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NIPTは、母体の血液中に含まれる無細胞の胎児DNAを分析します。女性の染色体型は、46,XXですが、母体血液サンプル中に、母体にはないY染色体DNA配列が検出された場合、胎児は男性に分類されます。Y染色体DNA配列が検出されない場合、胎児は女性であると判定されます。この記事ではNIPTの性別判定が外れた場合に考えることをお伝えします。
NIPTとは?
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、非侵襲的な出生前検査の略称で、妊婦の血液から胎児の遺伝子情報を調べるための先進的な医療検査です。この検査は、妊婦の血液中に胎児のDNAが含まれていることを利用して、胎児の健康状態や遺伝子異常を評価することができます。NIPTは非侵襲的でリスクが低く、性別判定や染色体異常(ダウン症など)のスクリーニングに用いられます。この検査は、従来の羊水穿刺や絨毛膜検査などよりも安全で正確であるため、多くの妊婦に推奨されています。
NIPTによる性別判定のタイミングと精度(正確性)
胎児の性別判定におけるNIPTの診断精度は非常に高いものです。この検査の感度は98.9%、特異度は99.6%である。陽性的中率および陰性的中率もそれぞれ99.6%および98.8%と高くなっています。
NIPTの診断精度は妊娠週数とともに上昇し、第6週未満の感度は74.5%ですが、妊娠第6週から11週では94.8%、第19週以降では99.0%となっています。特異度は、98.8%となっています。
NIPT検査の中には、性別の結論が出ない結果になることがあります。結論の出ない結果(判定保留)は、研究間で十分に報告されていません。同定されたシステマティックレビューに基づくと、NIPTサンプルの約10~20%で結論が出ない結果が生じると推定されています。
ミネルバクリニックのNIPTでは、現在までに性別が出なかった症例は5000人に1人未満となっています。
参考文献:Non-invasive prenatal testing (NIPT) for foetal sex determination
NIPTの性別が外れる可能性は?
NIPTによる性別判定が間違っている確率は、妊娠10週目以降に検査を行った場合、約1パーセントです。原因としては、正確な判定をするために必要な胎児の遺伝物質(セルフリーDNA)が母体の血流に十分含まれていないことが考えられます。しかし、適切な時期に実施すれば、NIPTの精度は99%であり、間違えることはほとんどなりません。
超音波検査による性別判定のタイミングと精度
個人差はありますが、妊娠20週の間に何度か超音波検査を受ける機会があるでしょう。妊娠中期の超音波検査(通常20週目)で初めて、超音波検査で赤ちゃんの性器を見ることができ、男の子か女の子かを知ることができるようになります。
超音波検査の性別判定が外れる可能性は?
超音波検査で間違いが起こる確率は最大5%程度と考えられています。超音波検査は、いつ行うか、超音波検査をする医療職のスキル、赤ちゃんが股の間が見える位置にいるかどうかにもよりますが、95~99パーセントの精度で性別を判定することができますが、間違いもあります。臍帯の輪がその部分にはみ出していると、ペニスと間違われることがあります。
一般的に、超音波検査は妊娠18週から22週の間に行うのが最も正確です。
NIPTの性別判定の外れたケース
ミネルバクリニックのNIPTでは、今までに性別判定が外れた人が2人いらっしゃいます。確率としては数千人に1人となっています。
両方とも、NIPTでは男の子だったのに実際生まれたら女の子だったケースでした。この場合、バニシングツインが一番考えやすいのですが、以下の記事に詳しく書いてあるので、そちらをご覧ください。
関連記事:NIPT(新型出生前診断)の間違い?赤ちゃんの性別判定が違う!
NIPT検査において性別判定が外れる可能性(原因)について
NIPT(新型出生前診断)は非侵襲的で高精度な検査として広く認識されていますが、性別判定が外れる可能性がゼロであるわけではありません。以下に、性別判定が外れる可能性を列挙します。
- 低胎児DNA濃度
- NIPTは母体の血液中に存在する胎児の遺伝子情報を検出するため、胎児DNAの濃度が低い場合、性別判定の精度が低下することがあります。特に妊娠初期や肥満などの場合に、この問題が起こり得ます。
- 技術的な制約
- NIPTは高度な遺伝子解析技術を使用していますが、技術的な制約や試料の処理ミスが性別判定の外れた原因となることがあります。この点については、検査の信頼性を高めるために継続的な技術の向上が求められています。
- モザイク状態の胎児
- 一部の胎児は性別においてモザイク状態を持つことがあり、これが性別判定の難しさを引き起こすことがあります。
- 双子妊娠(バニシングツイン)
- 双子の妊娠(バニシングツイン)の場合、性別判定が複雑になることがあり、正確な結果を得るのが難しいことがあります。
- 人為的エラー
- 人為的なエラーや試料の混同が性別判定の外れた原因となることも考えられます。
性別判定の外れたケースは稀であり、NIPTは通常高い精度を持つ検査です。しかし、検査の正確性を高めるためには、適切なタイミングで行い、専門家の指導に従うことが重要です。性別判定の精度向上に向けた研究や技術の進化も進行中です。
新型出生前診断の性別判定と超音波検査の胎児の性別が違う場合にすべきことについては、こちらのページをご覧ください。
まとめ
NIPTの性別判定が外れた場合、もっとも多いのはバニシングツインです。男女の双子を妊娠して、男の子のほうが超早期に流産してしまった場合、Y染色体の成分が検出される時期が4~8週間程度あるためです。バニシングツインは本人も産婦人科医も気付かないことも往々にしてあります。
女性という判定だったのに男性だった場合には、胎児DNAが足らなくて誤判定をした可能性と、染色体はXXで女性なのに外性器は男性という疾患の可能性があるため、小児科で精密検査を受けてください。
ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査(新型出生前診断)を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。オンライン診療+地元で採血、という形で全国からミネルバクリニックにお越しになることなく受けられます。