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「妊娠中の性行為」事情は、気になっていても聞きにくいでしょう。「赤ちゃんに影響はないのか」「妊娠中でもコンドームの装着が必要なのか」など、疑問点は多いかと思います。
本記事では、妊娠中における性行為について徹底解説していきます。
妊娠中の性行為の有無や留意点が理解し、パートナーとより良い関係を築くきっかけにしてください。
妊娠中に性行為をしても大丈夫?
結論から述べると、妊娠中の性行為は原則「しても良い」とされています。
実際に日本産科婦人科学会が監修している「HUMAN+」では、妊娠中の性行為について下記のように書かれています。
“セックスはしてもいいですが、妊娠中の女性はその気になれないこともあります。彼女のペー スを優先しましょう。おなかが張っているときは、控えた方がいいでしょう。”
[引用]HUMAN+|公益社団法人 日本産科婦人科学会
www.jsog.or.jp/public/human_plus_dictionary/book_vol2.pdf
流産や早産などのリスクがない場合は、妊娠中の性行為は赤ちゃんに影響は少ないとされています。
とはいえ、性行為をすると子宮への刺激になることは少なからずあるでしょう。
子宮が刺激されたことで、お腹が張ってしまう(収縮する)可能性もあるため、激しい性行為ではなく優しくソフトな性行為を心がけましょう。
もし、お腹が張っているなどの症状があれば性行為は控えて、ゆっくり休むことが大切です。
性行為自体が不安であったり、性行為後にお腹に違和感を感じる場合は、主治医に相談することをおすすめします。
妊娠中の性行為でもコンドームは必要?
「妊娠中の性行為でもコンドームの装着が必要なのか?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
結論からいうと、妊娠中で避妊の必要がなくてもコンドームは使用したほうが良いです。
コンドームは避妊以外の目的として、感染症のリスクを減らす目的でも使用されています。
赤ちゃんを感染症から守るためにも、コンドームの装着は必ず行いましょう。
感染症の観点からみると、感染予防のために体を清潔な状態にしてから性行為をすることも大切です。
性行為前にシャワーを浴びたり、オーラルセックスや肛門に触れる行為などは避けると良いです。
また、子宮が収縮するとお腹が張り、早産などのリスクにつながる可能性もあるため、性行為の際はきちんとコンドームを使用しましょう。
妊娠中の性行為による胎児への影響
「妊娠中の性行為は胎児に影響はないのだろうか?」「性行為が原因で流産や早産することはある?」など、性行為が原因で赤ちゃんに影響が出ないか不安な方も多いでしょう。
結論から述べると、性行為が直接的な原因で流産や早産を誘因することはありません。
母体に負担のない状態であり、感染症に気をつけて性行為をすれば、赤ちゃんに影響は少ないといえるでしょう。
とはいえ、前述したように性行為をすることで、少なからず子宮へ刺激を与えることになるため、収縮の要因になる可能性は考えられます。
その都度、なるべく負担のない範囲で性行為を行うと良いでしょう。
また、妊娠初期から中期にかけては、つわりが重かったり出血しやすかったり、不安定な時期が続くこともあります。
パートナーが辛そうにしている場合は、性行為が身体的にも精神的にも負担となり得るため、無理せずに性行為を控えるのがおすすめです。
妊娠中の性行為の注意点
妊娠中の性行為の注意点としては、以下が挙げられます。
- ・体調不良や体に異変があるときは性行為を控える
- ・安定期に入るまではできるだけ挿入は避ける
- ・女性側が負担となる体位での性行為は行わない
- ・ソフトな性行為を心がける
つわりなどで体調がすぐれない時や、お腹が張っている時などは性行為を控えるようにしましょう。
安定期に入るまでは子宮への負担を考慮し、なるべく挿入は避けたほうが得策です。
また、安定期を過ぎたあとも、女性が負担となる体位は避け、無理のない体勢で行いましょう。
さらに、妊娠中の女性の体は以前よりも敏感になっている可能性があります。
女性の体に触れる際はなるべく優しく、控えめの性行為を心がけましょう。
妊娠中の性行為を避けておくべきタイミング
「妊娠中の性行為は原則しても良い」といっても、性行為を避けておくべきタイミングもあります。
性行為を避けておくべきケースは下記のとおりです。
- ・主治医から安静にするように指示がある場合
- ・お腹に張りを感じる時
- ・腹痛がある時
- ・つわりがひどい時
- ・体調不良を感じた時
- ・原因が不明の膣出血または分泌がある時
- ・過去に流産や早産したことがある場合
- ・多胎(双子や三つ子など)の場合
- ・前置胎盤など胎盤位置に異常がある場合
上記に1つでも当てはまる場合は、主治医に相談したうえでパートナーとの性行為の有無について話し合ったほうが良いでしょう。
パートナーが妊娠中の性行為に消極的だったら?
妊娠初期は、つわりが始まるため性行為どころか日常生活にも支障がでることがあります。
食べたり動いたりすることも辛いと感じる時期に、性行為をするのは負担となる可能性もあります。
もし、性行為に少しでも乗り気でない場合は、パートナーに相談して無理に性行為をするのは控えましょう。
また、妊娠中の女性が性行為をする気になれないのは、「母性本能」も関係しているといわれています。
無意識的に性行為によるリスクを考え、お腹にいる赤ちゃんを守るために、性欲が減退しているのかもしれません。
パートナーには、正直にその旨を伝え、体の変化について理解してもらいましょう。
一方で、女性だけでなく男性側もパートナーが妊娠中に性欲が弱くなることがあります。
それは、父親になることへの不安や、母体や赤ちゃんへの影響・リスクが気になるなど、心理的な要因で性欲が減退することが多いです。
この場合も同様に、パートナーに素直に打ち明け、より密なコミュニケーションを取りながら、お互いの気持ちを尊重し合える選択ができると良いでしょう。
性行為以外のスキンシップをしよう
妊娠すると、つわりなどの身体的な負担や、赤ちゃんへの影響を考えてしまう心理的な不安から、性行為をする気にならない人も多いです。
その場合は、無理に性行為はせずにパートナーに素直に伝えることが大切です。
性行為をする気分にならない時は、他のスキンシップ方法を検討してみましょう。
性行為以外にも、手をつないだり抱きしめ合ったりするだけでも、満足度は高いです。
実際に、手をつないだり抱きしめたりするスキンシップによって、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されるといわれています。
オキシトシンは、副交感神経が優位にはたらくようになるため、分泌されると心身ともにリラックスし、ストレスを軽減させる効果があります。
妊娠中は、つわりの辛さや体の変化などで、心が不安定になることも多いので、パートナーとのスキンシップで心の負担を軽減することが大切です。
また、スキンシップ以外にも、会話でのコミュニケーションも大事でしょう。
性行為ができない分、相手への愛情表現を言葉で伝え、パートナーを思いやる気持ちを常に伝えられると良いです。
妊娠する前よりも絆や関係性が深め、出産や育児を支え合えるパートナーとなれるよう、お互いの気持ちを尊重しましょう。
【まとめ】妊娠中に性行為をする際はコンドームを装着して無理なく!
流産や早産などのリスクがない場合は、妊娠中の性行為は赤ちゃんに影響は少ないとされています。
とはいえ、性行為をすると子宮への刺激になることは少なからずあるでしょう。
子宮が刺激されたことで、お腹が張ってしまう可能性もあるため、激しい性行為ではなく優しくソフトな性行為を心がけましょう。
また、妊娠中で避妊の必要がなくても、コンドームの使用は必須です。
コンドームは避妊以外の目的として、感染症のリスクを減らす目的でも使用されています。
お腹にいる赤ちゃんを感染症から守るためにも、コンドームの装着は必ず行いましょう。
もし、性行為自体が不安であったり、性行為後にお腹に違和感を感じる場合は、主治医に相談することをおすすめします。
留意点として、性行為に少しでも乗り気でない場合は、パートナーに相談して無理に性行為をするのを控えることが得策です。
性行為をする気分にならない時は、他のスキンシップ方法を検討してみましょう。
性行為以外にも、手をつないだり抱きしめ合ったりするだけでも、満足度は高くストレス軽減につながります。
性行為ができない分、相手への愛情表現を言葉で伝え、パートナーを思いやる気持ちを大切にしましょう。