InstagramInstagram

微小欠失症候群のNIPT検査|必要性と陽性時の対応ガイド

この記事のポイント
  • 微小欠失症候群とは何か、その発生確率と特徴的な症状
  • NIPTでの微小欠失検査の必要性と検査精度
  • 微小欠失症候群の検査方法の比較(NIPT、FISH法、マイクロアレイ解析)
  • 検査で陽性結果が出た場合の選択肢と対応方法
  • 早期発見・早期介入による発達改善の可能性

微小欠失症候群という疾患名をあまり聞き慣れない方も多いのではないでしょうか?出生前診断で赤ちゃんが微小欠失症候群だと診断されると、疾患についての知識がないと不安や困惑を感じることがあります。

微小欠失症候群は染色体の一部が小さく欠けることで起こる遺伝学的疾患であり、種類によって様々な症状を示します。近年、NIPT(新型出生前診断)の発展により、一部の微小欠失症候群を出生前に検出できるようになりました。

この記事では、微小欠失症候群の基礎知識から、NIPT検査の必要性、検査方法の比較、そして陽性結果が出た場合の対応までを詳しく解説します。出生前診断を検討されている方や、微小欠失症候群について知りたい方にとって、役立つ情報をお届けします。

微小欠失症候群とは?基本知識と特徴

微小欠失症候群は、染色体の一部分が小さく欠けることで発生する症候群です。通常の染色体検査では見つけにくい小さな変化であるため、特殊な検査方法が必要となります。

微小欠失症候群の定義

微小欠失症候群とは、通常の染色体のサイズが500万塩基以上であるのに対し、100万~200万塩基という小さな分節内で発生する染色体の一部欠失が原因の症候群です。このような微細な欠失は、通常の染色体検査(Gバンド法)では検出が難しく、特殊な検査方法が必要となります。

ミネルバクリニックで検査可能な微小欠失症候群

ミネルバクリニック独自の検査範囲

ミネルバクリニックでは、他の施設では検査できない幅広い微小欠失症候群の検査が可能です。このページでは、当クリニックで検査可能な12種類の微小欠失症候群をご紹介します。

症候群名 染色体位置 発生率 主な症状
1p36欠失症候群 1番染色体短腕末端1p36領域 4,000人~10,000人に1人 発達遅延、知的障害、てんかん、顔の特徴、心臓の異常
2q33欠失症候群 2番染色体長腕2q33領域 非常に稀 発達遅延、顔の特徴、先天性心疾患、消化器系の異常
4p16欠失症候群
(Wolf-Hirschhorn症候群)
4番染色体短腕4p16.3領域 50,000人に1人 重度の成長・発達遅延、特徴的な顔貌、けいれん、先天性心疾患
5p15欠失症候群
(猫鳴き症候群)
5番染色体短腕5p15領域 20,000人~50,000人に1人 特徴的な泣き声(猫の鳴き声に似た)、小頭症、発達遅延
8q23q24欠失症候群
(Langer-Giedion症候群)
8番染色体長腕8q23-q24領域 非常に稀 多発性外骨腫、特徴的な顔貌、軽度〜中等度の知的障害
9p欠失症候群 9番染色体短腕9p領域 非常に稀 知的障害、発達遅延、三角形の顔、性器奇形
11q23q25欠失症候群
(Jacobsen症候群)
11番染色体長腕11q23-q25領域 100,000人に1人 知的障害、発達遅延、血小板減少症、心臓の異常
15q11.2-q13欠失症候群
(Prader-Willi/Angelman症候群)
15番染色体長腕15q11.2-q13領域 10,000人~30,000人に1人 食欲制御の障害、肥満、発達遅延、知的障害
17p11.2欠失症候群
(Smith-Magenis症候群)
17番染色体短腕17p11.2領域 15,000人~25,000人に1人 睡眠障害、行動の問題、知的障害、特徴的な顔貌
18p欠失症候群 18番染色体短腕18p全体 50,000人に1人 小頭症、成長障害、発達遅延、円形の顔
18q22q23欠失症候群 18番染色体長腕18q22-q23領域 非常に稀 聴覚障害、足の変形、免疫不全、知的障害
22q11.2欠失症候群
(DiGeorge症候群)
22番染色体長腕22q11.2領域 4,000人に1人 先天性心疾患、口蓋裂、免疫不全、低カルシウム血症
ミネルバクリニックのNIPT検査の特長

ミネルバクリニックでは、上記の12種類の微小欠失症候群を含む包括的なNIPT検査を提供しています。これにより、他の施設では検査できない幅広い染色体異常を検出することが可能です。検査前後の遺伝カウンセリングも充実しており、結果の解釈や今後の選択肢について、専門家が丁寧にサポートいたします。

微小欠失症候群は母体の年齢に関係なく発生するリスクがあるため、希望される方はお気軽にご相談ください。

重要ポイント:微小欠失症候群の発生頻度

1/700

ダウン症候群

VS

1/1,000

微小欠失症候群
(全種類合計)

個々の微小欠失症候群の発生率は低くても、すべての種類を合わせると約1,000人に1人と、ダウン症の発生率(約700人に1人)に近い頻度で発生しています。

i

重要なのは、微小欠失症候群の発症は母体年齢と関係がないため、若い妊婦さんでも同じリスクを持っているという点です。そのため、ミネルバクリニックでは年齢に関わらず微小欠失検査を受けることをご検討いただけます。

微小欠失症候群の主な症状

微小欠失症候群は、それぞれの症候群によって症状が異なります。しかし、多くの微小欠失症候群に共通する特徴として、発達遅延、知的障害、筋緊張低下、特徴的な顔貌などが挙げられます。

代表的な症状:1p36欠失症候群

  • 重度の知的障害・発達遅延
  • 難治性てんかん
  • 筋緊張の低下(乳児期)
  • 特徴的な顔貌(広い前頭部、眼間開離)

代表的な症状:22q11.2欠失症候群

  • 先天性心疾患(心室中隔欠損など)
  • 口蓋裂・咽頭機能不全
  • 免疫機能低下
  • 低カルシウム血症
  • 軽度から中等度の知的障害

どちらの選択肢を選ぶかは、個人や家族の価値観、状況によって異なります。重要なのは、十分な情報と専門家のサポートを得た上で、自分たちにとって最善の決断をすることです。

知っておきたい事実

微小欠失症候群の中には、症状の程度に大きな個人差があるものがあります。例えば、22q11.2欠失症候群では、ほとんど症状がない軽症例から、複数の合併症を伴う重症例まで、幅広い表現型が見られます。

また、早期からの適切な医療介入や療育によって、発達状況が大きく改善する可能性もあります。診断結果だけでなく、こうした情報も含めて総合的に判断することが大切です。

専門家によるサポート

微小欠失症候群の陽性結果を受け取った際には、以下の専門家によるサポートを受けることが重要です:

1

臨床遺伝専門医:検査結果の意味や疾患についての詳細な説明、今後の選択肢についての情報提供

2

産婦人科医:妊娠継続や中絶に関する医学的アドバイス、出産計画の相談

3

小児科医(特に臨床遺伝専門医):出生後の医療ケアについての情報提供、専門医療機関の紹介

4

心理カウンセラー:診断に伴う心理的負担への対応、意思決定のサポート

ミネルバクリニックのNIPTと微小欠失検査

ミネルバクリニックでは、高精度なNIPT検査に加えて、微小欠失症候群のスクリーニング検査も提供しています。当クリニックの微小欠失検査の特徴についてご紹介します。

ミネルバクリニックの微小欠失検査の特徴

安全性

  • 母体から採血するだけの非侵襲的検査
  • 流産リスクがない
  • 妊娠10週から検査可能

検査対象

  • 主要な7種類の微小欠失症候群をカバー
  • 臨床的に重要な症候群を優先

サポート体制

  • 検査前後の遺伝カウンセリング
  • 専門医による結果説明
  • 陽性の場合の確定検査への紹介

ミネルバクリニックでは、ダウン症候群の発生率が約1/700であるのに対し、検査可能な微小欠失症候群の総合的な発生率は約1/1,000と、決して稀ではないことを踏まえて検査を提供しています。微小欠失症候群は従来の超音波検査や母体血清マーカーでは見つからないため、より包括的なスクリーニングを希望される方には、微小欠失検査オプションを含むNIPTをお勧めしています。

遺伝カウンセリングの重要性

ミネルバクリニックでは、NIPT検査を受ける前に、必ず遺伝カウンセリングを受けていただいています。遺伝カウンセリングでは、検査の意義や限界、結果の解釈、陽性結果が出た場合の選択肢について、専門のカウンセラーがわかりやすく説明します。不安や疑問がある場合も、遠慮なくご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q
微小欠失症候群の検査は誰が受けるべきですか?
A

微小欠失症候群の検査は特に以下の方に推奨されます:超音波検査で胎児に異常所見が見られる方、微小欠失症候群や染色体異常の家族歴がある方、過去に染色体異常のお子さんを出産した経験のある方、不妊治療で妊娠された方。ただし、母体年齢に関わらず発生するため、詳細な出生前情報を希望されるすべての妊婦さんにとって検討する価値があります。

Q
NIPTでの微小欠失検査の精度はどの程度ですか?
A

NIPTでの微小欠失検査の精度は症候群によって異なります。22q11.2欠失症候群(DiGeorge症候群)では陽性的中率が約90%と高い精度を示しますが、その他の微小欠失症候群では0.5%〜66.7%と幅があります。検査の限界として、NIPTはスクリーニング検査であり、陽性結果が出た場合は羊水検査などの確定検査が必要となります。

NEW

99.9%

COATE法を導入

~微小欠失症候群検査の革新的進化~

ミネルバクリニックでは、陽性的中率99.9%以上を誇る
COATE法
による微小欠失症候群のNIPT検査を導入しました。

1

超高精度

従来法と比較して偽陽性率が極めて低いため、不必要な確定検査のリスクを最小限に抑えられます。

2

幅広い検査対象

12種類の微小欠失症候群を同時に検査可能。国内最大級の検査範囲をカバーしています。

COATE(Comprehensive Oligonucleotide Analysis for Targeted Evaluation)法は、最新のDNA解析技術を駆使し、微小欠失症候群の検出精度を飛躍的に向上させました。通常のNIPT検査で課題となっていた偽陽性の問題を解決し、検査結果に対する信頼性を大幅に高めています。

安心して妊娠期をお過ごしいただくために、革新的な検査をご提供します

Q
検査で陽性が出た場合、必ず微小欠失症候群ですか?
A

いいえ、NIPT検査で微小欠失症候群の陽性結果が出たとしても、確定診断ではありません。NIPT検査はあくまでスクリーニング検査であり、偽陽性の可能性もあります。正確な診断を得るためには、羊水検査などの確定的検査を受ける必要があります。FISH法やマイクロアレイ解析などの確定検査で染色体の欠失を直接確認することで、確定診断が可能となります。

Q
微小欠失症候群の子どもを育てる際の支援制度はありますか?
A

はい、微小欠失症候群のお子さんを育てるにあたって、さまざまな支援制度があります。障害児福祉手当、特別児童扶養手当、医療費助成制度、障害者総合支援法に基づくサービスなどが利用できます。また、早期療育や特別支援教育、放課後等デイサービスなど、お子さんの発達を支援するサービスもあります。お住まいの自治体の福祉課や保健センター、各種相談支援機関で詳しい情報を得ることができます。

Q
次の妊娠でも微小欠失症候群のリスクはありますか?
A

多くの微小欠失症候群は偶発的に発生し、再発リスクは低いです(一般人口と同程度の約1%未満)。ただし、両親のどちらかに均衡転座がある場合は、再発リスクが高まります(10〜15%程度)。微小欠失症候群が診断された場合、両親の染色体検査を行うことで、次の妊娠におけるリスク評価が可能です。遺伝カウンセリングで専門家に相談することをお勧めします。

i

関連記事

微小欠失症候群の各タイプについて詳しく解説。症状や発生率、検査方法など、より詳細な情報が必要な方におすすめの記事です。

まとめ

微小欠失症候群は、染色体の一部が小さく欠けることで発生する遺伝学的疾患であり、通常の検査では検出が難しい特徴があります。個々の症候群の発生率は低いものの、全体としては約1,000人に1人と決して稀な疾患ではありません。

微小欠失症候群の検査には、NIPT、FISH法、マイクロアレイ解析などがあり、それぞれ特徴や精度が異なります。NIPTは非侵襲的で流産リスクがないメリットがありますが、あくまでスクリーニング検査であり、陽性結果が出た場合は確定検査が必要です。

微小欠失症候群の検査を検討する際には、検査の意義や限界、結果の解釈について十分に理解し、遺伝カウンセリングを受けることが重要です。また、陽性結果が出た場合の選択肢や対応についても、事前に専門家に相談することをお勧めします。

ミネルバクリニックでは、最新の技術を用いた高精度なNIPT検査に加えて、微小欠失症候群のスクリーニング検査も提供しています。検査前後の遺伝カウンセリングや、専門医による結果説明なども充実しており、安心して検査を受けていただける環境を整えています。

遺伝カウンセリングとNIPT検査のご相談はミネルバクリニックへ

ミネルバクリニックでは、NIPT(新型出生前診断)と微小欠失検査を専門に提供しています。検査前後の遺伝カウンセリングでは、検査の内容や意味、結果の解釈について詳しくご説明します。不安やご質問があれば、専門医にご相談ください。

お問い合わせはこちら


微小欠失症候群の原因

微小欠失症候群の主な原因は染色体の突然変異です。多くの場合、精子や卵子が形成される過程で偶発的に発生し、両親から遺伝することは稀です。

ただし、両親のどちらかの染色体に均衡転座がある場合、子どもに不均衡転座による微小欠失症候群が遺伝する可能性が高まります。このような遺伝的リスクがある場合は、遺伝カウンセリングを受けることが重要です。

重要ポイント

微小欠失症候群の発症は、母体の年齢に関係がないことがほとんどです。これは、高齢出産でリスクが高まるダウン症候群などのトリソミー(染色体が1本多い状態)とは異なる特徴です。したがって、若い妊婦さんであっても微小欠失症候群のリスクは同程度あり、検査の必要性を検討する価値があります。

微小欠失検査の必要性とメリット

なぜ微小欠失症候群の検査が必要なのでしょうか?その理由とメリットについて解説します。

通常の検査では検出できない染色体異常

微小欠失症候群は、通常の妊婦健診で行われる超音波検査や母体血清マーカー検査では検出が難しい染色体異常です。標準的な染色体検査(Gバンド法)でも見つけることが困難な小さな変化であるため、特殊な検査方法が必要となります。

1

早期発見による早期介入:微小欠失症候群を早期に発見することで、生まれてくる赤ちゃんに必要な医療ケアを事前に計画できます。

2

心の準備:出産前に診断がつくことで、両親は心の準備をする時間を持つことができます。

3

専門的治療の準備:特定の微小欠失症候群では、生後すぐに専門的な治療が必要な場合があります。事前に適切な医療施設での出産を計画できます。

4

発達改善の可能性:早期に適切な療育・リハビリを開始することで、発達状況を大幅に改善できる可能性があります。

NIPT検査における微小欠失検査の重要性

NIPT(新型出生前診断)は、母体から採取した血液中の胎児由来のDNAを分析することで、染色体異常を高精度に検出するスクリーニング検査です。当初はダウン症候群などの主要な染色体異常の検査に利用されていましたが、技術の進歩により一部の微小欠失症候群も検出できるようになりました

微小欠失検査が推奨される方
  • 超音波検査で胎児に異常所見が認められた方
  • 微小欠失症候群や染色体異常の家族歴がある方
  • 過去に染色体異常の児を出産した経験がある方
  • 不妊治療(体外受精など)により妊娠した方
  • 出生前診断でより詳細な情報を得たい方

微小欠失症候群全体の発生率は約1,000人に1人と、決して珍しい疾患ではありません。また、これらの症候群の中には、早期に適切な医療介入を行うことで、症状の改善が期待できるものもあります。そのため、リスク要因がある方や詳細な検査を希望される方には、微小欠失検査を含むNIPT検査をご検討いただくことをお勧めします。

微小欠失症候群の検査方法比較

微小欠失症候群を検出する検査方法にはいくつかの種類があります。それぞれの検査方法の特徴や精度、メリット・デメリットについて比較しましょう。

検査方法 検査の種類 特徴 メリット・デメリット
NIPT
(新型出生前診断)
非確定的
スクリーニング検査
・母体血から胎児DNAを分析
・一部の微小欠失症候群を検出可能
・陽性的中率は症候群により異なる
◎ 非侵襲的で流産リスクなし
◎ 妊娠10週から検査可能
× 確定診断ではない
× 全ての微小欠失症候群を検出できない
FISH法
(蛍光in situハイブリダイゼーション)
確定的検査 ・羊水や絨毛から採取した細胞を分析
・特定の染色体領域を蛍光標識で検出
・診断率は95%以上(症候群による)
◎ 特定の微小欠失を高精度で検出
◎ 結果が1〜2日で判明
× 侵襲的で流産リスクあり(約0.3%)
× 検査できる領域が限られる
マイクロアレイ解析 確定的検査 ・羊水や絨毛から採取した細胞を分析
・ゲノム全体を高解像度で解析
・異常検出率は約15〜20%
◎ 最も網羅的な検査方法
◎ 微細な染色体異常も検出可能
× 侵襲的で流産リスクあり(約0.3%)
× 偽陽性率が高い場合がある

NIPT検査の精度と限界

NIPTは非侵襲的な検査方法として注目されていますが、微小欠失症候群の検出においては精度に限界があります。NIPTでの微小欠失症候群の検出精度は、症候群の種類によって大きく異なります。

微小欠失症候群 NIPTでの陽性的中率
22q11.2欠失症候群 10〜30%程度
1p36欠失症候群 約50〜60%
その他の微小欠失症候群 約0.5〜66.7%
注意点

NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。陽性結果が出た場合は、羊水検査やFISH法などの確定的検査が必要です。また、NIPTでは検出できない微小欠失症候群もあります。検査の限界についても理解した上で、検査を受けることが大切です。

i

微小欠失検査を受ける前に、遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。検査の意義や限界、結果の解釈について専門家に相談することで、より適切な意思決定ができます。

検査で陽性結果が出た場合の対応

微小欠失症候群の検査で陽性結果が出た場合、どのように対応すべきでしょうか?選択肢と心構えについて解説します。

確定検査の実施

NIPTなどのスクリーニング検査で陽性結果が出た場合、まずは確定診断のための検査を受けることが重要です。確定検査としては、羊水検査におけるFISH法やマイクロアレイ解析などがあります。

確定検査では、羊水穿刺や絨毛採取といった侵襲的な処置が必要となり、約0.3%程度の流産リスクがあります。しかし、正確な診断を得るためには、このステップは欠かせません。

確定診断後の選択肢

確定診断で微小欠失症候群と診断された場合、主に以下の選択肢があります:

選択肢1:妊娠継続と早期介入計画

  • 妊娠を継続し、出産に向けた準備を行う
  • 症候群に応じた専門医療機関での出産を計画
  • 早期治療・療育介入の準備
  • 家族のサポート体制を整える

選択肢2:妊娠中絶の検討

  • 法律上認められた期間内での人工妊娠中絶
  • 心理的サポートの重要性
  • グリーフケア(喪失の悲しみへの対応)
  • 将来の妊娠に向けた相談

References

  1. Dar P, Jacobsson B, Clifton R, et al. Cell-free DNA screening for prenatal detection of 22q11.2 deletion syndrome. Am J Obstet Gynecol. 2022;227:79.e1-11. doi:10.1016/j.ajog.2022.01.002
  2. Wapner RJ, Babiarz JE, Levy B, et al. Expanding the scope of noninvasive prenatal testing: detection of fetal microdeletion syndromes. Am J Obstet Gynecol. 2015;212(3):332.e1-332.e9. doi:10.1016/j.ajog.2014.11.041
  3. Helgeson J, Wardrop J, Boomer T, et al. Clinical outcome of subchromosomal events detected by whole-genome noninvasive prenatal testing. Prenat Diagn. 2015;35(10):999-1004. doi:10.1002/pd.4640
  4. Soster E, Dyr B, Rafalko J, Almasri E, Cacheris P. Positive cfDNA screening results for 22q11.2 deletion syndrome—Clinical and laboratory considerations. Front Genet. 2023;14:1146669. doi:10.3389/fgene.2023.1146669
  5. Schmid M, Wang E, Bogard PE, et al. Clinical experience with a single-nucleotide polymorphism-based non-invasive prenatal screening for 22q11.2 deletion syndrome. Ultrasound Obstet Gynecol. 2018;51(3):370-377. doi:10.1002/uog.17545
  6. Gross SJ, Stosic M, McDonald-McGinn DM, et al. Clinical experience with single-nucleotide polymorphism-based non-invasive prenatal screening for 22q11.2 deletion syndrome. Ultrasound Obstet Gynecol. 2016;47(2):177-183. doi:10.1002/uog.15754
  7. Guy C, Haji-Sheikhi F, Rowland J, et al. Prenatal testing for 22q11.2 deletion syndrome: A review and guidance. Prenatal Diagnosis. 2019;39(13):1246-1252. doi:10.1002/pd.5587
  8. Grati FR, Gross SJ. Noninvasive screening by cell-free DNA for 22q11.2 deletion: Benefits, limitations, and challenges. Prenat Diagn. 2019;39(2):70-80. doi:10.1002/pd.5391
  9. Bevilacqua E, Jani JC, Chaoui R, et al. Performance of a targeted cell-free DNA prenatal test for 22q11.2 deletion in a large clinical cohort. Ultrasound Obstet Gynecol. 2021;58(4):597-602. doi:10.1002/uog.23699
  10. Blagowidow N, Nowakowska B, Schindewolf E, et al. Prenatal Screening and Diagnostic Considerations for 22q11.2 Microdeletions. Genes (Basel). 2023;14(1):160. doi:10.3390/genes14010160
プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

関連記事