でも受けられる?最適な時期はいつごろ?

NIPTは9~10週以降と早期から受けられる検査ですが、安定期に入る妊娠16週でも受けられるのでしょうか?

本記事では、NIPTを受ける最適な時期や、16週目でNIPTを受検する際の病院選びで気を付けたいポイントなどを解説しています。
NIPTの内容や、万が一陽性判定が出た際の流れについても詳しく解説しているため、妊娠16週以降でNIPTを検討されている方は参考にしてみてください。

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPTとは胎児の染色体異常を調べるための検査です。
具体的には、妊婦さんから少量の血液を採取し、血液中の胎児由来の遺伝子情報を読み取る検査を指します。たとえば、ダウン症21トリソミー)や13トリソミー18トリソミーはNIPTで調べられる代表的な染色体疾患です。
病院によっては、46本すべての染色体異常や性別、遺伝子などに関するさまざまな異常の可能性が調べられます。
母体からの採血のみで完結する検査であるため、侵襲性(身体を傷つけること)が低く、母子に負担をかけにくいのが大きなメリットです。

また、NIPTは検査精度が高く、ダウン症と18トリソミーにおける感度は99.9%、13トリソミーは91.3%です。
※感度とは…染色体異常を持つ人を検出する力。感度が高いほど疾患の見逃しが少ない。

同じ非確定検査であるコンバインド検査の感度は80%、母体血清マーカー検査では83%であることからも、NIPTの精度の高さが分かります。
ただし、NIPTはあくまでも病気の”可能性”を調べる非確定的検査であるため、もし陽性の場合は、診断を確定できる確定的検査を受ける必要がある点には注意が必要です。

NIPTは妊娠16週でも受けられる

結論から申し上げますと、NIPTは妊娠16週でも受けられます。
妊娠初期は、つわりをはじめとして、さまざまな体調不良に悩まされることも少なくありません。この時期は、NIPTを受けたくても受けられない方もいらっしゃることでしょう。

たとえば、当院ミネルバクリニックには「NIPTはいつまでに受けなければならない」という決まりはなく、どの時期でもNIPTを受けていただけます。
稀ではありますが、中には22週を過ぎてからNIPTを受けられる方もいらっしゃいます。

一方で、NIPTの受検時期を限定している病院もあります。もし16週目を過ぎてNIPTを受検したい場合は、16週以降でもNIPTを受け付けてくれる病院を選ぶようにしましょう。

陽性なら妊娠を諦める場合、注意が必要

妊娠16週以降でも基本的にはNIPT受検は可能ですが、「もし陽性判定が出た際は妊娠を諦める」選択を想定されている場合は注意が必要です。
NIPTは染色体異常の可能性を調べる検査であるため、診断を確定するためには羊水検査絨毛検査といった確定的検査を受ける必要があります。

もし16週目以降にNIPTで陽性判定が出て、すぐに確定的検査を受けたとして、検査結果が出るまでにかかる期間は3週間です。
この場合、最終的な診断が下るまでには妊娠20週を越える可能性が高く、人工中絶ができる妊娠22週までの期間が短くなってしまいます。
※日本の法律では人工中絶ができるのは妊娠22週までとされています

今後の選択を考える時間がないばかりか、確定的検査がスムーズに受けられず22週をオーバーしてしまい、中絶の選択肢が無くなってしまう可能性も考えられます。

NIPTのあとに受ける確定的検査とは

NIPTで陽性判定が出た場合、診断を確定させるためには羊水検査や絨毛検査といった確定的検査を受ける必要があります。
確定的検査は、胎児のDNAを直接採取する方法をとるため確実性が高く、さまざまな先天性異常を調べられます。

◾️確定的検査の種類
・絨毛検査
・羊水検査

患者様の中には、「より精度の高い確定的検査をはじめから受ければいいのでは?」と疑問を持たれる方もいらっしゃいますが、確定的検査は侵襲性が高い検査のため、流産リスクがともないます。

そのため、まずは流産リスクのほとんどない非確定的検査を行い、必要であれば確定的検査を行う流れが一般的とされています。

絨毛検査

絨毛検査は、胎盤の一部である絨毛を採取して胎児の染色体を調べる検査です。
ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーを含む染色体疾患全般を調べられます。妊娠11週~14週の間に受けることができ、検査結果がわかるのは2~3週間後です。
検査には、腹部に針を指して絨毛を採取する経腹法と膣から鉗子を挿入して絨毛を採取する経腟法の2種類があります。
いずれも侵襲性がともなう方法であるため、1%の流産リスクがあります。

羊水検査よりも早い時期から検査ができますが、実施している病院が少なく、多くの確定的検査では羊水検査が用いられます。

羊水検査

羊水検査は、羊水の中に含まれている胎児の染色体を調べる検査です。
ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーを含む染色体疾患全般を調べられます。

妊娠15週~18週の間に受けることができ、検査結果がわかるのは2~3週間後です。
検査は、腹部に針を刺して羊水を採取する方法がとられます。
絨毛検査と同じく侵襲性がともなう方法であるため、0.3%の流産リスクがあります。

NIPTの病院選びで気をつけたいポイント

NIPTを受験できるクリニックは数あるものの、病院によって検査やサポート内容が異なります。NIPTを検討されているのであれば、以下に挙げるポイントを意識して病院を選んで見てください。

◾️NIPTを受ける病院選びのポイント
・受けたい検査を受けられるか
遺伝カウンセリングは実施されているか
・アフターフォローはどうなっているか

受けたい検査を受けられるか

NIPTを実施している病院には、認証施設と非認証施設の2種類があります。
このうち、認証施設では基本的にダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの基本検査しかできません。
※基本検査:21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3種類を調べるの検査

一方、非認証施設では検査項目に制限がないため、幅広い染色体疾患について調べられます。どの病院でも基本検査は調べられますが、その他に調べられる項目はクリニックによって異なります

認証施設 非認証施設
特徴 日本医学会と日本産婦人科学会から認証を受けた施設 日本医学会と日本産婦人科学会から認証を受けていない施設
調べられる内容 ・ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミー ・あらゆる染色体異常
・性別
※病院によって内容は異なる

認証施設では受検条件を定めていたり、紹介状が必要だったりと制限が厳しい側面があり、認証施設で受検したくてもできない妊婦さんもいらっしゃいます。

非認証施設は受験条件に制限がなく調べられる項目が多いものの、調べられる項目は病院によって異なります。
受けたい検査(調べたい内容)と一致している病気を選ぶようにしましょう。

遺伝カウンセリングは実施されているか

NIPTを受ける際には、NIPTや遺伝子疾患に関する医学的知識や情報を提供してもらえる、遺伝カウンセリングを受けられる病院を選ばれるのをおすすめします。

遺伝カウンセリングは情報提供だけでなく、万が一陽性だった場合のフォローや、妊婦さんや家族の心身ケアも目的としています。
認証施設ではNIPTを受ける際の遺伝カウンセリングが必須であり、すべての認証施設で遺伝カウンセリングを行える環境が整っています。

対して、非認証施設は遺伝カウンセリングが必須ではないため、ほとんどの病院が遺伝カウンセリングを行っていません。
そればかりか、遺伝の専門家が不在のケースや専門外の医師が検査を行っているケースもあるため、フォロー体制も十分とはいえないところも多くあります。
(当院ミネルバクリニックは、臨床専門遺伝医が遺伝カウンセリングを実施している数少ない非認証施設です。)

安心してNIPTを受けるためには、遺伝カウンセリングが受けられるかどうかも非常に重要なポイントです。

アフターフォローはどうなっているか

妊娠16週以降でNIPTを受けるのであれば、アフターフォローは特に重要な要素です。
というのも、妊娠16週のNIPTで陽性判定が出た場合、すでに羊水検査を受けられる週数に差し掛かっているため、できるだけ早く羊水検査ができる病院を探す必要があります。
病院によっては、羊水検査を受ける施設を自分で探さなければいけなかったり、羊水検査代が自己負担になっていたりすることがあるため注意が必要です。
アフターフォローで特に重視したい点としては、陽性時は病院側が羊水検査を受ける病院を紹介してくれていること、羊水検査代を補助してくれること、遺伝カウンセリングを実施して検査内容や今後の流れを説明してくれることなどが挙げられます。

◾️アフターフォローのポイント
・陽性時に羊水検査ができる病院を迅速に紹介してくれるか
・羊水検査費用は補助してくれるか
・陽性時の遺伝カウンセリングの有無

妊娠16週の妊婦さんもお気軽にお越しください

当院ミネルバクリニックでは、妊娠16週の妊婦さんでもNIPTを安心して受けていただけるよう、次のような体制を整えてお待ちしております。

◾️ミネルバクリニックの取り組み
・陽性だった場合、確定的検査を受けられる医療機関を紹介
臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを実施
・羊水検査の費用を最大15万円まで補助

陽性だった場合、確定的検査を受けられる医療機関を紹介

ミネルバクリニックでは、もし陽性が出た場合には、羊水検査を実施している信頼できる医療機関を速やかに紹介しています。
陽性判定時には誰しもが心身にダメージを感じてしまわれるものです。患者様ご自身が病院選びから予約まで行うことは、想像以上に負担がかかってしまう可能性があります。
当院ではできる限り、そういった負担を軽減していただけるよう努めています。

臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを実施

NIPTの受検時だけでなく、陽性判定が出た際にも、納得がいくまで遺伝カウンセリングを受けていただけます。
当院ミネルバクリニックでは、遺伝カウンセラーよりも専門性の高い臨床専門遺伝である院長自らが遺伝カウンセリングを実施しています。

特に妊娠16週で陽性判定が出た場合、不安と戦いながら、許された時間の中で情報を整理し、選択を強いられる状況に直面しなければなりません。
そんな時の専門家による遺伝カウンセリングは、現実面だけでなく、精神面のサポートとしても心強い見方となってくれるはずです。

羊水検査の費用を最大15万円まで補助

羊水検査を受ける際にネックになるのが検査費用ではないでしょうか。
羊水検査は通常であれば、全額自己負担で10~20万円ほどかかります。
そこで、ミネルバクリニックでは、患者様の負担を少しでも軽減すべく、羊水検査費用を15万円まで補助できる制度を整えています。
NIPT検査申し込み時に互助会(検査1回につき2,000円)に入会していただく条件を満たしていただければ、どなたでも15万円までの補助を受けていただけます。

まとめ

NIPTは妊娠16週の妊婦さんでも受けられます。
ただし、病院によっては受け付けていないところもあるため、受検を希望するのであれば16週でも受付可能な病院を選ぶようにしましょう。
また、病院を選ぶ際には、調べられる検査の種類・遺伝カウンセリングの有無・アフターフォローの充実度をポイントに検討するようにしてください。

ミネルバクリニックは、16週以降の妊婦さんであっても問題なく、NIPTを受けていただけます。
また、NIPTは業界随一の検査項目を誇り、臨床専門遺伝である院長自らが遺伝カウンセリングを行っています。
万が一陽性判定が出た場合でも、羊水検査を受けるための病院を迅速に紹介できるほか、羊水検査を15万円まで補助できる制度も整えております。
もちろん、陽性時であっても納得のいくまで遺伝カウンセリングを受けていただけます。

少しでも患者様の負担を軽減し、安心して検査や出産に臨めるような環境を整えているため、16週を過ぎてNIPTを検討されている方は、一度ご相談ください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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