目次
双子のNIPT(新型出生前診断)はいつから?性別・精度・バニシングツインを臨床遺伝専門医が解説
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双子でもNIPTは受けられる? → 可能です。 ただし、一般的なNIPT(第1・第2世代)では精度が低下したり、検査不可となるケースがあります。当院の第3世代「スーパーNIPT」なら高精度に検査できます。 -
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性別はわかる? → Y染色体の有無で判定します。「2人とも女の子」か「少なくとも1人は男の子」かが分かります。 -
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もし陽性だったら? → ここが重要です。双子の場合、通常の2倍の羊水検査費用がかかるケースが大半ですが、ミネルバクリニックなら互助会で費用負担を大幅に軽減できます。 -
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ダイヤモンドプランの適用 → 双子の場合でも、父親由来の遺伝子変異(デノボ)などを検査できるプランがあります(条件あり)。
双子の妊娠、おめでとうございます。喜びが2倍であると同時に、健康リスクや検査への不安も2倍に感じられているかもしれません。「双子だとNIPT(新型出生前診断)は受けられない」「精度が落ちる」といった情報を目にして、不安になっている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、技術力の高い検査機関を選べば、双子でも高精度なNIPTが可能です。ミネルバクリニックでは、世界最先端の第3世代NIPT技術を用いることで、他院で断られた双子の妊婦さんや、バニシングツインを経験された方の検査を数多く受け入れています。
1. 双子のNIPTはいつから?単胎児との違い
双子(多胎妊娠)であっても、基本的にNIPTを受けられる時期は単胎妊娠と同じく妊娠9週0日〜10週0日以降とする施設が一般的です。ミネルバクリニックでは、より早期の安心をお届けするため、妊娠9週0日から検査を受け付けています。
⚠️ 双子NIPTの注意点:胎児分画(Fetal Fraction)
NIPTは母体の血液中に漂う赤ちゃんのDNA(胎児分画)を分析します。双子の場合、母体の血液量は単胎妊娠よりも増えますが、赤ちゃん一人あたりのDNA濃度が相対的に薄くなることがあります。
胎児分画が不足すると「判定不能(再検査)」となるリスクがありますが、当院が採用している第3世代スーパーNIPTは、より少ないDNA量でも解析可能な高感度技術を用いており、再検査のリスクを最小限に抑えています。
2. 「双子は検査不可」と言われる理由と精度の真実
多くのNIPT認可施設や、一般的な検査機関を利用している非認可施設では、「双子は検査対象外」あるいは「性別判定不可」とされることが少なくありません。これには技術的な理由があります。
第1・第2世代NIPTの限界
古い世代のNIPT技術では、血液中のDNA断片を「量」だけで測定していました。双子の場合、もし21番染色体の量が増えていても、「Aちゃんがダウン症なのか」「Bちゃんがダウン症なのか」、あるいは「2人ともなのか」を区別することが非常に困難です。そのため、全体の精度が落ちることを懸念して「検査不可」とする施設が多いのです。
ミネルバの第3世代「スーパーNIPT」の強み
私が6年前に「スーパーNIPT」と名付け導入した第3世代NIPT(NIPTgenetics)や、最新の「ダイヤモンドプラン(COATE法)」は、DNAの量だけでなく、遺伝子の配列そのものを深く解析します。これにより、双子であっても単胎児と遜色ない高い精度(感度・特異度ともに99%以上)で、トリソミーなどの検査を行うことが可能です。
💡 用語解説:一卵性と二卵性の違い
- 一卵性双生児 (MD/MM): 遺伝情報がほぼ同一です。どちらか一人が陽性であれば、基本的にはもう一人も陽性である可能性が高いです。
- 二卵性双生児 (DD): 遺伝情報は兄弟姉妹程度に異なります。一人が陽性でも、もう一人は陰性である可能性があります。第3世代NIPTは、この二卵性の場合でも高い精度を発揮します。
3. 双子でも性別はわかるの?
「双子だと性別判定ができない」と他院で言われた方もご安心ください。ミネルバクリニックのNIPTでは、双子でも性別判定が可能です。ただし、判定の仕組み上、以下のようになります。
Y染色体が検出されない場合
🎀 女児 × 女児
母体血中にY染色体がない=二人とも女の子と判定できます。
Y染色体が検出された場合
🚙 少なくとも一人は男児
「男児×女児」または「男児×男児」のどちらかです。血液検査だけでは、この2パターンを区別することはできません。
詳細な内訳(男×女 なのか 男×男 なのか)は、妊娠中期以降のエコー検査で確認する必要がありますが、早い段階で「少なくとも一人は男の子」や「二人とも女の子」と分かることは、準備を進める上で大きなメリットになります。
4. 【重要】NIPT陽性の場合:双子はリスクも費用も2倍
NIPTを受ける前に、双子妊娠ならではのシビアな現実を理解しておく必要があります。それは、「もし陽性が出た場合、その後の負担と決断の重さが単胎妊娠の2倍以上になる」ということです。
🚨 双子で陽性が出た場合の「3つの壁」
① 「どちらの赤ちゃんか」が分からない
NIPTで「21トリソミー陽性」と出た場合、特に二卵性双生児(DD)では「Aちゃんが陽性なのか?」「Bちゃんが陽性なのか?」「それとも両方か?」を血液検査だけで区別することはできません。
② 羊水検査の技術的難易度と費用
確定させるには、2つの羊水腔それぞれに針を刺し、2人分の羊水を採取する必要があります。
- 高度な技術が必要: 片方の羊水を採取した後、もう一方の赤ちゃんを検査する際に、誤って同じ袋を刺さないよう、インジゴカルミン(色素)等を用いて識別するなどの高度な手技が求められることがあります。
- 費用負担: 一般的なクリニックでは、手技料も検査料も2人分(約30〜40万円)かかります。
③ 「不一致(Discordant)」の苦悩
最も辛いのが、「一人は陽性、もう一人は陰性」と判明したケースです。「二人とも産むのか」「諦めるのか」、あるいは日本国内では実施施設が極めて限られますが「減数手術(Selective reduction)を検討するのか」。答えのない問いに直面した時、ネットの情報だけでは心が壊れてしまいます。
💡 だからこそ、臨床遺伝専門医が必要です
ミネルバクリニックでは、互助会システムで高額な羊水検査費用をカバーするだけでなく、陽性判明時の複雑な心理的葛藤に対しても、臨床遺伝専門医が医学的・倫理的な観点から徹底的にサポートします。ただ検査をするだけでなく、あなたの人生の決断に寄り添う覚悟が、当院にはあります。
5. バニシングツイン(Vanishing Twin)への対応
双子として妊娠したものの、妊娠初期にごく早い段階で一人の成長が止まり、子宮内で吸収されて消えてしまう現象を「バニシングツイン」と呼びます。実はNIPTにおいて、これは非常に慎重な判断を要するケースです。
なぜ他院では断られるのか?
成長が止まってしまった赤ちゃんのDNAも、しばらくの間(数週間〜数ヶ月)母体の血液中に残り続けます。もし、亡くなってしまった赤ちゃんに染色体異常があった場合、元気な赤ちゃんが正常であっても、NIPTの結果は「陽性」と出てしまう(偽陽性)リスクがあるためです。
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が超音波(エコー)所見を確認し、バニシングツインの時期や状況を医学的に評価した上で、検査が可能かどうかを判断します。
他院で「バニシングツインだから検査できない」と断られた方も、諦めずにまずはご相談ください。専門医の管理下であれば、適切なカウンセリングとともに検査を提供できる場合があります。
6. 症候性自閉症も検査可能:ダイヤモンドプラン(COATE法)
当院の最上位検査であるダイヤモンドプランは、米国の4大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」を採用しています。これにより、従来のNIPTでは不可能だったレベルの詳細なリスク評価が可能になりました。
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微細欠失症候群の陽性的中率 >99.9%:
「22q11.2欠失症候群」など、染色体の微細な欠け(微細欠失)は、重度の心疾患や発達遅滞の原因となります。従来法の陽性的中率は70%台でしたが、COATE法では99.9%以上という画期的な精度を実現しました。 -
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父親の加齢リスク(デノボ変異)に対応:
父親の年齢が上がると、精子のコピーミスによる「新生突然変異(デノボ変異)」のリスクが上昇します。ダイヤモンドプランでは、このデノボ変異に関連する56遺伝子(症候性自閉症の原因となるソトス症候群などを含む)をスクリーニング可能です。
(図:父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)
⚠️ 症候性自閉症について
「症候性自閉症」とは、単なる性格的な特性としての自閉症ではなく、重篤な身体的特徴(奇形)や重い知的障害、てんかん等の合併症を伴う医学的疾患です。ダイヤモンドプランでは、これらを引き起こす遺伝子変異を高精度に検出します。
7. ミネルバクリニックの「トリプルリスクヘッジ」
前述の通り、双子のNIPTで「陽性」が出た場合、その後の確定検査は「技術的に難易度が高く」「費用が2倍かかる」という過酷な現実が待っています。ミネルバクリニックでは、この不安を解消するために万全のバックアップ体制を整えています。
1. 金銭的リスクヘッジ(互助会)
検査時に「互助会」(会費8,000円・非課税)にご加入いただくことで、陽性時の羊水検査費用を上限15万円(税込16万5千円)まで当院が全額負担します。双子で検査費用が高額になる場合でも、経済的な心配を大幅に減らせます。
2. 時間的リスクヘッジ(院内完結)
【NEW】2025年6月より、併設の産婦人科にて院内での確定検査(羊水・絨毛検査)が可能となりました。ミネルバクリニックは、非認証施設で唯一、自院で確定検査まで完結できる体制を持つクリニックです。
3. 心理的リスクヘッジ(専門医)
臨床遺伝専門医である院長が、検査前から検査後まで一貫して担当します。陽性時の心のケア、複雑な双子の遺伝カウンセリングも、アルバイト医師ではなく専門医が責任を持って行います。転院のストレスもありません。
さらに安心:4Dエコーと返金保証
- 4Dエコー(2022.11〜): NIPT検査前に、当日の双子の赤ちゃんの様子を4Dエコーで確認できます。「元気に動いているね」と確認してからの検査は、大きな安心感につながります。
- 流産時の返金保証(2025.1〜): 胎児分画不足などで再検査が必要になった際、万が一流産などで検体が再提出できなくなった場合、診断書をご提出いただくことで検査代金を全額返金する制度を開始しました。
双子NIPTに関するよくある質問 (FAQ)
双子のNIPTも臨床遺伝専門医へ
他院で断られた方、精度に不安がある方。ミネルバクリニックなら、最新技術と専門医のサポートで、あなたと双子の赤ちゃんを守ります。
まずは一度、ご相談ください。
参考文献
- [1] Gil MM, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for fetal aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017. [PubMed]
- [2] Palomaki GE, et al. DNA sequencing of maternal plasma to detect Down syndrome: an international clinical validation study. Genet Med. 2011. [PubMed]
- [3] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Practice Bulletin No. 226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. 2020. [ACOG]
- [4] 日本産科婦人科学会 (JSOG). NIPTに関する指針. [JSOG]

