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NIPTで陽性の結果がでたときの確定診断

NIPTで陽性の結果がでたときの確定診断

NIPTで陽性の結果がでたとき確定診断のための確定検査とは?

NIPTで陽性の結果が出た場合、確定診断のためには確定検査が必要となります。羊水検査絨毛検査のどちらがいいのでしょうか?絨毛検査の場合最終的に羊水検査が必要になる事があります。

今までにお伝えしてきたことから,
cffDNAを用いたNIPTで異常という結果がでたときに,
なぜ診断のために絨毛または羊水検査をしなければならないのか?
ということがお分かりになったと思います.

ご覧になっていない方は,こちらからどうぞ!

関連記事:NIPTにおける偽陽性の原因

1. 限局性胎盤モザイク
2 バニシングツイン
3 珍しい常染色体のリソミーや染色体の構造異常
4 胎児の性別の不一致
5 母体側の要因

 

羊水検査と絨毛検査、どっちがいいの?

羊膜細胞の分析は,絨毛膜絨毛の分析よりも優れていると考えられています
偽陽性の結果の一部は,栄養膜(胎盤になる部分です)と胎児の間の不一致に起因するからです.

羊水細胞は胎児の皮膚(外胚葉)の細胞が浮遊しているので,胎児を強く代表しています.
このため,羊水細胞におけるモザイク現象は絨毛膜絨毛よりはるかにまれなのです.

羊水検査の欠点

羊水穿刺(AC)の欠点は,妊娠15週からのみ安全であると考えられ,それ以前には安全ではないことでしょう[1].

10週目以降はcffDNAを用いた出生前検査が実施可能であるため,羊水穿刺でcffDNAをもちいたNIPTの異常を確認するとなると,最終結果が出るのが遅くなることになります.

ほとんどの女性は,この待機期間をストレスが多いと感じています.

最悪の場合,cffDNAに基づくNIPTの結果を確認することのない妊娠中絶につながる可能性がある.

このシナリオは,通常妊娠11週から14週の間に行われる絨毛検査CVSを選択することで回避できるのですが.....

絨毛検査の欠点

CVSの欠点は,胎盤に限局した3型モザイク症(CPM3型)が検出される可能性があることです.
この場合,胎児自体は正常ですので,偽陽性結果となります.

また,真の胎児モザイク症5型(TFM5型)の場合は,栄養膜細胞だけを分析すると偽陰性結果となりますよね[2].

細胞栄養膜と間葉の間のモザイク現象(CPM1型と2型,TFM4型と5型)の場合は,
さらなる確認のための検査を胎児の核型染色体の型のことです)を決定するのに必要としており,
侵襲的手技である羊水穿刺を行うことになります.

絨毛検査と羊水検査の違い

トリソミー21,18トリソミー13トリソミー,およびモノソミーXのモザイクは,
それぞれ絨毛検査CVS施行症例で異常があった2%,4%,22%,および59%に認められましたが
羊水穿刺で確認されたのはそれぞれ44%,14%,4%,26%のみとなっています.

これらの数字は,CVSが異常(陽性)なcffDNA NIPTの結果を確認するための検査として選ばれた場合,
2回目の侵襲的検査として羊水穿刺が必要となるリスクを代用する数字ということになりますよね.

CVS後にモザイクの結果が得られるリスクが高く,
特に羊水穿刺では13トリソミーがほとんど確認されないことから,
13トリソミーまたはXモノソミーを示すNIPTの結果は
羊水検査ACで優先的に確認すべきであるということは,
これらの数値から明らかでしょう.

モノソミーXが胎児に存在する場合,99%は流産となります.

 

[1] Alfirevic Z, Mujezinovic F, Sundberg K. Amniocentesis and chorionic villus sampling for prenatal diagnosis.
In: The Cochrane Collaboration, editor. Cochrane Database of Systematic Reviews, John Wiley & Sons, Ltd;
Chichester, UK, 2003.
[2] Uquillas K, Chan Y, King JR, Randolph LM, Incerpi M. Chorionic villus sampling fails to confirm mosaic
trisomy 21 fetus after positive cell-free DNA: CVS after cell-free DNA. Prenat Diagn 2017;37:296-8.


この記事の著者 仲田洋美(総合内科専門医がん薬物療法専門医臨床遺伝専門医

 

 

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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