InstagramInstagram

出生前診断で夫が反対…離婚危機になる前に

出生前診断で夫が反対…離婚危機になる前に|東京青山・ミネルバクリニック

出生前診断で離婚危機になる前に
夫婦のすれ違いを防ぐ考え方

「NIPTを受けたい」と伝えた瞬間、夫の表情が固まった。会話が噛み合わず、気づけば喧嘩になってしまう。出生前診断は、夫婦が“悪い”から揉めるのではなく、テーマが重すぎるから揉めます。だからこそ、離婚危機になる前に「話し方」と「考え方」を整えておくことが大切です。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🤝 夫婦・意思決定・出生前診断
臨床遺伝専門医が解説

Q. 夫が出生前診断に反対で、喧嘩や離婚の話まで出ています。まず何をすればいいですか?

A. まず「結論(受ける/受けない)」を急がず、反対の理由を“翻訳”して共有することです。
夫の反対は「あなたを否定したい」ではなく、恐れ・罪悪感・責任・お金・親の影響など複数の要素が混ざっていることが多いです。理由が言語化できると、夫婦は落ち着いて話せるようになります。

  • 最初の結論 → 争点は「検査」ではなく「恐れのズレ」です
  • 反対理由の整理 → 価値観・罪悪感・経済的負担・親の影響
  • 離婚危機の前に → 話し合いのルールを決める/第三者を入れる
  • 出生前診断の基本 → NIPTはスクリーニング、確定診断は羊水検査・絨毛検査
  • 施設選び → 検査は「結果」だけでなく「陽性後の支え」が大切です

\ いま一番つらいのは「話ができないこと」かもしれません /

📅 遺伝カウンセリング枠を確認する

※出生前診断の全体像:NIPT/全国対応:オンラインNIPT

1. 【結論】離婚危機の前に必要なのは「正しさ」より「翻訳」です

最初に大切なことをお伝えします。出生前診断の話し合いは、「医学的に正しい説明を勝ち取る場」ではありません。夫婦が壊れそうになるのは、多くの場合、互いの言葉が互いの心に届かず、「怖さ」だけが増幅するからです。

【結論】夫の反対を「否定」と解釈せず、反対の中身(恐れ)を言語化して共有することが最優先です。夫婦が落ち着けば、検査の説明も、選択肢の整理も、必ず前に進みます。

大事な注意:出生前診断は「どこまで調べるべきか」が医学的問題であると同時に倫理的問題でもあります。「知る権利」と「知らないでいる権利」の両方を尊重し、医師は結論を誘導しません。決定は常にご家族に委ねられます。

出生前診断とは、妊娠中に胎児の染色体異常や遺伝的な変化の可能性を調べる検査の総称です。代表的なものに母体血を用いたNIPT(スクリーニング)や、羊水検査・絨毛検査などの出生前の確定診断があります。

2. NIPTを受けたいのに夫が反対する理由とは

よくある状況:「NIPTを受けたい」と伝えたら夫が反対し、話し合いが喧嘩になってしまう。そんなときは、“説得”より先に、反対の理由を言葉にして共有することが近道です。

夫の「反対」は、たいてい一枚岩ではありません。言葉は短くても、内側には複数の感情が絡んでいます。ここを丁寧にほどくと、夫婦の会話が戻ってきます。

【結論】反対の理由は主に、①命の選択への抵抗や罪悪感、②結果が出た後の責任への恐れ、③経済的負担への不安、④親・家族の影響、⑤「知る」こと自体への怖さ、が重なって起こります。
  • 罪悪感(選別という誤解):検査=命の選別だと感じてしまう
  • 責任の恐れ:「もし陽性だったら」と考えた瞬間に思考が止まる
  • 経済的負担の不安:検査費用、確定検査、将来の見通しがイメージできない
  • 親・家族の影響:夫自身の価値観というより「家の価値観」に引っ張られる
  • 知ることの怖さ:検査結果が出るまでの不安を想像して耐えられない

⚠️ よくあるすれ違い:妻は「不安を減らすために知りたい」、夫は「不安を増やすものを避けたい」。同じ“不安”でも、処理の仕方が違うだけのことがあります。

3. 出生前診断が夫婦関係を揺さぶる本当の理由

出生前診断は、医学の話でありながら、同時に人生の話です。だから夫婦関係を揺さぶります。ここを「医療の説明不足」とだけ捉えると、修復が難しくなります。

【結論】揺さぶるのは、検査の結果ではなく、価値観(命の捉え方)・責任(誰が決めるか)・時間(結果までの不安)という3つの圧力です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【医学は事実、決断はフィロソフィー】

出生前診断は、医学が「確率」や「検出の範囲」を示します。でも、そこから先の「どう生きるか」は、家族のフィロソフィーです。だからこそ私は、結論を急がせません。“知ること”が家族を壊すのではなく、知ったあとを一緒に整理できないときに壊れます。その時間を、医療として守りたいと考えています。

💡 用語解説:NIPTと確定診断

NIPT(母体血を用いた出生前遺伝学的検査)は、母体の採血で胎児の染色体異常リスクを調べるスクリーニング検査です。確定診断ではありません。陽性の場合は、羊水検査・絨毛検査などで出生前の確定診断を行います。

4. よくある夫婦のすれ違いパターン

すれ違いは、内容よりも「会話の型」に出ます。次のパターンに当てはまる場合、話の順番を変えるだけで改善することがあります。

すれ違い①:結論から入ってしまう

「受けたい」「受けないでほしい」から始まると、相手は身構えます。まずは不安の中身から。

すれ違い②:正論で押してしまう

正しい説明は大切ですが、恐れが強いときは正論が届きにくいです。共感→整理→情報の順番が安全です。

すれ違い③:「もし陽性なら」を避ける

話題を避けるほど不安は膨らみます。“最悪”を想像するのではなく、次の行動を決めることが大切です。

5. 離婚危機になる前にできる3つのこと

ここからは具体策です。「どうすればいい?」の答えは、複雑に見えて、やることはシンプルです。

【結論】①話し合いのルールを決める、②検査の位置づけを共有する、③第三者(専門家)を入れる。この3点で、夫婦は急激に落ち着くことが多いです。
✅ 今日からできる3ステップ
  • ルール:「今夜は結論を出さない」「責め言葉は禁止」「10分で休憩」などを先に決める
  • 位置づけ:NIPTはスクリーニング、確定診断は羊水検査・絨毛検査と共有する
  • 第三者:夫婦だけで詰まるなら、専門家の場で整理する

6. それでも意見が一致しない場合に考えるべきこと

一致しないこと自体が悪いわけではありません。大切なのは、互いの尊厳を守りながら、現実的に次の一手を決めることです。

【結論】「同意」と「尊重」は別です。価値観が完全一致しなくても、相手の恐れを理解し、決め方のルールを共有できれば夫婦は守れます。

⚠️ 注意:妊娠中は心身の負担が大きく、話し合いが長期戦になるほど消耗します。結論を急がずに、進め方を急ぐことがポイントです。

7. 専門医・遺伝カウンセリングを入れる意味

夫婦の話し合いが行き詰まるとき、必要なのは「どちらが正しいか」を決める裁判ではありません。不安を整理し、医学的な誤解をほどき、次の行動を決める場です。

【結論】遺伝カウンセリングは「結論を出す場」ではなく、情報提供と意思決定支援の場です。知る権利・知らないでいる権利を尊重し、どの選択でも医療として支えます。
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「正確性」は心の安全のためにあります】

「早く結果が出ること」よりも、生涯に関わる検査だからこそ大切なのは正確性だと、私たちは考えています。さらに重要なのは、陽性後のフォローです。結果の受け止め方と次の一手を一緒に整理できなければ、トラウマになってしまうことがあります。不安な時間を短くすること、孤独にしないこと。それを医療として守りたいのです。

当院の説明体制について:検査前にはお一人あたり1.5時間の枠で十分な遺伝カウンセリングを行い、検査の意味・結果の解釈・陽性だった場合の選択肢まで整理したうえで進めます。遺伝カウンセリング料33,000円は検査費用に内包され、当日の説明だけでなく、妊娠経過中の不安も含めて相談の場を確保する設計にしています。

8. NIPT施設選びで失敗しないために:夫婦不和を増やさない視点

夫婦のすれ違いは、検査の内容そのものだけでなく、「検査の受け方」でも起こります。たとえば、結果を受け取ったあとに相談先がなく、家族だけで抱え込んでしまうと不安が増幅します。

【結論】検査は「判定」よりも、陽性後の支え(医学的・心理的ケア)が重要です。結果に振り回されないためには、受ける前から「次に何をするか」が決まっていることが安心につながります。

🔎 認証施設・非認証施設の誤解

日本には認証施設(大学病院中心)と非認証施設(民間主体)があり、非認証=質が低いという誤解が広がりがちです。しかし実際には、説明体制・判定体制・陽性後対応は施設により幅があります。当院は非認証施設ですが、臨床遺伝専門医がカウンセリングから判定、陽性後対応まで一貫して担当し、2025年6月から羊水検査・絨毛検査も院内で実施できる体制を整えました。結果だけでなく、その後の支えまで含めて検査を考えることが大切です。

⚠️ 精度の考え方:NIPTの陽性的中率などの数字は「一般的な数字」として語られがちですが、技術や解析体制により差が出ます。医療広告として断定的な比較は避けつつ、技術や体制の違いがあることを理解しておくと、夫婦のすれ違いが減ります。

🔗 エビデンス(外部ではなく当院の公開情報)

9. 臨床遺伝専門医からのメッセージ:夫婦が壊れないことが一番大切です

離婚危機まで追い込まれている方ほど、真剣です。あなたの不安は弱さではありません。赤ちゃんの将来と、家族のこれからを守ろうとしているからこそ苦しいのです。

【結論】出生前診断は、家族を壊すためのものではありません。どの検査を選ぶかよりも、夫婦が孤独と不安に追い詰められないことのほうが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 夫が反対するのは、私を否定しているからですか?

多くの場合そうではありません。反対の背景には、罪悪感、責任への恐れ、経済的負担の不安、親や家族の影響などが混ざっています。まずは「何が怖いのか」を一緒に言語化することが出発点です。

Q2. 出生前診断の話し合いで、喧嘩にならないコツは?

結論(受ける/受けない)から入らず、不安の中身から始めることです。「今夜は結論を出さない」「責め言葉は禁止」「10分で休憩」などルールを先に決めると、会話の安全性が上がります。

Q3. NIPTは確定診断ですか?

いいえ。NIPTはスクリーニング検査です。陽性の場合は、出生前の確定診断として羊水検査・絨毛検査などで確認します。

Q4. 羊水検査で「マイクロアレイ(CMA)」はいつ使いますか?

羊水検査+CMAは出生前の確定診断として、Gバンド法では検出できない微小欠失などを確定診断できます。学会指針では、原則として超音波での構造異常がある場合などが対象とされていますが、実臨床では背景や希望により個別に判断されます。

Q5. 互助会制度は任意ですか?

互助会費は8,000円で、NIPT受検者全員に適用されます。互助会制度により、羊水検査費用が全額補助されます(上限なし)。

Q6. 安心結果保証制度とは何ですか?

安心結果保証制度は6,000円で、NIPT受検者全員に適用されます。対象は「再検査が必要と分かったのに流産して検体を提出できなかったとき」です。

Q7. 他院でNIPTが陽性と言われました。相談できますか?

ご相談は可能です。ただし、当院でNIPTを受けた方へのサポート体制を軸に運用しているため、受検者の方を優先して対応しています。いずれの場合も、確定検査の位置づけや、次の行動を整理することが大切です。

🏥 夫婦の会話を守るために

出生前診断は、家族の未来に関わる大切なテーマです。
私たちは正確性心の安全を最優先に、話し合いの整理と次の一手を一緒に整えます。

関連記事

人気出生前診断を巡る夫婦間の対立を解消するために喧嘩になりやすい場面と、対話の立て直し方を整理します。技術解説夫に反対されたら?説明に必要な「数字」と考え方説得ではなく、恐れを整理して共有するための材料をまとめます。確定検査羊水検査・絨毛検査(出生前の確定診断)NIPT陽性後の次の一手を、医学的に整理します。エビデンス偽陰性ゼロのエビデンス当院で公開している根拠をまとめています。全国対応オンラインNIPT遠方でも、説明と支えの質を落とさない体制を整えています。疾患解説ダウン症とわかり中絶しました。後悔の理由と専門医の視点選択のあとに起こりうる心の反応を、医学的に整理します。

参考文献

  • [1] ACOG. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. Practice Bulletin No. 226. [ACOG]
  • [2] ACMG. Guidance on the use of noninvasive prenatal screening (cfDNA). [ACMG]
  • [3] ISPD. Position statement on cell-free DNA screening. [ISPD]
  • [4] PubMed(cfDNA/NIPTと遺伝カウンセリングに関する査読論文検索) [PubMed]
  • [5] NIH. Genetics Home Reference / MedlinePlus Genetics(遺伝カウンセリング基礎) [NIH]


プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科・腫瘍学を軸に、
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。
出生前診断・遺伝学的検査においては、検査結果そのものだけでなく
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年、国際誌『Global Woman Leader』および『Medical Care Review APAC』の2誌で立て続けに表紙(Cover Story)に抜擢。
「日本のヘルスケア女性リーダー10名」や「アジア太平洋地域のトップ出生前検査サービス」として、世界的な評価を確立しています。


▶ 仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

関連記事