目次
- 1 NIPT費用の相場はいくら?総額で比較するという考え方
- 1.1 1. 【結論】NIPTは“総額”で比較する検査です
- 1.2 2. NIPTの費用相場はいくら?
- 1.3 3. なぜここまで価格差があるのか
- 1.4 NIPT施設選びで失敗しないために
- 1.5 4. 陽性だった場合にかかる費用
- 1.6 医療費控除は使える?
- 1.7 5. 当院の費用設計の考え方
- 1.8 検査を受ける前に、きちんと理解したい方へ
- 1.9 6. 当院のNIPTプランと費用
- 1.10 7. 追加でかかる費用と制度
- 1.11 8. 陽性だった場合の流れ(準備しておくと安心です)
- 1.12 9. オンラインNIPTについて
- 1.13 10. 安いNIPTは本当にお得?後悔しやすい3つの落とし穴
- 1.14 11. 総額シミュレーション:本当にかかる費用はいくら?
- 1.15 12. 検査精度と価格の関係
- 1.16 よくある質問(FAQ)
- 1.17 関連記事
- 1.18 参考文献
NIPT費用の相場はいくら?
総額で比較するという考え方
NIPTの費用はいくらが相場なのか、気になりますよね。ですが、検査代の数字だけで判断してしまうと、あとで大きな不安を抱えることがあります。
- ➤NIPTの一般的な費用相場
- ➤なぜ価格に大きな差があるのか
- ➤陽性だった場合にかかる追加費用
- ➤総額で比較するという考え方
1. 【結論】NIPTは“総額”で比較する検査です
まずお伝えしたいのは、NIPTは検査代の安さで選ぶ検査ではないということです。
【結論】見るべきなのは検査代+陽性後の確定検査費用+カウンセリング体制まで含めた総額です。
「安いからここにしよう」と決めた後で、陽性結果が出てから慌てる方も少なくありません。だからこそ、最初から“その先”まで見ておくことが大切です。
価格は「入口」です。しかし本当に大きな差が出るのは、結果が出たあとです。陽性だった場合、誰が説明してくれるのか、どこで確定検査を受けるのか、追加費用はいくらかかるのか。ここまで見ないと、正しい比較はできません。
NIPTは「安く受けられる検査」ではなく、人生に関わる情報を扱う医療行為です。だからこそ、価格の数字だけでなく、体制まで含めて判断する必要があります。
2. NIPTの費用相場はいくら?
日本国内では、NIPTの費用はおおよそ15万円〜40万円台と幅があります。
- ➤3つのトリソミーのみ:比較的低価格帯
- ➤微細欠失まで含む検査:中価格帯
- ➤単一遺伝子まで含む次世代型:高価格帯
ですが、価格の差は単なる「利益」ではありません。技術、解析体制、フォロー体制が反映されています。
同じ「NIPT」という名前でも、検査範囲は大きく異なります。3つのトリソミーのみを対象とするものもあれば、微小欠失や単一遺伝子疾患まで含むものもあります。検査範囲が広がるほど、解析の難易度と専門性も上がります。
また、検査前後の遺伝カウンセリングが含まれているかどうかも重要です。説明が別料金の場合、総額は見かけより高くなります。
つまり、「相場」は一つではありません。何をどこまで含んだ価格かを必ず確認することが必要です。
3. なぜここまで価格差があるのか
検査会社によって使用するシーケンサー、解析アルゴリズム、バイオインフォマティクス体制は大きく異なります。
当院では、遺伝カウンセリング料33,000円が検査費用に内包されています。これは当日の説明だけでなく、陽性時や妊娠中の不安が生じた際にも何度でもご相談いただける体制を含んでいます。
遺伝子検査の世界では、シーケンサーの性能だけでなく、解析アルゴリズムとバイオインフォマティクス体制が精度を左右します。同じ機械を使っていても、解析の設計が違えば結果の信頼性は変わります。
特に微小欠失の領域では、従来の陽性的中率は70%台でしたが、COATE法では99.9%以上と報告されています。こうした技術差が価格に反映されます。
価格の差は単なる営業戦略ではなく、検査設計の差でもあるのです。
NIPT施設選びで失敗しないために
NIPTは「どこで受けても同じ」ではありません。
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➤
検査前に十分な説明があるか -
➤
陽性後の流れが明確か -
➤
確定検査まで一貫体制があるか
価格だけで決めてしまうと、陽性後に孤立する可能性があります。
4. 陽性だった場合にかかる費用
NIPTはスクリーニング検査です。陽性の場合、確定診断として羊水検査や絨毛検査が必要になります。
※学会指針では、原則として超音波での構造異常がある場合などが対象とされています。
確定検査には15万〜25万円前後かかることが一般的です。
陽性結果が出たときに本当に大きいのは、金銭的負担だけではありません。紹介先を自分で探す必要がある場合、時間的・心理的な負担が重なります。
検査は「陽性だったらどうするか」まで設計されているかどうかで、安心感が大きく変わります。
医療費控除は使える?
「NIPTは医療費控除の対象になりますか?」という質問は非常に多いです。
ただし、陽性→確定検査→医療処置という流れになった場合、その一連の医療行為が対象となる可能性があります。
税務上の扱いは個別事情により異なるため、最終的には税理士や税務署への確認が必要です。
5. 当院の費用設計の考え方
検査を受ける前に、きちんと理解したい方へ
当院では、お一人あたり約1.5時間の枠を取り、検査前に十分な遺伝カウンセリングを行います。
検査の意味、わかること・わからないこと、陽性だった場合の選択肢まで理解した上で受けていただきます。
不安なまま検査を受けることはありません。
当院のNIPTは「結果を早く出すこと」よりも、正確性と結果後の心の安全を大切にして設計しています。出生前検査は、妊娠中だけでなく、その後の人生にも関わる情報になり得ます。だからこそ、解析の質と、結果を受け止める支えまで含めて医療として整えています。
NIPTは母体血中のDNA断片(cfDNA)を解析して、胎児の染色体の数の異常などの可能性を評価するスクリーニングです。陽性の場合は、出生前の確定診断として羊水検査・絨毛検査で確認します。検査の意味と限界、結果の解釈は、遺伝カウンセリングで丁寧に整理します。
「認証/非認証」だけで判断しないために
日本には認証施設(大学病院中心)と非認証施設(民間主体)があり、「非認証=心配」と感じる方もいらっしゃいます。けれど本当に大切なのは、誰がどこまで責任を持って説明し、結果後まで一貫して支えられるかです。
【ポイント】当院は非認証施設ですが、臨床遺伝専門医が検査前の説明から結果の解釈、陽性後の対応まで一貫して担当します。2025年6月からは、院内で羊水検査・絨毛検査も実施できる体制を整えています。
「説明は短く、結果だけ渡される」「陽性後は紹介状だけ出される」――そうした流れが不安を強めることがあります。検査そのものより、結果を受け止める時間がいちばん苦しくなる方もいます。だからこそ、最初から“その先”まで見える体制が必要だと考えています。
6. 当院のNIPTプランと費用
当院では、検査の範囲(どこまで調べるか)によって複数のプランがあります。どのプランが合うかは「何が不安なのか」「どのリスクをどこまで確認したいか」で変わります。検査前の遺伝カウンセリングで、検査の意味・限界・結果の解釈、陽性時の選択肢まで丁寧にご説明します。
💡 当院のNIPTに共通すること
- ➤遺伝カウンセリング(33,000円相当)が検査費用に内包されています
- ➤当院のNIPTはすべて、必要最低胎児分画(胎児ゲノム率)3%です
- ➤陽性時は出生前の確定診断(羊水検査・絨毛検査)へつなぎ、結果の解釈まで支えます
| プラン名 | 費用(税込) | 検査範囲(要点) |
|---|---|---|
| ライトプラン | 176,000円 | 常染色体トリソミー(13/18/21)+性別 |
| スタンダードプラン | 198,000円 | ライトに加え、一部の先天性疾患に関連する領域 |
| NEWプレミアムプラン(COATE法) | 275,000円 | 常染色体トリソミー(13/15/16/18/21/22)+性染色体異数性(45,X/47,XXX/47,XXY/47,XYY)+微小欠失(12領域) |
| ダイヤモンドプラン(COATE法) | 451,000円 | NEWプレミアムの範囲+単一遺伝子(56遺伝子、30以上の単一遺伝子疾患に関連) |
補足:当院のNIPTは微小欠失を中心に設計されていますが、同じ領域でコピー数が増える「重複」が検出されることがあります。その場合、結果の意味づけは専門的な判断が必要となるため、遺伝カウンセリングで詳しくご説明します。
検査手法と精度の背景は、当院で公開している資料もあわせてご覧ください:偽陰性ゼロのエビデンス/COATE法のエビデンス。
7. 追加でかかる費用と制度
検査費用以外に、以下の費用が発生します。内容を知っておくと、不安が減ります。
| 項目 | 金額(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| マイページ利用料 | 550円 | マイページの使用料金 |
| 検査結果作成手数料 | 3,300円 | 全文検査結果書 |
| 羊水・絨毛検査 互助会費 | 8,000円 | NIPT受検者全員に適用。陽性時の確定検査(羊水検査・絨毛検査)費用を全額補助(マイクロアレイと入院費用は対象外) |
| 安心結果保証制度 | 6,000円 | 再検査が必要と分かった後に流産し、検体提出ができない場合に検査費用を返金 |
| 検査キット送料(オンラインのみ) | 5,500円 | オンラインの場合のみ |
互助会制度の詳細は、こちらでご案内しています:互助会制度について。
8. 陽性だった場合の流れ(準備しておくと安心です)
NIPTは確定診断ではないため、陽性の場合は確定検査で確認します。いちばん大切なのは、結果の意味を正しく理解し、必要な場合は次の検査へ落ち着いて進めるように準備しておくことです。
💡 陽性後の基本ステップ
- ➤結果の見方を整理(何が分かって、何がまだ分からないか)
- ➤出生前の確定診断(羊水検査・絨毛検査)で確認
- ➤確定結果を受けて、選択肢と支援を落ち着いて整理
羊水検査+CMA ◎ 確定診断 Gバンド法では検出できない微小欠失を確定診断可能。
※学会指針では、原則として超音波での構造異常がある場合などが対象とされています。
確定検査については、こちらで詳しく整理しています:妊娠中の確定診断(羊水検査・絨毛検査)。
9. オンラインNIPTについて
遠方の方やご都合がつきにくい方に向けて、当院ではオンラインでのご相談と検査にも対応しています。流れや注意点は、こちらでご確認ください:オンラインNIPT。
【大切なこと】検査を受けるかどうかは、ご家族の価値観と状況で決まります。私たちは決断を急がせるのではなく、検査の意味と限界、結果の解釈、陽性時の選択肢まで含めて整理できるように支えます。
10. 安いNIPTは本当にお得?後悔しやすい3つの落とし穴
検索すると「NIPT 安い」「最安値」といった言葉が目に入ります。費用を抑えたいと考えるのは自然なことです。ただし、初期費用だけで比較すると、総額が逆転することがあります。
【注意】安さの背景にある「省略されているもの」を確認しないと、あとから大きな不安を抱えることがあります。
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➤
① カウンセリングが別料金
検査前後の説明が十分でない、または別途費用がかかる場合があります。 -
➤
② 陽性後は紹介のみ
陽性結果後の具体的なサポートがなく、転院が必要になるケースがあります。 -
➤
③ 解析体制が簡略化されている
機械判定中心で、専門家による精査体制が十分でないこともあります。
費用の差は、検査の範囲・解析の深さ・結果後の支えの差でもあります。
11. 総額シミュレーション:本当にかかる費用はいくら?
ここで、具体的なケースを想定してみましょう。
| 項目 | 低価格例 | 当院例 |
|---|---|---|
| 検査費用 | 150,000円 | 176,000円〜 |
| 遺伝カウンセリング | 別途 30,000円 | 内包 |
| 陽性時の確定検査 | 約200,000円 | 互助会制度で全額補助 |
初期費用が安く見えても、陽性時に大きな負担が発生する可能性があります。
【重要】「自分は大丈夫」と思っていても、陽性率は決してゼロではありません。だからこそ、万一のときの設計を含めて比較することが大切です。
12. 検査精度と価格の関係
NIPTの価格差は、単なるブランド差ではありません。検査手法の違いが影響します。
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➤
ワイドゲノム法:広く浅く読む。偽陽性の問題が議論されることがあります。 -
➤
SNP法:母体DNAとの識別に優れます。 -
➤
COATE法:SNP法+ターゲット法を融合。微小欠失の陽性的中率は99.9%以上と報告されています。
精度の違いは、陽性・陰性の信頼性に直結します。
【まとめ】NIPTの費用は、「数字」ではなく「設計」で比較してください。検査の範囲、解析精度、結果後の支え、確定検査まで含めた総額が、本当の意味での費用です。
よくある質問(FAQ)
🏥 一人で抱え込まないでください
費用や検査の違いを調べるほど、不安が増えることがあります。
不安を減らす近道は、専門医と一緒に「情報を整理する」ことです。
関連記事
参考文献
- [1] ACOG. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. Practice Bulletin No. 226. [ACOG]
- [2] Gregg AR, et al. Noninvasive prenatal screening for fetal aneuploidy. Genet Med. 2016. [PubMed]
- [3] ISPD. Position Statement on prenatal screening and diagnosis. [ISPD]
- [4] ACMG. Clinical practice resources. [ACMG]
- [5] Wapner RJ, et al. Chromosomal microarray versus karyotyping for prenatal diagnosis. N Engl J Med. 2012. [PubMed]
- [6] Society for Maternal-Fetal Medicine (SMFM). Publications and guidelines. [SMFM]


