目次
出生前診断の種類一覧
検査方法・費用・時期の違いを臨床遺伝専門医が徹底解説
Q. 出生前診断にはどんな種類がありますか?
A. 大きく分けて「非確定検査」と「確定検査」があります。
リスクを判定するスクリーニング検査(NIPT、コンバインド検査など)と、診断を確定させる検査(羊水検査・絨毛検査)があり、それぞれ精度やリスク、受けられる時期が異なります。
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非確定検査 → NIPT、コンバインド検査、母体血清マーカー(流産リスクなし) -
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確定検査 → 羊水検査、絨毛検査(確実だがわずかに流産リスクあり) -
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検査時期 → 検査によって妊娠6週〜18週と適切な時期が異なります -
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費用相場 → NIPTは10〜20万円、羊水検査は10〜15万円程度 -
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ミネルバの特徴 → 妊娠6週からの早期NIPTにも対応(臨床研究)
1. 出生前診断とは?目的と重要性
【結論】 出生前診断は、妊娠中に胎児の健康状態や疾患の可能性を調べる検査です。単に異常を見つけるだけでなく、赤ちゃんの状態を事前に知り、出産後の治療環境を整えたり、ご家族が心の準備をするための大切なプロセスです。
「検査を受けるべきか迷っている」という妊婦さんは少なくありません。医療技術の進歩により、お母さんの血液だけで検査できるNIPTなどが普及し、選択肢は増えています。まずは正しい知識を持ち、ご夫婦で「何のために検査を受けるのか」を話し合うことが大切です。
出生前診断の目的
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染色体異常の有無:ダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーなど
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形態異常の評価:超音波検査による胎児の外見的異常の確認
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神経管閉鎖障害:二分脊椎、無脳症など
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遺伝性疾患:単一遺伝子疾患の一部(拡張NIPTで対応可能なものも)
出生前診断を受けることで、NICU(新生児集中治療室)完備の病院を選んだり、小児専門医との連携体制を整えたりといった準備が可能になります。また、万が一の結果に対して心の準備をする時間を持つこともできます。
2. 出生前診断の種類と比較一覧
【結論】 出生前診断には大きく分けて、リスクの可能性を調べる「非確定検査(スクリーニング検査)」と、診断を確定させる「確定検査」の2種類があります。
検査の選び方は、妊娠週数、知りたい情報、リスク許容度、費用などを総合的に考慮して決定します。以下の一覧表で、各検査の特徴を比較してみましょう。
| 分類 | 検査名 | 実施時期 | 検査方法 | 精度・特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 非確定検査 (流産リスクなし) |
NIPT(新型出生前診断) | 妊娠9〜10週以降 ※当院は6週〜可 |
母体採血のみ | 感度99%以上。最も精度が高い非確定検査 |
| コンバインド検査 | 妊娠11〜13週 | 超音波(NT)+採血 | 感度80〜85%程度。形態異常も同時評価可能 | |
| 母体血清マーカー (クアトロテスト) |
妊娠15〜18週 | 採血のみ | 感度80%程度。費用は安いが偽陽性・偽陰性が多い | |
| 超音波検査(NT測定) | 妊娠11〜13週 | 超音波のみ | 単独では感度60〜70%程度。形態スクリーニングとして重要 | |
| 確定検査 (流産リスクあり) |
絨毛検査(CVS) | 妊娠11〜14週 | 経腹または経膣穿刺 | 確定診断。流産リスク約1/100 |
| 羊水検査 | 妊娠15〜18週 | 経腹穿刺 | 確定診断。最も一般的。流産リスク約1/300 |
⚠️ 重要ポイント:非確定検査(スクリーニング検査)は「リスクの高さ」を調べる検査であり、確定診断ではありません。陽性の場合は必ず確定検査(羊水検査・絨毛検査)を受ける必要があります。
3. NIPT(新型出生前診断)の詳細
【結論】 NIPTは、妊婦さんの血液中に含まれる胎児(胎盤)由来のDNA断片を解析する検査です。従来の血液検査に比べて感度が非常に高く、陰性的中率(陰性と出た場合に本当に陰性である確率)は99.99%と言われています。
NIPTは2013年に日本で臨床導入されて以来、急速に普及しています。採血のみで流産リスクがなく、妊娠早期から高精度な検査が可能であることが大きな特徴です。
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メリット①:採血のみで流産リスクがない
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メリット②:妊娠早期(通常10週、当院は6週〜)から受けられる
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メリット③:感度99%以上の高精度
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デメリット①:費用が高額(10〜20万円前後)
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デメリット②:非確定検査のため、陽性の場合は確定検査が必要
NIPTで調べられる項目
| 検査項目 | 対象疾患 | 感度 |
|---|---|---|
| 基本検査(3項目) | 21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー | 99%以上 |
| 性染色体検査 | ターナー症候群、クラインフェルター症候群など | 90〜95%程度 |
| 微小欠失検査 | 22q11.2欠失症候群、1p36欠失症候群など | 検査機関による |
| 全染色体検査 | 1〜22番の常染色体すべての数的異常 | 検査機関による |
ミネルバクリニックの早期NIPT
一般的にNIPTは妊娠10週(9週)からの受検が推奨されていますが、ミネルバクリニックでは妊娠6週・7週・8週からの早期NIPTを臨床研究として実施しています。早期に結果を知ることで、今後の選択肢について考える時間を十分に確保できるメリットがあります。
💡 当院のNIPTの特徴
ミネルバクリニックでは、スーパーNIPT(第3世代)とCOATE法を採用しています。従来の方法よりも偽陽性率が低く、より正確な結果が期待できます。また、臨床遺伝専門医が直接対応するため、検査前後の遺伝カウンセリングも安心です。
4. コンバインド検査の詳細
【結論】 コンバインド検査は、超音波検査(NT測定)と母体血清マーカー(PAPP-A、hCG)を組み合わせてリスクを算出する検査です。NIPTより精度は劣りますが、超音波で胎児の形態異常も同時に確認できるメリットがあります。
コンバインド検査は妊娠11〜13週(+6日)の限られた期間にしか実施できません。この時期に、胎児の後頸部の透明帯(NT: Nuchal Translucency)の厚さを測定し、血液検査の結果と合わせてダウン症候群などのリスクを計算します。
コンバインド検査の仕組み
超音波検査(NT測定)
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胎児の後頸部の透明帯の厚さを測定
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正常値:3.0mm未満
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厚いほど染色体異常のリスク上昇
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心臓の形態異常も同時に確認可能
母体血清マーカー
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PAPP-A(妊娠関連血漿タンパクA)
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free β-hCGまたはhCG
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ダウン症:PAPP-A低下、hCG上昇
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18トリソミー:両方とも低下
コンバインド検査の精度
| 対象疾患 | 検出率(感度) | 偽陽性率 |
|---|---|---|
| ダウン症候群(21トリソミー) | 82〜87% | 約5% |
| 18トリソミー | 約80% | 約0.5% |
| 13トリソミー | 約80% | 約0.5% |
⚠️ NIPTとの比較:NIPTの検出率(感度)は99%以上であるのに対し、コンバインド検査は82〜87%程度です。精度を重視するならNIPTが推奨されますが、コンバインド検査は超音波で形態異常も同時に評価できる点がメリットです。
どの検査を選ぶべきか迷っていませんか?
ネットの情報だけでは判断が難しいことも。
臨床遺伝専門医と直接お話しすることで、最適な選択肢が見つかります。
※オンライン診療も対応可能です
5. 確定検査(羊水検査・絨毛検査)
【結論】 羊水検査・絨毛検査は、お腹に針を刺して細胞を採取し、染色体を直接分析する確定検査です。結果は「確定」となりますが、わずかながら流産のリスクがあります。
確定検査は、非確定検査で陽性(高リスク)と判定された場合や、超音波検査で異常所見が認められた場合に行われることが一般的です。
羊水検査と絨毛検査の比較
| 項目 | 羊水検査 | 絨毛検査(CVS) |
|---|---|---|
| 実施時期 | 妊娠15〜18週 | 妊娠11〜14週 |
| 検査方法 | 経腹穿刺で羊水を採取 | 経腹または経膣で絨毛を採取 |
| 流産リスク | 約1/300(0.3%) | 約1/100(1%) |
| 結果判明 | 2〜3週間 | 2〜3週間 |
| メリット | 最も一般的で実施施設が多い | より早期に確定診断可能 |
| デメリット | 検査時期が遅い | 実施施設が限られる、モザイク型の可能性 |
🩺 院長コラム【スクリーニングと確定診断の「間」にあるもの】
「とりあえず安心したいから」と安価なマーカー検査を受ける方もいますが、結果が「陽性(確率が高い)」と出た場合、結局は羊水検査などのリスクある検査に進むことになり、不安な期間が長引くこともあります。
NIPTは非確定的検査ですが、その精度は従来の検査を遥かに凌駕します。「不必要な羊水検査を減らす」という意味で、NIPTは母体と赤ちゃんを守るための非常に有効なフィルターの役割を果たしていると私は考えています。
ミネルバクリニックでは2025年6月より産婦人科を併設し、陽性時の羊水検査も院内で完結できるようになりました。専門医として、検査前から結果の後まで、責任を持ってサポートいたします。
6. 出生前診断を受ける流れ・手順
【結論】 出生前診断は「検査を受けて終わり」ではなく、検査前の遺伝カウンセリング → 検査 → 結果説明 → (陽性時は)確定検査という一連の流れで進みます。各ステップで専門家のサポートを受けることが大切です。
「どうやって検査を受けるの?」「どこで申し込めばいい?」という疑問をお持ちの方のために、出生前診断を受ける一般的な流れをご説明します。
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①
情報収集・検討
・検査の種類、精度、リスク、費用を調べる
・ご夫婦で「なぜ受けるのか」「結果が出たらどうするか」を話し合う - ②
-
③
検査前カウンセリング
・検査の意義、限界、結果の解釈について説明を受ける
・疑問や不安を専門家に相談 -
④
検査実施
・NIPT:採血のみ(所要時間約30分)
・羊水検査:超音波ガイド下で穿刺(所要時間約15〜30分) -
⑤
結果説明
・検査結果の意味を専門家から詳しく説明を受ける
・結果判明まで:NIPT 1〜2週間、羊水検査 2〜3週間 - ⑥
妊娠週数別・検査選択のタイムライン
| 妊娠週数 | 受けられる検査 | ポイント |
|---|---|---|
| 6〜8週 | 早期NIPT(当院のみ) | 臨床研究として実施。最も早い検査時期 |
| 9〜10週 | NIPT | 一般的なNIPT開始時期 |
| 11〜13週 | NIPT、コンバインド検査、絨毛検査 | 選択肢が最も多い時期 |
| 15〜18週 | NIPT、母体血清マーカー、羊水検査 | 確定検査の一般的な時期 |
| 18週以降 | NIPT(〜出産直前まで可能な場合も) | 遅い時期でもNIPTは受検可能 |
7. 出生前診断の費用比較
【結論】 出生前診断の費用は検査の種類によって大きく異なります。NIPTは10〜20万円、羊水検査は10〜15万円程度が相場です。原則として保険適用外(自費診療)となります。
費用は重要な検討要素ですが、精度、リスク、検査項目、アフターフォローも含めて総合的に判断することが大切です。
検査別費用の目安
| 検査名 | 費用相場 | 保険適用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| NIPT(基本検査) | 10〜15万円 | なし | 3つのトリソミーのみ |
| NIPT(拡張検査) | 15〜25万円 | なし | 性染色体・微小欠失含む |
| コンバインド検査 | 3〜5万円 | なし | 超音波+血液検査 |
| 母体血清マーカー | 2〜3万円 | なし | 最も安価だが精度は低い |
| 羊水検査 | 10〜15万円 | 条件付き | 確定検査として必要な場合 |
| 絨毛検査 | 10〜15万円 | 条件付き | 実施施設が限られる |
💰 ミネルバクリニックの互助会制度
当院では互助会(8,000円)にご加入いただくと、NIPTで陽性となった場合の確定検査(羊水検査)費用を全額カバーいたします。上限なしで安心して検査を受けていただけます。
8. 出生前診断の正しい理解|よくある誤解
【結論】 出生前診断について、インターネット上には誤った情報も多く存在します。正しい知識を持つことが、後悔のない選択につながります。
「出生前診断について正しいのはどれか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、よくある誤解と正しい理解をまとめます。
よくある誤解と正しい理解
🩺 院長コラム【「知る」ことの意味】
出生前診断を受けるかどうかは、非常に個人的な決断です。「知らない方が幸せ」という考え方もありますし、「知っておきたい」という考え方もあります。どちらが正しいということはありません。
ただ、私が臨床経験を通じて感じているのは、「知ること」は「備えること」につながるということです。陽性であれば、出産環境の準備、家族との話し合い、専門医との連携、そして心の準備。陰性であれば、安心して妊娠生活を送ることができます。
大切なのは、十分な情報を得た上でご自身で決断することです。当院では、検査を「受けるべき」とも「受けないべき」とも言いません。ご夫婦が納得のいく選択ができるよう、寄り添ってサポートいたします。
よくある質問(FAQ)
🏥 専門医による遺伝カウンセリング
出生前診断について迷っていること、不安なこと、
どんなことでもお気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。
参考文献
- [1] Gil MM, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for fetal aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [PubMed]
- [2] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed]
- [3] Bianchi DW, et al. DNA sequencing versus standard prenatal aneuploidy screening. N Engl J Med. 2014;370(9):799-808. [PubMed]
- [4] Norton ME, et al. Cell-free DNA analysis for noninvasive examination of trisomy. N Engl J Med. 2015;372(17):1589-1597. [PubMed]
- [5] Society for Maternal-Fetal Medicine. SMFM Statement: Clarification of recommendations regarding cell-free DNA aneuploidy screening. Am J Obstet Gynecol. 2015;213(6):753-754. [SMFM]
- [6] International Society for Prenatal Diagnosis. ISPD Position Statement on Screening for Fetal Aneuploidy. [ISPD]
- [7] 厚生労働省「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書」[公式サイト]
- [8] 日本産科婦人科学会「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」[公式サイト]


