NIPTは偽陽性率が優位に低い
以下の表は、21トリソミーの場合の他の出生前検査とNIPTの検出率と偽陽性率、陽性的中率です。
※ウィリアムス産科学より
検査 | 21トリソミー検出率% | 偽陽性率% | 陽性的中率% |
---|---|---|---|
クワトロテスト | 80~82 | 5 | 3 |
第1三半期スクリーニング | |||
NT hCG PAPP-A | 80~84 | 5 | 3~4 |
NTのみ | 64~70 | 5 | 5 |
統合型スクリーニング | 94~96 | 5 | 5 |
逐次型スクリーニング | |||
段階型 | 92 | 5.1 | 5 |
条件型 | 91 | 4.5 | 5 |
NIPT | |||
結果陽性 | 99 | 0.1 | 別表 |
低胎児分画/no call | 4~8 | 4 |
この表から何がわかるの?
現在、通常の産婦人科で行われてるクワトロ検査は検出率80-82%。
つまり、5人に1人は見逃している可能性があります。また、陽性(クワトロ検査の場合は
1/●●と確率で結果が出る)の疑いがあった際にもそのうちの5%は
偽陽性(本当は陰性)と判定されてしまいます。
更に陽性的中率3%。
※これは医学書に書いてあるものですので、信憑性のある数値です。
従来のスクリーニング検査は、表の通りの検出率・偽陽性率・陽性的中率という
検査精度では、これらの検査だけで安心を得るのはなかなか難しいのではと思います。
一方、NIPTはどうでしょうか。
検出率は99%。そして偽陽性率は0.1%(1,000人に1人)です。先程のクワトロ検査の
1/50の数値となります。
そして以下が別表です。NIPTを受けた際の陽性的中率を母体年齢毎に表にしたものです。
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妊娠中の統合型胎児スクリーニング
妊娠中の逐次型(シーケンシャル)胎児スクリーニング検査
母体年齢によって変わる陽性的中率
母体年齢 | T21 | T18 | T13 | 45,X | 47,XXY |
---|---|---|---|---|---|
20 | 48 | 14 | 6 | 41 | 29 |
25 | 51 | 15 | 7 | 41 | 29 |
30 | 61 | 21 | 10 | 41 | 29 |
35 | 79 | 39 | 21 | 41 | 30 |
40 | 93 | 69 | 50 | 41 | 52 |
45 | 98 | 90 | N/A | 41 | 77 |
この表から何がわかるの?
検査する年齢が若いほど陽性的中率は低くなる傾向にあります。
例えば、30歳でNIPTを受けて『13トリソミー(パトウ症候群)』と陽性結果が出たとしても
その陽性的中率はわずか10%。その他の例でも陽性的中率は100%ではありません。
従って確定検査として絨毛検査や羊水検査を受ける必要があります。
しかしながら、先にもお示しした通り、従来の出生前検査と比較すると格段に高い検出率や
圧倒的に少ない偽陽性率、そしてNIPTの陰性的中率は99.9%。
『非侵襲的で高い検査精度』がNIPTの最も支持される特徴と言えるでしょう。