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先天性筋線維タイプ不均等症の遺伝子検査|先天性ミオパチーの原因5遺伝子と遺伝する確率

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

先天性筋線維タイプ不均等症の遺伝子検査|先天性ミオパチーの原因5遺伝子と遺伝する確率

先天性筋線維タイプ不均等症(CFTD)は、筋生検で「タイプ1線維」が「タイプ2線維」より小さいことで見つかる生まれつきの筋肉の病気で、指定難病「先天性ミオパチー」の病型のひとつです。原因の遺伝子がわかると、RYR1型なら全身麻酔の前に伝えておくべきこと、どの合併症を重点的に見張るか、次のお子さんで同じ病気が起こる確率まで、次の一手が具体的に決まります。このページでは、症状・寿命の見通し・遺伝のしかたと、原因として知られる5つの遺伝子(TPM3・RYR1・ACTA1・SELENON・TPM2)を一度に調べる遺伝子検査でわかることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

先天性ミオパチーのひとつ、先天性筋線維タイプ不均等症の原因として知られるTPM3・RYR1・ACTA1・SELENON・TPM2の5遺伝子に、病気の原因となる変化があるかを一度に調べます。どの遺伝子が原因かで、遺伝のしかたや気をつける合併症が変わります。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

赤ちゃんのころから体がやわらかい(フロッピーインファント)、首すわりや歩き始めが遅い、筋生検で「タイプ1線維が小さい」と言われた、きょうだいに同じ病気の方がいる、という方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。血液のほか、唾液や頬の内側の粘膜でも受けられ、オンライン診療にも対応しています。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、遺伝のしかたに応じて次のお子さんで同じ病気が起こる確率をお伝えできます。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかったときの扱いもご説明します。

\ 原因がわかると、次の一手が決まります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 病型が決まっていない方は先天性ミオパチー遺伝子検査へ

1. 先天性筋線維タイプ不均等症(CFTD)とは:先天性ミオパチーのひとつ

先天性筋線維タイプ不均等症は、生まれつき筋力が弱く体がやわらかい「先天性ミオパチー」のひとつで、筋生検で「タイプ1線維」が「タイプ2線維」より小さいことを特徴とする病型です。英語の congenital fiber type disproportion の頭文字をとって、CFTDと呼ばれます。

難病情報センターは、先天性ミオパチー(指定難病111)の代表的な病型として、ネマリンミオパチー、セントラルコア病・ミニコア病、ミオチュブラーミオパチー・中心核病と並べて「先天性筋線維タイプ不均等症」を挙げています。先天性ミオパチー全体の国内の患者数は、およそ1,000〜3,000人と推定されています(いずれも2026年10月時点で難病情報センターの情報を確認)。

筋生検の「タイプ1線維が小さい」とは

手足を動かす筋肉(骨格筋)は、性質の違う2種類の筋線維が混ざってできています。筋線維の中では、アクチンやトロポミオシンなどのタンパク質が並んだサルコメアという単位が、縮んだり伸びたりして力を生み出しています。

💪 タイプ1線維とタイプ2線維

項目 タイプ1線維(遅筋) タイプ2線維(速筋)
縮み方 ゆっくり縮み、疲れにくい すばやく縮み、大きな力を出す
主な役割 姿勢を保つ、長く続ける動き 瞬間的な動き
CFTDの筋生検 タイプ1線維が、タイプ2線維よりはっきり小さい。ほかの病型を示す特徴的な所見(ネマリン小体・コアなど)は見られない

※CFTDの筋生検所見は文献[1]による。

どれくらい小さければCFTDと呼ぶかについて、2003年の総説は、タイプ1線維の平均の太さがタイプ2線維より少なくとも12%小さいことを条件にして過去の報告をまとめ、そのうち25%以上小さかった人たちでは症状が重い傾向があったと報告しています[1]。TPM3やRYR1が原因だった家系の研究では、筋生検を受けた方のタイプ1線維は、タイプ2線維より平均で半分以上小さかったと報告されています[2][3]。

ほかの病気が否定されてはじめてつく病名:同じ遺伝子がネマリンミオパチーなどの原因にもなる

CFTDは、筋生検でほかの病気を示す所見がないことを確かめたうえでつく「除外診断」の病名です[1]。そのため、筋生検の所見だけでは「なぜタイプ1線維が小さいのか」まではわかりません。

さらに、CFTDの原因になる遺伝子の多くは、別の病型の原因にもなります。たとえばTPM3の同じ変化をもつ家系の中で、CFTDの所見の方とネマリンミオパチーの所見の方がいた、という報告があります[2]。筋生検でつく名前と、遺伝子でわかる原因は、必ずしも1対1に対応しません。だからこそ、遺伝子検査で原因を確かめることに意味があります。

2. 症状と、いつわかるか

多くは、赤ちゃんのころから体がやわらかい(フロッピーインファント)、首すわり・寝返り・おすわり・歩き始めが遅い、という形で気づかれます。ただし重さには大きな幅があり、生まれてすぐに呼吸の助けが必要になる方から、大人になってから気づく方までいます。

顔つき(ミオパチー顔貌)と体の特徴

難病情報センターは、先天性ミオパチーでみられることがある所見として、高口蓋(上あごの天井が高い)、まぶたが下がる、目の動きが乏しい、側弯症、関節が固くなることなどを挙げ、これらはすべての病型にみられるわけではないとしています。顔の筋肉が弱いと表情が乏しく見えることがあり、「ミオパチー顔貌」と呼ばれることがあります。

原因の遺伝子によって目立つ特徴が違うことも報告されています。TPM3が原因の家系では、肩や腰まわりの筋力低下、首を前に曲げる力や足首を反らす力の弱さ、軽い顔の筋力低下やまぶたの下がりがみられました[2]。RYR1が原因の患者さん5人のうち3人には、目を動かす筋肉の麻痺(眼筋麻痺)があり、RYR1型を見分ける手がかりになるかもしれないとされています[3]。一方、ACTA1が原因の方は、生まれたときから重い筋力低下と呼吸不全がありながら、眼筋麻痺はありませんでした[4]。

重さの幅:赤ちゃんのころから重い型〜大人になって気づく型

難病情報センターは、先天性ミオパチーの重さには幅があり、生まれてすぐから人工呼吸器などが必要な重症型から、成人になって発症する軽症型まであるとしています。「先天性ミオパチー 大人」「成人型」と調べる方がいるのはこのためで、子どものころは「運動が苦手」程度だった方が、大人になって診断されることもあります。

知能には影響する?

難病情報センターは、先天性ミオパチーで知的障害やてんかんなどを認めることもあるが、すべての病型に認められるわけではない、としています。筋肉の病気であることと、知的な発達とは別に考える必要があります。お子さんの発達全体が気になる場合は、筋肉以外の原因も含めて調べる検査(第5章の表)が向いていることがあります。

気をつけたい合併症:呼吸・飲み込み・側弯・関節拘縮

いちばん気をつけたいのは呼吸です。先天性ミオパチーの国際的な診療の合意(2012年)は、手足の筋力低下の程度に比べて呼吸の筋肉の弱さが目立つことが、一部の病型ではよくあるとし、とくに眠っている間の呼吸(夜間の低換気)を早くから定期的に調べることを勧めています[7]。TPM3が原因の家系では、まだ歩ける段階で、夜間に鼻やマスクからの人工呼吸(非侵襲的換気)が必要になった方が多かったと報告されています[2]。

難病情報センターは、起きたときにぼーっとする、朝に頭痛がある、痰が出しにくい、といった症状が呼吸の弱さのサインになりうること、かぜなどをきっかけに急に呼吸不全になることがあることを挙げています。息苦しさを感じないまま進むこともあるため、症状がなくても定期的に調べることが大切です。

このほか、哺乳や飲み込みの弱さ(言語聴覚士による早めの評価が勧められています)[7]、進むことがある側弯症[7]、関節が固くなる関節拘縮、心臓の収縮する力の低下や不整脈(難病情報センター)にも注意します。

3. 寿命・予後:「治る?」「長生きできる?」

寿命の見通しは、重さによって大きく違い、一律には言えません。見通しを大きく左右するのは呼吸で、呼吸の弱さに早く気づいて対応することが大切です。難病情報センターは、先天性ミオパチーの進行は「ゆっくりですが進行性」で、呼吸の筋力低下が先に進むことがあるとしています。

「先天性ミオパチー 寿命」と検索される方が多いのですが、生まれてすぐから呼吸の助けが必要な重症型と、大人になって気づく軽症型とでは、見通しがまったく違います。同じ遺伝子の変化でも、家族の中で症状の重さや発症の時期が違うことがあり[2]、個人の寿命を数字で予測することはできません。

治療:原因を治す治療はまだなく、合併症への備えが中心

難病情報センターは、先天性ミオパチーに根治的な治療は存在しないとしています(2026年10月時点で確認)。行われるのは、リハビリテーション、装具、側弯や関節拘縮に対する手術、呼吸を助ける人工呼吸器など、症状と生活を支える治療です。国際的な診療の合意(2012年)も、呼吸・栄養・側弯・麻酔などの管理を中心にまとめています[7]。こうした治療やリハビリは、脳神経内科・小児神経科などの専門の医療機関で受けます。

「治らないなら、原因を調べても意味がない」と思われるかもしれません。けれども、原因の遺伝子がわかると、麻酔で避けるべき薬、呼吸の見張りの重点、ご家族と次のお子さんへの確率が具体的に決まります(第8章)。

4. 原因遺伝子と遺伝する確率:原因は親なのか

CFTDの原因になる遺伝子は複数あり、遺伝子によって遺伝のしかたが違います。難病情報センターの表では、筋線維タイプ不均等症の原因として、TPM3(20〜40%)、RYR1(10〜20%)、ACTA1(6%未満)、MYH7、TPM2、SELENON、MYL2が挙げられています(2026年10月時点で確認)。TPM3は、報告された中で最も多い原因とされています[2]。

遺伝子ごとの遺伝のしかた

🧬 原因遺伝子と遺伝のしかた

遺伝子 遺伝のしかた この検査
TPM3 常染色体顕性(優性)または潜性(劣性) 調べる
RYR1 常染色体潜性(劣性) 調べる
ACTA1 常染色体顕性(優性)または潜性(劣性) 調べる
SELENON 常染色体潜性(劣性) 調べる
TPM2 常染色体顕性(優性) 調べる
MYH7 常染色体顕性(優性) 対象外
MYL2 常染色体潜性(劣性) 対象外

※遺伝のしかたは難病情報センターの先天性ミオパチーの表(2026年10月時点)、RYR1・SELENON・ACTA1は文献[3][5][4]による。MYH7・MYL2との関係は文献[6]。

難病情報センターは、先天性ミオパチーは親から受け継がれる場合のほか、受け継ぐ過程で新しく変化が起きて発症する場合もあり、「かならず親から伝わっている、というわけではない」としています。

次のお子さんで同じ病気が起こる確率

次のお子さんで同じ病気が起こる確率(再発率)は、原因の遺伝子と遺伝のしかたで大きく変わります。原因がわからないままでは、この確率をお伝えすることができません。

  • ●常染色体潜性(劣性)遺伝(RYR1・SELENONなど):ご両親がともに同じ遺伝子の変化を1つずつもつ保因者で、次のお子さんで同じ病気が起こる確率は、妊娠のたびに4分の1です。
  • ●常染色体顕性(優性)遺伝で、親御さんが同じ変化をもつ場合:お子さん1人ごとに2分の1です。親御さんが軽い症状で気づいていないこともあります。
  • ●お子さんで新しく起きた変化(de novo)の場合:ご両親の血液で同じ変化が見つからなくても、卵子や精子のもとになる細胞にだけ変化がある「性腺モザイク」の可能性があるため、ゼロとは言えません。

⚠️ 「新しく起きた変化だから、次は大丈夫」とは言えません

変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。血液で変化が見つからなかったことは、生殖細胞に変化がないことの証明にはなりません。

お子さんで新しく起きた変化だとわかれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。原因がわかっていれば、次の妊娠で赤ちゃんに同じ変化があるかを調べる出生前診断を計画できます(第8章)。

5. どんな人がこの検査を受けるとよいか

筋生検でCFTDと言われた方、またはその所見が強く疑われていて、原因を5つの遺伝子に絞って調べたい方に向く検査です。原因がわからないまま病院を回る時間を、検査で短くできる可能性があります。

受けるとよい場面

  • ●筋生検で「タイプ1線維が小さい」「先天性筋線維タイプ不均等症」と言われ、原因の遺伝子を知りたい方
  • ●赤ちゃんのころから体がやわらかく、首すわりや歩き始めが遅かった方で、先天性ミオパチーが疑われている方
  • ●きょうだいやご家族に、CFTDや先天性ミオパチーと診断された方がいる方
  • ●手術や全身麻酔の予定があり、RYR1の変化の有無を前もって知っておきたい方
  • ●お子さんがCFTDと診断され、次の妊娠を考えている親御さん

見た目や家族歴だけでは、原因も、ご家族への確率も判断できません。重いお子さんの病気をきっかけに、ご家族の検査や次の妊娠の計画が具体的になることもあります。

症状と発症の時期から、筋肉の検査を選ぶ

筋肉の遺伝子検査は、調べる病気のまとまりごとに分かれています。比べる相手は検査の種類です。迷うときは、遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

🔍 症状に合わせた筋肉の検査の選び方

こんなとき 向いている検査
筋生検でタイプ1線維が小さい(CFTD)と言われた このページの検査(5遺伝子)
生まれつきの筋力低下・体のやわらかさがあり、病型がまだ決まっていない 先天性ミオパチー遺伝子検査(61遺伝子)
筋生検でネマリン小体が見つかった ネマリンミオパチー遺伝子検査(8遺伝子)
関節の硬さが目立ち、VI型コラーゲンの病気が疑われる ウルリッヒ病・ベスレムミオパチー遺伝子検査/VI型コラーゲン異常症遺伝子検査
筋肉の症状に加えて、脳や目の症状もある ジストログリカン関連先天性筋ジストロフィー遺伝子検査/症候性先天性筋ジストロフィー遺伝子検査
まぶたが下がる、疲れやすい 先天性筋無力症候群遺伝子検査
子どもから大人になって、肩や腰から弱くなる 肢帯型筋ジストロフィー遺伝子検査
手先・足先の筋肉から弱くなる 遠位型遺伝性ミオパチー遺伝子検査
筋肉・神経のどこの病気か絞れない 神経筋疾患遺伝子パネル検査
発達の遅れなど筋肉以外の症状も多く、病気を絞れない 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、症状・診察所見・筋生検の結果・ご家族の情報で変わります。

この検査より別の検査が向いている場合

先天性ミオパチー遺伝子検査(61遺伝子)は、このページの5遺伝子をすべて含み、検査費用も同じ税込330,000円です。筋生検の所見がはっきりせず病型がまだ決まっていない方、CFTDの原因として報告のあるMYH7・MYL2[6]まで含めて調べたい方、ネマリンミオパチーやコア病などほかの病型の可能性も一緒に確かめたい方は、61遺伝子の検査のほうが向いています。

このページの検査が向いているのは、筋生検でCFTDとわかっていて、まずこの病型の原因として知られる5遺伝子に的を絞って調べたい方です。どちらにするかは、筋生検の結果を見ながら遺伝カウンセリングでご相談ください。

\ 次のお子さんのことを、原因から考える /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

原因がわかれば、次の妊娠で赤ちゃんを調べる羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます(2025年6月から産婦人科を併設)。

お問い合わせはこちら | どの筋肉の検査がよいか迷う方へ

6. 調べる5遺伝子と、それぞれで関係する病気

この検査では、TPM3・RYR1・ACTA1・SELENON・TPM2の5遺伝子を、次世代シーケンス(NGS)でまとめて調べます。同じ遺伝子でも、変化の種類によって別の病型として現れることがあります。

🧪 先天性筋線維タイプ不均等症の遺伝子検査で調べる5遺伝子

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた(CFTD) 知っておきたいこと
TPM3 先天性筋線維タイプ不均等症、ネマリンミオパチー1型 常染色体顕性(優性)または潜性(劣性) CFTDで報告の最も多い原因。歩ける段階で夜間の呼吸の助けが必要になることがある[2]
RYR1 先天性筋線維タイプ不均等症、セントラルコア病・マルチミニコア病などのRYR1関連ミオパチー、悪性高熱症 常染色体潜性(劣性) 眼筋麻痺が手がかりになることがある[3]。全身麻酔で悪性高熱症に注意[8]
ACTA1 先天性筋線維タイプ不均等症、ネマリンミオパチー3型 常染色体顕性(優性)または潜性(劣性) CFTDの原因として最初に見つかった遺伝子。生まれたときから重い筋力低下と呼吸不全を伴った報告がある[4]
SELENON(旧名SEPN1) 先天性筋線維タイプ不均等症、強直性脊椎症を伴う先天性ミオパチー 常染色体潜性(劣性) 側弯と呼吸筋の弱さを伴う方が調べられ、インスリン抵抗性を示す方が報告されている[5]
TPM2 先天性筋線維タイプ不均等症、ネマリンミオパチー4型、キャップミオパチー、遠位型関節拘縮症1型 常染色体顕性(優性) 筋肉の病気のほか、生まれつきの手指・足の関節拘縮の原因にもなる

※遺伝のしかたは難病情報センターの先天性ミオパチーの表(2026年10月時点)と文献[2]〜[5]。ネマリンミオパチーの病型番号は当院のネマリンミオパチー遺伝子検査のページ、TPM2のそのほかの病気は米国国立医学図書館(MedlinePlus Genetics)の遺伝子の解説による。

RYR1は、筋肉の細胞の中でカルシウムを放出し、神経からの信号を筋肉の収縮につなげる「興奮収縮連関」の中心にあるタンパク質の設計図です。SELENONは、セレンを含むタンパク質(セレノプロテイン)のひとつ、セレノプロテインNの設計図です。TPM3・TPM2・ACTA1は、サルコメアで収縮を担うトロポミオシンやアクチンの設計図です。

遺伝子の詳しいはたらきは、表の遺伝子名から各遺伝子のページでご覧いただけます。

7. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、5遺伝子の塩基の小さな変化(1文字の置き換わり・小さな挿入や欠失)と、遺伝子のまとまった欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●調べている場所:次世代シークエンサーで、タンパク質の情報が書かれた部分(エクソン)と、その境目を読みます。読み取りが不十分な部分は、別の方法(サンガー法)で確かめます。
  • ●欠失・重複:遺伝子1つまるごとの欠失・重複(血液・頬の粘膜)と、隣り合う2つ以上のエクソンの欠失・重複(血液のみ)を調べます。エクソン1つだけの欠失・重複は、見つからないことがあります。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
  • ●見つけられない変化:染色体の転座・逆位、繰り返し配列が長くなる変化、遺伝子のスイッチ部分(プロモーター)やエクソンから離れた場所の変化、体の一部の細胞にだけある変化(モザイク)は、この検査の対象ではありません。
  • ●調べていない遺伝子:CFTDの原因として報告のあるMYH7・MYL2[6]は、この検査には含まれていません。

陰性でもCFTDは否定できない理由

原因がわからなかったCFTDの方23人を調べた研究で、TPM3の変化が見つかったのは6家系でした[2]。このように、CFTDの原因はまだすべてわかっているわけではありません。この検査で原因が見つからなくても、CFTDではないという意味にはなりません。まだ知られていない遺伝子や、この検査で見つけにくい種類の変化が原因のこともあります。

意義がまだわからない変化(VUS)

病気の原因かどうか、今の知識ではまだ判断できない変化(VUS)が見つかることがあります。VUSは、それだけで診断やご家族の発症予測の根拠にはしません。ただし、その変化の意味を調べるために、ご本人の同意のもとでご家族を検査する場合があります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合(二次的所見)の扱いは、当院の二次的所見の開示方針のとおりです。

8. 病的変異が見つかったら、次にできること

原因の遺伝子がわかると、「わかって終わり」ではなく、ご本人・ご家族・次のお子さんのそれぞれで、次にできることが具体的に決まります。結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。

お子さんご本人:RYR1型は麻酔(悪性高熱症)の注意を一生伝える/呼吸の見張り

RYR1の変化が見つかった場合は、手術や検査で全身麻酔を受ける前に、必ず麻酔科医に伝えてください。遺伝性疾患の解説書GeneReviewsは、RYR1関連のミオパチーの方でも、麻酔の誘発薬で悪性高熱症の反応が起こりうるとしています[8]。悪性高熱症は、揮発性の吸入麻酔薬や筋弛緩薬のスキサメトニウムをきっかけに起こり、治療にはダントロレンが使われます[8]。先天性ミオパチーの国際的な診療の合意(2012年)も、RYR1の変化が確かめられている方では、スキサメトニウムと吸入麻酔薬(亜酸化窒素を除く)を避けるよう勧めています[7]。この情報は、大人になってからも、歯科や救急の場面でも役に立ちます。

どの遺伝子が原因でも、呼吸の見張りは欠かせません。国際的な診療の合意は、先天性ミオパチーのすべての方に呼吸機能の検査を行い、リスクの高い方では6か月ごとなど頻度を上げること、睡眠中の呼吸を早くから定期的に調べること(安定していれば1〜2年ごとの睡眠検査など)を勧めています[7]。側弯は受診のたびに確認し、見つかれば小児整形外科へ、進行して50度を超えるときは手術を検討するとされています[7]。心臓は、症状がなくてもおおむね2年ごとの評価が目安とされる一方、RYR1が原因の方では定期的な心臓の検査はおそらく必要ないとされています[7]。

SELENONが原因の場合は、側弯と呼吸筋の弱さに加え、インスリン抵抗性を示す方が報告されています[5]。こうした見張りや治療・リハビリ・装具は、脳神経内科・小児神経科などの専門の医療機関で受けます。病名が確定すると、指定難病・小児慢性特定疾病の申請の手がかりにもなります(第10章)。

ご家族:ご両親・きょうだいの検査

お子さんで原因の変化がわかると、ご両親・きょうだいが同じ変化をもっているかを、その場所だけを狙って調べられます。潜性遺伝なら、ご両親がそれぞれ保因者かを確かめられ、きょうだいが将来、結婚・出産を考えるときの手がかりにもなります。顕性遺伝なら、症状の軽い親御さんが同じ変化をもっていないかを確かめます。

RYR1の変化を受け継いだご家族は、麻酔の注意がご本人にも関わることがあります。GeneReviewsは、悪性高熱症と診断された方の血縁者の状態を確かめることが適切としています[8]。症状のないご家族の検査は、ご本人の同意のもとで、遺伝カウンセリングで意味をよく考えてから行います。

次のお子さん:出生前診断・保因者検査

ご家族で原因の変化がわかっていれば、妊娠したときに、赤ちゃんに同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。ただし、出生前診断を行えるかどうかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断するため、妊娠を考えている段階からご相談ください。原因がわからないままでは、出生前に調べる的を決められません。

潜性遺伝の病気では、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかも大切です。5遺伝子のうちSELENONは、当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子・男性版714遺伝子)の対象に入っています。RYR1・ACTA1・TPM2・TPM3は対象に入っていないため、血縁のご家族が同じ変化をもつかを確かめる場合は、判明している変化を調べます。一方、潜性遺伝の病気についてパートナーの保因者検査を行う場合は、ご家族と同じ変化だけでなく、同じ遺伝子の別の病的な変化も調べる必要があります。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」もあります。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。出生前診断を受けない、何もせずに産む、という選択も、そのまま尊重される選択肢です。

9. 陰性・VUSだったとき

5遺伝子に原因が見つからなかった場合は、CFTDの可能性が消えるわけではなく、次の検査を考えます。病型をもう一度見直す場合や、MYH7・MYL2などほかの遺伝子まで調べたい場合は先天性ミオパチー遺伝子検査(61遺伝子)、筋肉以外の症状もある場合は全エクソーム検査(WES)が選択肢になります。

VUSだった場合は、ご家族の検査結果や、今後の研究の進み具合で意味がわかることがあります。どの場合も、結果の意味と次の一歩は、遺伝カウンセリングでご説明します。

10. 日本の制度(2026年10月時点)

先天性筋線維タイプ不均等症は、指定難病111「先天性ミオパチー」の病型のひとつに含まれています。難病情報センターの先天性ミオパチーのページ(2026年10月時点で確認)では、代表的な病型として「先天性筋線維タイプ不均等症」が挙げられています。

小児慢性特定疾病でも、筋疾患の「先天性ミオパチー」の疾病のひとつとして「先天性筋線維不均等症」が掲載されています。対象の基準では、筋力低下と筋緊張低下があり、筋病理(筋生検)または遺伝子検査で診断されることが条件とされています(2026年10月時点で小児慢性特定疾病情報センターの資料を確認)。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

11. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。血液のほか、唾液・頬の内側の粘膜でも受けられ、オンライン診療にも対応しています。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・唾液・頬の粘膜
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
対象遺伝子 ACTA1、RYR1、SELENON、TPM2、TPM3(5遺伝子)
検査費用 税込330,000円(塩基配列の解析と、欠失・重複の解析を含む)
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間
オプション 至急(結果までの期間が約7日短くなります)55,000円/VUS除外(無料)
検体 血液(EDTA採血管4mL×2本)、抽出済みのDNA、頬の内側の粘膜、唾液
読み取りの精度 対象領域の99%以上を、20回以上読み取ります(同じ場所を何度も読むほど、読み間違いを減らせます)
オンライン診療 対応しています。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金のお支払いのあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、キットが届く前にご自身で検体を採らないでください。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の見方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

検査の前に、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご家族とこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

唾液・頬の粘膜ならオンライン診療で受けられます。結果は臨床遺伝専門医が直接ご説明してからマイページにアップします。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

12. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【病名の先にある「原因」を知る意味】

先天性筋線維タイプ不均等症は、筋生検の所見でつく病名です。けれども、同じ病名でも、原因の遺伝子によって、気をつける合併症も、ご家族への確率も違います。RYR1が原因なら、麻酔の前に伝えるべきことがあります。お子さんで新しく起きた変化なら、ご両親のせいではないことがはっきりします。病名だけで止まらず、原因まで知ることで、次に何をすればよいかが見えてくると考えています。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因を知ったうえで次の妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 先天性筋線維タイプ不均等症(先天性ミオパチー)は治りますか?

難病情報センターは、先天性ミオパチーに根治的な治療は存在しないとしています(2026年10月時点)。リハビリテーション、装具、側弯や関節拘縮の手術、呼吸を助ける人工呼吸器など、症状と生活を支える治療が行われます。原因の遺伝子がわかると、麻酔の注意や呼吸の見張りの重点など、備え方が具体的になります。

Q2. 寿命はどのくらいですか?

重さによって大きく違い、一律には言えません。生まれてすぐから呼吸の助けが必要な重症型から、大人になって気づく軽症型まであります。見通しを大きく左右するのは呼吸で、息苦しさがなくても睡眠中の呼吸などを定期的に調べ、早く対応することが大切です。

Q3. 先天性ミオパチーは生まれる前にわかりますか?

ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんに同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。原因がわからないままでは調べる的を決められないため、まず原因を確かめることが出発点になります。なお、この検査の5遺伝子は当院のNIPTの対象には入っていません。

Q4. 大人になってから気づくことはありますか?

あります。難病情報センターは、先天性ミオパチーには成人になって発症する軽症型もあるとしています。子どものころは運動が苦手という程度だった方が、大人になって診断されることもあります。

Q5. 原因は親ですか?遺伝する確率は?

原因の遺伝子によって違います。RYR1やSELENONのような潜性遺伝なら、ご両親がともに保因者で、次のお子さんで同じ病気が起こる確率は妊娠のたびに4分の1です。顕性遺伝で親御さんが同じ変化をもつ場合は2分の1です。お子さんで新しく起きた変化のこともあり、その場合はご両親のせいではありません。ただし性腺モザイクの可能性があるため、次のお子さんの確率はゼロとは言えません。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

Q6. 筋生検は必要ですか?

先天性筋線維タイプ不均等症という病名は、筋生検でタイプ1線維が小さく、ほかの病型の所見がないことを確かめてつきます。一方、小児慢性特定疾病の先天性ミオパチーの基準では、筋病理(筋生検)または遺伝子検査で診断するとされています。筋生検の前か後か、どの検査から始めるかは、遺伝カウンセリングでご相談ください。

Q7. RYR1の変化が見つかったら麻酔で何に注意しますか?

手術や検査で全身麻酔を受ける前に、必ず麻酔科医にRYR1の変化があることを伝えてください。RYR1関連のミオパチーの方でも、揮発性の吸入麻酔薬や筋弛緩薬のスキサメトニウムをきっかけに悪性高熱症が起こりうるとされています。先天性ミオパチーの国際的な診療の合意では、RYR1の変化が確かめられている方ではこれらの薬を避けるよう勧められています。この情報は一生役に立ちます。

Q8. 家族にこの病気の人がいると、結婚やきょうだいの将来に関係しますか?

遺伝の確率は、原因の遺伝子とご家族ごとに違います。原因がわかっていれば、ご自身が同じ変化をもっているか、潜性遺伝ならパートナーが保因者かを調べられ、お子さんへの確率を具体的に知ることができます。知ったうえで、出生前診断などの選択肢を考えることもできます。結婚や出産をどうするかは、ご本人とご家族が決めることで、当院はどの選択も尊重します。

🧬 病名の先にある原因を知って、次の計画へ

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。先天性筋線維タイプ不均等症の原因がわかれば、麻酔の注意や呼吸の見張りなどお子さんご本人への備えだけでなく、ご家族の検査や次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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