- ➤ 出生前診断は妊娠中に胎児の健康状態や遺伝的疾患を評価する重要な医学的手法です
- ➤ NIPT、羊水検査、絨毛検査などの種類があり、それぞれ特徴が異なります
- ➤ 遺伝カウンセリングを受けることで適切な意思決定ができます
- ➤ 検査結果に基づいて夫婦で十分話し合うことが重要です
出生前診断とは何か
出生前診断は妊娠中に胎児の健康状態や遺伝的疾患を評価する重要な医学的手法です。適切な理解と専門医による指導のもとで実施することが大切です。
出生前診断の定義
出生前診断は、妊娠中に胎児の健康状態や遺伝的疾患を評価する重要な手法です。この診断により、生まれる前に胎児の発育状況や異常の有無を確認することができます。具体的には、超音波検査や血液検査などの様々な技術が用いられ、主にダウン症やトリソミーなどの染色体異常、先天性疾患が診断の対象となります。
出生前診断では、妊娠初期から実施される検査もあり、妊娠16週以降に行われるものまで、時期に応じて複数の選択肢があります。これにより、妊娠の進行状況に合わせた出産に向けた準備を行うことができ、必要に応じて合併症への対応策も検討可能となります。
ミネルバクリニックは、非認証施設で唯一臨床遺伝専門医が常駐してNIPTを行っているクリニックです。2025年6月より産婦人科を併設し、確定検査(羊水・絨毛検査)を自院で実施できるようになりました。
出生前診断の目的
出生前診断の主な目的は、胎児の健康状態を把握し、出産に向けた適切な準備をすることです。この診断により、親は胎児の健康に関する基礎的な情報を得て、必要に応じた医療的な選択肢を検討することができます。
診断を受ける理由は夫婦によって様々ですが、希望する出産に向けて事前に情報を得たいという由来から、予約を取って検査を受けるケースが多く見られます。また、異常が発見された場合には、早期に対応策を考えることが可能となり、親の心構えを助ける重要な役割も果たします。対象となる妊婦は16週頃から検査を受けることができ、概要を理解した上で適切な時期に実施することが重要です。
出生前診断と出生前検査の違い
出生前診断と出生前検査は、しばしば混同されがちですが、異なる概念として理解する必要があります。出生前診断は、疾患やダウン症候群などの異常を知ることを目的とした包括的な評価プロセスです。一方、出生前検査は特定の疾患や異常を検出するための具体的な手段として位置づけられます。
出生前診断は、検査の精度や検出率を踏まえて診断の結果に基づいて医療的な選択を行うための情報を提供し、出生前検査はその診断を行うための手段として活用されます。時期や症状に応じて適切な検査方法を選択することで、これらの違いを理解し、夫婦にとってより適切な選択が可能となります。電話での相談なども活用しながら、少しずつ理解を深めていくことが大切です。
出生前診断の種類とその特徴
非侵襲的検査(NIPT)
非侵襲的出生前検査(NIPT)は、妊婦の血液採取のみで胎児の染色体異常を検出する画期的な方法です。この検査は侵襲的な処置を伴わないため、妊婦への負担が少なく、流産のリスクがない点が大きな特徴です。
NIPTは日本でも多くの医療機関で実施されており、高い精度での検査結果が得られることで知られています。一方で、低いリスクとはいえ、もし異常が検出された場合の心理的な負担については十分に理解しておく必要があります。NTなどの他の検査と比較しても、早期に実施可能な点が魅力となっています。
ミネルバクリニックでは、従来のスーパーNIPTから進化した最新のCOATE法を採用しています。微細欠失症候群の陽性的中率が従来の70%台から99.9%に向上し、より高精度な検査が可能になりました。
COATE法の詳細はこちら
母体血清マーカー検査(クアトロテスト)
母体血清マーカー検査(クアトロテスト)は、妊娠中期に実施される血液検査で、母体の血清中の特定のマーカーを測定します。この検査では、18トリソミーや21トリソミーなどの染色体異常のリスクを評価することが主な目的です。
検査では3つの主要な項目を測定し、それぞれのマーカーの値から胎児の奇形や染色体異常のリスクが高いかどうかを判定します。ただし、この検査結果はリスク評価であり、確定診断ではない点を持つことを理解しておくことが重要です。詳細な情報については、医療機関のサイトマップなどで確認することもできます。
コンバインド検査
コンバインド検査は、妊娠初期に行われる超音波検査と血液検査を組み合わせた方法です。この検査により、胎児の染色体異常の状態を調べることが可能となります。
検査の種類としては、スクリーニング検査に含まれる方法で、コンバインドテストやコンバイン検査とも呼ばれます。一部の医療機関では、継続的な観察と組み合わせて実施され、より正確な評価を行うことができます。この方法は、複数の検査手法の組み合わせにより、単独の検査では得られない詳細な情報を提供します。
確定診断と非確定診断の違い
確定診断と非確定診断の違いについては、その手法や目的を明確に理解することが重要です。確定診断は侵襲的な手法を用いて、胎児の異常の有無を正確に確認する方法です。一方、非確定診断は確率に基づくリスク評価を行うもので、結果が確定的ではないという特定の特徴があります。
確定診断では、胎児のDNAの断片を直接分析することで、異常の有無を大きく異なる精度で判定できます。しかし、確定診断以外の検査でも有用な情報が得られるため、認定された医療機関で適切なカウンセリングを受けながら、同じように重要な選択肢として検討することが大切です。
羊水検査と絨毛検査
羊水検査と絨毛検査は、どちらも確定診断として用いられる方法ですが、実施時期や手法が異なります。羊水検査は妊娠中期に実施され、超音波ガイド下で羊水を採取し、胎児の形態や染色体を詳しく分析することができます。
一方、絨毛検査は妊娠初期に実施でき、胎盤の絨毛組織を採取して検査を行います。血液検査とは異なり、直接組織を刺して採取するため、2週間程度で結果が得られますが、一定の割合で流産のリスクを伴います。費用面での考慮も必要ですが、それぞれの検査には特有のメリットとデメリットがあり、胎児の状態やむくみの有無なども含めて総合的に判断することが重要です。
ミネルバクリニックの特徴
- COATE法:最新の次世代NIPT技術により自院採用検査のなかで最高精度を実現
- 臨床遺伝専門医常駐:専門医による遺伝カウンセリング
- オンライン対応:全国どこからでも受検可能
- 24時間サポート:陽性時の手厚いフォロー体制
検査範囲の充実
- 微小欠失症候群:国内最大12か所13疾患を検査可能(2025年8月2日ミネルバクリニック調べ)
- 父親由来の疾患:国内唯一父親の高齢化により精子に生じる突然変異による疾患を56遺伝子検査可能(2025年8月2日ミネルバクリニック調べ)
- ワンストップ対応:陽性時の確定検査を自院で可能
- 産婦人科併設:NIPT検査から陽性時の確定検査までワンストップで対応
出生前診断を受ける際の注意点
検査の受検の流れ
出生前診断を受ける際には、まず検査の種類と特徴を十分に理解することが重要です。超音波検査から始まり、採血による血液検査まで、様々な検査方法があります。
検査を受ける流れとしては、まず受付で必要な手続きを行い、検査対象となる項目について説明を受けます。その後、実際に検査を行って検査結果を待つという流れになります。検査の使用する機器や方法によって所要時間は異なりますが、事前に流れを把握しておくことでスムーズに進められます。
検査を受ける前には、必ず臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けることが重要です。検査の目的、方法、結果の意味について十分に理解してから受検しましょう。
遺伝カウンセリングの重要性
遺伝カウンセリングは、出生前診断を受ける上で極めて重要な情報提供の場です。専門的な遺伝学の知識を持つ臨床遺伝専門医との相談により、染色体異常やDNAに関する遺伝的リスクの意味を深く理解することができます。
遺伝カウンセリングでは、家族の遺伝歴の確認や、障害に関する正確な情報提供が行われます。カップルにとって大切な意思決定を行う前に、必要な培養検査の結果や各種検査の重要性について十分な説明を受けることで、安心して検査に臨むことができます。
ミネルバクリニックでは、遺伝カウンセラーではなく、臨床遺伝専門医が直接カウンセリングを行います。より医学的に専門性の高いアドバイスを受けることができます。
検査結果に基づく意思決定
検査結果が判明した際には、その内容を冷静に受け止めることが最も重要です。病気の診断やリスクの程度について、実際の実施結果に基づいて専門医からの報告を受けることになります。
結果に基づく選択肢を理解し、自分たちにとって最適な選択を判定するためには、一覧化された情報を参考にしながら、継続的な観察や対応方法について家族全員で話し合う時間を持つことが大切です。検査結果の影響や今後の方針について、十分に検討を重ねることで、より良い意思決定ができるでしょう。
妊娠中の生活管理と医療機関選び
妊娠中は妊婦として健康的な生活習慣を維持することが大切です。適切な医療機関での治療や管理を受けながら、子宮の状態や胎児が育っている状況を定期的に確認することが重要です。
医療機関の選択においては、施設の評判や制度の充実度を調べることが必要です。妊婦健診を継続的に受けられるクリニックや、臓器の専門的な検査が可能な医療施設を選ぶことで、安心して妊娠期間を過ごすことができます。医療機関のサイトなどで詳細な情報を確認し、自分に合った施設を選択しましょう。
出生前診断に対する意見とサポート
出生前診断に対する否定的な意見
出生前診断への評価は多角的に検討する必要があります。年齢にかかわらず、スクリーニング検査の陽性・陰性は最終診断ではありません。必要に応じて羊水検査や絨毛検査などの確定検査で、染色体・遺伝子(=細胞レベル)を直接確認します。実施の有無や説明の仕方は、医療機関や担当医によって異なります。
特に子どもの神経管欠損などの先天性異常に関する診断については、一般的な理解と専門的な見解の間にギャップが存在することがあります。このような否定的な意見に対しては、個々の価値観を尊重しながら、情報が偏らないような配慮が必要です。倫理的な観点からの懸念を明確にし、社会的な議論を促進することが重要です。
出生前診断は「命の選別」につながるという懸念もありますが、適切な遺伝カウンセリングにより、妊婦の自律的な意思決定を支援することが大切です。
経済的・職場でのサポート
経済的なサポートについては、家族の状況に応じて通常の検査費用とは異なる料金体系が設けられている場合があります。検査を行う際には、わかりやすい料金説明を受け、それぞれの検査項目について時間をかけて検討することが大切です。
職場でのサポートについては、関係者との連携により20万円程度かかる場合もある検査費用に対する支援制度の提供を会社が行っているケースもあります。このようなサポート制度を活用することで、経済的な負担を軽減し、必要な検査を受けやすい環境を整えることができます。後ろ向きになりがちな経済面での心配についても、わけを理解して適切な支援を求めることが重要です。
妊娠・出産に関する悩み相談
妊娠・出産に関する悩みについては、赤ちゃんの健康や妊娠経過、流産のリスク、胎盤の状態など、お腹の中の状況に対する相談が多く寄せられます。これらの不安や心配事については、専門家による適切なサポートが不可欠です。
出産に向けた準備や関連する検査について、よくある質問や悩みに対する相談窓口が多くの医療機関で設けられています。同じような経験を持つ人々とのコミュニティを活用することで、孤立感を感じることなく、適切なサポートを受けることができます。専門家の意見を重視しながら、実際の相談を通じて不安を解消していくことが大切です。
よくある質問(FAQ)
関連記事
まとめ
出生前診断は、妊娠中の重要な選択肢の一つです。各検査の特徴やメリット・デメリットを理解し、専門家との十分な相談を通じて、自分たちに最適な選択を行うことが大切です。検査結果に関わらず、適切なサポートを受けながら、健やかな妊娠・出産を目指していきましょう。
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が常駐し、お一人お一人の状況に応じた丁寧な遺伝カウンセリングを提供しています。
2025年6月より確定検査(絨毛検査・羊水検査)も自院で実施しており、NIPTから確定検査、その後のフォローアップまで一貫してサポートいたします。
どのような小さな疑問でもお気軽にご相談ください。
引用元・参考文献
- • 出生前検査認証制度等運営委員会 – こども家庭庁
- • 日本産科婦人科学会 – NIPT指針と学会ガイドライン
- • 厚生労働省 – 出生前診断に関する専門委員会報告
- • 日本産科婦人科学会雑誌 – 産科領域で行われる出生前診断の現状
本記事の内容は、厚生労働省や日本産科婦人科学会などの信頼できる機関の情報を基に作成されています。出生前診断に関する最新の情報については、必ず医療機関で専門医にご相談ください。

