目次
- ➤ NIPTは妊娠10週前後から、羊水検査は15週以降に受けられます
- ➤ 各種検査の特徴、精度、メリット・デメリットを徹底解説
- ➤ 検査技術の進化により、より早期・高精度な診断が可能に
- ➤ クリニック選びのポイントと最新のCOATE法の特徴
- ➤ 検査後の対応とサポート体制の重要性
妊娠が分かった瞬間から、赤ちゃんの健康について考え始める方は多いでしょう。特に高齢出産や家族歴がある場合、染色体疾患のリスクが気になることもあります。そこで知っておきたいのが出生前診断のタイミングです。
出生前診断はいつからいつまで受けられるのか?どのような検査方法があり、それぞれのメリット・デメリットは?この記事では、出生前診断の種類や受検可能な時期、そして近年注目されている新しい検査技術についても詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
出生前診断の種類と検査可能な時期
出生前診断は大きく分けて「非確定的検査(スクリーニング検査)」と「確定的検査」の2種類があります。それぞれ検査可能な時期や特徴が異なりますので、詳しく見ていきましょう。
非確定的検査(スクリーニング検査)
確定的検査
NIPTは妊娠10週前後から受けることができる非侵襲的な検査で、母体からの採血のみで行います。一方、確定検査である羊水検査は妊娠15週以降になります。NIPTで陽性の結果が出た場合、確定診断のための羊水検査を受けることが推奨されています。
各検査にはそれぞれメリット・デメリットがあり、ご自身の状況に合わせて最適な検査を選ぶことが大切です。検査を受ける前には、必ず医師や遺伝カウンセラーに相談しましょう。
NIPT(新型出生前診断)について詳しく解説
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、妊婦さんの血液中に含まれる胎児由来のDNA断片を分析することで、染色体異常の可能性を調べる検査です。その特徴や仕組み、検査で分かることなどを詳しく解説します。
NIPTの原理と仕組み
NIPTは、妊婦さんの血液中に含まれる胎児由来のDNA断片(cell-free DNA)を分析する検査です。母体の血液中には、約2〜10%の胎児由来DNAが含まれており、これを次世代シーケンサー(NGS)という高度な技術で分析します。
NIPTの検査技術は世代ごとに進化しています。現在、以下のような世代に分けられます:
関連記事:
- 第3世代NIPTの検査会社について – ミネルバクリニックが提供する第3世代スーパーNIPT技術の詳細情報
- 東京都のNIPT(新型出生前診断)はミネルバクリニックオンラインで全国対応 – 最新の検査技術について解説
- NIPTで何がわかる?新型出生前診断の基礎知識とメリット – NIPTの仕組みと検査でわかることの解説
- NIPT(新型出生前診断)の結果はいつわかる?結果の見方と注意点を解説 – 検査の精度と結果判定について
NIPTで分かること
NIPTでは主に以下のような染色体異常のリスクを調べることができます:
21トリソミー(ダウン症候群)
- → 21番染色体が3本ある状態
- → 発生頻度:約700人に1人
- → 特徴的な顔貌、知的発達の遅れ、心臓疾患など
18トリソミー(エドワーズ症候群)
- → 18番染色体が3本ある状態
- → 発生頻度:約5,000人に1人
- → 重度の知的障害、多発性の先天異常
13トリソミー(パトウ症候群)
- → 13番染色体が3本ある状態
- → 発生頻度:約10,000人に1人
- → 重度の先天異常、生存率が非常に低い
最新の検査技術では、上記の基本的なトリソミーに加えて、以下のような検査も可能になってきています:
- 1 性染色体異常:ターナー症候群(X)、クラインフェルター症候群(XXY)など
- 2 微小欠失症候群:ディ・ジョージ症候群(22q11.2欠失症候群)など
- 3 全染色体検査:すべての染色体の数的異常
- 4 部分欠失・重複疾患:染色体の一部が欠けたり重複したりする疾患
NIPTはあくまでスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。結果が「陽性」となった場合、実際には染色体異常がないケース(偽陽性)もあります。また逆に「陰性」でも染色体異常がある場合(偽陰性)もごくわずかながら存在します。
NIPTで陽性となった場合は、必ず羊水検査などの確定検査を受けることをお勧めします。また、すべての先天性疾患や遺伝子異常がNIPTで検出できるわけではないことも理解しておきましょう。
最新技術「COATE法」について
NIPT検査技術は日々進化しており、最新の技術として「COATE法」が注目されています。COATE法はこれまでのNIPT技術をさらに進化させた方法で、より高精度な検査結果を提供します。
COATE法の特徴と従来技術との違い
COATE法の最大の特徴は、母体と胎児のDNAを明確に区別して分析できる点です。これにより、より正確な検査結果が得られ、偽陽性や偽陰性のリスクが大幅に減少します。また、従来の検査では判定が難しかった微小欠失症候群などの検出も可能になっています。
COATE法などの最新技術が開発されたことで、出生前診断の精度が飛躍的に向上し、より早い段階での検査が可能になりました。これにより、より多くの選択肢と時間的余裕を持って妊娠・出産に関する準備ができるようになっています。また、検査の幅も広がり、これまで見つけられなかった染色体異常も検出できるようになりました。
出生前診断を受ける際の注意点
出生前診断を受ける際には、いくつかの重要な注意点があります。検査を受ける前に、以下のポイントをよく理解しておきましょう。
検査前の十分な理解と遺伝カウンセリング
出生前診断は単なる医学的検査ではなく、結果によっては重要な決断を迫られる可能性もある検査です。そのため、検査を受ける前に以下のポイントについて十分に理解し、専門家による遺伝カウンセリングを受けることが重要です。
- 1 検査の限界:どの検査も100%完璧ではなく、検出できない異常もあります
- 2 検査結果の解釈:陽性結果が出た場合の意味と次のステップ
- 3 心理的影響:検査前から結果を知った後までの心理的サポート
- 4 検査後の選択肢:異常が見つかった場合の様々な選択肢
遺伝カウンセリングの重要性
出生前診断を受ける前に、専門的な知識を持った遺伝カウンセラーや医師による遺伝カウンセリングを受けることで、検査の意義や限界、結果の解釈について正しく理解することができます。特にNIPTでは陽性結果が出た場合の次のステップや、心理的なケアについても事前に相談しておくことが大切です。
クリニック選びのポイント
出生前診断、特にNIPTを受ける際には、クリニック選びも重要なポイントです。以下の点を考慮して、信頼できる医療機関を選びましょう。
検査技術と精度
- ✓ どの世代のNIPT技術を使用しているか
- ✓ 検査の精度や検出率の実績
- ✓ 最新技術(COATE法など)の有無
カウンセリング体制
- ✓ 認定遺伝カウンセラーの在籍状況
- ✓ 検査前後のサポート体制
- ✓ 陽性結果が出た場合のフォロー
検査項目と費用
- ✓ 検査可能な染色体異常の種類
- ✓ 検査費用と保険適用の有無
- ✓ 追加検査が必要になった場合の費用
検査結果の解釈と次のステップ
検査結果を正しく理解し、その後の対応を考えることも重要です。特にスクリーニング検査であるNIPTの結果は、以下のように解釈することが大切です。
NIPTで陽性結果が出た場合は、まず深呼吸をして冷静になりましょう。NIPTはあくまでスクリーニング検査であり、陽性結果が出ても実際には染色体異常がないケース(偽陽性)も存在します。
次のステップとして、医師や遺伝カウンセラーと十分に相談し、羊水検査などの確定検査を検討することが重要です。その際には、検査のリスクと利益をよく理解した上で決断しましょう。
また、心理的なサポートを受けることも大切です。同じ経験をした人たちのサポートグループや、専門のカウンセラーに相談することで、不安や心配を和らげることができます。
認証施設と非認証施設の違い
出生前診断には日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会による認証を受けた「認証施設」と、認証を受けていない「非認証施設」があります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
どちらの施設を選ぶかは、ご自身の状況や優先事項によって異なります。費用面を重視するなら認証施設、検査の範囲や受検のしやすさを重視するなら非認証施設がおすすめです。
ミネルバクリニックの特徴
非認証施設の中でも、ミネルバクリニックは臨床遺伝専門医が運営する唯一の非認証施設として知られています。検査説明、陽性になった時のカウンセリングからその先までワンストップで対応しているのが特徴です。
出生前診断は重要な意思決定に関わる検査です。どの施設を選ぶにしても、事前に十分な情報収集をし、ご自身の状況に合った施設を選ぶことが大切です。
まとめ:出生前診断を受ける時期と選び方
出生前診断は妊娠期間中のさまざまな時期に受けることができますが、検査の種類によって最適な時期が異なります。ここで改めて主な検査の時期と特徴をまとめます。
検査名 | 時期 | 妊娠期 |
---|---|---|
NIPT | 6〜18週(ミネルバクリニックでは6~9週は臨床試験) | 初期〜中期 |
NT測定 | 11〜13週 | 初期 |
絨毛検査 | 11〜13週 | 初期 |
羊水検査 | 15週以降 | 中期 |
母体血清マーカー | 15〜18週 | 中期 |
適切な出生前診断を選ぶためのポイントは以下の通りです:
出生前診断は個人の価値観や状況によって、受けるかどうか、どの検査を選ぶかが異なります。この記事の情報を参考に、ご自身やパートナーと十分に話し合い、医療専門家のアドバイスを受けながら、最適な選択をしてください。
どのような選択をするにしても、それはあなた自身の大切な決断です。十分な情報を得た上で、自分らしい選択ができることを願っています。
参考文献・リソース
- 1 日本産科婦人科学会「出生前診断に関する見解」
- 2 日本医学会「NIPTに関する提言」
- 3 厚生労働省「出生前診断に関する情報提供」
- 4 The American College of Obstetricians and Gynecologists「Prenatal Genetic Screening Tests」
- 5 International Society for Prenatal Diagnosis「Position Statement on Genome-Wide Sequencing for Fetal Diagnosis」
関連記事
- NIPTの事例(60)
- ダウン症(21トリソミー)(38)
- 羊水検査・絨毛検査(29)
- 陽性(24)
- 絨毛検査(13)
- 羊水検査(13)
- 偽陽性(11)
- モザイク(9)
- PGT-A(9)
- 出生前スクリーニング(8)
- 中絶(8)
- 単一遺伝子疾患(8)
- 遺伝子検査(7)
- 胎児ドック(7)
- 性別(7)
- ダウン症(7)
- トリソミー(6)
- 比較(6)
- 出生前診断(6)
- 早期NIPT(6)
- ターナー症候群(6)
- 初期中絶(5)
- NIPT(5)
- カリオセブン(5)
- パトウ症候群(13トリソミー)(5)
- 羊水検査なしで中絶(5)
- 費用(5)
- 精度(5)
- NIPTの疑問(5)
- メリット(5)
- NIPTの仕組み(4)
- COATE法(4)
- 中期中絶(4)
- エドワーズ症候群(18トリソミー)(4)
- 前のお子さんが染色体異常で中絶(4)
- 保因者検査(4)
- 偽陰性(4)
- 陰性だったのに(4)
- 陽性的中率(4)
- デメリット(4)
- 遺伝カウンセリング(3)
- 臨床遺伝専門医(3)
- 自閉症(3)
- 確定検査(3)
- 体外受精(3)
- 胎児分画(3)
- 胎児DNA割合(3)
- 超早期NIPT(3)
- 微小欠失症候群(3)
- GJB2(3)
- 前に流産死産(3)
- 双子(3)
- エコー(3)
- 受けるべきか(3)
- 受ける割合(3)
- 陰性(3)
- 妊婦・家族向け情報(3)
- 倫理(3)
- 流産(2)
- 遺伝子変異(2)
- 拡大型NIPT(2)
- ダイヤモンドプラン(2)
- 技術革新(2)
- 違い(2)
- クワトロテスト(2)
- 施設選び(2)
- ヌーナン症候群(2)
- 難聴(2)
- 海外(2)
- 超音波(2)
- 認定施設(2)
- 認証施設(2)
- 年齢制限(2)
- 基本情報(2)
- 微小欠失(2)
- Rasopathy(2)
- ラソパチー(2)
- どこまで調べる(1)
- 何を調べる(1)
- プラン(1)
- 合併症(1)
- 20代(1)
- 顔の特徴(1)
- 非定型所見(1)
- 無料カウンセリング(1)
- 遺伝病(1)
- 遺伝性疾患(1)
- 検査プラン(1)
- オンライン(1)
- 測定方法(1)
- 出生後に異常(1)
- IVF(1)
- 用語(1)
- 性染色体(1)
- 染色体(1)
- 非確定検査(1)
- 問題点(1)
- 種類(1)
- 顔(1)
- 特徴(1)
- 胎動(1)
- 痙攣(1)
- しゃっくり(1)
- 必要性(1)
- NIPT陽性(1)
- トリソミー13(1)
- 料金(1)
- 不妊(1)
- 自然妊娠(1)
- 医療費控除(1)
- 技術の進歩(1)
- タイムライン(1)
- 人生への影響(1)
- 確率(1)
- 年齢(1)
- 35歳(1)
- 羊水検査なしで出産(1)
- NIPT正常後に超音波検査で異常指摘(1)
- 上に障害のあるお子さんがいる(1)
- 産後うつ(1)
- セカンドオピニオン(1)
- 早すぎる(1)
- 割合(1)
- 全染色体(1)
- いつから(1)
- いつまで(1)
- わかること(1)
- 着床前診断(1)
- クアトロ(1)
- ガイドライン(1)
- お子さんに異常があるとわかっていても出産(1)
- 正確性(1)
- 結果待ち(1)
- 超音波検査(1)
- 微細欠失(1)
- 結果(1)
- SMA(1)
- 非認証施設(1)