InstagramInstagram

妊娠中期の腹痛|生理痛のような痛み・出血なしは大丈夫?受診の目安を専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。2025年国際誌『Global Woman Leader』表紙抜擢など、世界基準の出生前診断と遺伝カウンセリングを提供。

安定期に入ったはずなのに、「生理痛のような痛み」「ギューっと締めつけられる」「出血はないのに下腹部が痛い」——妊娠中期のお腹の痛みは、多くの妊婦さんが経験するものです。そのほとんどは、赤ちゃんの成長にともなって子宮が大きくなる過程で起こる自然な痛みですが、なかには見逃してはいけない痛みもあります。本記事では、よくある痛みの正体と、危険な腹痛の見分け方、そして受診の目安までを、臨床遺伝専門医の立場からやさしく整理します。まずは深呼吸して、順番に確認していきましょう。

この記事でわかること
📖 読了時間:約10分
🤰 妊娠中期・腹痛
臨床遺伝ほか3専門医資格を持つ医師が監修

Q. 妊娠中期に腹痛を感じたら、まずどう考えればいいですか?

A. まずは動きを止めて安静にし、「時間・お腹の固さ・リズム・出血の有無」の4点で判断します。安静にして数分でやわらぐ痛みの多くは、子宮が大きくなる過程で靭帯が引き伸ばされる自然な痛みです。一方で、30分以上続く・お腹が石のように固い・規則的に痛む・出血をともなう場合は、妊婦健診を待たずにかかりつけへご連絡ください。「胎動があるから大丈夫」を判断のよりどころにするのは危険です。

  • 生理痛のような痛み → 多くは子宮が大きくなり靭帯が伸びる自然な痛み。安静で軽くなる
  • 危険な腹痛 → 激痛・息苦しさ/石のように固い/出血/規則的な痛みは、すぐ連絡
  • 出血なしの下腹部痛 → 安心材料にはなるが、痛みの様子とセットで判断する
  • 痛み方の違い → ギュー・ズキズキ・チクチクは、医師に伝える手がかりになる
  • 症状別の対処法 → 下腹部痛・お腹の張り・胃痛それぞれの和らげ方と予防法

🤰 妊娠中期の腹痛・症状別 早見表

症状・痛み方 よくある原因 まずの対処
生理痛のような鈍い痛み 子宮が大きくなり靭帯が引き伸ばされる 横になって安静に/お腹を温める
チクチク/片側だけズキズキ 靭帯が伸びる・体をひねった刺激 姿勢を変えて安静に
お腹がパンパン・苦しい 便秘・ガス/前駆陣痛/臓器の圧迫 水分と食物繊維/安静
みぞおち・胃の痛み 消化がゆっくりに/胃酸の逆流 消化のよい食事/腹八分目
激痛・石のように固い・出血・規則的 切迫早産などのサインの可能性 健診を待たずに病院へ連絡

各症状のくわしい原因と対処は、本文の該当セクションをご覧ください。この表はあくまで目安で、自己判断に代わるものではありません。

\ 不安をひとりで抱えないために /

📅 24時間WEB予約を確認する

※体調や検査のご相談も可能です/お問い合わせ

1. 「生理痛のような痛み」の正体 ─ 子宮が大きくなるサイン

検索でいちばん多く寄せられるのが、この「生理痛のような痛み」というご相談です。下腹部がズーンと重い、キューッと締めつけられる、鈍く痛む——生理のときの感覚によく似ているため、「何かよくないことが起きているのでは」と不安になってしまいますよね。結論からお伝えすると、妊娠中期のこの手の痛みの多くは、赤ちゃんの成長にともなって子宮が大きくなる、その過程で起こる自然な痛みだと考えられています。

妊娠中期(おおむね妊娠16週〜27週)になると、赤ちゃんはぐんぐん大きくなり、子宮も大人の頭ほどのサイズにまで育っていきます。その子宮を骨盤の中で支えているのが、円靭帯(えんじんたい)と呼ばれる、ゴムのようなひものような組織です。子宮が大きくなると、この靭帯がぐいっと引き伸ばされます。引っ張られた靭帯が、生理痛のような鈍い痛みやチクチクする痛みを起こす——これが痛みの正体のひとつです。

💡 用語解説:円靭帯(えんじんたい)

円靭帯は、子宮を左右から支え、骨盤の前のほうへつながっている靭帯です。子宮が大きくなるとゴムのように引き伸ばされます。セーターの袖口のゴムを少しずつ長く伸ばしていく様子を思い浮かべてみてください。急に立ち上がったり体をひねったりしたときに「ピキッ」と痛むのは、この靭帯が引っぱられるためだと考えられています。

痛みの出方には個人差があります。左右同時に感じる方もいれば、片側だけ、あるいは左右交互に痛む方もいます。「引っ張られるような感じ」「つっぱる感じ」と表現される方も多く、これらはいずれも靭帯が伸びる痛みとして説明がつくことがほとんどです。とくに「妊娠18週ごろから生理痛のような痛みが出てきた」というように、子宮が大きくなる時期と痛みの時期が重なるのは、自然な経過のひとつと考えられます。

では、どう対処すればよいのでしょうか。まずは動きを止めて安静にすることが基本です。家事や仕事の途中なら、いったん手を止めて腰かけて休むか、可能なら横になってみてください。すぐに横になれないときは、深呼吸をしてゆっくり息を吐くだけでも、痛みがやわらぐことがあります。予防としては、腹帯などでお腹を冷やさないように温めておくのもよいでしょう。ただし、安静にしても痛みがおさまらない、だんだん強くなる、規則的に痛む場合は別の話です。次の章で、その見分け方をくわしくお伝えします。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「様子を見ていいですか」と聞かれたら】

診察室で「この痛みは様子を見ていいですか」とよく尋ねられます。私はいつも、「様子を見る」というのは”何もしない”ことではなく、”どう変わるかを観察する”ことです、とお伝えしています。安静にして5分・10分と時間をおいたときに、やわらいでいくのか、変わらないのか、強くなるのか。その変化こそが、いちばん確かな手がかりになります。

そして、迷ったら連絡してよいのです。「これくらいで電話していいのかな」と我慢して、あとで「もっと早く言ってくれれば」となるより、ずっと良い。かかりつけの産婦人科は、そのための存在です。遠慮はいりません。

2. 見逃してはいけない「危険な腹痛」の見分け方

ほとんどの痛みは心配のいらないものですが、中には、すぐに医療機関へ連絡すべき痛みもあります。この章だけは、ぜひしっかり読んでおいてください。判断の分かれ目は「時間」と「痛みの質」、そして「ほかの症状をともなうか」です。

🚨 こんなときは、すぐ病院へ連絡

  • 今までに感じたことのない激しい痛み・息苦しさをともなう
  • お腹を触ると石のように固く張っている状態が続く
  • 腹痛とともに性器からの出血がある
  • 規則的な間隔で痛みが繰り返しやってくる
  • 安静にしても30分以上おさまらない、または何度も繰り返す

こうした痛みは、切迫早産のサインであることがあります。切迫早産とは、妊娠22週以降に腹痛・お腹の張り・出血などがみられ、赤ちゃんが予定より早く生まれてしまう可能性がある状態のことです。ただし、こう聞いて必要以上に怖がる必要はありません。早めに気づいて安静にし、適切な処置を受ければ、多くの場合、妊娠は続けられます。だからこそ「早く連絡する」ことに意味があるのです。

🔬 用語解説:切迫早産

切迫早産とは「早産になりかかっている」状態のこと。まだ早産にはなっていませんが、そのリスクが高まっているため、安静や治療で赤ちゃんがお腹の中にとどまれるよう支える段階です。ひとつのサインが「規則的な張り」で、10分おき・5分おきというように時計で測れるリズムで張りや痛みが来るときは、時間を記録して受診の際に伝えてください。

ここでひとつ、はっきりお伝えしておきたいことがあります。「胎動を感じていれば、お腹が痛くても大丈夫」という話をよく耳にしますが、これを判断のよりどころにするのは危険です。胎動があっても、切迫早産や胎盤の異常が進んでいることはあります。胎動は赤ちゃんの元気さのひとつの目安にはなりますが、痛みの安全性を保証するものではありません。気になる痛みがあれば、妊婦健診を待たずに受診する——この一点だけは、覚えておいていただきたいと思います。

3. 「出血なし」なら本当に安心してよいの?

「下腹部が痛いけれど、出血はない。これなら大丈夫だろうか」——これも本当によくいただくご質問です。まず前向きなことをお伝えすると、出血をともなわない軽い痛みは、子宮が大きくなる過程での靭帯の痛みや、便秘・ガスによるお腹の張りであることが多いものです。その意味では、出血がないことは、ひとつの安心材料になり得ます。

ただし、「出血がない=絶対に大丈夫」とまでは言い切れません。切迫早産の初期には、出血をともなわず、お腹の張りや痛みだけが先に出ることもあるからです。ですので、判断は「出血の有無」だけでなく、次の3つを合わせて考えてください。

🔎 出血がなくても、ここを確認

①痛みの続く時間…安静にして30分以上おさまらない、あるいは何度も繰り返すか。

②お腹の固さ…石のようにカチカチに張って、その状態が続くか。

③リズム…痛みや張りが規則的な間隔でやってくるか。

この3つのどれかに当てはまるなら、出血がなくても、かかりつけに連絡してよい状況です。逆に、少し横になっただけでスッと軽くなり、繰り返さないのであれば、まずは経過を見ながら次の健診で相談する、という判断が現実的なこともあります。「出血がないこと」を一人で判断材料にしすぎず、痛みの様子とセットで見る——これが安全な考え方です。なお、出血があれば量の多少にかかわらず、痛みがなくても一度ご連絡ください。少量でも、原因を確かめておくことが安心につながります。

4. 痛み方でわかる? ギュー・ズキズキ・チクチクの違い

「どんな痛みか」を言葉で表すと、原因を考えるヒントになることがあります。もちろん痛み方だけで診断はできませんが、ご自身の状態を医師に伝えるときの手がかりになりますので、代表的な3つを整理しておきましょう。

「ギューッ」と締めつけられる…お腹全体や子宮のあたりがギューッとするのは、多くの場合、子宮が一時的に収縮している状態です。前駆陣痛(ブラクストン・ヒックス収縮)という練習のような弱い収縮のこともあります。動いたあとや疲れたときに感じやすく、休むとおさまるなら、多くは心配のいらないものです。ただし規則的に繰り返す・休んでもおさまらないときは、危険な腹痛の項目に戻って確認してください。

「ズキズキ」する(左だけ・右だけのことも)…片側だけに出るのは、その側の靭帯がとくに引っ張られているためと考えられることが多く、体をひねったり急に動いたりしたときに出やすい傾向があります。多くは姿勢を変えて安静にすると軽くなります。片側の痛みがどんどん強くなる、発熱をともなうときは別の原因も考える必要があるため、受診をおすすめします。

「チクチク」する…針で軽く刺されるような痛みは妊娠中期にとても多い感覚で、子宮が伸びる過程や皮膚が引き伸ばされること、腸の動きなどが関係していると考えられます。短時間で消える・場所が一定しないチクチクは、多くの場合、経過を見てよいもの。同じ場所が持続的にチクチクし続ける、痛みが強まるときは健診で相談しておくと安心です。

💡 ここが大事です:痛みの”名前”よりも、「時間」「固さ」「リズム」「出血の有無」のほうが、危険かどうかの判断には役立ちます。痛み方は医師に伝える材料として覚えておき、判断は前の章の基準で行ってください。

5. 下腹部痛・お腹の張り・パンパンになる感じ

妊娠中期は、下腹部が痛んだり、お腹がパンパンに張って苦しくなったりすることがよくあります。危険なケース以外でよくある原因と、その対処法を整理します。よくあるのは、これまでにお伝えした子宮が大きくなって靭帯が伸びる痛みと、ホルモンバランスの変化で下痢や便秘を繰り返すことによる痛みです。妊娠中は腸の動きがゆっくりになりやすく、便秘がちになる方が多いのですが、その反動で下痢になったり、ガスがたまって差し込むような痛みが出たりすることがあります。

基本の対処は、横になって痛みがやわらぐまで安静にすること。腹帯やお風呂でお腹を温めるのも役立ちます。疲れやストレスでも下腹部痛は起こりやすいので、体だけでなく気持ちの面でも無理をしないでください。お腹がパンパンに苦しいときは、赤ちゃんが大きくなって周りの臓器を押していること、腸にガスがたまっていること、便秘、前駆陣痛などが考えられます。水分と食物繊維をしっかりとって腸の調子を整え、苦しいときは安静にしましょう。出血をともなわなければ妊娠に大きく影響していないことが多いのですが、痛みがどんどん強くなる、張りが規則的に繰り返す、動けないほどの激痛のときは、早めに受診・連絡してください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【便秘を”たかが便秘”と侮らないこと】

妊娠中の便秘は、想像以上につらいものです。差し込むような痛みが出て「これは陣痛では」と不安になり、受診されたら便秘だった、というのは珍しくありません。恥ずかしいことでも、我慢すべきことでもありません。

水分と食物繊維、そして体を軽く動かすこと。それでもつらいときは、妊娠中でも使えるお薬を処方できます。自己判断で市販薬に頼る前に、一度ご相談ください。お腹の張りと便秘の痛みは、慣れないうちは見分けにくいもの。だからこそ、遠慮なく確認してほしいのです。

6. 胃痛・胃もたれ・みぞおちの痛み

「お腹の上のほう、みぞおちのあたりが痛い」という場合は、子宮ではなく胃や消化管が関係していることがあります。妊娠中期に胃痛や胃もたれに悩む方は少なくありません。主な原因は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で腸の動きが鈍くなり消化がゆっくりになること、そして大きくなった子宮に胃が下から押され、胃酸が逆流しやすくなることです。胃酸が食道へ逆流すると、みぞおちの焼けるような感じ(いわゆる逆流性食道炎のような症状)が出ることがあります。ほかに、出産が近づく不安や、体を思うように動かせないストレスが胃の不調につながることもあります。

対処のポイントは、刺激の強い食べ物を避けることです。脂っこいもの、酸の強いもの、辛いものは控えめにし、消化のよいものを選びましょう。つわりがおさまって食欲が戻る時期でもありますが、食べすぎは胃痛のもと。腹八分目を意識すると、胃の負担も体重の増えすぎも防げます。温かい飲み物をとる、お風呂で温まるのもおすすめです。ただし、動けないほどの激痛や、食事がまったくとれないときは、急性胃炎などの可能性もあるため、内科や消化器内科を早めに受診してください。

7. 受診の目安と、仕事との両立で気をつけたいこと

ここまでの内容を、受診の目安としてまとめておきましょう。少し安静にしてよくなるなら、まずは経過を見て構いません。一方で、30分以上続く、何度も繰り返す、規則的に痛む、出血がある、お腹が石のように固い、激痛や息苦しさをともなう——これらのどれかがあれば、健診を待たずに病院へ連絡してください。「これくらいで連絡していいのかな」という遠慮は、まったく必要ありません。

🩺 受診の目安チャート

まずは安静でOK…休むと数分でやわらぐ/繰り返さない/出血なし。次の健診で相談を。

早めに連絡…30分以上続く/何度も繰り返す/お腹が固い状態が続く。

すぐ受診・電話…出血がある/規則的な張り/激痛・息苦しさをともなう。

迷ったら…判断に迷うこと自体が、連絡してよいサイン。遠慮せず相談を。

とくに、妊娠中期も仕事を続けている方は、動く機会が多く、立ちっぱなしや動きすぎで腹痛を感じやすくなります。痛みが頻繁にあるなら、無理をせず、職場の方やパートナーとよく相談してください。業務内容を調整してもらう、こまめに休憩をとる、必要なら早めに産前休業に入る——そうした対処が、あなたと赤ちゃんの両方を守ります。妊娠中の腹痛の多くは、赤ちゃんが元気に育っているからこそ起こる、体の変化のサインです。それでも痛みに向き合う夜は心細いもの。「これは大丈夫な痛みかな」と迷ったら、どうかひとりで抱え込まず、かかりつけの産婦人科にご相談ください。

8. よくある誤解

誤解①「胎動があれば腹痛は心配ない」

胎動は赤ちゃんの元気さの目安にはなりますが、痛みの安全性を保証するものではありません。胎動を感じていても、切迫早産などが進んでいることはあります。痛みが気になるときは、胎動の有無にかかわらず受診してください。

誤解②「出血がなければ絶対に大丈夫」

出血がないことは安心材料のひとつですが、切迫早産の初期は出血をともなわないこともあります。痛みの続く時間・お腹の固さ・リズムと合わせて判断してください。

誤解③「安定期だから痛みは気にしなくていい」

安定期は体調が落ち着きやすい時期ですが、トラブルが起きないという意味ではありません。子宮が大きくなるぶん、体には負担がかかります。危険なサインを知っておくことが安心につながります。

誤解④「痛み止めを自分で飲めば対処できる」

市販の痛み止めのなかには妊娠中に避けたほうがよいものもあります。自己判断で薬に頼る前に、まずは安静にし、必要ならかかりつけに相談してください。妊娠中でも使えるお薬を処方できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠中期の「生理痛のような痛み」は、赤ちゃんに影響しますか?

多くの場合、子宮が大きくなる過程で靭帯が引き伸ばされることによる痛みで、赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられています。安静にすると軽くなるのが特徴です。ただし、30分以上続く、規則的に痛む、出血をともなう場合は別ですので、かかりつけの産婦人科にご連絡ください。

Q2. 出血がなければ、下腹部が痛くても様子を見て大丈夫ですか?

出血がないことは安心材料のひとつですが、それだけで判断しないことをおすすめします。切迫早産の初期は出血をともなわないこともあるためです。「痛みが30分以上続く」「お腹が石のように固い」「規則的に痛む」のいずれかがあれば、出血がなくても連絡してください。

Q3. どんな腹痛なら、すぐ病院に連絡すべきですか?

今までに感じたことのない激痛や息苦しさをともなう、お腹が石のように固く張っている、腹痛とともに出血がある、規則的な間隔で痛みが繰り返す——これらは切迫早産などのサインのことがあります。安静にして30分以上おさまらない場合も含め、健診を待たずにご連絡ください。

Q4. 「胎動を感じていれば痛くても大丈夫」は本当ですか?

これを判断のよりどころにするのは危険です。胎動があっても、切迫早産などが進んでいることはあります。胎動は赤ちゃんの元気さのひとつの目安にはなりますが、痛みの安全性を保証するものではありません。気になる痛みがあれば、胎動の有無にかかわらず受診してください。

Q5. 左だけ、または右だけがズキズキ痛みます。大丈夫でしょうか?

片側だけの痛みは、その側の靭帯がとくに引っ張られているためと考えられることが多く、姿勢を変えて安静にすると軽くなることがよくあります。ただし、痛みがどんどん強くなる、発熱をともなう場合は別の原因も考える必要があるため、受診をおすすめします。

Q6. お腹が「ギューッ」と締めつけられます。これは陣痛ですか?

動いたあとや疲れたときに感じ、休むとおさまる「ギューッ」は、前駆陣痛(ブラクストン・ヒックス収縮)と呼ばれる練習のような弱い収縮のことがあります。多くは心配のいらないものです。ただし、規則的に繰り返す、休んでもおさまらないときは切迫早産のサインのこともあるため、時間を記録してご連絡ください。

Q7. みぞおち・胃のあたりが痛いのは、腹痛と関係ありますか?

お腹の上のほうの痛みは、子宮ではなく胃が関係していることがあります。妊娠中はホルモンの影響で消化がゆっくりになり、大きくなった子宮に胃が押されて胃酸が逆流しやすくなるためです。刺激物を避け、腹八分目を意識すると和らぐことが多いですが、激痛や食事がとれない場合は内科・消化器内科を受診してください。

Q8. 仕事中に腹痛が出やすいのですが、どうすればよいですか?

立ちっぱなしや動きすぎで痛みが出やすくなります。こまめに休憩をとり、痛みが頻繁にあるなら業務内容の調整や、早めの産前休業も選択肢です。無理をせず、職場やパートナーと相談してください。妊娠中の休みの取り方や会社への伝え方をまとめた記事も参考になります。

🏥 不安を、ひとりで抱えないために

妊娠中期の腹痛に不安を感じている方も、体調のことで迷っている方も、
どうぞお気軽にご相談ください。臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックが、
あなたの妊娠生活に寄り添います。

参考文献

  • [1] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Preterm Labor and Birth (FAQ). [ACOG]
  • [2] NHS. Stomach pain in pregnancy. [NHS]
  • [3] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Bleeding During Pregnancy (FAQ). [ACOG]
  • [4] National Institute for Health and Care Excellence (NICE). Preterm labour and birth(NG25). [NICE NG25]
  • [5] World Health Organization (WHO). Preterm birth (fact sheet). [WHO]
  • [6] NHS. Indigestion and heartburn in pregnancy. [NHS]

関連記事

お腹の張り妊娠中期のお腹の張り|受診の目安と8つの対処法張りの原因と、休むべきタイミングをまとめています。出血妊娠中期に出血する原因といざというときの行動危険な症状のチェック表つきで解説しています。切迫早産切迫早産とは?早産との違いや原因・予防策見逃したくないサインと過ごし方を解説します。便秘妊娠中期の便秘は原因が違う?対策を詳しく解説差し込むような腹痛につながる便秘の対処法です。腰痛妊娠中期の腰痛がつらい!試したい5つの方法腹痛と一緒に出やすい腰の痛みへの対処法です。基礎妊娠中期の赤ちゃんの状態や生活上の注意点この時期の体の変化と過ごし方の全体像です。

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

関連記事